J. S.バッハの音楽というのは、気忙しい現代人にとって大掛かり過ぎるし、また、近寄りがたい面があると思うかもしれない。じつは私もその一人であることには違いないが、バッハの曲が、現代的な音楽の尺度からみると、膨大かつ長大にならざるを得ないのには理由がある。これは意外にも実務的な要因に拠る。特に祝日や祭礼のための音楽は、主にカンタータの形式で書かれ、20分から30分に及ぶ宗教曲が年間60曲ほど必要であったという。これらの曲の多くは、宗教的な神に対する捧げ物として書かれた一方、教会組織に対する捧げ物として制作された経緯があることを考慮に入れたい。バッハとても、もし「こういった曲を書いてほしい」という依嘱がなければ、これほどまでに膨大な総数を持つBWVを作らなかったことは明らかなのである。
1968年に、カエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ギルは『Tropicalia: ou Panis Et Cercencis』を発表し、正式にトロピカリアという名称が音楽的な活動の一環として組み込まれた。本作はオムニバス形式で発売され、ブラジル国内の最初のコンセプト・アルバムだと見なされている。国内のムーブメントを担う有名ミュージシャンが参加したビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(1967)に触発されて制作され、セルソ・ファヴァレットは本作を「トロピカリアの集大成」と評する。ただし、後年、ムタンチスのセルジオ・ヂアスは、同作について「政治的には意味はあったが、『サージェント・ペパーズ』のような音楽的な記念碑となるまではいかなかった」と自省的に語っている。しかし、商業的にはかなりの成功を収め、1968年10月の時点で2万枚を売り上げる大ヒット作となった。
60年以上にわたるキャリアの中で、フサイン氏はグラミー賞を4回受賞し、7回ノミネートされた。第66回グラミー賞では、最優秀グローバル・ミュージック・パフォーマンス賞(Pashto)、最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム賞(As We Speak)、最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞(This Moment)を受賞した。
コンピレーションは、エイフェックス・ツインがヒューストンで開催された「Day for Night」フェスティバルの一環として、8年ぶりに北米で開催されたイベントで、これらのオリジナル・レコードの最初の作品『Houston, TX 12.17.16』が同様に予告なしにリリースされてから7年後に到着した。
Ian Hawgood(イアン・ホーグッド)は東京/ロンドン在住。かねてから東京に住み、アンビエント制作に勤しんできた。その傍ら、自主レーベル''Home Normal''を運営している。彼のアンビエント作品は平和をモチーフにすることが多い。クリアで透徹したサウンドワークは音楽に疲れ気味な方に最適です。静けさに耳を澄ませてみよう。
彼らのデビューアルバム『フォックスベース・アルファ』は、1991年にリリースされ、不朽のヒット曲「Only Love Can Break Your Heart」と「Nothing Can Stop Us」を収録し、批評家から高い評価を得た。続いて、全英シングルチャート12位となったシングル「You're in a Bad Way」を収録した『ソー・タフ』(1993年)と、テクノ・フォークの実験を取り入れた『哀しみ色のムーヴィー』(1994年)が発表された。両アルバムはトップ10に到達。彼らの初期は、ゴールド認定されたコンピレーション『Too Young to Die: Singles 1990-1995』で締めくくられ、エティエンヌ・ダオとの共作でバンド史上最高のチャートを記録したシングル「He's on the Phone」を制作した。
バンドは『グッド・ユーモア』(1998年)でインディー・ポップを取り入れ、リード・シングル「シルヴィ」は12位に達した。2000年代までに、セイント・エティエンヌは『サウンド・オブ・ウォーター』(2000年)でアンビエント・ミュージックへと軸足を移し、『Finisterre』(2002年)と『テイルズ・フロム・ターンパイク・ハウス』(2005年)ではこれらのスタイルの転換と初期の影響への回帰を醸し出した。2010年代には、『Words and Music by Saint Etienne』(2012年)と『ホーム・カウンティーズ』(2017年)で、彼らのサウンドが現代的にアップデートされた。アルバム『アイヴ・ビーン・トライング・トゥ・テル・ユー』(2021年)では、約20年ぶりとなるサンプリングを取り入れ、1994年以来の最高位14位のアルバムとなった。
バンド名はフランスのサッカークラブ、ASサンテティエンヌに由来する。日本では、1993年にNOKKO(レベッカのボーカリスト)のアルバム『CALL ME NIGHTLIFE』『I Will Catch U.』に楽曲提供もしている。NOKKOとのレコーディングでは、ロンドンにある自宅スタジオにメンバーを招いており、「これは当時界隈で増えてきていたベッドルーム・レコーディングという手法だが、その点で先をいっていたアーティストだった」とNOKKOがインタビューで振り返っている。
セイント・エチエンヌが12枚目のスタジオ・アルバム『ザ・ナイト』を2024年12月13日にヘブンリー・レコーディングスからリリースする。絶賛された2021年のアルバム『I've Been Trying To Tell You』に続くアルバム『The Night』は、日常生活の混沌から逃れ、時間外のエッセンスを捉えたアンビエントな作品だ。このアルバムは、リスナーを幾重にも重なる静寂の中に誘い、落ち着かない心を落ち着かせ、現代生活の容赦ないペースからの穏やかな休息を提供する。
アルバム "The Night "は、サン・テティエンヌの伝統である、音による没入型のストーリーテリングを継承している。ストリーミング・プラットフォームやYouTubeで聴くことができるハイライト曲"Half Light "を聴けば、アルバムのサウンドをいち早く垣間見ることができるだろう。
その後、『Night」では作風を固定することなく、変幻自在なサウンドが繰り広げられる。これは近年のアンビエントポップの台頭とリンクする。シンセストリングス、ピアノとディケイによるエフェクトを用いたアンビエントが「Through The Grass」続くが、全体的な印象論としては、このサウンドはトリップ・ホップの「抽象的なポップス」という隠された主題と地続きにあるような気がする。それは実際的には、次世代のサウンドを予見させるものがある。特にこのアルバムでは、画期的な録音技術が用いられることがあり、それはサラ・クラックネルのリードボーカルの曲に顕著に立ち現れる。ボーカルに過剰なエフェクトをかけ、音像を極限まで引き伸ばすという手法は、スマイルの作品『Wall Of Eyes』や、リアム・ギャラガー、ジョン・スクワイアのセルフタイトルアルバム『Liam Gallagher& John Squire』にもすでに活用されている。
アルバムの中盤では、短いシークエンスを設け、オーケストラのムーブメントのような形式を織り交ぜている。「Ellar Carr」は、ボーカル録音を器楽的に解釈し、オーケストラの楽器の一貫のような形で解釈するというアートポップではよく使われる技法が取り入れられている。これはアルバムの一曲目と同じように、なにかしら近未来的な音のイメージを感取することが出来る。「When You Were Young」では、ブンと唸るシンセサイザーのベースを基にして、フィールド・レコーディングとオーボエの演奏を交え、チェンバーポップの未来形を示している。他の曲と同じように、それほど派手さはないけれど、ボーカルの録音の重ね方に面白さがある。
アルバムの終盤でも、Jayda Gがもたらした「スポークンワードによるストーリーテリング」の要素が強調される。これは海外的には流行りのスタイルであり、例えば、日本では鶴田真由さんがすでに試しているが、 日本のミュージックシーンでもこれから頻繁に使用されるようになるかもしれない。アルバムのクライマックスでは、「ウォール・オブ・サウンド」の教科書のようなサウンドが登場する。「Hear My Heart」では、録音された場所の反響を上手く活かし、そのフィールドでしか得られない特別なサウンドを提供している。 そして、セイント・エティエンヌは、70、80年代ごろのポップスのノスタルジアを付加している。さらにクラフトワークのような電子音を付け加え、シンセポップの形式をレトロな側面から再検討しているのも面白い。
これらの実験や試作が完璧に行ったとは言えないかもしれない。まだこのサウンドは未知数。しかし、このアルバムには実験音楽としての冒険心、そして未知なる音楽への道筋が示されており、冒頭曲「Settle In」、「When You Were Young」では、近未来的なイメージを覚えることもある。加えて経験豊富なアーティストとしてのイディオムも登場するのに注目。いわば時間を持たない、音楽の普遍的な魅力が内在している。「Alone Together」では、ヨットロックのような形式が登場し、アルバムの中では、バンドアンサンブルの性質が色濃い。ローズピアノ、ベース、ギターの基本的な構成に加えて、金管楽器のレガートが曲に掴みどころをもたらしている。本作のクライマックスにはシタールのドローンを用い、独創的なサウンドを構築している。
ロネッツに始まり、ビートルズ、ビーチ・ボーイズ、そして、ブルース・スプリングスティーン、ラモーンズに至るまで、60年代以降の録音技術に革新をもたらしたフィル・スペクター。彼は、パンデミックの最初期に亡くなっている。日本のポップスにも影響を与え、大瀧詠一や山下達郎の録音作品にも影響を与えたとの諸説がある。フィル・スペクターが生み出した録音技術の中で、最も有名なのが「Wall of Sound(ウォール・オブ・サウンドー 壁に反響するサウンド)」である。
一般的な解釈としては、スタジオの壁に反響する音響(エコーチャンバー)を用いた録音技術として知られている。この名称「Wall Of Sound」を聴くと、彼が多重録音、つまりジャマイカで発生したダブのような形式で数々の名作を録音したと思う方もいるかもしれないが、事実はどうやら少し異なるようだ。どころか実際はそれとは正反対だ。フィル・スペクターは3トラックのマルチトラックレコーダーを使用して、彼はピアノ、ベース、ギター、コーラス、それからオーケストラをユニゾンで重ね、壁に反響するような重厚なサウンドを構築していったのだった。
レコーディング・スタジオの空気感(アンビエンス)が作品全体に影響を及ぼすことがある。あるスタジオで録音された音源は音が敷き詰められているように思えるし、別のスタジオで録音された音源は、ゆったりとした間延びしたような音の印象を覚えることがある。言い換えれば、それは、建物や部屋のアンビエンス(音響や残響の全般のこと)の特性、マイクの位置、そして演奏者の距離が出力されるサウンドにエフェクトを及ぼすということである。フィル・スペクターは、実際的な録音の完成度の高さを目指したのは事実だと思うが、一方、彼はスペースのアンビエンスに徹底してこだわった。つまり、彼はレコーディングルームの空気感をマイクで録音し、モノラルでミックスしたのだった。そして、ウォール・オブ・サウンドの完成のために、不可欠だったのがロサンゼルスにある「Gold Star Studio」である。
Mon. Feb. 24 - Hong Kong, CN @ Xi Qu Centre, Grand Theatre [with Musicians from HK Phil] Wed. Feb. 26 - Seoul, KR @ Sky Arts Hall (SOLD OUT) Thu. Feb 27- Seoul, KR @ Sky Arts Hall (NEW SHOW) Thu. March 6 - Taipei, TW @ Zhongshan Hall (LOW TICKETS) Europe Mon. March 10 - Barcelona, ES @ Paral.lel 62 Tue. March 11 - Valencia, ES @ Teatro Rambleta Thu. March 13 - Milan, IT @ Auditorium San Fedele (LOW TICKETS) Sat. March 15 - Zurich, CH @ Mascotte Tue. March 18 - Hamburg, DE @ Laiszhalle Wed. March 19 - Berlin, DE @ Urania (Humboldtsaal) Fri. March 21 - Utrecht, NL @ TivoliVredenburg (Grote Zaal) (LOW TICKETS) Sun. March 23 - Groningen, NL @ Oosterpoort Tue. March 25 - Antwerp, BE @ De Roma Thu. March 27 - Paris, FR @ La Trianon (LOW TICKETS) Mon. March 31 - London, UK @ Barbican [with 12 Ensemble] (SOLD OUT) Wed. April 2 - Manchester, UK @ Albert Hall Fri. April 4 - Gateshead, UK @ The Glasshouse Sat. April 5 - Glasgow, UK @ City Halls
・North America
Thu. April 17 - Honolulu, HI @ Hawaii Theatre Sat. April 19 - Vancouver, BC @ Chan Centre (LOW TICKETS) Sun. April 20 - Portland, OR @ Revolution Hall Mon. April 21 - Seattle, WA @ The Moore Wed. April 23 - Oakland, CA @ Fox Oakland Sat. April 26 - Los Angeles, CA @ The Wiltern [with Wordless Music Quintet] (LOW TICKETS) Sun. April 27 - Los Angeles, CA @ The Wiltern [with Wordless Music Quintet] Tue. April 29 - Scottsdale, AZ @ Scottsdale Center Thu. May 1 - Denver, CO @ Paramount Theatre Sat. May 3 - St. Paul, MN @ Fitzgerald Theatre (LOW TICKETS) Sun. May 4- St Paul, MN @ Fitzgerald Theatre (NEW SHOW) Tue. May 6 - Chicago, IL @ Thalia Hall Wed. May 7 - Chicago, IL @ Thalia Hall Fri. May 9 - Detroit, MI @ Masonic Cathedral Theatre Sat. May 10 - Cleveland, OH @ Agora Theatre Mon. May 12 - Boston, MA @ Berklee Performance Center Wed. May 14 - New York, NY @ Kings Theatre [with Wordless Music Quintet] Sat. May 17 - Philadelphia, PA @ Miller Theatre Sun. May 18 - Washington, DC @ Warner Theatre Thu. May 22 - Mexico City, MX @ Teatro Metropolitan
音楽家。自主レーベル "hermine" 代表。2010年デビュー以降、これまでに7枚のオリジナル・アルバムをリリース。クラシックギターと歌を携え、世界中を旅する。"架空の映画のためのサウンドトラック" 『アダンの風』はアメリカ最大の音楽アーカイブ "Rate Your Music" にて2020年の年間アルバム・チャート第1位に選出されるなど、世界中で絶賛される。2021年から本格的に海外公演を行い、これまで、Reeperbahn Festival, Pitchfork Music Festival, Montreal International Jazz Festival 等の海外フェスにも出演する。今年6月にはフランスの音楽家 "Pomme" と2020年にリリースされた「Seabed Eden」のフランス語カヴァーをリリース。FM京都 "FLAG RADIO" で奇数月水曜日のDJを務め、文芸誌「群像」での連載執筆、TVナレーション、CM・映画音楽制作、芸術祭でのパフォーマンス等、様々な分野で活動する。
ヨーロッパを代表する音楽レーベル〈ECM〉。1969年にマンフレート・アイヒャー(Manfred Eicher)によってドイツ・ミュンヘンで創設され、「沈黙の次に美しい音(The Most Beautiful Sound Next To Silence)」というコンセプトのもと、他のレーベルとは一線を画す透明感のあるサウンドと澄んだ音質、そして洗練されたジャケット・デザインで、世界中のファンを魅了してきました。
今年はレーベルの創立から55周年を迎え、1984年にスタートしたクラシック・シリーズ「ECM New Series」も40周年を迎えます。この節目を記念して、12月13日(金)から12月21日(土)まで、日本で初めてのエキシビションが東京都千代田区の九段ハウスにて開催されます。
エキシビションのテーマは「Ambience of ECM」、ECMのサウンドをさまざまな環境で楽しむプロジェクトです。楽曲はレーベル第1弾作品であるマル・ウォルドロン(Mal Waldron)の『Free at Last』(1969年)からクラシック・現代音楽を含む「ECM New Series」まで、レーベルの広大な音世界から岡田拓郎、岸田繁、原雅明、三浦透子、SHeLTeR ECMFIELD (Yoshio + Keisei)が九段ハウスのそれぞれのリスニング環境に合わせて選曲。部屋の建築様式とペアリングされたサウンド・システムで、全く異なるリスニング体験をお楽しみいただけます。
米国の深夜番組、「The Tonight Show Starring Jimmy Fallon」にボーイジーニアスのメンバー、またソロギタリスト/シンガーとして活動するジュリアン・ベイカー、そしてニューヨークのポップシーンの注目株、トーレスが共演を果たした。両者共にギタリストとして個性的な表情を持つ。
トーレスは今年の初め、ニューアルバム「What An Enormous Room」をMergeからリリースした。ジュリアン・ベイカーは今年表立って新作をリリースしていないが、積極的にイベントに出演し、ハイレベルなギタープレイを披露している。またとない共演の模様は下記よりご覧ください。
Horsegirlが2ndフルアルバム『Phonetics On and On』からのセカンド・シングル「Julie」をドロップした。アルバムの発表とともに配信されたリード曲「2468」に続くこの曲は、ローファイな質感が生かされながらも、デビュー・アルバムのサウンドよりも洗練された響きがある。
ホースガールは2022年の『Versions of Modern Performance』でデビューを果たした。二年半ぶりのニューアルバム『Phonetics On and On』は、2月14日にMatadorからリリースされる。
Yoshika Colwell・The Varnon Spring 『This Weather(E.P)』
Label: Blue Flowers Music
Release: 2024年12月6日
Review エクペリメンタルポップのもう一つの可能性
ロンドンをベースに活動するYoshika Colwell(ヨシカ・コールウェル)の新作『This Weather』はThe Vernon Spring(ヴァーノン・スプリング)が参加していることからも分かる通り、ピアノやエレクトロニクスを含めたコラージュ・サウンドが最大の魅力である。単発のシングルの延長線上にある全4曲というコンパクトな構成でありながら、センス抜群のポップソングを聴くことが出来る。
それに加えて、ポスト・クラシカルともエレクトロニックとも異なるヴァーノン・スプリングの制作への参加は、このささやかなミニアルバムにコラージュサウンドの妙味を与えている。Bon Iver以降の編集的なポップスであるが、その基底には北欧のフォークトロニカからのフィードバックも捉えられるに違いあるまい。また、感の鋭いリスナーはLaura Marling(ローラ・マーリング)のソングライティング、最新作『Patterns In Repeat』との共通点も発見するかもしれない。
ヴァーノン・スプリングのエレクトロニカ風のサウンドは次の曲に力強く反映されている。「Give Me Something」は前の曲に比べると、ダンサンブルなビートが強調されている。つまり、チャーチズのようなサウンドとIDMを融合させたポピュラー・ミュージックである。この曲ではイギリスのフォーク・ミュージックからの影響を基にして、エレクトロニカとしてのコラージュ・サウンドに挑んでいる。Rolandなどの機材から抽出したような分厚いビートが表面的なフォークサウンドと鋭い対比を描きながら、一曲目と同じように、グロッケンシュピール、ボーカルの断片が所狭しと曲の中を動き回るという、かなり遊び心に富んだサウンドを楽しめる。また、サウンドには民族音楽からのフィードバックもあり、電子機器で出力されるタブラの癒やしに満ちた音色がアンビバレントなサウンドからぼんやり立ち上ってくる。色彩的なサウンドというのは語弊があるかもしれないが、多彩なジャンルを内包させたサウンドは新鮮味にあふれている。ボーカルも魅力的であり、主張性を控えた和らいだ印象を付与している。