Sophie Jamieson

 

Sophie Jamieson(ソフィー・ジェイミソン)のニューアルバムに添えられている写真には、動きの感覚がある。風雨に揉まれ、他の人々によって翻弄され、固い場所に着地することはない。レコードの内ジャケットには、二重露光の写真に写った彼女が写されている。これは単なる写真かもしれないけれど、彼女のアルバムのより深い部分のメタファーでもある。不安感や根付かない感覚をとらえようとしているのかもしれない。どこかに憧れながらも、完全には辿り着けないというような。


ベラ・ユニオンからリリースされる彼女の2枚目のアルバム『I still want to share』は、愛すること、失うことの循環的な性質、人間関係から逃れられない不安、他人の中に居場所を見つけようと試みては失敗を繰り返す帰属などへの永遠の憧れについて、深く個人的な考察を提示している。


ソフィーのデビューアルバム『Choosing』が、自分自身全体から逃げることで膨らむ自己破壊的な衝動を探求しているとしたら、私はやはり、それに全力で向き合いながら、一曲一曲を通して強さを分かち合いたい。


スピリチュアライズドやマニック・ストリート・プリーチャーズなどの作品で知られ、ザ・ビートルズのバック・カタログのリマスターでも知られるグラミー賞受賞のGuy Massey(ガイ・マッセイ)がノース・ロンドンでプロデュースしたこのコラボレーションは、より探求的で、チョージングよりも遊び心があり、より豊かなパレットで細部まで表現されている。


ソフィー・ジェイミーソンのソングライティングとヴォーカルが持つ生々しい感情の全てに、新たなキャラクターが加わった。玩具のようにきらめくオムニコード、陰鬱なハルモニウムとサブベースのレイヤー、そしてジョセフィン・スティーヴンソン(Daughter)の提供による豊かなストリングス・アレンジが、レコードの鼓動の中心を通して憧れの感情のつながりを紡ぎ出す。


「私たちは、とてもとても私らしいと感じられるものを作ったけれど、たくさんの異なるサウンドの風味もあるの」とソフィーは説明する。


「温かみのある秋の色もたくさんあるし、キラキラした暗い星空もある。このような形で表現する必要があったとは……。自分でも知らなかったことを表現するため、すべてがひとつになったわ」


アルバムは静寂の中で幕を開け、陰鬱な「Camera」は最初の1分ほどで穏やかに焦点が定まり、ギターが盛り上がり、ドラムビートがシャッフルされる。リード・シングルの「I don't know what to save(何を救えばいいのかわからない)」は、より軽快に感じられる。「この曲は、自由を求めて走り出した曲なの」とソフィーは説明する。


「ある人への執着と、その人にまつわるすべての痛みの重みを抱えていた。それは手放すことへの大きな後押しだった」


ソフィーは 「愛」という言葉の巨大さを取り上げ、そのミステリアスなヴェールを剥がしていく。愛することはしばしば支配や欲求のように感じられること、愛されることは自分自身と向き合わなければならないときには耐え難いことであること。シンプルで純粋な、不安のない愛は、分かち合い、寛大さ、ゆとりのように見える。 


「このアルバムを支えているのは、シンプルに愛というより、むしろ''愛着''という考え方だと思う」と彼女は説明する。「臨床的でロマンチックでない性質、醜い性質、そして人間的な性質」


タイトル・トラックは、陰鬱なアレンジの中に子供の欲望が透けて見える。 「争う必要のない絆の魔法/耳には耳を、目には目を/これが私のものであることが幸運なのだと思う/それでも時々分かち合いたい」


ソフトで、純粋で、シンプルな愛がそこにあるという抑えきれない希望が、このレコードを引っ張り、すべてが崩壊する危険性が常にあるにもかかわらず、私たちを再び愛へと引き戻す力となっている。


私たちが自分自身に何を求め、愛する人たちに何を求めるかという点で、完璧さや確かな答えを求める無益な欲望を浄化するものとして本作を分かち合いたい。全体を通して問いかけられるのは、根源的なレベルで痛みを伴うもので、答えについては風に流されるだけである。結局、エンディング・トラックで歌われるように、「時はあなたを後ろへ引っ張り、あなたの年齢の下へ深く潜り込ませる」それでもなお、私たちは愛を求め、それを分かち合いたい。-Bella Union



 Sophie Jamieson 『I still want to share』- Bella Union


 

”ソングライター”というのは、日々の人間的な成長に合わせて、音楽的なテーマを変え、その時々に相応しい歌い方を見つける人々のことを言う。

 

それを見て、「あの人は変わった」という。しかしながら、こういったアーティスティックな表現者に類する人々は、器用であるから、そうするのではなく、むしろ自身のうちに少しだけ不器用な部分が残されているから、そうするのである。わからないことがあるから歌う。未知や謎が目の前に立ちはだかるから曲を制作する必要がある。すべてがわかるからではなく、わからないことを解き明かすために音楽がひとつの媒体となり、動脈ともなりえる。そういった姿勢やスタンスは、間違いなく、良質な音楽を制作するためのヒントとなり、また大きな糧ともなりえる。

 

まさしく、ロンドンを拠点に活動するソフィー・ジェイミーソンは、昨年末のローラ・マーリングと同様に、人間的な成長をシンプルに織り交ぜ、美しいポピュラー、フォーク・ソング集を書き上げることに成功した。音楽的になにかが大きく変わったわけではない。しかし、内的な成長が表面的な音楽を変化させたのである。

 

2022年の『Choosing』において、ソフィー・ジェイミーソンは解き明かし難い主題を据え、内的な痛みを織り交ぜた。自己破壊の苦しいどん底、そしてそこから見えるかすかな希望の光への旅を描いたどこまでも純粋なパーソナル・ドキュメントを作り上げた。しかし、もし、続編にアーティスト自身が語るような優しいまなざし、慈しみが音楽の最果てにほの見えるとあらば、それはアーティストが掲げる愛着の精神がリスナーのもとに届いたということになるだろう。


ソフィー・ジェイミーソンは、今回のアルバムにおいて、歌手としてシャロン・ヴァン・エッテンのポスト的な立場を選んだ。インディーロックから影響を受けたクランチなギター、オペラ風の歌唱法等、シャロン・ヴァン・エッテンのテイストが全編に満ち渡っているが、単なるフォロワーにとどまらないことは、最新作『I Still Want To Share』を聴くと、明らかでないだろうか。そして、ジェイミーソンの音楽性が全般的なフォークソングをベースにしているとはいえ、アメリカの民謡とは明らかに異なることは本作を聞けば明らかとなる。最近、私自身もわかってきたのは、ウェールズ、アイルランド、スコットランドといった地方、いわゆる古イングランドの地域には、なにかしら深い音楽的な魅力がその土地の底に眠っている。ソフィー・ジェイミーソンは、それを探りあてるべく、ギターを中心とした音楽に多彩な歌唱法を披露する。

 

アルバムは、「1-Camera」の優しげなギターの弾き語りで始まり、心地よいリズムとアルペジオという枠組みが形づくられるが、一方、歌手のボーカルはその枠組から離れ、雄大な印象を持つ。スタジオの中の音楽というよりも、アルバムのアートワークとリンクするような感じで、小さな空間を飛び出し、羽ばたいていく。そして、ミドルボイスを中心に、ファルセットを含めたハミングがギターと調和するように、しだいに大きな音楽的な空間をゆっくりと作り上げていく。それをより華やかにするのが、今作の編曲において重要な役割を果たす弦楽器の重奏である。前作におけるオーケストラ音楽へのアプローチはより、今作において洗練され、磨きがかけられた。これはビートルズの音楽をよく知るガイ・マッセイ氏の大きな功績でもある。

 

ソフィー・ジェイミーソンのアルバムは、ギミック的な演出により、人を驚かせたりすることはない。バーバンクサウンドと同じように、まず曲があり、編曲が続き、最終的にマスターがある、という音楽の基本的な段階を踏まえながら、丹念に録音作品が作り上げられていった形跡がある。それはデジタルサウンド主流の時代にあって、むしろ手作りのサウンドのような印象を覚えることもある。


「2-Vista」も同じように、エレクトリック・ギターのアルペジオの艶やかさなサウンドに、ミステリアスな印象を持つジェイミーソンのボーカルが続いている。ジャズのスケールを踏まえたギターに、ボーカル、コーラス、クレスタといった要素がミルフィールのように折り重なり、イントロで感じられた神秘性がより深い領域へと差し掛かる。冒頭から音楽的な世界が見事に作り上げられ、さながら奥深い森のむこうを探索するような神秘的な情景が描かれる。前作よりも遥かに音楽的なイディオムに磨きがかけられたことがよく分かる。

 

 

「3-i don't know what to save」は、大まかには3つの構成を持つポピュラーソングだ。歌手の歌の実力がいかんなく示され、伸びやかで美しいビブラートが際立っている。ここでは何を救ったら良いのかわからないと歌手は嘆く。けれども、もし、この歌声と温和なサウンド、そして美しいオーケストラ・ストリングスに聞き惚れる人々がいれば、それはそのまま、誰かを救ったという意味に変わる。その人の他にはない個性や能力が、人々に勇気や元気、そして希望を与えた瞬間でもある。静かなイントロから中盤、そして終盤にかけた曲のアイディアの種が芽吹き、さらに、大きな美しい花を咲かせるように、美しい音楽の成長の過程を味わうことが出来る。アルバムの序盤のハイライトのひとつで、本作は、この曲でひとまず大きな要所を迎える。

 

 

「 i don't know what to save」

 

 

対象的に、静かな弾き語りのポピュラーソング「4-Baby」から、 このアルバムの愛着というテーマがより深い領域へと達する。親しみやすいポピュラーソングのメロディーに、ときどき内的な心情のゆらめきを表現するかのように、長調と短調の分散和音を交互に配置させながら、琴線に触れるような切ない叙情的な旋律進行を生み出していく。そして、その内的な波のゆらめきは、むしろそのありかを探せば探すほど、奥深い霧に覆われるかのように見えづらくなり、その正体が掴みがたくなる。さらに、もうひとつ注目すべきは、ジェイミーソンのボーカル/コーラスのコントラストが、まるで内的な会話のようでもあり、そして、もうひとつの自分の得難い姿に戸惑うかのようでもある。しかし、二つに分離したシンガーはいくつかの悩ましき変遷をたどりながら、なにかひとつの終着点にむけてひとつに重なりあうような感覚がある。

 

「5-Welcome」は同じようなタイプに位置付けられる。これまたシャロン・ヴァン・エッテンのソングライティングに近く、外側には現れ出ない内的な感情の揺らめきをミステリアスなテイストを持つポピュラーソングに昇華させている。しかし、ガイ・マッセイによるミックス/マスターの性質が色濃く立ち現れ、クレスタ、もしくは、オムニコードのようなシンセの対旋律的な配置、部分的な逆再生による音の印象の変化を駆使して、音の印象に劇的な変化を及ぼしている。そして、この曲はギター(トレモロ)のダイナミックスを段階的に引き上げていき、全体的になだらかな丘のような起伏を設け、曲の後半部に強固な印象を持つハイライトをつくりだす。

 

こういったサウンドは、ヴァン・エッテンにとどまらず、ベス・ギボンズの復帰作と同じように、暗鬱さと明るさの間を揺らめく抽象的なポピュラーソングの領域に属している。そして、表向きには現れないが、ウェールズ、スコットランド、アイルランド地方のフォーク・ソングや民謡の原始的な音楽がこれらのポピュラーソングの背後に揺らめいているという気がする。結局、これこそが、アメリカとイギリスのフォークを別け隔てるなにかである。それが原初的な古イングランドのカントリーの雰囲気と混ざりあい、「6-Highway」に繋がる。アルバムの序盤から一貫して示唆されるエレクトリックギターのクリーントーン(おそらく、Rolandのようなアンプ)から作り出されるサウンドは、一般的なポピュラーソングのギミック的な演出とは程遠く、素朴な落ち着きがあり、普遍的な響きが込められている。アコースティックギターではなく、エレクトリックによるいつまでも聞いていられるようなソフトなアルペジオが、ソフィー・ジェイミーソンのボーカルと混ざり合っていることはいうまでもない。これらのサウンドは、プロデュースの意向とも相まってか、ジャズに近いニュアンスを併せ持つこともある。

 

前の曲では、旋律やダイナミックスともに要所を迎え、その後、アウトロで静けさに帰る。もはや、この段階に来て、このアルバムが即効的な意味を求めて制作されたものではないことは明らか。そして一貫して、ギミック的なサウンド、エポックメイキングなサウンドを避けて、素朴なフォークソングをもとに、聴けば聴くほど深みが出てきそうな曲を収めている。 これらは、70年代のフォークやポピュラーのように、レコード生産が単なる消費のためのものではなかった時代の幻影をなんとなく脳裏に蘇らせる。文化的な役割を持つ音楽を制作しようという心意気については、一定数の本当の音楽ファンの心にも何かしら響くものがあるかもしれない。もちろん、すでに前半部から中盤にかけて示唆されてきたことだが、ジェイミーソンの音楽は、名誉心やインフルエンサー的な欲望とは程遠い。それがゆえ、なにかしばらく忘れ去られていた音楽そのものの安心感であったり、素朴さの一端を思い出すことも出来るかもしれない。

 

ソフィー・ジェイミーソンは、このアルバムで愛着というテーマを中心に、自分の人生から滲み出てくる感覚を音楽によって表現しようと試みている。それがシャロン・ヴァン・エッテン、ギボンズの系譜にある音楽のスタイルを受け継いでいるにせよ、単なる模倣的な音楽にならない要因である。人生は、その人のものでしかありえず、他の誰のものではない。もちろん、他の誰かになることは出来ないし、他の誰かになってもらうことも不可能である。ある意味では、前作から探求してきたテーマ(音楽的なものにせよ、人生的なものにせよ)は、続くタイトル曲で、一つの分岐点や重要なポイントを迎えようとしている。彼女は、明るい感覚を世界に向けて共有しようとしている。それは少なくとも、妬みや顰み、羨みといったこの世に蔓延る閉鎖的な感覚ではない。その音楽が開けていて、本当の意味における自由があるからこそ、なにか心に響くものがあるというか、その音楽が耳に残ったり、心地よさを覚えるのだろう。もちろん、それはたぶん、歌手としての人生に大きな自負を持っているからなのかもしれない。

 

アルバムの終盤でも心地よいフォーク/ポピュラーが続いている。「8-How do you want to be loved」では、シャロン・ヴァン・エッテンのタイプの楽曲で、繊細さと勇壮さを併せ持つ。オムニコードの使用は、この曲にちょっとした親しみやすさとユーモアを添えている。また、ヴェルヴェットアンダーグラウンドの「Sunday Morning」でも使用されるクレスタ(グリッサンド)の響きがこの曲に可愛らしさと古典的な風味を添えている。さらに、プロデュースの側面でも、キラリと光るものがあり、音形をモーフィングさせ、独特な波形を作り出しているのに注目したい。 特にアルバムの終盤でも素晴らしい曲があるので、ぜひ聞き逃さないでいただきたい。

 

「9- Your love is a mirror」では、一貫したスタイル、サイレンスからダイナミックなエンディングが暗示され、ボーカル/コーラス、クリーントーンのギターに美しい室内楽風の弦楽器の合奏が加わっている。特に、チェロ/バイオリン(ヴィオラ)がハーモニクスを形成する瞬間は息を飲むような美しさがあるし、鼻声のミドルボイスとコーラスワークには心を震わせるようななにかが込められている。まるでウィリアム・フォークナーのように、内的な感覚の流れは一連なりの川の導きのように繋がっていき、そして、本格派のポピュラー歌手としての崇高な領域へと到達する。


続いて収録されている「10- I'd Take You」は、落ち着いたリゾート気分に充ちた一曲で心を和ませる。ボサノヴァ、ブラジル音楽、ハワイアン、そういった音楽を巧みに吸収している。日曜の午後のティータイムのひとときを優雅に、そして安らかにしてくれることはほとんど間違いない。最後の曲はどのようになっているのか、それは実際にアルバムを聞いて確認していただきたい。

 

ソフィー・ジェイミーソンのアルバムを聞いて安らぎを覚えたのは、音楽を単なる消費のためとしてみなさず、敬愛すべきもの、美しきもの、慈しむべきものという考えを持った人々も存在することが確認出来たからである。大きなヒットは望めないかもしれないが、少なくとも、純粋な音楽ファンであれば、こういったアルバムを素通りするのは惜しいことではないだろうか。

 

 

 

86/100

 

 


 

Best Track 「Your love is a mirror」


本日、ロンドンのペッカム生まれの錬金術師Sam Akpro(サム・アクプロ)が、デビューアルバム『evenfall』を発表した。本作は3月28日にAntiからリリース。


先にリリースされたシングル 「Chicago Town 」と"BBC 6 Music A-List"の定番曲 「Death By Entertainment 」を含む10曲からなる『evenfall』は、ムードと雰囲気に溢れ、サウス・ロンドン・ノワールの流れるようなタペストリーのような、鋸歯状でありながら夢のような、サイケデリックでありながら意図に満ちた、没入感のある音の世界を作り上げている。


今日、アルバムのニュースと同時に発表されたリードシングルでタイトル曲の「Evenfall」は、アクプロの大作の核心にある壮大な世界観の構築と聴感上のケミストリーの完璧な例である。

 

シューゲイザー調のギター、執拗なビート、アクプロの探るようなヴォーカルが融合したこの曲は、今後何年も夜行バスのヘッドフォンの定番となるにふさわしい。彼はこの曲を、「時間の前後空間のどこかに存在する、瞬間が過ぎ去り、まだ出来事が起こっていない場所 」と表現している。


「Evenfall」には、以前MVAにノミネートされた「Death By Entertainment」のビデオでアクプロと組んだペドロ・タカハシが監督した素晴らしいイントロダクション映像が付属しており、アルバム全体の薄暗い都心のサウンドスケープを完璧に演出している。

 

このビデオは、眠らない大都市の早朝の孤独を呼び起こし、深夜の交通の流れが静まり返った地下道を駆け抜け、静寂と緊張がぶつかり合う情景を描いている。


ビデオについてペドロ・タカハシはこう語っている。 「Evenfallは、サムと私がコラボレーションしてきたビデオの集大成です。テーマとしては、住みにくい街で消えていくことを表現しています。何百万人もいるこの街で個人をピックアップすれば、誰もが希望や恐れ、夢や失敗に満ちた、自分だけの壮大な内面的人生を持っていることがわかるということを表現しているんだ」  


キャメロン・ジェイコブス(ギター)、ジョシュア・リー(ギター)、ルーク・チン=ジョセフ(ベース)、カイル・クリエートン(ドラムス)、テイラー・デヴニー(サンプラー、鍵盤)という多面的なバックバンドをフィーチャーし、アクプロと度々コラボレートしているシュリンクが共同プロデュースした『Evenfall』は、あらゆるジャンルをその軌道に引き込んでいる。


「Death By Entertainment」のポストパンク調の即興性から、「Chicago Town」のウージーなスワガーとシャウト・アロング・コーラス、「City Sleeps」のダブ入りストンプからフューチャー・ピットスターター「Tunnel Vision」まで、これはアンビエンスが王となるジャンルレスな未来のための音楽だ。ソニック・ユースやJディラに影響を受けた『Evenfall』は、ロンドンのストリートでスケートをしながら育つ間に築かれた友情とコミュニティーの記録である。


近年、ロック、ジャズ、ダブ、レゲエからインスピレーションを得たEPやシングルを次々と発表し、高い評価を得ているアクプロは、ザ・ライン・オブ・ベスト・フィット、ザ・フェイダー、DIY、ザ・タイムズ、ソー・ヤング、NME、DMY、クラッシュ、ノーティオン、ワンダーランド、ザ・フェイスといったメディアから賞賛と支持を集めている。


一方、ラジオでは、BBC 6 Musicのメアリー・アン・ホッブスやBBC Radio 1のジャック・サンダースなど、UKの電波に乗る大物からサポートを受けている。ライブでは、アクプロと彼のバンドは、グリーン・マン、ピッチフォーク・パリ、アウトブレイク、レフト・オブ・ザ・ダイヤル、リーパーバーンなどのフェスティバルに出演し、親密でありながら煽情的なステージ・ショーで熱狂的な支持を集めている。

 

 

「Evenfall」

 

 

 

Sam Akpro 『Evenfall』

Label: Anti

Release:2025年3月28日


Tracklist:

1. I Can’t See The Sun

2. Death By Entertainment

3. Chicago Town

4. Evenfall

5. Gone West

Side B

6. Tunnel Vision

7. Baka

8. City Sleeps

9. Cherry

10. Cornering Lights


Sam Akpro:

 

近年、ロック、ジャズ、ダブ、レゲエからインスピレーションを得たEPやシングルを次々と発表し、高い評価を得ているサム・アクプロは、ザ・ライン・オブ・ベスト・フィット、ザ・フェイダー、DIY、ザ・タイムズ、ソー・ヤング、NME、DMY、クラッシュ、ノーティオン、ワンダーランド、ザ・フェイスといったメディアから賞賛と支持を集めている。 

 

一方、ラジオでは、BBC 6 Musicのメアリー・アン・ホッブスやBBC Radio 1のジャック・サンダースなど、UKの電波に乗る大物たちからサポートを受けている。 ライブでは、アクプロと彼のバンドは、グリーン・マン、ピッチフォーク・パリ、アウトブレイク、レフト・オブ・ザ・ダイヤル、リーパーバーンなどのフェスティバルに出演し、親密でありながら煽情的なステージ・ショーで熱狂的な支持を集めている。

 

©︎Shervin Lainez

ルーシー・ダカス(Lucy Dacus)が次のアルバムのニュースを携えて戻ってきた。ソングライターは当初、ソロシンガーとして活動しており、2021年の『Home Video』のリリースで一躍有名になった。以降はボーイ・ジーニアスとして活動し、グラミー賞の主要部門を受賞している。

 

今回、ルーシー・ダカスは新たにゲフィンとの契約を発表し、新作アルバムのリリースを明らかにした。『Forever is a Feeling』は3月28日にリリースされる。この発表に伴い、

 

ミュージシャンは新曲「Limerence」と「Ankles」を公開した。また、ヴィジュアル・アーティストのウィル・セント・ジョンが手がけたアルバム・ジャケットとダカスの今後のツアー日程は下記より確認してほしい。


マタドールから最初の3枚のアルバムをリリースした後、フォーエヴァー・イズ・ア・フィーリングでメジャー・デビューを果たした。フィービー・ブリジャーズ、ジュリアン・ベイカー、ブレイク・ミルズ、バーティーズ・ストレンジ、マディソン・カニンガム、コリン・パストーレ、ジェイク・フィンチ、メリーナ・ドゥテルテらが参加している。

 

ダカスは2022年秋から2024年夏にかけてほとんどの曲を書いた。「私は感情で頭を蹴られた」と彼女は説明した。

 

「恋に落ち、恋に落ちる。そして、「何かを創造するためには、何かを破壊しなければならない。そして、私は本当に美しい人生を壊した」

 

 

「Ankles」

 

 

アルバムのタイトルについて、ダカスはこう語っている。「でも、私たちは一瞬に永遠を感じていると思う。永遠の中でどれだけの時間を過ごしたかはわからないけど、訪れたことはある」


フォーエヴァー・イズ・ア・フィーリング』を引っ提げたダカスのツアーは、4月16日にフィラデルフィアで幕を開け、5月14日のロサンゼルス公演で終了する。ミュージシャンはPLUS1と提携し、チケット1枚につき1ドルがロサンゼルスの山火事の被災者に寄付される。


「Limerence」



Lucy Dacus 『Forever is a Feeling』


Label: Geffen

Release: 2025年3月28日

 

Lucy Dacus 2025 Tour Dates:


Feb 18 – Brooklyn, NY – St. Ann & the Holy Trinity Church *

Feb 20 – Chicago, IL – The Murphy Auditorium at the Driehaus Museum *

Feb 22 – San Francisco, CA – Legion of Honor *

Feb 24 – Los Angeles, CA – Secret Location GBD *

Apr 16 – Philadelphia, PA – The Met #

Apr 18 – Washington, DC – The Anthem #

Apr 21 – Boston, MA – MGM Music Hall #

Apr 23 – New York, NY – Radio City Music Hall #

Apr 25 – Toronto, ON – Massey Hall #

Apr 29 – Nashville, TN – Ryman Auditorium #

May 01 – Chicago, IL – Chicago Theatre #

May 05 – St. Paul, MN – Palace Theatre #

May 07 – Kansas City, MI – Midland #

May 09 – Dallas, TX – Winspear Opera House #

May 10 – Austin, TX – Moody Amphitheatre #

May 12 – Denver, CO – Red Rocks Amphitheatre #

May 14 – Los Angeles, CA – The Greek Theatre #


* An Evening With Lucy Dacus

# with Katie Gavin and jasmine.4.t.

【Best New Tracks】   Kills Birds 「Madison」 ~ロサンゼルスの新星によるメタリックなエモコアに注目~

 

 

本日、ロサンゼルスを拠点に活動するバンド、Kills Birds(キルズ・バーズ)がEP『Crave』を発表し、リードシングル 「Madison」をリリースした。(ストリーミングはこちら)チューブアンプのギターの轟音が炸裂するニュースクール寄りのエモコアの激烈なナンバー。バンドとしての一体感も本当に素晴らしい。

 

全5曲入りのEP『Crave』は4月11日にラッキーナンバーからリリースされる。(プリセーブはこちら)2024年のシングル 「Behind」も併録されている。


リードシングル「Madison」には、EPのカバーアーティスト、マイク・レイモンドによるシムズにインスパイアされたビジュアライザーが同時公開されている。


このニューシングル「Madison」について、バンドは次のように説明している。

 

『マディソン』のインスピレーションは、スレイ・ベルズとの北米ツアー中に生まれたんだ。サンフランシスコで演奏していた時、嵐で停電して地下の民宿に閉じ込められたんだ。雨が降りしきる中、メロディーとコードをスケッチし始めたんだ。陰鬱な天気と地下室は、ニーナとジェイコブの中西部で育った記憶を呼び起こし、深い郷愁を感じた。


そのノスタルジーがこの曲に吹き込まれた。リリックでは、大人になりかけの思春期というテーマを探求しており、ニーナの子供時代において、悲劇的な出来事が彼女の安全感と安らぎを破壊した重要な瞬間を浮き彫りにしている。バンドとしてアレンジを広げ、深めていくうちに、この曲が今度のEPの目玉のようなものになることは明らかだった。


アロン・コバヤシ・リッチ(Momma, Been Stellar)のプロデュースによる『Crave EP』は、2021年の2ndアルバム『Married』以来となるバンドの新曲で、ラッキー・ナンバーからのデビュー・リリースとなる。キルズ・バーズのラインナップは、ニーナ・ルジェティ(ヴォーカリスト)、ジェイコブ・ローブ(ギタリスト)、フィールダー・トーマス(ベーシスト)、そしてグリフ。

 

 

 「Madison」



Sharon Van Etten & The Attachment Theory(シャロン・ヴァン・エッテン&ザ・アタッチメント・セオリー)は、セルフタイトルのデビューアルバムの最終プレビューとして「Trouble」をリリースしました。

 

今回、シャロン・ヴァン・エッテンはバンドセクションでのレコーディングに挑んだ。

 

「『Trouble』は、対立する意見を持つ愛する人たちと共存しなければならないという考えについて歌っています。あなたを愛している人が知り得ないあなたの大きな部分、それは彼らが聞きたくないこと、知りたくないこと、理解したくないことだから。痛みを伴う瞬間、関係を修復するために、自分のニーズよりも他人のニーズを愛し、尊重することを選択するとき.......」

 

Sharon Van Etten & The Attachment Theory(シャロン・ヴァン・エッテン&ザ・アタッチメント・セオリー)によるセルフタイトルアルバムは、2025年2月7日にjagujaguwar(ジャグジャグワー)からリリースされます。



「Trouble」

 


 



Perfume Genius(別名マイク・ハドレアス)は、3月28日にマタドール・レコードから7枚目のスタジオ・アルバム『Glory』をリリースすることを明らかにした。

 

プロデューサーのブレイク・ミルズと共作キーボーディストのアラン・ワイフェルスと再び仕事をした彼は、この最新作を「最も直接的な告白的作品」と表現し、このアルバムの中心的な葛藤を「内面と外面の往復」と位置づけている。

 

ギタリストのメグ・ダフィー(ハンド・ハビッツ)とグレッグ・ウルマン、ドラマーのティム・カーとジム・ケルトナー、ニュージーランドのシンガー・ソングライター、アルダス・ハーディング、ベーシストのパット・ケリーなど、バラエティに富んだミュージシャンと時間を共有している。

 

マイク・ハドレアスは、アルバムのリードシングルとして、私たちの期待を裏切らない一方で、アリゾナの夏の暑さで枯れてしまいそうな、息をのむほどウージーなポップ作品「It's A Mirror」を提供している。彼の歌声が数マイル上空に昇るのに十分なスペースがあり、音楽が小刻みに流れ落ちる。彼の曲の中でも最も親しみやすい曲のひとつであるが、感情的な弱さという生の核を保っている。 ハドレアスは、「何もないときでも、私は圧倒されて目覚めるんだ」と言う。

 

 

その日の残りの時間は、家で一人で考え事をしている方が好きなんだ。でもどうして?ほとんど悪いことばかりだ。それも何十年も変わっていない。このような孤立したループにはまり込んでいるときに書いたのが、『It's a Mirror』だった。ドアを閉めたままにしておく練習をもっとたくさんしたんだ。

 

 

彼はまた、「It's a Mirror」のビデオも公開している。ビデオは、Too Brightのハイライト曲 「Queen」のビデオでハドレアスと初めて仕事をしたコラボレーター、コディ・クリッチローが監督した。 

 

 「It's a Mirror」

 

 

 

Perfume Genius 『Glory』

 

Label: Matdor

Release: 2025年3月28日

 

Tracklist:

1.It's a Mirror
2.No Front Teeth
3.Clean Heart
4.Me & Angel
5.Left For Tomorrow
6.Full On
7.Capezio
8.Dion
9.In a Row
10.Hanging Out
11.Glory

 


 

My Morning Jacketの10枚目のアルバム『is』が3月28日にATOからリリースされる。 (このアルバムは珍しく、外部のプロデューサー、ブレンダン・オブライエンを迎えて制作された。 

 

これまでは、手放しで誰かに舵取りを任せることができなかった」フロントマンのジム・ジェームスは言う。 "僕らより遥かに実績があり、たくさんのレコードを作っている人に、一歩下がってコントロールを委ねるのは、ほとんど体外離脱のような経験だった。" 最終的には、そのプロセスを今まで以上に楽しむことができたんだ。


アルバムからのファースト・シングルは、ドリーミーでとてもかわいらしい "Time Waited"。 

 

ピアノのトロをループさせて、散歩しながら聴いていたら、メロディーが浮かんできたんだ。 長い間、歌詞がないが、カフェにいて曲が流れている夢を見たんだ。その曲の歌詞が "Time Waited "の歌詞になった。 歌詞は、時間というものがいかに柔軟であるか、いかに時間を曲げたり、ゆめがしたりすることができるかということを歌っている。




 

 

 

My Morning Jacket 『IS』


Label: ATO

Release: 2025年3月28日 


Tracklist:

Out In The Open

Half A Lifetime

Everyday Magic

I Can Hear Your Love

Time Waited

Beginning From The Ending

Lemme Know

Squid Ink

Die For It

River Road

Porridge Radio


Porridge Radio(ポリッジ・レディオ)は、ニューシングル「Don't Want To Dance」とともに、EP『The Machine Starts To Sing』を発表した。2月21日に本作は発売予定。これらはバンドの最後のリリースとなる。(EPのプリセーブはこちらより)

 

これはポリッジ・レディオの最後の新曲であり、バンドの終わりを告げるものだ。このEPに収録されている曲は、"Clouds In The Sky They Will Always Be There For Me"の重要な一部であり、私たちにとってとても大切なものです。

 

このEPに収録されている曲は、Clouds In The Sky They Will Always Be There For Meの大切な一部であり、私たちにとってとても大切な曲です。このバンドは僕らの人生であり、もう家族だ。このツアーが最後になるだろう。聴いてくれて本当にありがとう。


この発表は、バンドが今後予定している北米とヨーロッパのツアー日程に先駆けて行われ、ツアーは続行されるという。



このEPは、バンドが最近リリースし、高い評価を得た4枚目のアルバム『Clouds In The Sky They Will Always Be There For Me』の制作中にレコーディングされた曲を集めたものだ。


アルバム・セッション中にレコーディングされたとはいえ、『The Machine Starts To Sing』に収録されている曲は、端切れでもおまけでもない。このEPには、アルバムのテーマやサウンド・パレットとは異なる人生を歩んだ曲の、エモーショナルで際立った瞬間が詰まっている。



「Don't Want To Dance」

ジャズとコンテンポラリーなエレクトロニック・ミュージックを繊細に融合させる才能溢れるプロデューサーによる新たな出発点


The Vernon Spiring
©︎Saoirise Fitzpatrick


UKロンドンのピアニスト/作曲家/プロデューサーThe Vernon Spring(ザ・ヴァーノン・スプリング)待望のニューシングル「Norton」をリリースした。


Ólafur Arnaldsのレーベル"OPIA Community"(日本、アメリカ以外の全世界)、"RVNG Intl"(アメリカ)、そして"インパートメント"(日本)の3レーベルからの共同リリースが示すとおり、2025年のアンビエント・シーンで最注目の存在となるでしょう。


ザ・ヴァーノン・スプリングは、断片化されたヴォーカル・フック、フェルト・ピアノのループ、シンセサイザー・サウンドとアーカイブ録音のサンプルのレイヤーからなる多次元的な音世界を通して、家族、友人、コミュニティへの愛、畏敬、感謝を映し出し、時には文字通り、友人や家族と共有した思い出の音を奏でる。

 

謎に包まれたプロデューサー”Iko Niche”によるプロデュースとなるこの曲は、ほとんど抽象的ともいえる壊れたヴォーカルがアヴァンギャルドでヒップホップの影響を受けたプロダクションによって、包み込むような暖かさを醸し出しています。

 

2021年のデビュー・アルバム『A Plane Over Woods』からの想像力豊かな進化を遂げた「Norton」は、このプロジェクトから何が生まれるかを示唆しています。


アートワークはBon Iverの『22, A Million』『i,i』を手がけるヴィジュアル・アーティストEric Timothy Carlsonが担当。ヴィジュアライザーは同じくBon Iverの『i,i』をCarlsonとともに手がけたヴィジュアル・アーティスト、Aaron Anderson(アーロン・アンダーソン)とEric Timothy Carlson(エリック・ティモシー・カールソン)によるもの。

 

 「Norton」

 

 

 

Vernon Spring  「Norton」-   New Single


ストリーミングリンク:  https://pdis.lnk.to/DDIP-3102


<プロフィール>

 

UKロンドンのオルタナ・ソウル・トリオHejira(ヘジラ)のメンバーとしても活動するロンドン生まれブライトン在住のピアニスト/作曲家/プロデューサー、サム・ベステによるソロ・プロジェクト。エイミー・ワインハウス、ハーバート、カインドネスなどの作品にも参加する経験豊富なマルチ・インストゥルメンタリストでもある。弱冠17歳でエイミー・ワインハウスのワールド・ツアーにピアニストとして参加。


2021年にリリースしたソロ・デビュー・アルバム『A Plane Over Woods』がロングセラー。同年、発売から50周年を迎えたマーヴィン・ゲイの代表作『What’s Going On』に対するレスポンスとなる作品『What’s Going On』をリリース。同アルバム収録の名曲群を独自の解釈でカヴァーしたこの作品は各所で大絶賛された。

 



ワシントン D.C.のソングライター、Bartees Strange(バーティーズ・ストレンジ)が2月14日に4ADからニューアルバム『Horror』をリリースする。その4枚目のシングル 「Wants Needs」を公開した。

 

彼のトレードマークであるギター、ソウルフルで渋さのあるボーカルが特徴だ。キャッチーでスタンダードなロックソングでありながら、変則的な構成を交えて、聴き応えのあるナンバーに仕上げている。マスタリングでは、アントノフ・サウンドとも言える硬質な音質がキラリと光る。ということで、全体的には中毒性のあるトラックとなっている。以下よりお聴き下さい。


この曲について、ストレンジはプレスリリースで次のように語っている。

 

 音楽が本当に長期的にうまくいくのであれば、より多くのファンが欲しい/必要だと数年前に気づいた。もちろん、それはタイミングと数のゲームだが、人種も強力な要素だ。インディーズの世界では、私のようにレコードで長期的に生計を立てている人はあまり見かけません。私は、私が自分たちのような外見や声ではないので、人々が私とつながるのが難しいのではないかと心配している。応援するのは楽しいけど、実際には支持されない。この曲は、私がどれだけそのことを心配しているかを歌っている。


ストレンジは、最初にイヴ・ロスマンとローレンス・ロスマンと『Horror』の制作に取り組み、その後、アントノフのバンド、ブリーチャーズとの仕事を経て、ジャック・アントノフと完成させた。


プレスリリースによれば、このアルバムは 「恐怖に直面し、恐怖になる 」ことをテーマにしている。


プレスリリースはこう付け加えている。

 

 ストレンジは恐怖の中で育ったんだ。彼の家族は人生の教訓を教えるために怖い話をし、幼い頃から強くなる練習をするために怖い映画を見始めた。世界は恐ろしい場所であり、アメリカの田舎に住む、若く、クィアで、黒人の人間にとって、その恐怖は直感的なものなんだ。『ホラー』は、そうした恐怖に立ち向かい、恐れられる存在に成長するためのアルバムなんだ。


ストレンジはさらに詳しく語る。

 

ある意味、このアルバムは、人生において恐れを感じている人たちに手を差し伸べるために作ったんだと思う。 私の場合、それは愛であり、場所であり、宇宙的な不運であり、あるいは物心ついたときから苦しんできた破滅の予感である。 周りのみんなが同じように感じていることに気づけば、人生の恐怖や奇妙さを乗り越えるのは簡単だと思う。 このアルバムは、私がつながろうとしているだけなんだ。 世界の大きさを縮めようとしているんだ。 身近に感じようとしているんだ。

 


「Wants Needs」

 

Bartees Strange、ニューアルバム『Horror』を発表 来年2月14日にリリース


 東京・原宿を拠点とするオークションハウス NEW AUCTIONは、2025年2月1日(土)に第8回目となる公開型オークション「NEW 008」を開催いたします。

 

この度は、マリリン・ミンターの「Up Close」と題された写真シリーズや、ヨハネス・イッテンのコラージュ、ルース・ルートのアルミニウムの上に重ねられた大胆な色彩の作品など形と色の関係に特徴のある作家、もの派の菅 木志雄や小清水 漸 、高松 次郎 のシャドーシリーズなど時代や表現方法を超えた様々な作品が取り揃いました。

 

今回ご紹介できる作品は、すでに作者の手を離れたものなので、それぞれの作品にどのような意図がありどのような想いで制作されたのか全てをお伝えする事ができませんができる限り作品の魅力が伝わるようにラインナップを組みました。静かに作品の声に耳を傾けながら、想像を膨らませていくことは何ものにも変えられない喜びです。是非この機会にご鑑賞いただけましたら幸いです。

 

渋谷MIYASHITA PARKにある「SAI」にて開催されるオークションプレビューでは、全ての出品作品を実際にご鑑賞いただけます。 また、今回のオークションは、プレビューと同じく「SAI」にて開催いたします。皆様のご来場、ご参加を心よりお待ち申し上げております。

 

 

 ●主な出品作品

 
Joseph Beuys(ヨーゼフ・ボイス)/ Mike Kelley(マイク・ケリー)/ Marilyn Minter(マリリン・ミンター)/ Johannes Itten(ヨハネス・イッテン)/ Edward Ruscha(エド・ルシェ)/ Ellsworth KELLY(エルズワース・ケリー)/ Robert Mapplethorpe(ロバート・メイプルソープ)/ Austin Lee(オースティン・リー)/ 高松 次郎/ 井上 有一/ 奈良 美智 / 宮島 達男 / 土屋 仁応  / 岡崎 和郎 / 今井 麗 /友沢 こたお / 上田 義彦 / 小清水 漸 etc...

 

 

 ●オークション情報

 
「NEW 008」
プレビュー
会期:2025年1月25日(土) - 1月31日(金)
時間:11:00 - 20:00
(最終日のみ17:00まで)
会場:SAI
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 6-20-10RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
 
オークション
会期:2025年2月1日(土)
時間:START 13:00 -(OPEN 12:30-)
会場:SAI
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 6-20-10RAYARD MIYASHITA PARK South 3F

 

 

 

TAKAMATSU Jiro, ブラシの影 No.182, 1967, oil on wood, wall hook

 1960年代に「山手線事件」(1962年)や「首都圏清掃整理促進運動」(1964年)など、芸術を通して社会に対する「直接行動」を体現した前衛芸術集団ハイレッドセンターのメンバーの一人として広く知られる高松 次郎(1936-1998)。

 

個人名義で制作活動をしてきた高松は、絵画や立体作品、版画や写真など多岐にわたる媒体で作品を発表してきた。その作風には、存在といった全体像を捉えることが難しい〈空虚を充満した事物〉に対して徹底的な問いかけを行ってきた主知性のある姿勢が一貫して強く見受けられる。
 
高松は、1964年より「不在/存在」をテーマに〈影〉シリーズを作り始める。本作品《ブラシの影 No.182》は1967年に制作された絵画である。表面に取り付けられた実物のフックから伸びるようにブラシの影のみが描写されている。

 

2つの光源により壁に映し出された画面上には存在しないブラシの影をキャンヴァスへと描写することで、実在そのものを見なくとも2次元の影からその姿を想起させる。「見ることの曖昧さ」を逆手にとることで、実在に対する不信感を問いかけるのである。


KOSHIMIZU Susumu, レリーフ ‘91-17, 1991, pigment on carved wood panel


戦後華々しい高度経済成長を遂げた日本産業であったが、その一方で、1960 年代には大気汚染や水質汚染といった公害が影を落としていた。

 

〈モノ派〉は、そんな西洋主義的成長へと傾倒していく時流に対し疑問を呈するかのように、未加工の物質や物体を主役として作中に登場させることで、モノを越えたところに潜む存在の開示を追求した芸術傾向である。関根 伸夫の《位相 - 大地》(1968 年)を契機に、当時の多摩美術大学の学生数名と李禹煥らを巻き込みながら、各々の芸術実践を通して展開されていった。

 
当時、多摩美術大学彫刻科の学生であり、同現象を起こした主要メンバーの一人であった小清水 漸(1944-)も、関根の《位相 - 大地》に触発されるかのように、日本文化固有の自然観を根底に、木や石、紙、土、鉄といった素材との協働関係を通して、創作行為を行なっていく。

 

また、人間の自然的性質(素材との関わり方)へと着目し、鉄であれば磨く、木であれば削るといった加工方法を通してその関係性を露出させる。しかし、その加工前と後を経ても、素材であるモノの本質はなんら変わりはないのである。その代表的な作品には、《垂線》(1969 年)、《かみ》(1969 年)、《鉄 I》(1970 年)、〈表面から表面へ〉シリーズなどがある。
 
 

本作品《レリーフ ʻ91-17》は、小清水が 70 年代後期より取り組み始めた木彫レリーフシリーズの一環で、1991 年に制作された。木の表面に広がる筆の点をイメージさせる彫りと鮮やかな緑青の視覚的な盛り上がりを表現した塗りが施されている。

 

絵画にも彫刻にも定義されないミディアム上に、双方の加工方法を用いることで、視覚的遊びが取り入れられている。小清水は、素材の保持する不変的本質を明らかにすることで、自身が 70 年代より探究し続ける揺るぎない実践を顕現するのである。

 


TSUCHIYA Yoshimasa, 鵺, 2021, painted camphor wood, labradorite, with original box



神奈川県に生まれた土屋仁応(1977-)は、東京藝術大学彫刻科を卒業後、同大学院で保存修復彫刻を学んだ。学生時代に拝んだ滋賀県渡岸寺の十一面観音に感銘を受け、仏像制作で目にあたる部分に水晶やガラスを嵌め込む〈玉眼〉の技法を用いて独自の木彫を展開していく。元来、玉眼に用いられる水晶は別の工人によって作られてきた。

 

土屋の木彫でも、目にあたる素材の制作は、ガラス作家の田中福男氏が担当する。伝統的な仏像とは対照的に、土屋の木彫は、形の持たない感情や想念といった存在を動物や幻獣といったシンボル的モチーフへと投影するかのように具現している。


 
本作品のモチーフである《鵺》は、日本に伝わる伝説上の妖怪を指す。『平家物語』にも登場し、仁平時代、天皇が不吉な黒い雲に怯えることから、源頼政に黒雲退治を命じたところ、中に怪しい姿を見つけ矢を放つと、猿の頭、狸の胴体、蛇の尾、虎の手足をした化け物が落ちてきた、という伝えが記録されている。

 

得体の知れない存在は、不吉や不安の象徴であった。本作は、2021 年に高島屋で開催された作家の個展「鵺ー土屋仁応展」の表題になった作品である。コロナ渦中に開催された同展は、未曾有の状況下で、目に見えない不安が姿形を宿したかのように時代を象徴している。


鵺のその静謐とした佇まいは、不安に怯える我々と対比するかのようであり、人智を超えた状況の中で、超自然的な〈カミ〉的存在を想定する人間的本質を示唆するのである。

 


Marilyn MINTER, Bad Habit, 2017, dye sublimation print

 

ニューヨークを拠点とするアメリカのビジュアル・アーティスト、マリリン・ミンター(1948-)は、セクシュアリティとエロティシズムに焦点を当てた写真作品で広く知られている。ミンターは、セクシュアリティを取り入れた作品で当初から物議を醸しており、女性のセクシュアリティから目を背け避けるのではなく、むしろ擁護する姿勢を示してきた。彼女にとって、女性の快楽や欲望を探求することは、女性アーティストが求められるとされる芸術作品の枠組みに対する反抗だった。

 

2000年代には、ミンターの作品にグラマー要素が加わり、官能性がさらに顕著に表現されるようになる。作家は撮影後にデジタル加工を一切行わず、フィルムで撮影することでイメージの「生の部分」を残している。また、撮影後に写真をトリミングすることなく、綿密なイメージ構成を体現している。このように、細部に至るまで驚くほど注意を払うことで、人目を引く作品を創り出す。


 
本作品は、絵画シリーズと並行して制作されている写真シリーズ「Up Close」の一作である。本シリーズは2000年から始まり、ペディキュアで塗られた足先、布からはみ出した乳首、華やかに彩られたまぶたや唇など、性的魅力の細部を探求している。ミンターは、社会における男女間のセクシュアリティに対するダブルスタンダードを声高に批判しており、本作品のタイトル《Bad Habit》も、女性のセクシュアリティが男性のそれよりも二次的と見なされる問題を皮肉ったものだと考えられる。快楽は反抗の行為であり、こうした個人的な性的充足の瞬間こそ、女性が家父長制的な権威を覆す手段となり得るかもしれない。

 

 

 ●ABOUT NEW AUCTION   

 

/ INTRODUCTION 


2021年6月、東京の文化発信地である原宿を拠点に新たなアートオークションハウス「NEW AUCTION」がスタートしました。私たちは従来のアートオークションという枠組みに縛られることなく、新しい体験、新しい価値観を提供することを目的とし、オークションの可能性を、原宿から世界に向けて拡張していきます。


/APPROACH

 

NEW AUCTIONでは、またアートマーケットの持続的な循環を促すための「アーティスト還元金」 の仕組みを導入している日本唯一のオークションハウスになります。 ご落札された作品の著作権者に対してアーティスト還元金を独自にお支払いすることで、 NEW AUCTIONを通じた取引が少しでもアーティストの支援に繋がることを目指します。NEW AUCTIONでは、国内外の様々なコレクターやギャラリー、ディーラーと独自のネットワークを構築すると同時に ファッション、カルチャー、建築、食、インフルエンサーなど業界を超えたチームとの連携を積極的に取り入れ、作品を最大限にプロモーションいたします。

 


デンマークの実験的なロックバンド、Efterklangは、2024年9月27日にLirico / City Slangから最新アルバム『Things We Have In Common』をリリース。以降、バンドは大規模なツアーに乗り出し、昨年10月には日本で4公演を行い、12年ぶり、単独としては初の来日ツアーを成功させた。

 

8日間にわたり、東京、京都、名古屋で公演を行い、その様子を写真で記録。それらの写真が、アルバム収録曲の中でも際立った曲のひとつである「Ambulance」の、熱狂的で心を揺さぶるミュージックビデオに生まれ変わった。

 

9,000枚以上の写真から作られたこのビデオは、以前に「Sentiment」のミュージックビデオでもコラボしたKenneth Sarupによって印象的に編集された、来日ツアーのドキュメンタリー的内容。1月中旬より、Efterklangは『Things We Have In Common』ツアーをヨーロッパ各地で行う予定だが、先日の来日ツアーは、バンドにとって鮮明で懐かしい思い出が詰まった傑出した瞬間であり続けている。


EfterklangのベーシストRasmus Stolbergは語る。

 

「この何年もの間で最高のツアーのひとつだった。日本のファンや、ツアーに参加してくれたテニスコーツやausのような旧友たちとやっと再会できたことは、とても意味のあることだったし、安堵感もあった。日本は信じられないほど刺激的で特別な場所で、また戻ってくるのが待ちきれない!「Ambulance」のビデオにはとても満足しているし、日本で過ごした素晴らしい時間だけでなく、曲の中にある生のエネルギーや感情も表現できている」


ヴォーカリストCasper Clausenは語る。

 

「最近、僕らは日本に行ったんだ。昔からの友人であるテニスコーツのさやとウエノと一緒にコンサートをしたり、日本を旅したりした。そこで「Ambulance」のストップモーション映像を撮影することにしたんだ。東京の夜の救急車が、僕らにこの曲を思い出させたんだ...。このビデオは、9,000枚以上の写真をつなぎ合わせて、ツアー・ドキュメンタリーにしたものだ。ライヴに足を運んでくれたみんなに感謝するよ。また、日本でのツアーを企画してくれた友人のシンにも心から感謝している。ありがとう!」

 

 

「Ambulance」



【この曲について】

僕らの住む地域では、冬は考えすぎの季節のように感じられ、グレーの重い布団の中で丸くなって過ごすことが多い。そんなとき、ナイフのような鋭い陽光が、青空に鮮明な、骨の髄まで凍りつくようなハイライトのように、灰色を切り裂き、僕らの心の中で何日も瞬きつづける。このような日、僕らは羽のように軽く、物事を置き去りにして手放し、内なる魂の遠吠えに向かって窓を開ける。僕らは空中にいるのだ。


この曲は、誰もいない大都会、月夜の通りを静かに疾走する救急車のようだ。


「Ambulance」は、Rune Mølgaard, Tatu Rönkkö, Mabe Fratti, Hector Tosta, Jarrett Gilgoreとともに、アルバム『Things We Have In Common』のためにレコーディングした。

 

 

【新作情報】 Efterklang 『Things We Have In Common』 - New Album



<トラックリスト>

1. Balancing Stones

2. Plant

3. Getting Reminders

4. Ambulance

5. Leave It All Behind


詳細:https://www.inpartmaint.com/?p=40366

デジタル・ダウンロード/ストリーミング リンク:https://efterklang.lnk.to/TWHICYD



【Efterklang: プロフィール】


デンマークのコペンハーゲンの3人組バンド。マッズ・ブラウアー、キャスパー・クラウセン、ラスマス・ストールバーグという幼少期からの友人3人によって、2000年に結成。2003年に自主レーベルRumraketよりEP『Springer』でデビュー。


2004年にはUKのレーベルLeafと契約し、1stアルバム『Tripper』をリリース。エレクトロニカとチェンバー・ミュージックが高次元で融合したサウンドは国際的に高い評価を得た。2010年には世界的名門レーベル4ADと契約し、3rdアルバム『Magic Chairs』をリリース。


2012年に4thアルバム『Piramida』をリリースした後、バンドは伝統的なアルバム・サイクルから離れ、フィンランドのパーカッショニスト、タトゥ・ロンコ(Tatu Rönkkö)とリーマ(Liima)を結成し、2作のアルバムをリリース。


またコペンハーゲン・オペラ・フェスティバルの一環として、没入型オペラ『LEAVES: The Colour of Falling』を共作。2019年にはベルギーのバロック・アンサンブルB.O.Xとのコラボレーションによる全編デンマーク語のアルバム『Altid Sammen』をリリース。2021年の『Windflowers』に続き、2024年最新作『Things We Have In Common』をリリース。映画のような魅惑的な楽曲と、不朽の実験性と包容力で、長年にわたって熱狂的なファンを増やしてきた。