Loscil 『Ash』



Label: Loscil

Release: 2025年11月21日/12月19日



Review
 
 
ティム・ヘッカーと並んで、カナダを代表する電子音楽プロデューサー、Loscilの最新作『Ash』は、従来通り、アンビエント/ミニマルテクノですが、視覚的な効果を追求した作品と言えます。ベテランプロデューサーとしての技量と重厚な音楽観が凝縮された一作です。アルバムを購入すると、フォトジンが付属していて、そこには、印象的な写真が収録される。今作でロスシルの名を冠するスコット・モルガンさんは音楽と写真を合体させた新たな分野に挑戦しています。
 
 
旧来は、ギターのリサンプリングやモーフィングを中心に楽曲制作を行ってきたロスシルですが、アルバムは、推察するに、シンセサイザー中心の作品となっているようです。ミニマル・テクノに属する短いシークエンスが長尺のトラックを形成していますが、この数年プロデューサーが取り組んでいたトーンの繊細な変化や波形の微細なモーフィングなどを介し、変化に富んだドローンのトラックがずらりと並んでいます。音楽的には、ダークウェイヴとも称すべき短調中心の曲と、対象的に清涼感すら感じさせる長調のドローンが並置されています。こういった対比的な曲調を並べるのが、2025年のアンビエント/ドローンのシーンの主流になりつつある。
 
 
アルバムのタイトル、及び曲のタイトルは、全般的に火にまつわる内容となっている。6曲で40分という聞きごたえたっぷりの内容となっています。「Smoulder− 燻る」、「Carbon- 炭素」、「Soot-煤」など象徴的なタイトルが並んでいます。しかし、それとは対象的に、「Crown- 王冠/王位」、「Cholla− サボテン」もあり、最後は、「Ember- 残り火」で終わる。もしかすると、このアルバムには謎解きのようなミステリアスな意図が込められているのかもしれません。実際の作風は、ロスシルの一般的なアンビエント/ドローンに属していますが、最近の作品は、硬質でメタリックな重厚感に満ちていて圧倒的です。もちろん、それは『Ash』についても同様でしょう。また、ロスシルは最近、シンセサイザーなどを介して、パイプオルガンのような音響を再現することもある。それは全般的には、表立って出てこないものの、最後に暗示的に登場します。
 
 
アルバムを聴いていて思ったのは、昨今のロスシルは、音響工学に属するアンビエントを志しているのではないかということです。そこには音がどのように響き、増幅されていくのかという音響学の視点が備わっている。また、音のサステイン(持続)をどう続けるのか、音響そのものをどう反響させ、減退させ、収束させ、消えさせるか。音が立ち上がる瞬間だけではなく、音が消え入る瞬間にも細心の注意が払われています。プロデューサーという観点から言えば、ソフトウェアの波形のモーフィングにその点が反映されています。音が鳴っている瞬間にとどまらず、音が減退する瞬間や消えゆく瞬間に力が込められていて、スリリングな響きが発生します。こういった音響学的な制作者の興味が「火」というテーマに沿って形作られています。
 
 
短いシークエンスが組み合わされ、徹底的にオスティナート(反復)されるに過ぎないのに、ロスシルの卓越したプロデュースの手腕は、さほど個性的ではないモチーフですら、興味深い内容に変貌させ、最後には、マンネリズムとは無縁の代物になってしまう。波形のデジタル処理やトーンの変調により、驚くべき微細な波形の変化が作り出されています。これは電子音楽による、もしくはプロデュースによる、バリエーション(変奏)の手法と言えるのではないでしょうか。
 
 
 
「Smoulder」を聴くと、荒涼とした風景を思わせるサウンドスケープがイントロに配される。これが曲の根本的な骨組みとなっています。しかし、ドローンのパッドは音量的なダイナミクスの変化を経て、音が発生した後すぐ静かにフェードアウトしていき、その合間に別のシークエンスが登場します。2つのパッドが重なりながら音楽が同時に進行していく。音楽的には、重苦しさや暗鬱さもあるが、同時に力強さもある。その音量的な変化の中で、パンフルートのような音色を用いた3つ目の旋律も登場し、音楽的な印象を決定づける。例えば、ポップやロックソングでは、イントロの後の2、3小節で行うことを、独特なディレイの方式により丹念に行っています。その結果として、映像音楽のように、なにかを物語るような音楽が完成します。


一連のミニマル・テクノの作風の中で、短調のハーモニーを形成させ、静寂の向こうから重厚感のあるドローンの旋律を登場させる。同じ構成がずっと続くようでいて、その過程で微細な変奏を用いている点に驚かされる。短調の悲哀のある印象音楽は、5分以降はその表情を変え、清涼感のあるサウンドスケープに変化していく。明らかに描写的な音楽と言え、大規模火災のような情景を想起させることがあり、それはまた追悼的な意味合いが感じられることもあるでしょう。
 
 
 
二曲目「Carbon」は中音域の持続音に高音域の持続音を付け加え、イントロからロスシルにしかなしえないオリジナリティあふれる音響を作り出す。音楽的な印象そのものは、一曲目と同様に物悲しさに満ちていますが、そのトーン自体からは精妙な感覚も感じ取られる。そして同じように複数のドローンの旋律を重ね合わせ、倍音を作り出し、それらをハーモニーに見立てる。


同様の音楽的な手法が用いられていますが、この曲の面白さは、テクノ的な音の配置にあるようです。永遠に続くかと思われたドローン音が消え去り、静寂が現れると、2分20秒以降では、Burialが使用したようなダブステップの音色がスタッカートのような効果を強調させ、曲のキャンバスに点描を打つ。Andy Stottのようなインダストリアルなテクノの影響が加わり、特異な音響を生み出す。こういった試みは、以前のロスシルの作風には多くは見いだせませんでした。そして、ダブ的なプロデュースの方法を使用し、その残響を強調し、ドローンとして続く。このあたりには、レゾナンス(残響)を巧みに活用しようという制作者の美学が反映されています。また、後半でも、複数の持続音を組み合わせる、カウンターポイントの手法が見出されます。
 
 
 
音楽の基礎としては、1小節目や2小節目において、曲の気風や印象を明瞭に提示するというのが常道です。しかし、それを逆手にとった音楽は古今東西存在している。「Crown」ではその固定概念を覆す。シンセの倍音の音域を増幅させ、煉獄的とも天国的ともつかない中間域にある音楽を作り出す。こういう音楽は、聞き手の感情に訴えかけるのではなく、聞き手の理性に根ざした音楽と言えます。感情の内側にある魂に到達し共鳴する音楽なのです。催眠的な音楽効果も含まれていますが、むしろ制作者が体現したかったのは形而下の内容なのではないでしょうか。


この音楽は、2000年代くらいにあったアンビエント曲を彷彿とさせ、それは聴く人によって印象が様変わりする。「明るい」と思う人もいれば、「暗い」と思う人もいるかもしれません。そして、クワイア(声楽)を模したシンセサイザーの音色が響き、それはやはり特異な印象を帯びる。これらは「音楽の一般化」という概念に対抗するような内容となっているのは確かです。つまり、音楽を決められたように作らないというアイディアが盛り込まれています。全体的なプロデュースの手腕も優れていて、洞窟や高い天井のようなアンビエンス(空間性)を再現しています。こういった曲を聴くと、アンビエントのトラックを制作する時は、''どのような空間性を作りたいのか''というシミュレーションが不可欠であることが理解していただけると思います。
 
 
全般的には、アンビエントともドローンとも言える、その中間点に属する曲が続いた後、いかにもロスシルらしい個性派の曲が登場します。「Soot」はまさしく、このプロデューサーの作品でしか聞けない内容で、ロスシルのファンにとっては避けては通れない内容です。特に、2000年代以降の作品より重力が加わり、メタルのようなヘヴィな質感を帯びていて素晴らしい。従来から制作者が追求していた重みのあるドローン音楽が集大成を迎えた瞬間であり、迫力満点です。文章がその人を体現するとよく言うことがありますが、音楽もまたそれは同様です。そして、この曲の場合は、単なる付け焼き刃ではなく、自然と獲得した人物的な重厚感なのでしょう。


総じて、こういった類いの曲は、扇動的な音楽を意図すると、ノイズや騒音に傾倒しがちなのですが、重力を保ったまま、心地よい精妙なトーンやハーモニーが維持されているのが美点です。本作の冒頭曲のように荒涼とした大地を思わせる抽象的なドローンが徹底して継続されるが、それは先にも言ったように空虚さとは無縁であり、むしろ陶然としたような感覚をもたらす。音量的にはダイナミズムを重視しつつも、その中には奇妙な静けさと落ち着きが含まれる。これこそ長く続けてきた制作者やプロデューサーにしか到達しえない崇高な実験音楽の領域。
 
 
 
16分以上の力作が並んだ最後の二曲は圧巻です。 「Cholla」は、前の四曲とは対象的に、それらの地上的な風景から遠ざかり、天上的で開けた無限の領域に属する音楽性が強調される。 音楽だけに耳を傾けると、誰にも作れるように思えますが、実はこういった曲は、簡単にはなしえません。これこそ、余計な夾雑物を選り分けた後に到達する崇高な領域です。このアルバムで登場した複数のシークエンスが同時進行するカウンターポイントの形式は、カンタータのようなクラシックやジャズとの融合を試みる、新しいアンビエントの形式が台頭した瞬間です。少なくとも、2025年のこのジャンルの曲の中では傑出していて、開放的な空気感に満ちています。
 
 
それは自然の鮮やかな息吹、美しさや崇高さという本作の副次的なテーマを暗示している。この曲を聴いて覚える解放的な感覚や心が晴れやかになる瞬間こそ、このジャンルの醍醐味と言えるのではないでしょうか。人間の魂が、自然と調和し、共鳴するような素晴らしいモーメントを体験することが出来ます。それはまたヒーリングというこのジャンルの副次的な効果をもたらす。
 
 
「Ember」もマニアックではありますが、他の制作者には簡単には作れない曲でしょう。地の底から鳴り響くかのような重厚感のある低音のドローン、その後、教会のパイプオルガンのような主旋律が作曲の首座を占める。これは現代的な感性に培われた電子音楽の賛美歌のようです。通奏低音を徹底的に引き伸ばし、その上に複数の持続音を重ねていくという手法が見出せます。


こういった作風は、現代音楽などでは既出となっていますが、ロスシルは、それらを最も得意とする電子音楽の領域に導き入れる。ドローンの基本的な持続音の形式に属していますが、特に曲の終盤でのフェードアウトしていく瞬間に着目です。音像がフィルターによりだんだん曇り、ぼかされ、ロスシルのモーフィングの卓越した手腕が遺憾なく発揮されています。また、この曲は一曲目「Smoulder」と呼応していて、円環型の変奏形式をひそかに暗示する。冒頭でも述べたように、未知の音響体験といえるのではないでしょうか。かなりの力作となっています。
 
 
 


Luby Sparks' final release of 2025 is a Mars89 remix of “Broken Headphones” from the “Songs of The Hazy Memories” EP.The heavy shoegaze original transforms into a low-slung, flowing dub shoegazer.


Luby Sparks、2025年の締めくくるリリースは、「Songs of The Hazy Memories」EPより、「Broken Headphones」のMars89によるリミックス。ヘヴィ・シューゲイズな原曲が重心の低い流麗なダブ・シューゲイザーへと変貌を遂げている。


Luby Sparks「Broken Headphones (Mars89 Remix)」

Digital | LSEP-9 | 2025.12.19 Release | Released by AWDR/LR2


Listen:[ https://ssm.lnk.to/Mars89Remix ]


1. Broken Headphones (Mars89 Remix)

2. Broken Headphones (Mars89 Remix) -Instrumental


Lyrics : Erika Murphy (Tr.1)

Music : Tamio Sakuma, Natsuki Kato, Mars89

Arranged by Erika Murphy, Natsuki Kato, Tamio Sakuma, Sunao Hiwatari & Shin Hasegawa

Remix : Mars89


Vocal : Erika Murphy (Tr.1)

Backing Vocal, Bass & Synthesizers : Natsuki Kato

Electric Guitar : Tamio Sakuma

Electric Guitar : Sunao Hiwatari

Drums : Shin Hasegawa


Recorded by Ryu Kawashima at IDEAL MUSIC FABRIK

Mixed by Zin Yoshida at Garden Wall

Mastered by Kentaro Kimura (Kimken Studio)


Produced by Luby Sparks & Zin Yoshida, Mars89


Cover Photography : Annika White



Luby Sparks



Luby Sparks is a Japanese alternative rock band formed in 2016. The band’s current lineup is Natsuki (bass, vocals), Erika (vocals), Tamio (guitar), Sunao (guitar), and Shin (drums). The band’s self-titled debut album, Luby Sparks (2018), was recorded in London with Max Bloom (Yuck/Cajun Dance Party) as a co-producer. In 2019, they released a single titled “Somewhere,” which was remixed by Robin Guthrie (Cocteau Twins). 


In May 2022, Luby Sparks released their second album, Search + Destroy, which is produced by Andy Savours, a Mercury Prize-shortlisted producer and engineer in London, who is known for working with My Bloody Valentine, Black Country, New Road, and Rina Sawayama. The album launch show at WWW X in Shibuya held in June was successfully sold out. 


In October, they performed in Bangkok, Thailand. In March 2023, Luby Sparks were actively expanding overseas with their first headline US tour around seven cities (New York, Boston, Philadelphia, San Francisco, Seattle, San Diego, and Los Angeles). In September of the same year, they were touring in seven cities in China, including a show at Strawberry Music Festival 2023, followed by a performance in Korea, and the worldwide festival Joyland Festival 2023 in Indonesia. Following the release of the last EP Song for The Daydreamers released in May 2024, new EP Song of The Hazy Memories will be released on January 24th, 2025.


[ https://lubysparks.lnk.to/bio_top ]


Natsuki (ba/vo)  Erika (vo)  Sunao (gt)  Tamio (gt)  Shin (dr)。


2016年3月結成。2018年1月、Max Bloom (Yuck) と全編ロンドンで制作したデビューアルバム「Luby Sparks」を発売。2019年9月に発表したシングル「Somewhere」では、Cocteau TwinsのRobin Guthrieによるリミックスもリリースされた。


2022年5月11日にMy Bloody Valentine、Rina Sawayamaなどのプロデュース/エンジニアを手掛けるAndy Savoursを共同プロデューサーに迎え、セカンド・アルバム「Search + Destroy」をリリース。同年6月には、初のワンマンライブ「Search + Destroy Live」(WWW X) も行い、ソールドアウトとなった。


10月にはタイでの海外公演、2023年3月全米7都市にて「US Tour 2023」、9月「Strawberry Music Festival 2023」を含む中国全7都市「China Tour 2023」、10月韓国、11月インドネシア「Joyland Festival」へ出演を行うなど海外での展開も積極的に行なっている。2024年5月にリリースした「Songs for The Daydreamers」EPに続き、2025年1月24日にも「Songs of The Hazy Memories」EPをリリース。

 

[ https://lubysparks.lnk.to/bio_top ]



Mars89


Mars89 is a musician whose uncompromising electronic compositions have cemented him as one of the most unique and exciting prospects within Tokyo’s underground club circuit, but his contribution to the city’s culture extends far beyond the dancefloor.


Since moving to Tokyo in his late teens in 2008, Mars89 has established himself as someone whose creative output — in all its shapes and forms — provides a vital perspective on the vicissitudes of living in one of the most populous urban metropolises in the world.


His discography to-date is a bricolage of styles, channeling the guttural, sub-bass-infused body music from UK dubstep’s heyday and the mutant rhythms of Bristol’s signature bass music scene — some of Mars89’s foundational musical influences — as well as the auteurs of cinema, from Kubrick to Lynch, and, specifically, their unparalleled flair for all things eerie, abject and uncanny. In his arsenal, he possesses tracks that can immediately ignite the latent energy of a heaving club crowd, as well as ambient compositions that transport listeners into unsettling alien landscapes evocative of sci-fi dystopias and biotechnological collapse. It’s his ability to weave seamlessly between the two that sets him apart as an artist who ultimately uses his sensibilities to design entire worlds, and this is also reflected in his boundary-pushing VR explorations with label Bokeh Versions and collaborations with designers like Patrick Savile.


Under the alias Temple Ov Subsonic Youth, known for his live hardware sets, he creates chaotic dance floors through the heavy bass of drum machines and distorted sounds born from layered, diverse sampling.

Additionally, his label Nocturnal Technology, as the name suggests, consistently releases nocturnal electronic sounds. The label name, 'Nocturnal Technology,' refers to the idea that a DJ's skills come to life during the night. The logo pays homage to the bat, an animal that is active at night and perceives its surroundings through sound waves, symbolizing the label’s concept of 'nocturnal technology.'


Outside of music, Mars89 has collaborated with fashion brand Undercover's Jun Takahashi, on a collection that deconstructed military garments, making them into a powerful anti-war statement in true punk spirit, as well as releasing a record through the brand. The latter referenced the show soundtrack he had created for Undercover’s AW19 collection, and featured remixes by Thom Yorke, Zomby and Low Jack, who he had played alongside at the Takahashi-curated instalment of Virgil Abloh’s club night, Sound Design. All three of the artists signed up for remix duty immediately upon request, demonstrating how highly regarded Mars89 is by his global contemporaries.


Mars89 is also a key figure within Tokyo’s activist community, spearheading an anti-establishment ‘Protest Rave’ that has seen sound trucks drive through some of the city’s most iconic vistas while blasting out hard techno, galvanising Tokyo’s youth into new, emergent strands of political engagement.


Mars89は、妥協のないエレクトロニック・ミュージックで、東京のアンダーグラウンド・クラブシーンで最もユニークでエキサイティングな存在として知られている。


2008年に10代後半で東京に移住して以来、世界で最も人口の多い都市のひとつで生活することの難しさについて、あらゆる形で表現する人物として地位を確立してきた。


これまでの彼のディスコグラフィーは、様々なスタイルが混在している。UKダブステップ全盛期のサブベースや、ブリストルの特徴的なベースミュージックシーンの突然変異したリズムなどの音楽的な影響に加え、David LynchやDavid Cronenbergなどの映画監督、特に不気味で忌まわしいものに対する彼らの比類ない才能からも大きな影響を受けている。

クラブの群衆の潜在的なエネルギーに即座に火をつけるトラックや、ディストピアやバイオテクノロジーの崩壊を連想させる不穏な風景にリスナーを連れて行くアンビエントトラックが彼の武器であり、この2つをシームレスに織り成す能力こそが、自分の感性を使って世界全体をデザインするアーティストとしての彼の特徴である。このことは、Bokeh Versionsとの境界を超えたVRの探求や、Patrick Savileとのコラボレーションにも反映されている。


彼のハードウェア機材によるライヴセットの名義であるTemple Ov Subsonic Youthでは、空間を震わせるドラムマシンの重低音と、多様なサンプリングが重なり合うことで生み出される歪んだサウンドにより、混沌としたフロアを作り出すことに成功している。


また、彼が立ち上げたレーベルNocturnal Technologyは、その名の通り、夜のエレクトロニック・サウンドをコンスタントにリリース。レーベル名のNocturnal Technology(夜行性の技術)は、DJの技術が夜間に活気づくことを意味している。ロゴは、夜間に活動し音波を見通す動物であるコウモリへのオマージュであり、レーベルのコンセプトである 「夜行性の技術」を象徴している。


音楽以外では、UNDERCOVERの高橋盾とのコラボレーションプロジェクトでミリタリーウェアを解体し、真のパンク精神で反戦を訴えるコレクションを発表したほか、同ブランドからレコードもリリース。後者は、UNDERCOVERのAW19コレクションのために制作したショーのサウンドトラックをベースにしたもので、Virgil Ablohが主催するクラブナイト「Sound Design」で高橋がキュレーションした際に共演したThom Yorke、Zomby、Low Jackのリミックスが収録されてる。この3人のアーティストがリミックスの依頼にすぐに応じたことは、Mars89が世界の同世代のアーティストからいかに高く評価されているかを示している。


Mars89は、東京のアクティヴィストコミュニティの重要な存在でもあり、Protest Raveでは、サウンドシステムを積んだトラックでハードテクノを鳴らしながら東京の象徴的な景色の中を走り抜け、若者に政治的活動への参加を促している。

カナダとハイチにルーツを持つ音楽家/作曲家のジョーイ・オミシルは、まるでジャンルに境界線など存在せず、自由への跳躍台となる異世界からやって来たかのようだ。オシミルのメイン楽器はソプラノ・サックスであるが、その卓越した技量と想像力でアルト・サックス、クラリネット、フルートといった木管楽器から、金管楽器(コルネット)までも演奏し、歌も歌う。彼の奏でる一音一音が無限の創造性を表現し、手に取る楽器一つ一つが自由な精神の延長なのだ。


去る2025年11月11日(火)、ジョーイにとって11枚目のアルバムとなる『スマイルズ』が配信先行でリリースされた。


▪️アルバム『sMiLes』配信中!

https://modulor.lnk.to/smiles


『スマイルズ』は、妥協なき真実性の宣言である。個人の表現、不完全であることの美しさ、そしてリスクを取る勇気を称えている。一見反抗的なタペストリーのように見えるこの作品は、実は無限の自由と幸福への明確な宣言である。


オープニング曲「Throw it Away」は、アビー・リンカーンのへのオマージュで、手放すこと、真実を語ることを呼びかける曲だ。そこからジョーイは、カーボベルデ、ニューヨーク52丁目、ハイチのブードゥー・ドラム、オープンマイク・セッションの残響など、数多の世界を巡る旅へとリスナーを誘う。

 

最初の音から、受賞歴のあるヴォーカリスト、ドミニク・フィルズ・エイメとのデュエット曲で純粋な宝石のような最終曲「SHouLd I sMiLe?」まで、すべての音符が彼の「音符を信頼する」という哲学を体現している。


ジョーイは今作で、ロイ・ハーグローブに敬意を表し、ウェイン・ショーターに賛辞を送り、マイルス・デイヴィスに敬意を示しつつも、決して模倣することなく、常に革新を続け、紛れもなく自分自身であり続けている。


この度、ドミニク・フィルズ・エイメが参加した「SHouLd I sMiLe?」のビデオが公開となりました。ぜひチェックしてみよう!


「SHouLd I sMiLe? Feat. Dominique Fils-Aimé」

 


YouTube:

https://youtu.be/taxICerVvIg?si=njg6zr6sFO7v6PfF


続いて『スマイルズ』のフィジカル・アルバム(CD/LP)は、2026年1月23日(金)リリース予定となっている。ジャズファンこちらの情報も抑えておきたい。



【アルバム情報】



アーティスト名:Jowee Omicil(ジョーイ・オミシル)

タイトル名:sMiLes(スマイルズ)

発売日:2026年1月23日(金)

品番:BV02CD (CD) / BV02LP (LP)

レーベル:BasH! Village Records


<トラックリスト> 

1. Throw it Away 

2. BeaT CoiN aka WaLTz For RH Feat. Ludovic Louis 

3. SOeuR FeLiX aka BeeHive 

4. Trip To GHanA Feat. Mawuena Kodjovi 

5. SHorTer Way To MarraKecH Feat. Malika Zarra 

6. DessaLinienne AyiTi LiberateD 

7. OkaP To MinDeLo 

8. JupiTeR Feat. Jonathan Jurion 

9. FuLL oF LoVe Remix 

10. LeTTre Du MALi PouR JonaTHan 

11. MiLes ConvoY 

12. SHouLd I sMiLe? Feat. Dominique Fils-Aimé



▪️デジタル・アルバム『sMiLes』配信中!

https://modulor.lnk.to/smiles



【バイオグラフィー】


ハイチからの移民の両親のもとカナダ・モントリオールで生まれ育つ。父親の教会で初めて音楽に出会い、賛美歌やゴスペルを吸収し、15歳でアルト・サックスを手にしたことが、彼の人生を大きく切り拓く転機となる。その才能は徐々に注目を集め、数年のうちにボストンのバークリー音楽大学から奨学金を獲得。


大学での学びを通じて音楽的な技術を磨き視野を大きく広げていった。サックス、クラリネット、トランペット、ローズ、ピアノ、フルートなどどんな楽器でも手に取り、その瞬間にしか生まれない音を全身で表現してきた。これまでにロイ・ハーグローヴ、トニー・アレン、アンドレ3000、マーカス・ミラー、ワイクリフ・ジーン、JBダンケル(エール)など、ジャンルも世代も越えた多彩なアーティストたちと共演。


ディスコグラフィーには『Let’s BasH!』(2017)、『Love Matters!』(2019)、『LeKTure』(2020/カルロス・ニーニョに影響を与えた)、『SpiriTuaL HeaLinG: Bwa KaYimaN FreeDoM Suite』(2023)など、最新作『スマイルズ』を含む、創造性と自由を貫いた全11作品が並ぶ。


もし、ジャズをワールドミュージックとして見たらどうなるだろう? その音楽的な文脈は少し変わって来る。さて、すでに、ニューオリンズの歓楽街、ストーリービルで始まったジャズ文化については言及しているが、一方で、これらの文化的な背景についてはまだ触れていない。ジャズは結局、ルイジアナにルーツがあるが、この文化的な背景を支えたのが、クレオールだった。


''ルイジアナ''はスペインとフランスが混合しながら支配し、黒人奴隷を呼び込んだ。しかし、これらの一般的な枠組みに収まりきらないのが、クレオールである。ニューオリンズには、ヨーロッパ人と黒人の混血がいた。この土地はアフリカやカリブの文化形態をこの土地に呼び込むことに成功し、様々な文化が混在していた。当初、ニューオリンズのクレオールは、白人に肩を並べる地位を獲得し、ヨーロッパ音楽など高等教育を受けることも出来た。南部は歴史的に差別の多い地域と一般的に言われているが、これらのエピソードはその定説を覆す内容でもある。

 

特権階級のような地位を与えられたクレオールであったが、 19世紀末に奴隷制が解体されると、これらの特権的な地位を奪われた。そこで、クレオールたちは、ストーリーヴィルに根を張り、独自のジャズカルチャーを形成していく。ここでは売春も行われたが、西欧のキャバレー文化が持ち込まれた好例となるだろう。今回は、クレオール文化について簡単に触れていく。

  

そもそもクレオールという言葉は、フランスの''クレオール''に由来し、植民地出身の意味。ルイジアナでは、この言葉を引き継ぎ、ルイジアナで生まれた人とそうではない移民を区別することにした。クレオールーーそれは旧世界と新世界の子孫を区別するために存在した言葉であった。

 

しかし、元々、この言葉は人種的な指標が存在しない。ヨーロッパ人、アフリカ人、その混血など様々な階級の人々がそう呼ばれていた。ルイジアナは、ルイジアナ買収を通じて、アメリカ合衆国の一部となり、便宜的にこのクレオールという言葉が使用されるようになった。当初は、移民を示す政治的なアイデンティティを持つ意味として使用された経緯があった。1718年にニューオリンズが制定されると、開拓者たちは地元で生まれた最初のクレオール世代に道を譲った。以降、黒人が入植しはじめ、ブラック・クレオールというように呼ばれることになる。

 


▪クレオールのルーツとルイジアナの発展と再興


ルイジアナの白人クレオールの多くは、ヨーロッパのフランスにルーツが求められる。この祖先は、さらに、北部のケベック(カナダ)、アカディア(ケイジャン)」のコミュニティから発生している。もちろん、これもクレオールの一部を示すに過ぎない。ルイジアナは19世紀ごろに多くの人口が流入した。ハイチ革命では、白人と有色人種の難民がセント・ドミンゲからニューオリンズに押し寄せる。この人口流入は都市部の全体的な人口を押し上げることになった。

 

もちろん、クレオールは他地域からの移民も含まれていた。アイルランド、ドイツ、そしてイタリアなどのグループが19世紀後半にかけてルイジアナに移住した。例えば、ボストンのスコットランドやアイルランドからの移民の事例を見てもわかる通り、これらの移民はクレオール文化を強化させ、今日に続く、ニューオリンズのような活気に満ちたコミュニティを形成していった。

 

クレオールとは、最も基本的な定義では「植民地生まれ」を意味し、18世紀以来、あらゆる背景や肌の色を持つ人々が自らのアイデンティティとして用いてきた。20世紀初頭まで、アカディア系(ケイジャン)を含む多くのルイジアナのクレオールは、自らをアメリカ人とは認識していなかった。 ナポレオンがルイジアナをアメリカに売却する以前から彼らはこの地にいたのだから。


1803年、アメリカ合衆国がフランスからルイジアナを購入した後、クレオールは英語を話し、プロテスタントの「アメリカ人」による侵略とみなした状況下で自らの言語のフランス語とクレオール語、衣食住、ローマカトリック信仰を維持するために努めた。それゆえ、ニューオーリンズはアメリカで最もヨーロッパ的であり、''最もカリブ海的な都市''と呼ばれることがある。


クレオールはアフリカ的ルーツを持つ。多くの人々に「クーリ・ヴィニ」と呼ばれ、1700年代半ばからルイジアナで話されてきた。現在ユネスコの危機言語リストに登録されているルイジアナ・クレオール語は、使用促進に尽力する拡大するコミュニティの努力により、復興の兆しを見せている。



▪ニューオリンズのジャズの出発 

チャールズ・バディ・ボールデンは左から二番目

こうした文化的な背景を持つクレオールの中からジャズは出発している。特に、ニューオリンズにはブラスバンドの伝統があり、これらはなんらかの記念祭のようなシーンで演奏されていたと推測される。その中で、元々音楽的な演奏の経験を持つ人々、もしくは、上記のように高等音楽教育を受けた音楽家がこれらの最初のジャズの風をルイジアナに呼び込むことになった。

 

しかし、そのジャズの始まりというのも、複雑であり、一概にどのように発生したのかを定義付けるのは難しい。ラグタイムなど黒人系のダンスミュージック、そしてニューオリンズのブラスバンドの影響が流入した。コルネット、トロンボーン、クラリネット、そしてピアノを前面に立ててジャズという形式が形づくられていく。

 

最初のヒーローは、コルネット奏者のCharles Buddy Bolden(チャールズ・バディ・ボールデン)というミュージシャンである。ボールデンは「キング・オブ・ジャズ」の元祖とされていて、ジャズの先駆者であると言われている。ボールデンは、コントラバスとクラリネット、トロンボーン、そしてアコースティックギターの編成を中心にジャズを演奏した。彼はけたたましい音量で演奏し、女性たちを驚かせた。

 

その後、ニューオリンズジャズの最盛期になると、キング・オリバー、ピアニスト、ジェリー・ロール・モートン、それからトロンボーン奏者、キッド・オリー、クラリネットのシドニー・ベシェ、ジョニー・ドッズ、ジミー・ヌーンなどが活躍した。これらの最初期のジャズ奏者の演奏は、そのほとんどが即興演奏の技術を競い合うというものであった。ジャズが誕生後、一般的な黒人や白人にも広まり、ニューオリンズから急速に周辺都市へと広まっていった。

 

バディ・ボールデンの型破りで破天荒なミュージシャンの姿に強い触発を受けた人間がいた。それが、サッチモこと、ルイ・アームストロングであった。アームストロングは1936年の自伝『Swing That Music』で以下のように書いた。



ーーそういえば、ここでバディー・ボルデンの名前に触れないわけにはいかないだろう。ニューオリンズに生まれ育ち、ジャズの誕生を目撃した僕らならだれでも知っているが、そもそも彼が創始者だったーー

 

ーー彼はコルネットを持って1905年にニューオリンズに迷い込んできた。彼がホーンを放り投げるもんだから、みんなは彼が完全にいかれていると思った。 バディーは酒びたりになっていった。多くのホットなミュージシャン同様、週のうち2、3晩は寝ずに働いていたから。彼らは落ち込んで、さらに飲む。彼らのうち、あまりに多くが若いうちにバディーみたいに崩壊していったよーー

 

ーーたしか、ディキシーランド(ジャズ・バンド)がやってきたときに彼は行ってしまった。ボルデンは、疑いなく最初の偉大な個人のジャズ・プレーヤーだったが、ディキシーランドみたいなバンドを持ったことがなく、ニューオリンズの外部では全然知られなかった。彼はただの一匹狼の天才で、みんなから先に進みすぎていたんだよね。ちょっとだけ時代を先取りしすぎていたんだーー

 

 

 



カントリー/ラップの新星ジャスト・ブランドン(justbrandon)による新曲「Bury Me On A Backroad」を聴いてみよう。本作には批評家から高い評価を受けるアーティストであり、ビヨンセとのコラボでも知られるウィリー・ジョーンズが参加しています。 


''Gravel Road''よりリリースされた本作は、喪失に伴う痛みを和らげたいという願いを込めた、情感あふれるアンセム的なコーラスが特徴。リリースに合わせて、SUNO主催の「Bury Me On A Backroad」リミックスコンテストでは4,000件の応募があり、選ばれた5作品が新EPに収録されています。


楽曲はjustbrandon(ブランドン・ガブリエル)が作詞・プロデュースを担当。彼は「Busch Light Papi」などのバイラルヒットで才能ある作詞家としての実力を証明している。ウィリー・ジョーンズは数億回再生を記録し、ビヨンセのCOWBOY CARTERとのコラボレーションで最も知られる。

 


「Bury Me On A Backroad」 


 

 

Brandon Gabriel Jones:

 

ジャスト・ブランドン(Brandon Gabriel Jones)は、鮮やかなストーリーテリングと独特のボーカルスタイルを融合させることで知られるアメリカのアーティスト、シンガーソングライター、クリエイティブディレクターである。

 

インディアナ州南部で育ち、小学校時代から音楽制作を始め、本物らしさ、記憶に残る作詞、そして実生活に根ざした視点で評判を築いた。彼のバイラルヒット曲「Busch Light Papi」はより広い聴衆に彼を紹介し、インディペンデントミュージック界の新鋭として位置づけた。


ジョーンズの初期は、絶え間ない楽曲制作、兄弟とのレコーディング、そして地元でのライブ活動や自主制作リリースによる草の根的なファン層の構築に費やされた。2015年にはソーシャルメディアパーソナリティのテイラー・キャニフへの楽曲提供でソングライターとして注目を集め、その作品が全国的な認知を得るきっかけとなった。


音楽活動に加え、justbrandonは映像制作、ブランディング、デザイン、コンサルティング、A&Rまで手掛けるクリエイティブディレクターでもある。この多分野にわたるアプローチが、彼の映像作品に映画的なトーンをもたらし、リリース作品に一貫したアイデンティティを確立している。


「Busch Light Papi」の成功を受け、Gravel Roadと契約。誠実さ、視点、実体験に根ざした音楽で作品群を拡大し続けている。コミュニティへの貢献、クリエイティブの独立性、メンターシップへの取り組みは彼の活動の核であり、同世代で最も際立った新進アーティストの一人としての地位を確立している。


▪EN


justbrandon (Brandon Gabriel Jones) is an American artist, singer-songwriter, and creative director known for blending vivid storytelling with a distinctive vocal style. Raised in Southern Indiana, he began making music in elementary school and developed a reputation for authenticity, memorable writing, and a perspective shaped by real life. His viral single “Busch Light Papi” introduced him to a wider audience and positioned him as an emerging voice in independent music.


jones’ early years were marked by constant writing, recording with his brothers, and building a grassroots following through local performances and independent releases. He later gained attention as a songwriter in 2015 after contributing music for social media personality Taylor Caniff, which brought his work to a national audience.


In addition to his music, justbrandon is a creative director whose work spans video production, branding, design, consulting, and A&R. His multidisciplinary approach influences the cinematic tone of his visuals and the cohesive identity behind his releases.


Following the success of “Busch Light Papi,” he signed with Gravel Road and continues to expand his catalog with music grounded in honesty, perspective, and lived experience. His commitment to community, creative independence, and mentorship remains central to his work, establishing him as one of the most distinct rising voices of his generation.


His new single "Bury Me On A Backroad" is in collaboration with critically acclaimed artist Willie Jones. The single features an emotive and anthemic chorus about hoping to lighten the painful experience that comes with loss. To accompany the release, SUNO sponsored a remix contest for “Bury Me On A Backroad" which generated 4,000 submissions and the five winners are on the new EP




 


ビル・キャラハンからのサプライズ・ギフト。今年を締めくくる新曲を仲間たちへ届ける。「Lonely City」は、2026年2月27日にリリースされるニューアルバム『My Days of 58』からのセカンドシングルだ。 


ドラムがじわじわと時間をかけて盛り上げる中、キャラハンは6弦を慈しむようにかき鳴らし、私たちが「家」と呼ぶ、馴染み深くも刻々と変わる場所へと歌声を届ける。「君のもとに戻ったら/まず最初に/歩き回って新しいものを探すんだ」 ジェリー・デイヴィッド・デチッカのタンバリンも聴ける。


「Lonely City」のミュージックビデオは、著名なストリートフォトグラファー、ダニエル・アーノルドが制作。ダニエルは15年以上にわたる自身の写真群から素材を抽出し、ビルの楽曲が紡ぐ視覚世界を鮮烈に描き出した。ビルは次のように説明している。


「『Lonely City』は何十年も前から書きたいと思っていた曲だった。ずっと胸に秘めていた。僕は人間と内なる精神に焦点を当てて書く傾向がある。だからコンクリートや鋼鉄について書くのは無理だと思った。次に車の歌でも書く? だがもちろん、都市は人間によって築かれたものだからそれ自体も人間的。 君は都市と関係を持つ、友達のように。 駐車違反切符を切られた時は怒り、美味しい食事を提供してくれた時は愛おしく思う。 全てを認める歌」


『My Days of 58』では、ビルの信頼するツアーバンドによる情熱的な演奏が聴ける。マット・キンジー(ギター)、ジム・ホワイト(ドラム)、ダスティン・ローレンツィ(サックス)。 リチャード・ボーデン(フィドル)、パット・スラッシャー(ピアノ)、クリス・ヴリーランド(ベース)、マイク・セントクレア(トロンボーン)、ビル・マッカロー(ペダル・スティール)、イヴ・サールズ(バック・ボーカル)も参加している。


「Lonely City」


 

Panda Bearの「Venom's In」デモバージョンが、キャス・マコームズとのコラボレーションで録音され、初のデジタルリリースを果たした。「Venom's In」は、2月にリリースされたパンダ・ベアの8作目となるアルバム『シニスター・グリフト』に初収録された楽曲である。

 

アニマル・コレクティブの共同創設者ノア・レノックスの別名であるパンダ・ベアは、当初この曲をシンガーソングライターの仲間であるキャス・マッコムズへの贈り物として書き上げたが、マッコムズは自身の作品としてリリースすることはなかった。 マッコムズ版はこの曲の隠れた存在であり続け、4月のレコードストアデイ向けに特別プレスされた7インチ盤で初めて公開された。この盤ではA面にパンダ・ベア版、B面にマコームズ版が収録されていた。本日、このデモ音源が各ストリーミングサービスで配信開始となった。

 


「Venom’s In」 

▪2025年のTransgressive Recordsの魅力的なアーティスト、リリースをご紹介


ロンドンに本拠を置くインディペンデントレーベル、 Transgressive Recordsは、今年創設から20周年を迎えました。本レーベルは英国内に留まらず、世界各国の気鋭のグループ/アーティストを率先して紹介し、インターナショナルな音楽を開拓し、良質なリリースを手掛けてきました。 いずれのアルバムも聴き応えがあり、本当に素晴らしかったです。Matador、Dominoと並んで、今年のベスト・レーベルの一つでした。


MUSIC TRIBUNEでは、光栄にも、Transgressiveからのリリース提供を頂戴し、複数のアーティストをご紹介してまいりました。今年度の終わりを迎えるにあたって、レーベルの魅力的なルースター、リリースをぜひ確認してみてください。トランスグレッシブレコードのメッセージは以下の通りです。


今年は、Beverly Glenn-Copeland、Greg Freeman、Nadia Kadek、Rocket、Sparks、The New Eves、The Antlers、Jenny On Holidayに加え、Moonchild Sanelly、Songhoy Blues、University、Miso Extra、The Moonlandingzの新作をお届けできたことを誇りに思います!


皆様のアーティストへのご支援、ご視聴、そしてシェアは私たちにとってかけがえのないものです。音楽と繋がり、創造性に満ちたこの一年に対し、私たちは限りない感謝を捧げるとともに、次なる展開を皆様にお届けできる日を心待ちにしております。



 ▪Beverly Glenn-Copeland




グレン・コープランドは1960年代に音楽キャリアを開始し、モントリオールのマギル大学でクラシック歌唱を学び、万国博覧会(エキスポ67)で演奏した。1970年代初頭にリリースされた2枚のセルフタイトル・アルバムは、彼の力強い歌声と作曲才能を多ジャンルの楽曲で披露した。 1986年、オンタリオ州の田舎で暮らす中、グレン=コープランドは独学でデジタルシンセサイザーを習得し、自身のキャリアの全方向性を変えることになるアルバムを録音した。


当時、彼は『Keyboard Fantasies』を200本限定のカセットテープで自主リリースしたが、わずかな枚数しか売れず、残りは倉庫で眠ったままとなった。 2015年、日本のレコード収集家がグレン=コープランドに残りの在庫を買い取るようメールで連絡してきた。新たな世代が彼の芸術を発見したのだ。音楽は世界中に広がり、数年後、70代となったグレン=コープランドは初めてヨーロッパツアーに赴き、ライブ観客に自身の楽曲を届けた。この旅はポージー・ディクソン監督の2019年ドキュメンタリー『キーボード・ファンタジーズ』に収められている。


グレン・コープランドは2026年2月6日にニューアルバム『Laughter In Summer』をリリースする予定です。
 







▪Greg Freeman 


 
メリーランド州生まれでバーモント州バーリントンを拠点とするシンガーソングライター、グレッグ・フリーマンは、過去の風変わりな醜さの中に感情のカタルシスと現代的な共鳴を見出すことに生き甲斐を感じている。彼の楽曲はすべて、切迫した歌唱と歴史から暴力、喪失、啓示といった人物中心の物語を掘り起こす喚起力ある歌詞によって、確かな場所の感覚を帯びている。



2022年にデビューアルバム『I Looked Out』をリリースした時、PRキャンペーンもレーベルも音楽業界のプロモも行われなかったが、著名な批評家から賞賛を集めた。UPROXXのスティーヴン・ハイデンは''2023年に発見した2022年のお気に入りアルバム''と評した。Paste Magazineは「2020年代のベスト・デビュー・アルバム25選」にこの作品を選んだ。 このリリースの口コミでの成功により、フリーマンは容赦ないツアースケジュールをこなすようになった。



 8月22日にキャンバスバック/トランスグレッシブよりリリースされたセカンドアルバム『Burnover』では、アーティストが、北東部の複雑な背景を舞台に、悲嘆、疎外感、愛に心を開くことで得られる明晰さを歌い上げる。 爆発的で不安を掻き立る10曲は、エネルギッシュなインディーロックとゆったりしたトワンクを融合させている。フリーマンにとって最も冒険的で個人的な作品であり、彼を唯一無二のソングライティングの才能として確固たるものにした。 
 
 
 
 
 
 




▪Jenny On Holiday




批評家から高い評価を受けるオルタナティブポップ・デュオ、Let's Eat Gramma、の一員として知られるジェニー・ホリングワース。今や親しみやすくも驚くほど新たな声で自らを再提示する。 その結果生まれた音楽は、親密でありながら広がりを感じさせるもの。存在の軽やかさの中に新たな喜びを見出した根幹にある。ジェニーは再び好奇心に満ち、人生に恋をしている。


デビューシングル「Every Ounce Of Me」に続き、ジェニー・ホリングワースは新たな明晰さによって推進される、芸術家としての力強い新章をソロデビューアルバム『Quicksand Heart』で完全に展開する。 印象的なイメージである「流砂の心臓」とは、渦巻く感情の渦、脈打つ感情の深淵。ジェニー・オン・ホリデーが愛を与え、受け取る方法を表現した言葉だ。 ニューアルバム『Quicksand Heart』は2026年1月9日にTransgressiveからリリースされます。
 
 
 
 
 
 




▪Rocket


タトル(ボーカル、ベース)、バロン・リンズラー(ギター)、クーパー・ラドメイド(ドラム)、デシ・スカグリオーネ(ギター)からなるロケットは、ここ数年多忙な日々を送っている。 

幼少期からの友情を持つロサンゼルスのクルーは、2021年に結成され、無名の小屋でデビューEPを録音した。彼ら全員が「バンド」というアイデアに真剣に取り組んだのは初めてのことだった。それにもかかわらず、燃え上がるような気密性の高い曲で完全な形になった。 


4人組の注目すべきデビューアルバム『R is for Rocket』は、華やかでラウド、アンセミック、爆音、美しいサウンドの地形を駆け抜ける歓喜の旅である。まったく新しいサウンドでありながらノスタルジーを呼び起こすという稀有な偉業を達成しており、一瞬で人を魅了する曲で構成されている。  


ギザギザでファジーなサウンドは、ソニック・ユースやマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのような90年代のギター・バンドを祖先に持つが、ロケットはそれらの試金石を使って彼ら独自のサウンドを打ち立てようとする。彼らが同世代で最も有望なギター・バンドの一つと広く認められているのも不思議ではない。

このアルバムは、絶賛された『Versions of You EP』のエネルギーをベースにしていたが、『R is for Rocket』ではバンドの技術が目覚ましく進化している。2024年初頭にアルバム制作を開始するまでに、彼らはほぼ途切れることのないツアースケジュールをこなしてきた。彼らのヒーロー、ライド、サニー・デイ・リアル・エステート、シルヴァーサン・ピックアップスの前座として数えきれないほどの時間をストリートで過ごす中、四人組はデビュー・アルバムの制作に取り組み、ドラムのクーパー・ラドマデの実家の庭にあるささやかなスタジオで作曲を行った。スマッシング・パンプキンズのツアーにも帯同した注目すべきロックバンドの一つ。
 
 
 
 
 




▪Sparks


1970年にロン、ラッセル・メイル兄弟によって始まったスパークス。もはや説明不要の音楽シーンの伝説的な存在。
 
 
バンドは、最近AIMアワードでOutstanding Contribution to Music Awardを受賞し、伝説的な映画監督ジョン・ウーとのコラボレーションを明らかにするなど、これまで以上に多忙を極めている。2025年、スパークスはトランスグレッシヴと新契約を交わし、新しい挑戦を始めています。


今年、メイル兄弟は歴代の作品の中でイギリスチャート最高位を獲得した『Mad!』をリリースし、快進撃を始めている。続いて、スパークスはEP「Madder!」をリリース。ベテランデュオと侮ることなかれ。デビュー50年を経ても、スパークスのパワーは今なお止まることを知りません。
 

 
 
 
 



 

▪Nadia Kadek



英国/ノーフォークの静かな田園地帯で育ったナディアは、自分自身を "フェスティバル・ベイビー "だと言ってのける。フローレンス+ザ・マシーン、ジェフ・バックリーなどのサウンドトラックを聴きながら、キャンプ場までの長い車中泊の旅の中で、初期の音楽的記憶を形成していった。 


フェスティバルを楽しむ仲間たちの肩の上でヒーローを見守り、グラストンベリー2024の''エマージング・タレント・コンペティション''で準優勝し演奏するまでになった彼女の物語は、すでに一周した瞬間と静かな並外れた決意を示唆する。


現在、ロンドンを拠点に活動するカデックは、ライブ・パフォーマンスの力で着実に熱狂的なファンを増やしている。 生の才能と粘り強さを見せつけるセルフ・ブッキング・ライブの後、カデックは、今日最も尊敬され、境界を押し広げるアーティストを育てることで有名なレーベル、Transgressiveの目に留まった。


今年、グラストンベリー、BSTハイド・パーク、ラティテュード、ピッチフォーク・フェスティバルなど大型フェスティバルに出演。10月7日にはデビューEP『Green Car』をリリースしました。
 
 
 





▪The New Eves



The New Eves(ザ・ニュー・イヴス)は、ヴァイオレット・ファラー(ギター、ヴァイオリン、ヴォーカル)、ニーナ・ウィンダー・リンド(チェロ、ギター、ヴォーカル)、ケイト・メイガー(ベース、ヴォーカル)、エラ・オーナ・ラッセル(ドラムス、フルート、ヴォーカル)の四人からなる。おどろくべきは、全てのメンバーがボーカルを歌う。ソロシンガーという固定概念はない。

パティ・スミスやルー・リードのような文学性、英国の古典的な民族音楽を組み合わせたグループである。その瞑想的な音楽性は、BC,NR、Last Dinner Partyといった現代的なバンドのシアトリカルな性質もあるが、それと同時に70年代のUKロックと呼応する側面もある。彼女たちの音楽にはLed Zeppelinのような民族音楽のフォークミュージックの影響をとらえることも難しくない。


バンドは5月から国内ツアーを出発させ、冬にはピッチフォーク・フェスティバル(パリ)に出演予定。複数のツアー日程では、Ninja Tuneの人気バンドで新作アルバムをリリースした、BC, NR(Black  Country, New Road)と共演している。今後の活躍に期待したい実力派のグループ。

 

 

 

▪Listen/Stream 

 

 

▪The Antlers



2010年代のインディーロックシーンの最重要ユニット、ザ・アントラーズの7作目となるアルバム『ブライト』をリリースした。

 

全9曲にわたり、ボーカル兼メインソングライターのピーター・シルバーマンは、私たちの受動的な破壊的傾向——無頓着な汚染、無自覚な浪費、そして自然界への不注意による破壊——と向き合う。しかし重いテーマにもかかわらず、『ブライト』は決して聴き手を苛む作品ではない。冒険的なアレンジと持続的な推進力により、それはむしろ虹色の冒険譚のように響く。


アルバムは数年かけてレコーディングされ、その大部分はニューヨーク州北部にあるシルバーマンの自宅スタジオで制作された。 「このアルバムの大部分は、この広大な畑を歩きながら構想された。廃墟の惑星をさまよっているような気分だった」


『Blight』はSFのようでもあり、近未来から届けられたかのようでもある。 このアルバムは、綿密な世界構築の作品であり、耳の保養と驚くようなスタイルの変化で溢れている。 指弾きのギター、催眠術のようなオルガンのスタブ、軽快なピアノのメロディーなど、多くの曲がまばらな要素から始まるが、その土台に縛られ続けることはほとんどない。 曲の途中で穏やかなバラードからドキドキするようなエレクトロニカへと変化し、最後にはまったく別の地点に着地する。    


 

 

▪Listen/Stream 



柴田聡子がElle Teresaを迎えたドラマプレミア23「シナントロープ」オープニングテーマ曲「ときめき探偵」。Le Makeupによるリミックスのリリースが12月17日にリリース、PINK VINYLの12INCHレコードが2026年3月07日にリリース決定。


Elle Teresaを迎えたドラマプレミア23「シナントロープ」オープニングテーマ曲「ときめき探偵」。オリジナルの共同プロデュース・ミックスを担当したLe Makeupによるリミックスが12月17日に、PINK VINYLの12INCHレコードが2026年3月07日にリリース決定しました。マスタリング、Dave Cooley。アートディレクション、デザイン、坂脇慶。イラストレーションは、anccoが担当。


2026.03.28には、LIQUIDROOMで柴田聡子 presents「ありがとう」vol.3で(柴田聡子(BAND SET) × Elle Teresa × Le Makeup)、「ときめき探偵」の三者が集うライブも控えている。



▪️柴田聡子 & Elle Teresa「ときめき探偵 feat. Le Makeup (Le Makeup Remix)」



Digital (4580789745041) | DDJB-91265_DIGITAL_2 | 2025.12.17 Release | Released by AWDR/LR2

[ https://ssm.lnk.to/TokimekiTanteiRemix ] PRE-ADD/PRE-SAVE

柴田聡子 & Elle Teresa | Satoko Shibata & Elle Teresa - ときめき探偵 feat. Le Makeup (Le Makeup Remix) (Short)

[ https://youtu.be/TcX6rkON2y0 ]


 

 

▪️柴田聡子 & Elle Teresa「ときめき探偵 feat. Le Makeup [PINK VINYL 12INCH]」



PINK VINYL 12INCH | DDJB-91265 | 2026.03.07 Release | Released by AWDR/LR2 | 3,000円+Tax

[ https://ssm.lnk.to/TokimekiTantei12INCH ]

A. 柴田聡子 & Elle Teresa / ときめき探偵 feat. Le Makeup

B. 柴田聡子 & Elle Teresa / ときめき探偵 feat. Le Makeup (Le Makeup Remix)



▪️柴田聡子 & Elle Teresa「ときめき探偵 feat. Le Makeup」(デジタルバージョン)

Digital (4580789734687) | DDJB-91265_DIGITAL | 2025.10.08 Release | Released by AWDR/LR2

[ https://ssm.lnk.to/tokimekitantei ]

[ https://youtu.be/DM9BwB9Gvi4 ]



作詞:柴田聡子、Elle Teresa Lyrics by Satoko Shibata, Elle Teresa

作曲:柴田聡子 Music by Satoko Shibata

アレンジ:柴田聡子、Le Makeup Arranged by Satoko Shibata & Le Makeup

リミックス:Le Makeup Remixed by Le Makeup


柴田聡子:ボーカル、プログラミング、ベース Satoko Shibata: Vocals & Programming, Bass

Elle Teresa:ボーカル Elle Teresa: Vocals

Le Makeup:プログラミング、ギター、シンセサイザー Le Makeup: Programming, Guitar, Synthesizer


レコーディング・エンジニア:柴田聡子、Le Makeup Recording Engineer: Satoko Shibata, Le Makeup

Elle Teresaレコーディング・エンジニア:EGL Elle Teresa Recording Engineer: EGL

レコーディング・サポート:宮﨑洋一 Recording Support: Yoichi Miyazaki

レコーディング・スタジオ:IDEAL MUSIC FABRIK Recording Studio: IDEAL MUSIC FABRIK

Elle Teresaレコーディング・スタジオ:CANTEEN Studio Elle Teresa Recording Studio: CANTEEN Studio

ミキシング・エンジニア:Le Makeup Mixing Engineer: Le Makeup

マスタリング・エンジニア:Dave Cooley (Elysian Masters, LA) Mastering Engineer: Dave Cooley (Elysian Masters, LA)


アートディレクション、デザイン:坂脇慶 Art Direction, Design: Kei Sakawaki

イラストレーション:ancco Illustration: ancco



柴田聡子:

シンガー・ソングライター/詩人。北海道札幌市出身。武蔵野美術大学卒業、東京藝術大学大学院修了。2010年、大学時代の恩師の一言をきっかけに活動を始める。

 

2012年、1stアルバム『しばたさとこ島』でデビュー。以来、歌うことを中心に活動の幅を広げ、現在までに7枚のオリジナル・アルバムを発表。

 

2016年、第一詩集『さばーく』を上梓。同年、第5回エルスール財団新人賞<現代詩部門>を受賞。2023年、エッセイ集『きれぎれのダイアリー』、2024年、第二詩集『ダイブ・イン・シアター』を上梓。寄稿も多数で、「しずおか連詩の会」への参加など、詩人・文筆家としても注目を集めている。

 

2024年リリースのアルバム『Your Favorite Things』がCDショップ大賞2025<赤>大賞を受賞。2025年、シングル『Passing』をリリース。文を手がけた初の絵本『きょうはやまに』(絵・ハダタカヒト)の単行本を上梓。

 

弾き語りとバンド編成により縦横無尽のライブ活動を展開。RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZOなど、大型フェスへの出演も果たしている。客演や曲提供なども多数で、その創作・表現はとどまるところを知らない。


Elle Teresa:


個性的なフローと遊び心のあるリリック、独自のファッションセンスで同性から圧倒的な人気を誇るラッパー、Elle Teresa。

 

1997年、静岡県沼津市生まれ。2015年からラッパーとして本格的な活動を始め、2016年1stミックステープ『Ignorant Tape』を発表。2018年には2023年まで続く3部作となるアルバム『KAWAII BUBBLY LOVELY』をリリースし、着実にアーティストとして不動の地位を獲得。その後も大型の作品を立て続けに発表し、客演にはTohjiやChoppa Caponeなど国内で人気のラッパーだけでなく、Lil Keedなど海外アーティストとの共同制作も積極的に手がけている。

 

等身大のキャラクターから生まれる大胆かつ繊細なリリックは、同年代やティーンの同性ファンの共感を呼び、日本各地で行われるライブは同性ファンを中心に大きな盛り上がりをみせている。2023年からはPOPYOURSなど大型フェスへの出演に加えて、YoutubeやTikTokなどでの活動も積極的になり、他の女性アーティストとは一線を画した独自の地位を確立している。


Le Makeup:


シンガー/プロデューサー。関西学院大学在学中に作曲へと本格的に取り組みはじめ、以降国内外の様々なレーベルから作品を発表する。2020年にアルバム「微熱」をリリース。中国・韓国・オランダ・デンマーク・ドイツでもパフォーマンスを行う。

2023年2月にDove、gummyboy、JUMADIBA、Tohji、環Royが参加したアルバム「Odorata」をリリース。Pitchforkで取り上げられた。2024年5月15日にアルバム「予感」をリリース。5月21日にWWW(東京)、6月09日にCONPASS(大阪)にて初のワンマン「予感」を行った。


 

著名なアーティスト、瞑想ガイドのRina Rain(リナ・レイン)による新マントラ楽曲&ビデオ「Om Tare Tuttare Ture Soha(オーム・ターレ・トゥッテ・トゥレ・ソーハ)」は苦しみからの解放と恐怖からの保護を祈る。サンスクリット語の仏教マントラは、行動する慈悲の化身である女性的な緑のターラを呼び起こします。内なる恐怖、外なる恐怖からの保護と自由への道を求めるときに実践するのに適しています。


リナ・レインは、音楽を通じて、平和、献身、癒しを伝えるガイドです。魂のこもった歌声と古代のマントラ、現代的なサウンドスケープを融合させ、内なる静寂と繋がりを促す楽曲を創り出します。彼女の声は静寂の本質を運び、それぞれの詠唱は柔らかな祈りのように広がり、今この瞬間に戻ることを導きます。本トラックはアルバム『雨のささやき』からの第二弾試聴曲です。 ヒーリングミュージックがお好きな方におすすめ。


リナ・レインはベイエリアを拠点とする瞑想トレーナーであり、マインドフルネス、キャリア開発、自己啓発の分野で20年以上の経験を持つ。また、マントラアーティスト(Rina Rain)として、音楽を通じて、平和、献身、癒しを伝える瞑想ガイドでもある。


魂のこもった歌声と古代のマントラ、現代的なサウンドスケープを融合させ、内なる静寂と繋がりを促す楽曲を創り出す。彼女の声は静寂の本質を運び、それぞれの詠唱は柔らかな祈りのように広がり、今この瞬間に戻る道となる。


 神聖な反復と音と音の間の沈黙に根ざしたリナの歌声は、聴く者をゆっくりと歩み、呼吸し、自分自身へと帰るよう誘います。シンプルで広々とした音と導きを通して、彼女は平和、記憶、静かな変容の周波数を伝えます。彼女の音は、単なるパフォーマンスではなく、それらの境界線といえます。


デビュー曲「Lokah Samastah Sukhino Bhavantu(ロカ・サマスタ・スッキーノ・バヴァントゥ)」は、瞑想と深い平安のために創られたアルバム『Wispers of Rain(雨のささやき)』の第一弾となる。彼女は語る。


「『ロカ・サマスタ・スッキーノ・バヴァントゥ』は私の声と心を開いたマントラです。この曲は、私たちの心と魂の苦しみを和らげ、あらゆる時、あらゆる場所の全ての存在のために捧げる私の祈りです。 このマントラが、重く感じるものを和らげ、聴くすべての人に深い帰属意識を目覚めさせることを願ってます。私たちは皆つながっており、この旅路を独りで歩んでいる者はいないことを、どうか思い出せますように」


最新曲「Om Tare Tuttare Ture Soha(オーム・ターレ・トゥッテ・トゥレ・ソーハ)」は、苦しみからの解放と恐怖からの守護を祈るマントラ。サンスクリット語の仏教マントラは、行動する慈悲の化身である女神グリーンターラを呼び起こす。内なる恐怖、外なる恐怖からの守護と、自由への道を求める際に実践すると良いでしょう。 


リナは次のように語っています。「『オーム・タレ・トゥッタレ・トゥレ・ソーハ』は、私たち全員の内なる優しい本質へと呼び戻す招待状です。録音中、私は慈悲の柔らかな波に抱かれているような感覚に包まれました——マントラの反復によって支えられ、癒され、開かれていくのです。自分の中に眠っていた柔らかさが目覚めたのです」


「この詠唱は速いリズムで進みますが、その目的は深い癒しにあります。恐怖や幻想、内なる葛藤を切り裂き、内なる自由への静かな道を明らかにするためです。この音を聴くとき、その響きがあなたの心と精神の奥深くへと導き、今この瞬間に最も必要な場所に光を照らすことを願ってます。安らぎのひとときをもたらし、感謝と愛と思いやりをもって自分自身と向き合う手助けとなりますように」


20年以上にわたり、リナはマインドフルネス、コーチング、創造的表現を通じて癒しの場を提供してきました。彼女の音楽は瞑想そのものです。それはペースを落とし、呼吸を整え、心へと戻るための招待状になりえる。

 

「Om Tare Tuttare Ture Soha」

 

 

▪️EN

Rina Rain is a Bay Area-based meditation trainer with over twenty years of experience in mindfulness, career and personal development. She is also a mantra artist (Rina Rain) and meditation guide sharing peace, devotion, and healing through music. 


Blending soulful vocals and ancient mantras and modern soundscapes, she creates songs that inspire inner stillness and connection. 


Her voice carries the essence of tranquility, each chant unfolding like a soft prayer, a return to presence. Rooted in sacred repetition and silence between the notes, Rina’s voice invites listeners to slow down, breathe, and come home to themselves. Through simple, spacious sound and guidance, she channels frequencies of peace, remembrance, and quiet transformation. Her sound is not performance, it is a threshold.


Her debut track “Lokah Samastah Sukhino Bhavantu” serves as the first glimpse of her forthcoming album Whispers of Rain, an album created for contemplation and deep peace. 


She shares, “‘Lokah Samastah Sukhino Bhavantu’ was the mantra that opened my voice and my heart. This track is my prayer to help ease suffering in our minds, in our hearts, and for all beings everywhere, at all times. My wish is for this mantra to soften what feels heavy and awaken a deeper sense of belonging in everyone who listens. May we remember that we are all connected, and none of us are walking this journey alone.”


Her latest track "Om Tare Tuttare Ture Soha" is a prayer for liberation from suffering and protection from fear. The Buddhist Mantra in Sanskrit invokes feminine Green Tara, the embodiment of compassion in action. Good to practice when seeking  protection from fears, inner or outer, and a path toward freedom. Rina shares, "'Om Tare Tuttare Ture Soha' is an invitation to return to the gentle nature within all of us. As I recorded it, I felt as though I were being carried by soft waves of compassion - held, soothed, and opened by the repetition of the mantra.  


It awakened a softness in me I didn’t know I was holding. Though the chant moves with a quicker rhythm, its purpose is deeply healing: to cut through fear, illusion, and inner struggle, and reveal the quiet path to freedom within.My hope is that, as you listen, the sound carries you to the far corners of your heart and mind, shining light where it’s needed most in the moment. May it offer a moment of ease and guide you to meet yourself with gratitude, love, and compassion.”


For over two decades, Rina has held space for healing through mindfulness, coaching, and creative expression. Her music is a meditation. It’s an invitation to slow down, breathe, and return to the heart.