2022年に結成された、tenbin Oは日本のクルアンビンともいうべき三人組である。tenbin oは4月22日に三作目のアルバム『Fushigi Na Binsen』のリリースが決定し、本シングル「How To Make It』は、ニューアルバムに収録予定である。
「How To Make It」は、エキゾチックなギターが、しなやかなドラム、そしてアフロソウルのボーカル、ファンクベースと融合したtembin Oらしい楽曲である。音楽的には、最近活動しているか定かではないが、奄美大島のフィーチャーソウルグループ、AMAMMJAUBに近い雰囲気だ。
tenbin oは、結成当初から野心的な音楽ビジョンを掲げて活動を重ねてきた。ポストパンクからモダンソウルまで様々なジャンルを織り込んだ1stアルバム「Lack Of
Heroism」、それから、パーカッションの積極的な導入でビートを複層化し、ダウンビートでエキゾ味を増したグルーヴを獲得した2ndアルバム「illegal positive」を経て、tenbin oは最新アルバム『Fushigi Na Binsen』の収録曲を通じて、研ぎ澄まされたリズムとメランコリックなループサウンドが自然体の体を揺らし、メロディが幽玄に揺蕩う“平熱のサイケ・グルーヴ”を解き放つ。
デビュー作というのは、それまで蓄積してきた音楽経験を惜しみなく詰め込める。よって、そのミュージシャンやバンドの思いがぎっしり凝縮されている。そこに一人の音楽ファンとしては、大きなロマンスを感じる。カルフォルニアのシンガーソングライターによるデビュー作『Misty Mountain』は、イギリスの有力メディア、CLASH、The Line of Best Fitを中心に取り上げられ、好評を博している。アナログ録音をもとにしたオーガニックな雰囲気を持つインディーフォークアルバムで、それほど派手な印象はないけれども、長い時間をかけてゆっくりと聴きたい良質な作品である。
「me,you,us」というような心に残るフレーズを聴いて気持ちが開けたり、また、明るくなるのは、そこに本質的な概念が宿っているからなのだろう。このあたりのオーガニックなフォークサウンドは、イギリスのフォークシンガー、Anna B Savage(アンナ・サヴェージ)の系譜にあるといえる。実験的なサウンドを織り交ぜながらも、曲の構成はシンプルで、一番から二番に移行し、演奏には弦楽器が加わる。そして音楽的に最も重視されるのは、全体的なハーモニーや調和である。気負いがなく、親密で開放的な演奏がボーカルと巧みに融合している。総合的に見れば、自然体な感じがするフォークミュージックを介して、リスナーの心を優しく解きほぐしてくれる。
「Love Is A Garden」はフォークとポップ、ジャズの中間にある曲で、聴いていて安心感がある。それは、理想主義という空想的な側面から離れて、地に足がついた音楽だから好感が持てる。ゆったりと流れていく雲や空のように、あるいはゆっくりと土から枝を伸ばし、ささやかな花を咲かせるかわいい植物のように、そこに存在するだけで完璧であるという、簡単ではあるが、自然の摂理を示す曲でもある。すでに完璧である事柄に不完全さを与えたがるのが人間の奇妙な性である。それはまた、人間そのものの不完全性を暗示しているのかもしれない。
レトロフューチャリスティックなダンスエクスペリエンス、CŒUR ACIDEのニューシングル「TOUCH ME (ALL NIGHT LONG)」が、toucan soundsよりリリース。イタロ・ディスコ風のダンスミュージックで、デュオは、P-Funk/ディスコソウル風のサウンドを特徴とし、痛快でノリの良いグルーブ感をファンのもとに届ける。サウンドはパーラメントやEW&Fが下地にありそうだ。
CŒUR ACIDEは、カナダ人プロデューサーのPat Lokとハイチ人ボーカリストのF-Mackによって構想された神話的な音楽の世界。A-TrakがA&Rを担当し、ChromeoのJuliet Recordsからリリースされたコラボ曲「Dirty Luv」の成功を受け、このデュオは今、Empire of the Sun、Hercules and Love Affairを彷彿とさせる、神秘的で未来的なライブ体験を届ける。セルフタイトルのEPには、爆発的な90年代のレイヴ(『LETS SWEAT』)から、クラシックなボールルーム・アンセム(『WHISPER FROM ABOVE』、『BITE ME』)、そして高揚感あふれる80年代のR&B(『ACID HEART』、『BOUGIE』)まで、幅広い楽曲が収録されている。
CŒUR ACIDE is a retro-futurist dance experience crafting seductive, high-fashion acid house as signals from a lost future...
CŒUR ACIDE is a mythical musical universe conceived by Canadian producer Pat Lok alongside Haitian vocalist F-Mack. Fresh off their collab, “Dirty Luv” (A&R’d by A-Trak and released on Chromeo’s Juliet Records) the duo now deliver a mysterious, futuristic live experience reminiscent of Empire of the Sun meets Hercules and Love Affair. Their self-titled EP ranges from explosive 90s rave (LETS SWEAT) to classic ballroom anthems (WHISPER FROM ABOVE, BITE ME) and soaring 80s R&B (ACID HEART, BOUGIE).
Emerging as time-travelling refugees from a dystopian future where art and intimacy are outlawed, CŒUR ACIDE is not simply a band, but a call to rebellion... each song a memory fragment, part of a cinematic storyline. Having debuted their immersive live show to an exclusive, sold-out crowd in Mexico City, which also unveiled their signature tea - a central element of the storyline - this dynamic duo is only beginning to unveil an exciting world at the crossroads of music, fashion and futurism.
Their new single "TOUCH ME (ALL NIGHT LONG)" is a passionate cry reborn in italo disco. It is an anthem for the end times! The single is the first taste off of the forthcoming EP.
▪︎ロンドン〈Jazz Café〉で収録されたソウルフルなライブ作品 Mom Tudieによる熱気あふれるライブアルバム『Live in London』
ソールドアウトとなった観客の前で披露されたパフォーマンスには、アルバム『Liam’s Eavestaff』(2024)と『As the Crows』(2025)からの人気曲が新たなアレンジで収録され、ライブならではの親密さと生々しいエネルギーが際立つ。
Len Blake、MaZz、August Charlesといったゲストを迎えた実力派バンドとともに、Mom Tudieのディスコグラフィーを横断する楽曲を披露。豊かなアレンジ、ダイナミックな演奏、そして随所に現れる即興の瞬間が楽曲に新たな奥行きを与え、ソウルとジャズの影響を受けた彼の温かくオーセンティックなサウンドを鮮やかに浮かび上がらせる。
『Live in London』は、ステージの瞬間に完全に没入し、観客と呼吸を合わせながら音楽を立ち上げていくMom Tudieの姿を捉えたライブドキュメント。アーティストと観客の距離が近い〈Jazz Café〉ならではの空気感の中で、ライブという空間だからこそ生まれる躍動と親密さがリアルに刻まれている。ロンドンのシーンの活気を込めた一作の登場。
「Light On Our Feet」ではゆっくりとしたテンポを活かして旋律的な要素を上手く引き出している。、マーチングのような細かい三拍子のドラムビートを全体に配して、ギターの繊細なアルペジオを介して、楽曲がゆっくりと展開していく。全体的な曲の空気感は、レトロなシンセストリングスが司り、全体的にはチェンバーポップを基本にしたロックサウンドが構築される。
ブライトン出身のパンクデュオ、Lambrini Girlsが新曲「Cult of Celebrity」を公開した。パンクバンドが2025年にリリースしたデビューアルバム『Who Let The Dogs Out』に続くシングルとなる。ランブリーニガールズらしい大胆不敵で痛快なパンクロックサウンド。しかし、そこにはガレージロックやロックンロールのサウンドが混在している。
リリースと合わせて、ロンドンを拠点とする映像作家兼監督のハーヴ・フロスト(『The Last Dinner
Party』、『Laufey』)が手がけたミュージックビデオも公開された。MVでは、近年、世界をソーシャルメディアを日々賑わせているセレブリティの悪魔主義のおぞましさをコミカルに描いている。
ロンドンのポストパンクバンド、Dry Cleaningは2026年1月上旬に4ADから発売されたアルバム『Secret Love』に続いて、単独シングル「Sliced By a Fingernail」をリリースした。意表を突く新曲で、これまであまり明らかにされてこなかったドライ・クリーニングのヘヴィネスが体現されている。それは実際的なヘヴィさというよりも、むしろ精神的な重圧を反映している。
『Secret Love』は、フローレンス・ショー、トム・ダウズ、ニック・バクストン、ルイス・メイナードによる復帰作である。『ザ・サンデー・タイムズ』、 『ガーディアン』や『MOJO』といった主要メディアから「今週/今月のアルバム」として紹介され、満点評価と共に「彼らの傑作」と讃えられた。本作はディスコ調のポストパンクサウンド「Hit My Head All Day」から、インディーフォーク調の「Let Me Grow and You'll See The Fruit」、 ジャグリーなギターとダブ風のベース、スポークンワードが融合した「Blood」など聴かせ所は多い。
ボーカルのフローレンス・ショーはこの曲の由来について次のように語っている。「 「じっと見つめられると息が詰まるような感覚。時には、自分が細かく切り刻まれているような気分になることもある。だから、花の中に隠れたり、ただの一人の見知らぬ人になって消え去りたいと想像してみた。実際、花びらに爪の跡が刻まれるイメージが、この曲の重要なインスピレーションになった。歌詞はキム・ジュヨンの絵本『Welcome to My Life』からも影響を受けている」
5月29日にCaptured Tracksから発売されるデラックス・エディションには、楽曲「Champ」と「I Just Do!」の温かみのあるアコースティック・バージョン2曲、チャーリーXCXの「I Might Say
Something
Stupid」の情感あふれるカバー、アルバムの原点である率直でほろ苦いメッセージを深めた新曲「Sweetness」が収録されている。
この発表に合わせて、ガールパピーはCharli xcxの『Brat』の収録曲「I might say something stupid」のカバーを公開した。カバーバージョンでは、ベッドルームポップ風のアレンジが施され、旋律的な叙情性が引き出されている。カバーについて、ガールパピーは次のように語っている。
「チャーリー・XCXの『I might say something stupid』をカバーすることに決めた理由はいくつかある。この曲が大好きだから。『Sweetness』のテーマに合っているから。シューゲイザーの曲として最高にクールになると思ったから」
1.Intro 2.I Just Do 3.Champ 4.In My Eyes 5.Windows 6.Since April 7.Beaches 8.I Was Her Too 9.For You Two 10.I Think I Did 11.Sweetness 12.I might say something stupid 13.I Just Do (Acoustic) 14.Champ (Acoustic)
シティ・ポップ・アーティストとして海外の音楽ファンからも支持されている佐藤奈々子が、伝説のブリティッシュ・フォーク・バンドのペンタングルのギタリスト故ジョン・レンボーンとの共作で幻の未発表曲「A Rolling Stone From Heaven」を4月22日(水)にイギリスのレーベル、Gearbox Recordsより配信リリースすることがわかった。
さらに今回、あわせてリミックス・ヴァージョン「A Rolling Stone From Heaven [Simon Ratcliffe Rivers Remix] 」も同時にリリースされる。今年のフジロックへの出演も決定しているロンドン出身の2人組ダンス系ユニット、ベースメント・ジャックスのサイモン・ラトクリフによる、クールかつメランコリックなダンス・チューンへと生まれ変わったリミックスが誕生している。
同楽曲について佐藤奈々子本人は次のように話している。
「1997年に私がアカペラで歌った曲にペンタングルのジョン・レンボーン がギターを弾いてくれた曲。『A Rolling Stone From Heaven』 。それは奇跡のように生まれた曲でした。アカペラは即興で、歌詞はまだ出逢ったこともないジョンを歌ったような歌詞でした。その後、その曲は28年間も私のクローゼットに眠ったままでした。
1. A Rolling Stone From Heaven (feat. John Renbourn)
2. A Rolling Stone From Heaven [Simon Ratcliffe Rivers Remix]
<クレジット>
Nanaco Sato: Vocals | John Renbourn: Guitar | Lyrics written by Nanaco Sato | Music composed by Nanaco Sato, John Renbourn Produced by Nanaco Sato and Satoru Fujii | Recorded and mixed in 1996-1997 by Satoru Fujii, at Matrix Maison Rogue Studios, London. John Renbourn’s guitar recorded by Nick Turner at Watercolour Music, Corran, Fort William, Scotland | Mastered by Harris Newman at Grey Market Mastering, Montreal, Canada. A Rolling Stone From Heaven (Simon Ratcliffe Rivers Mix) Nanaco Sato: Vocals | John Renbourn: Guitar | Electronic production, arrangement and remix by Simon Ratcliffe Additional guitar by Andrea Terrano Mastered by Caspar Sutton–Jones at Gearbox Records, London, UK. Artwork and design by Paul Reardon
1986年、日産海外向けカレンダーの撮影で、世界のカレンダーコンテストで金賞受賞。翌年より5年間パリに移住。その後もコクトー・ツインズのメンバーであるサイモン・レイモンドのプロデュースによるアルバム『Luminus love in 23』を発表するなど、日本のみならず世界的に幅広く音楽を発信している。
また、作詞・作曲を手がけたピチカート・ファイヴの「Twiggy Twiggy」(野宮真貴の1981年のデビュー・アルバム『ピンクの心』収録曲)は世界的ヒットとなり、2014年にはセルフ・カヴァーで配信リリースしている。2026年4月、イギリスのギタリスト、ジョン・レンボーンとのコラボレーション・シングル「A Rolling Stone From Heaven」を配信リリース予定。
Courtney Barnett 『Creature of Habit』
Label: Mom+Pop
Release: 2026年3月27日
Review
メルボルン出身のインディーロックスター、コットニー・バーネットはボーカルアルバムとして約五年ぶりとなるアルバム『Creature of Habit』をリリースした。2021年にリリースされた『Things Take Time, Take Time』はメロディアスなインディーロック集で聴きやすかった。インストがメインの作品を挟んでリリースされた最新作はシンガーソングライターの即興的な楽曲の性質を残しつつ、全体的により高い水準を目指したロックアルバムとなった。プロデューサーにはジョン・コングルトンが招聘されたこともあり、楽曲の洗練度は前作を凌ぐ可能性がある。
今作では、音楽性に新たなバリエーションが追加された。シンセポップやエレクトロポップである。これは、コットニー・バーネットが新しい音楽性を模索している最中であることが伺える。本作のオープナーを飾る「Stay In Your Lane」は、ジョン・コングルトンの代名詞的なサウンドで、オーバードライブのかかったベースにガレージロックのサウンドが乗せられる。バーネットの楽曲の中ではパワフルな部類に入ると思われる。また、新作アルバムでは、バーネットのボーカルの歌唱法に若干の変化が見受けられ、少しふてぶてしさのある歌い方を選んでいる。
ドラムのスティックのカウントで始まる「One Thing At A Time」では、 アーティストらしいシュールで摩訶不思議なロックワールドが展開される。ボーカルの節回しにしても、旋律にしても、グリッターロックやサイケデリックロックの中間にある、独創的なサウンドプロダクションが生み出されている。ロックらしいフックがあるのにメロディアスさを失わない。特に間奏では、センス抜群のギタープレイが披露され、ロックらしいスピリットが立ちのぼってくる。