今週最後にご紹介するのは、アメリカのエージェンシーチームからのシングル二連発である。どちらも必聴のナンバーとなっている。


ニューヨークのインディーポップ界の新星、アヴァ・フランクス(Ava Franks)は現代のインディーポップシーンを鮮烈なイメージで塗り替えようとしている。


最新シングル「Good Scar」は、きらめくシンセ、力強いベースギター、そして幻想的なバックボーカルを特徴とし、ロマンス映画の冒頭シーンにふさわしい、魅惑的なサウンドスケープを構築する。


新しい恋に直面しても勇敢であり続けることを歌う、抗いがたい魅力を持つインディーポップトラック。将来、たとえこの人に心を傷つけられるかもしれないと分かっていても、そんなことは気にも留めない。 その人とは良いことも悪いことも、すべてを分かち合いたいだけ。フランクスは言う。


「Good Scars」 

 

 

 

▪︎Ava Franks



アヴァ・フランクスは、ニューヨークを拠点とするインディー・ポップ・アーティストです。彼女は、サラ・マクラクランのようなシンガーソングライターのストーリーテリングや、ロードのようなポップ・アーティストの夢のようなサウンドスケープからインスピレーションを受けている。


アヴァは物心ついた頃から歌っており、子供の頃はピアノのレッスンや学校のミュージカルに出演することを楽しんだ。 2021年に初のシングル「3 Pines」をリリースして以来、さらに6曲をリリースしており、「Every Day」というインディー・ポップ・トラックで各メディアから注目を集めた。


近年のアヴァは、大人への成長や恋に落ちることをテーマに曲を書いている。20代前半という時期、すべてを理解しようとする過程を、ソングライターとして丁寧に綴り続けている。



▪︎EN

 

Ava Franks, a rising star in New York’s indie pop scene, is set to make a striking impact on the contemporary indie pop scene. Her latest single is an irresistibly charming indie pop track that celebrates staying brave in the face of a new romance.


Ava Franks is an indie pop artist based in New York. She’s inspired by the storytelling of singer-songwriters like Sarah McLachlan, and by the dream-like soundscapes of pop artists like Lorde. Ava has been singing since she can remember and, as a child, always enjoyed taking piano lessons and performing in school musicals. In 2021 she released her first single, “3 Pines,” and since then has released six more, the latest being an indie pop track called “Every Day,” which garnered attention from Earmilk and LADYGUNN, among others.


Ava writes about coming of age and falling in love. She continues to reflect on what it’s like being in your early twenties, figuring it all out: one song at a time.


Her latest single "Good Scar" is an irresistible indie pop track all about feeling brave in the face of new love. She shares, "You know that, down the road, this person might break your heart, but that doesn't even faze you. You just want everything with them, the good and the bad." "Good Scar" features sparkling synths, driving bass guitars and ethereal background vocals, building a captivating soundscape fit for the first scenes of a romance.




代表的なヒットソング「I Love You Always Forever」を持つプラチナスーパースター、 Donna Lewisが80年代のエレクトロポップと呼応するセンチメンタルでスウィートな新曲をリリースした。

 

ドナ・ルイスはUKダンスミュージックシーンきっての両雄、ROMYとFred again..が発掘した。ポスト・ディスコポップとも称すべきナンバーで、ドナのボーカルは甘酸っぱい雰囲気を放つ。


ニューシングル「Fall Back Girl」は伝説的な作曲家兼プロデューサー、デヴィッド・ロウ(BBCテーマ曲「Touch and Go」など)との共同制作によって作り上げられた。この音楽的な告白は、待望のニューアルバム『Wanderlust』における感情的な転換点を象徴する一曲。テーマ的には、人間関係の中で育まれる微妙な不均衡を探求しており、誰かを失うことへの恐怖が、徐々に自分自身を失うことへと変わっていく様子を描いている。


ネオンの鼓動を刻む「Burning Man」、鋭い内省を紡ぐ「Where Is The Love」、温もりに満ちた「Coming Home」、そしてロマンチックな期待感に満ちた「Meet Me」に続き、「Fall Back Girl」は内面へと深く入り込んでいく。これは失恋の章であると同時に、目覚めの章でもある。 


「すべてはあなたのことよ」とドナは歌う。柔らかく、オーガニックなドリームポップのテイストを取り入れたこの楽曲は、繊細なアコースティックギター、温かみのあるドラムパターン、さらに程よい親密さと広がりを同時に感じさせる雰囲気のあるレイヤーを軸に構成されている。

 

 

「Fall Back Girl」

 


 ▪︎Donna Lewis:



ドナ・ルイスは常に個性の象徴であり、25年以上にわたり、優雅さと確固たる信念を持って独自の道を切り拓いてきました。


彼女の象徴的なラブバラード『I Love You, Always Forever』は、世代を超えて今なお人々の心に響き続けている。この不朽の名曲は、米国と英国の両チャートで1位を獲得し、歴史上最も愛される楽曲の一つとしての地位を今も保ち続けています。 


最近では、The XX(The xx)のロミー(ROMY)が、フレッド・アゲイン(Fred Again)とドナのこの曲をサンプリングし、その魔法を再び呼び覚まし、『I Love You, Always Forever』は世界的な注目を集めることに。


しかし、今日のドナの物語はかつてないほど力強いものです。乳がんとの闘病を乗り越えた彼女の強さと不屈の精神は、一音一音に滲み出ています。


『The Sun』紙から「エイジレス・ビューティー」と称され、『People』誌などでも特集された彼女のアルバム『Rooms With a View』は、今なお人々にインスピレーションを与え続けています。ホームズ・アイヴスとのコラボレーションで制作された『Rooms With a View』は、人生最大の試練を乗り越えるために必要な勇気を、親密かつありのままの姿で聴き手に伝えています。


ドナ・ルイスは、伝説的な作曲家兼プロデューサーであるデヴィッド・ロウ(『Touch and Go』、BBCテーマ曲など)とタッグを組み、アステック・レコードからリリースされるインディー・エレクトロニカとドリームポップが融合した最新アルバム『Wanderlust』に取り組んでいる最中だ。 


ネオンの脈動を帯びた「Burning Man」、鋭い内省を込めた「Where Is The Love」、温もりのある「Coming Home」、そしてロマンチックな期待感に満ちた「Meet Me」に続き、「Fall Back Girl」は内面へと向かう。


同様の健康上の闘いに直面した数百万の人々にとって、ドナの物語は単なる物語ではない。それは希望の灯台であり、最も無防備な瞬間でさえも強さを見出せることを思い出させてくれるものだ。世界がこれまで以上にレジリエンスと美の物語を必要としている今、ドナ・ルイスはかつてないほど輝いている。 

 


▪︎EN

 

Platinum superstar Donna Lewis, known for her hit song “I Love You Always Forever,” has released a sentimental and sweet new track that echoes the elctro-pop sound of the 1980s. Donna Lewis was discovered by ROMY and Fred again.., two of the UK dance music scene’s leading figures. Described as a post-disco pop track, Donna’s vocals exude a bittersweet atmosphere.


Donna Lewis has always been a beacon of individuality, crafting her own path with grace and conviction for over 25 years. Her iconic love ballad I Love You, Always Forever continues to resonate across generations—an enduring anthem that topped both US and UK charts and still holds its place as one of the most beloved songs in history. Recently, UK sensation ROMY of The xx reignited that magic by sampling Donna’s classic hit, alongside Fred Again, bringing I Love You, Always Forever back into the global spotlight.


But Donna’s story today is more powerful than ever. Having emerged from a battle with breast cancer, her strength and resilience radiate through every note. Just named an “Ageless Beauty” by The Sun and profiled by the likes of People Magazine, her album Rooms With a View continues to inspire.  Rooms With a View, produced in collaboration with Holmes Ives, offers listeners an intimate and raw portrayal of the courage it takes to overcome life’s greatest challenges.


Donna Lewis is now collaborating with iconic composer-producer David Lowe ("Touch and Go", BBC themes) on Wanderlust, an indie-electronica meets dream pop album released via Aztec Records. Following the neon pulse of "Burning Man", the sharp-edged reflection of "Where Is The Love", the warmth of "Coming Home", and the romantic anticipation of "Meet Me", "Fall Back Girl" moves inward. It is the heartbreak chapter, but also the awakening. Introducing a softer, more organic dream-pop texture, the track is built around delicate acoustic guitar, warm drum patterns, and atmospheric layers that feel intimate and expansive at once. Thematically, the song explores the subtle imbalance that can grow inside relationships, where fear of losing someone slowly turns into losing yourself. "It’s all about you” Donna sings.


For millions who have faced similar health battles, Donna’s story isn’t just a narrative—it’s a beacon of hope, a reminder that strength can be found even in our most vulnerable moments. At a time when the world needs stories of resilience and beauty more than ever, Donna Lewis shines brighter than ever before. 

 

 



合同会社ノンレクチャー(東京都渋谷区/代表:持田剛)は、本日3月13日(金)に渋谷スペイン坂で渋谷PARCOが運営するZERO GATE B1Fにて、本とアートの複合スペース「NONLECTURE books/arts」をオープンしました。


「NONLECTURE books/arts」は、書籍、アート、展示、イベント、プロダクトといった領域を横断しながら、知覚や思考の往復運動を生み出す場として構想されました。来場者は空間を回遊する中で偶発的な出会いや解釈の揺らぎを体験し、それぞれの関心や背景に応じた関わり方を見つけることができます。


【来場体験をかたちづくる 6 つのコンテンツ】



1. アート関連の洋書を中心とした書棚独自の視点で選んだ書籍を揃え、海外のアートブッ クやビンテージブックを中心に展開します。


2. Goldwin のフィロソフィーを空間で表現する展示と書棚アウトドア・スポーツアパレルメ ーカーGoldwin の思想や背景を、NONLECTURE の選書と企画を通して紹介します。Goldwin が大切にしている価値観や視点にも触れていただけるスペースです。


3. コーヒーやナチュラルワイン、クラフトビールなどを楽しめる CAFE BAR 厳選された食 材を扱い、食の背景を大切にするフードスタイリスト・米田牧子主宰の「kokiliko(コキリ コ)」。その確かな審美眼と舌でセレクトされた、コーヒーやナチュラルワイン、クラフト ビールをカウンターで提供します。素材本来の味をお楽しみください。


4. アートや写真、ポスターやエフェメラの展示販売 アートや写真作品、ビンテージポスター、各種エフェメラなどを展示し、気に入ったものは 購入することもできます。


5. 出版記念やトークショーやサイン会等のイベント 作家やアーティストなど、多様なカルチャーの担い手を招いたイベントを予定しています。


6. オリジナルおよびコラボの限定商品の展開


NONLECTURE のオリジナルアイテムに加え、アーティストやブランドとの限定商品も紹介 していきます。







【エキシビション、イベント、トークショーのスケジュール】


・ジェリー鵜飼展『Zen Hiker』




会期:3月13日(金)〜 4月5日(日)


「資本主義の限界が垣間見える。21世紀は明るい未来じゃなかった。だから山に行く。道具は少なくして。獣の気配に怯え、冷たい風に震え、雨を避けて寝袋に潜り夜が明けるのを待つ。森を歩く。太陽は真上。不安も悩みも全て消えていた。そんな山のあれこれを描いています。」ジェリー鵜飼






・柏田テツヲ写真展『Boundary』at Godwin Room




会期:3月13日(金)〜 


「これまで一貫して人と自然の関係性を問い続けてきた作品群を、本展では「Boundary」と いうタイトルのもとに再構成する。人と自然の境界はどこにあるのか。人と自然は交わることができるのか。」柏田テツヲ





・特殊ポスターショップ SOONER OR LATER インポート・カルチャーポスターズ POP-UP 

日時: 3月13日(金)〜5月10日(日) 


海外直輸入ポスターを扱う日本最大規模のショップ。8,000枚超の在庫を持ち、30 か国以上からの買い付けを行なっている。現代アート・映画・音楽・建築など幅広いジャンルを網羅。唯一無二のコレクションの中から、厳選したポスターで、2か月にわたる長期POP-UPを開催します。







・写真集『ママ』刊行記念トークイベント〜写真家・田附勝 × 映画監督・山中瑶子







日時: 3月15日(日)16:00 〜 


田附勝写真集『ママ』の刊行をきっかけに、これまで交わることのなかった二人の作家が出会い、対話を重ねるなかで、それぞれの世界観や感情が時間とともに立ち上がり、二人の次なる創作のインスピレーションとなる瞬間に観客も立ち会うイベントです。


・Bruce Pavitt 『SUB POP USA』サイン会




日時: 3月26日(木)19:00 〜


米国インディー音楽レーベル「SUB POP」の創設者であり、Nirvana、Soundgarden、Mudhoneyらを見出し、グランジという一大ムーブメントを創り上げたロック界の重要人物、ブルース・パヴィット氏が2冊の写真集・アンソロジーを携えて来日します。貴重なサイン会を開催します。





 

【代表 持田剛 コメント】


「渋谷のど真ん中に誕生する「NONLECTURE books/arts」は、本屋でもギャラリーでもない、型に縛られない自由な空間です。店名は、詩人E.E.カミングスが型通りの講義(lecture)を拒み、自らの生き方を語った伝説的講義録『i: six nonlectures』に由来しています。


また、この場所を考えるうえで、建築家・青木淳さんの著書『原っぱと遊園地』にある「原っぱ」という考え方にもインスピレーションを受けました。


楽しみ方が決められた「遊園地」ではなく、訪れた人それぞれが自由に過ごし方を見つけられる場でありたいと思っています。


店内には、四半世紀にわたりアートブックに携わってきた経験から選んだ約1500冊の洋書を中心に、ヴィンテージポスターやオリジナルアイテムが並びます。ナチュールワインやクラフトビール、コーヒーを片手に、アート展示や音楽、トークイベントなどをシームレスに楽しめる空間です。既存のルールやマーケティングに縛られず、自分なりの楽しみ方を見つけられる場所。本やアートを通じて、新しい視点と出会う自由な時間を過ごしていただけたら嬉しいです」


【店舗概要】




店舗名:NONLECTURE books / arts powered by Goldwin

住所:東京都渋谷区宇田川町16-9 渋谷ZERO GATE B1

営業時間: 11:00 〜 21:00

店舗面積:120平米

オープン日:2026年3月13日(金)

Web:https://nonlecture.jp/

Instagram:@nonlecture_books_arts


【NONLECTURE 代表 持田剛 略歴】




洋書アートブックの仕入れ、選書、国内外の作家の写真展、アートエキシビションのキュレーション、出版イベント、サイン会等のアレンジを広く行う。


1998年よりタワーレコード渋谷店7Fにあった「TOWER BOOKS」のマネージメント 、2008年より「代官山蔦屋書店」準備室の洋書仕入れ、2014年よりファッションブランド「MARC JACOBS」が手掛けるブックストア「BOOKMARC原宿」のディレクションを行う。2026年3月、渋谷スペイン坂に「NONLECTURE books/arts」を開業。

【NONLECTURE books/artsとは】


渋谷スペイン坂に26年3月にオープンしたスペース。書店でもギャラリーでもなく、本・展示・イベントがゆるやかにつながる場所。訪れた人が本を手に取り、展示を眺め、時間を過ごすことができる。作家・読者・観客といった役割も固定せず、訪れるたびに少し違う関係や体験が生まれる。屋号の「NONLECTURE」は、詩人 E. E. カミングスの『i: six nonlectures』に由来し、何かを教える場というよりも、言葉や作品にふと出会い、それぞれの仕方で受け取れる空間という意味が込められている。形式に縛られず、本やアートをきっかけに人と表現が交差する。


マックス・クラークは、ステージネーム「Cut Worms」として知られるシンガーソングライター兼ミュージシャンで、オハイオ州出身、現在はニューヨーク州ブルックリンを拠点としている。

 

地表の下では、蠕虫が働く――柔らかく見えざる存在が、静かに再生を続ける。見過ごされがちな彼らの存在は、生存が暴力なしにはありえないことを思い起こさせる。鋤は切り裂き、収穫は殺し、生命は生命を糧とする。このイメージは、長年マックス・クラークの心に留まり、破壊と成長、無垢と経験の狭間への彼の探求を導いてきた。この二面性は、カット・ワームズとしての4作目となる『トランスミッター』において、これまでで最も完全に表現されている。


ウィルコのロフト・スタジオにてジェフ・トゥイーディがプロデュースした『トランスミッター』は、マックス・クラークの技量の深化と、離散の中にも優美さを求める二人のアーティストの融合を示す。共にパワーポップとオルタナティブロックの恍惚たる精神を呼び起こし、カット・ワームズのヴィンテージな色彩を拡げつつ、時代を超えた楽曲創作の才能を再確認させる。 


マックス・クラークは視線を、誰もが住みながらめったに共有しない私的な世界へと向け、幻想と崩壊の狭間に浮かぶ国家へと向ける。そこでは自立の神話が形作られ、テクノロジーによる繋がりを売り込んだ人々は静かな送信機へと貶められている——売買され、操作され、測定されるデータポイントとして、彼らを結びつけるはずのネットワークによって歪められた人生を送る。


クラークは語る。「コンセプトアルバムを作るつもりはなかった。でも結局、全てを一つの容器に収めざるを得ない。カール・セーガンの小説『コンタクト』で、地球は遠い星系からの通信を受信する。それは暗号化されたメッセージを伴って送り返された古いテレビ放送だった。歌も同じように機能するかもしれないという発想が気に入った——光線のようにメッセージを運び、ただ受信すれば感じ取れるもの」 


キャリアを重ねながら数枚のアルバムをリリースした今、クラークは自らの技法を完全に掌握し、独自の周波数で共鳴している。往年のポップへの情熱から始まったものは、持続性そのものの研究へと成熟し、彼を永続的な深みを持つシンガーソングライターとして確立した——そのビジョンは、粘り強さを芸術へと昇華させたトゥイーディらと肩を並べるにふさわしいものだ。


『トランスミッター』の最初の兆しは、2024年夏にカット・ワームズがウィルコのサポートとしてツアー中だった時に現れた。ツアー終了後、トゥイーディはバンドをシカゴの伝説的なスタジオ「ザ・ロフト」でのレコーディングに招待し、その秋に開始する計画がすぐに立てられた。 この機会はクラークにとって一種の帰郷だった。


シカゴはクラークが美術学校に通い、形成期のバンドで演奏し、カット・ワームズの『Soft Boiled Demos』の録音を開始した場所だ。


ウィルコとの共演自体が夢だったが、新たな楽曲群を携えシカゴに戻り、トゥイーディと仕事をする機会を得たことは、一つの輪が閉じ、新たな章が始まる感覚をもたらした。


ギターやアンプ、本が温かく散らばるロフトで、クラークとトゥイーディはすぐに音楽的な共通点と、複雑さを内包する楽曲への共通の直感を見出した。クラーク自身のギタースタイルとアレンジの才が特徴だった過去の作品とは異なり、『トランスミッター』は対話として形作られていった。彼の歌声と作詞が骨格を形成する中、トゥイーディのギターとベースラインが楽曲が宿る空間をスケッチし、壁を築きながらも決して閉じ込めることはなかった。


 「ジェフは、私が明言しなくても、各楽曲における語り手の正体や物語の本質を本能的に理解していた」とクラークは語る。


プロデューサーとしてのトゥイーディの存在感は、強引な選択ではなく、空間に彩りを添え、絶えず新たな質感を提供する方法に現れた。彼のベテランとしての知識と卓越した演奏技術が、クラークに楽曲をより自由に流す自信を与えた。 二人の共感し合う感性が世代の隔たりを埋め、単独では成し得なかった繊細な表現を生み出した。


「どの曲も、耳を傾けてくれる誰かへのSOSのようなものだ」とクラークは説明する。これらの信号を辿る中で、彼は人間の条件の地図を描き出し、見失った分岐点、迂回、そして道中のささやかな仕草や儚い出会いに詩を見出した。


これらの肖像画に貫かれているのは、時は常に過ぎ去っていくという自覚だ。クラークはテレビ画面にちらつくアメリカン・ドリームを描き、明日のビジョンがいかに脆いかを暴く——それはスクリーンに焼き付くが、私たちが発見すると思っていた人生とは決して一致することはない。 それでもアルバムには時折、希望の光がきらめく。偶然の出会いの約束であれ、愛する人の瞳に浮かぶ夜明けの光であれ、地平線は見えつつも遠ざかり続けるのだと感じさせる。 

 


▪Cut Worms 『Transmitter』- jagujaguwar


 

カット・ワームズの音楽は不思議なことに、アメリカ東海岸、中部、西海岸の離れた音楽がどこかの点で繋がり、交差することを示唆する。また、それは最終的には、国外の音楽ともどこかで交わることを印象付ける。ニューヨークのマックス・クラークの音楽には、Wilcoのようなサウンドの影響もあるが、最も大切なのは、こういった2000年代以降の象徴的なインディーズバンドが培ってきた「ポスト・ビートニク」の土壌を受け継いでいることかもしれない。

 

心地よいフォークソング、また、時を忘れさせてくれる、これらの年代不明のロックソングには、名声も権威も無ければ、資本主義的な観念もない。カット・ワームズは、そんなものには一瞥もくれず、ギターを奏で、吟遊詩人のように歌を歌い、自らのインディペンデントの王国、あるいはワンダーランドを構築する。いわば、現代の地点から出発し、その創造性をフルに活用し、最終的には、それらの現実的な観念を乗り越え、すべての存在を繋げていこうとする。


最終的には、西も東もない、上も下もない、右も左もない、特異な音楽表現によって培われた混沌としたユートピアを見事なまでに作り上げる。それはやはり、ジョン・レノンがソロ活動を通じて目指していた「Imagine」のような''空(くう)の世界観の反映''でもある。しかし、それは当時としては現実逃避のように言われることもあったが、今日のような混沌とした世界では違う意味を帯びてくる。それは、音楽的表現のような世界が、日常の世界と平行して、もう一つのタイムラインを作り上げるということを意味する。能動的に言えば、『Transmitter』で実行されるのは、人生を生きる上で、それらのリアリティを音楽的表現が超越しえるのかという挑戦でもある。アルバムに収録された10曲は、そういった実践の足跡のようなものが残されている。

 

1曲目「Worlds Unknown」 では爽快で甘酸っぱいメロディーを擁するフォークロックソングを聴くことができる。イントロでは、「Sweet Jane」のようなクラシックなポップソングを彷彿とさせ、その後は、ビートルズやその影響下にあるバーバンクに象徴されるような西海岸のロックミュージックへと推移していく、エレアコのような響きを持つギターの心地良い響きを背景に、マックス・クラークのボーカルは、どことなく人懐っこい印象を帯びる。そして、ビートルズのようなファルセットを用いた、心許ないボーカルラインがノスタルジックな雰囲気を帯びてくる。彼の作り上げる牧歌的な空気感は曲が流れていくごとに、広がりを増していく。現実を越え、完全なる幻想の世界。途中からはドラムが入り、楽曲は驚くほど華やかになっていく。

 

パワーポップ/ジャングルポップのような甘酸っぱい旋律を中心に展開されるこの曲は、知られざる、あなたが知らない世界が存在することを示唆する。一般的には示されることのない、普遍的なアガペーの世界が歌われている。2曲目「Evil Twin」は、アコースティックサウンドをベースにしたカントリーソングで、ときおり切ない雰囲気を帯びるロックソングへと姿を変える。1曲目と同様、間奏のギターソロを挟んでローファイな空気感を作り、アコーディオンの演奏が響く。これらは、このアルバムの独特なエキゾチズム性を幻想的に作りあげる。

  

「Long Weekend」では、ジャグリーなギターをもとにした親しみやすいジャングルポップで、サビのキャッチーなフレーズが印象的だ。こういった中で、甘酸っぱいフレーズとギターを散りばめながら、ローファイな感じに満ちた楽曲が作り上げられていく。ギターの多重録音の組み合わせがサイケデリックな雰囲気を帯び、いわばWilcoのようなサウンドに見受けられる「ポスト・ビートニク」とも言うべき、サイケデリックな空気感を作り上げていく。二分半以降のトリッピーなサウンドは、ジェフ・トゥイーディーならではの強固なオリジナリティが滲み出ている。


続く「Barfly」では、さらにアコースティックの演奏に重点を置いたフォークソングを楽しむことができる。しかし、これらのサウンドに通底するのは、1960、70年代のロックやフォークソングへの親和性である。ニューヨークの多くのミュージシャンは古典的な音楽性を引き継ぎ、それらを現代的な解釈を施すことが多いが、その象徴的な楽曲と言えるかもしれない。プロデュース的には、ドラムのシャリシャリした響きが強調され、心地よい響きを捉えることができる。

 

中盤のハイライトとなる「Windows On The World」では、''テレビの画面に映されるアメリカンドリームの儚さ''が歌い込まれている。相変わらず、くつろいだ感じのカントリー/フォークに根ざしたロックソングを聴くことができるが、飄然とした軽やかなサウンドで癒やしに満ちた瞬間を作り出す。この曲では、Real Estate(リアル・エステイト)のようなサウンドを楽しむことができるはずだ。本作の序盤と同じように、リアリズムとは対極に位置する牧歌的で温かい雰囲気に満ちた音楽であり、時々、アメリカーナの演奏を込めながら、ゆったりとしたひろやかな音楽的な世界観を不動のものにする。そして日に日に変わりゆく景色の中で、不変なる概念を歌い上げようとする。こういった瞬間にフォークシンガーとしての温かい雰囲気が滲んでいる。


「Walk In The Absent Mind」では、心にぽっかり穴が空いたような空虚感が切ない雰囲気のフォークソングによって構築される。この曲では、ボブ・ディランやヤングのようなアルペジオを中心としたアコースティックギターサウンドに傾倒し、それらにピアノのアレンジが施される。他の曲よりも繊細に歌い上げるクラークのボーカルは、ギターの演奏と相まって、切ない雰囲気を帯びる。一分半以降のカントリー調のフレーズがきらめくような音楽性を作り出す。

 

 

 「Windows On The World」

 

 


ソングライターのマックス・クラークは、現代のニューヨークのミュージシャンと同様、古典主義の中に現代性を見出そうとする。ビートルズの中期以前のようなアプローチからウィルコのようなサウンドへの移行する「Don't Look Down」は、ボーカルのミックスやマスタリングに特に力が入れられていて、エコーでぼやけるような抽象的な音像を作り出し、どことなく懐かしい感じのするサウンドを作り上げる。丁寧に歌われるボーカルが、単なる言葉の羅列というより、生々しい力を持ち、その言葉自体が有機物のように生き生きとし始める。こういったボーカルに鮮やかな精細感を添えることが、本作のプロデュースの特徴といえるかもしれない。


淡々と続くロックソングの中には、やはり時代に左右されない普遍的な概念を探求しようとするミュージシャンの姿を捉えられる。繊細な雰囲気を帯びる楽曲の中で閃光のようにきらめくジャングリーでウージーなギターは、この曲に添えられた華やかさ、少しの明るさでもある。後半では、カラオケのような音響効果を加えて、特異なローファイ性を体現しているのも面白い。

  

8曲目「Shut In」は全般的なパワーポップやジャングルポップ主義の中で、気分の良いメロディーが現れる瞬間である。 チェンバロのような音色が登場するという点では、ビートルズ風のの楽曲であるが、アクの強いフォークサウンドが加わることにより、独創的なサウンドが構築される。カット・ワームズの曲はほとんど奇をてらうことなく、60年代後半から70年代のロックサウンドに忠実であると言えるが、そのストレートな感覚が大きな魅力となるかもしれない。「Out of Touch」ではさらに懐古主義に拍車が掛かり、 カントリーを中心にディキシーランド風のピアノが入る。また、ロカビリーのギターが入ることもある。これらの古典主義の中で、現在性を持つのが、クラークの言葉である。彼の言葉は時間軸を離れて、無限の中に響く。

 

意外なことに、先進的な気風を持つとされるニューヨークの多くのミュージシャンは、殊のほか、保守的/古典的なサウンドを現代的に再現することが多い。これは海外の人から見ると、驚かざるを得ない。しかも、それは、この数年で始まったことではなく、おそらく昔から続いていた風習ではないかと推測される。過去の人々に対するライバル視もあるだろう。だが、彼らの多くは過去の文化に一定の敬意を払いつつ、現代的な人々として何が出来るのかを探し求める。


それらは従来の古典性を受け継いだ「モダン・クラシック」とも呼ぶべき新しいウェイヴが台頭しはじめていることの証でもある。カット・ワームズもまた、その列に居並ぶ象徴的なソングライターであるが、そのサウンドは、資本主義のお膝元のニューヨークにおいて、''漂流する自己を規定する''という意義があるのかもしれない。流行りものは時間が経過すると、どこかに流されてしまい、跡形もなくなる。彼らが追い求めるのは、形あるものではない。形なきものなのである。これはむしろ高度な物質社会が形成され、実現されたアメリカらしいとも言える。

 

20世紀初頭から中葉は、世界中の人々が物質を得ることに夢中になった。そして21世紀になると、世界中の人々が貪るように情報を得ることに夢中になっている。しかし、そろそろ次の段階が接近しているのではないか、と私自身は考えることがある。多くの人は、モノや消費活動に飽き始めており、そしてまた、無数に氾濫する情報にも飽食し始めている。それは結局、独立せず、なにかの支配下に従属するということを自ら認めるという行為なのである。それゆえ、『Transmitter』のように、自分にしか持ち得ないスペシャリティを探したくなるのは自然なことだ。自分にしか持ち得ない特性を習得し、獲得したとき、その人は本当の意味で人生を生き始める。そう考えると、我々の多くは、時代に流されない”普遍的な何か”を探求せざるを得ない。


感傷的なバラードソングを最後に配した「Dream」はアルバムの主題的な響きを成す。私達が言う現実そのものが束の間の幻想に過ぎないことを感じさせる。どこかの時代で聞こえていた、もしくは響いていた、心地良く、うっとりするような音楽。コラージュを交えたピアノが、クラークの甘いボーカルやストリングスと合わさり、深い余韻を残す。しかしもし、どこかの時代に聞こえていた、もしくは流れていた音楽の思い出だけが本当だとすれば??....。マルセル・プルーストは"思い出こそが人間にとって最も大切なものだ"と述べたことがある。本作が示唆するのは手法論ではない。現代の人間としてこの世に何を残すべきかという指針なのである。

 

 

 

86/100 

 

「Dream」 

 

 

 

▪ Cut Worms 『Transmitter』はjagujaguwarから本日発売。ストリーミングはこちらから。 


このたびNEWでは、團上 祐志の個展「世界の語り手 小さきものの崇高」を、2026年3月25日(水)から4月5日(日)までの間、開催いたします。


團上 祐志はこれまで、蜜蜂の巣を素材に用い、蜂の世界を通して、人間と自然が古代より築いてきた共生関係を主題とした作品を制作してきました。絵画、立体、詩、ソーシャルプロジェクトなど多岐にわたる表現の根底には、日本の風土や環境から生まれる美学への眼差しと、生命と環境の再接続、そして治癒の可能性を探求する姿勢があります。


本展では、蜜蜂と養蜂家との共制作によって生まれた蜜蝋絵画シリーズ「Sympoiesis」を中心に発表いたします。人間と光が多層的に重なり合う世界を主題とした絵画作品群を通じて、太陽への信仰や「開かれた庭」という概念を手がかりに、人間中心の視座を超えた複数の世界の在り方を探る試みです。


自然や生態系という広大な循環のなかで生きる小さな生命のまなざしから、私たちと環境、そして存在そのもののつながりを静かに問いかけます。


また本展では、社会彫刻の概念で知られるJoseph Beuysによる蜜蝋の立体作品もあわせて展示いたします。

 一つひとつの作品とゆっくり向き合い、対話するように鑑賞していただくことで、それぞれの気づきと出会う時間となれば幸いです。


ぜひ会場に足をお運びいただき、作品との時間をお楽しみください。


展覧会情報


『世界の語り手 小さきものの崇高』

  Messenger of the cosmos Sublimity exists in the micros

 会期:2026年3月25日(水)〜4月5日(日)

 時間:12:00 - 19:00 ※会期中無休

 会場:NEW

 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-9-15 B1F

オープニングレセプション

 2026年3月25日(水)

 時間:18:00 - 20:00

 会場:NEW

トークセッション

今回の展覧会に際し、文化人類学者/デザイン人類学者で、アトリエ・アンソロポロジー代表、多摩美術大 学リベラルアーツセンター大学院教授を務める中村寛氏と作家 團上祐志との対談を行います。

2026年3月27日(金)

時間:19:00 - 20:30

会場:NEW

予約不要でどなたでもご参加いただけます。


ARTIST PROFILE


團上 祐志|Yushi Dangami

1995年愛媛県生まれ。2019年武蔵野美術大学油絵学科卒業。

蜜蜂の巣を画材として用いる古代技法「蜜蝋画」を用い、自然界と人間社会の循環と再生をテーマに制作を行う。絵画、立体、詩、ソーシャルプロジェクトなど、多角的な表現を展開している。

西日本豪雨災害を契機とした復興アートプロジェクトにも取り組み、地域と自然の再生をテーマとした活動を続けている。NHK、BSフジ、日本経済新聞、The Japan Times など国内外のメディアでも紹介され、注目を集めている。

主な個展:

・「The double garden 二つの庭」(2025年 銀座 蔦屋書店アートウォール)

・「Still dreaming of Earth まだ地球の夢をみる」(2024年 Koichi Yamamura Gallery)

・「Rejuvenated」(2024年 Public Record/オークランド)

・「Regenerative」(2024年 Yuvan Gallery)


▪︎Nao Yoshioka × Bnnyhunna × Braxton Cook 感じることから始まる、リアルな関係性 日・蘭・米をまたぐ、SWEET SOUL Familyの現在地


日本発、世界で活躍するソウルシンガーNao Yoshiokaが、ニューシングル「You Got to Feel It」を、2026年3月20日(金)にリリースします。 2026年、Nao Yoshiokaの2026年第二弾シングル「You Got to Feel It」は、オランダが誇るプロデューサー/アーティスト、Bnnyhunnaとのコラボレーションから生まれた。


 

・Bnnyhunna



 

2025年の来日時、BnnyhunnaがNaoのスタジオを訪れ、言葉を交わすよりも先に音が流れ始めた。その場の空気に導かれるように、自然発生的に進んだスムースなライティング・セッション。その時間が、そのまま楽曲の芯になっている。


ガーナにルーツを持つBnnyhunnaの洗練されたアフリカン・グルーヴと、Naoのしなやかで芯のあるヴォーカルが自然に溶け合い、深度のあるR&Bへと結実した。さらに本作には、SWEET SOUL Familyの一人、Braxton Cookがフィーチャリングで参加。

 

・Braxton Cook


NaoとBraxtonは長年の友人であり、いつか必然の形で実現するはずだったコラボレーションが、ここでようやく形になった。制作の最中、「ここにサックスがあったらどうだろう?」というひらめきが共有され、Bnnyhunnaとも共演経験のあるBraxtonの名が自然と浮かび上がったという。


昨年10月、ノースカロライナ州ダーラムのブロックパーティでのBraxtonとの再会も、この楽曲が偶然ではなく、時間を重ねた信頼関係の延長線上にあることを物語っている。「You Got to Feel It」が描くのは、“本当の愛を確かめ合う瞬間”。


表面的な言葉や態度ではなく、「ちゃんと気持ちを見せてほしい」「誤魔化さずに向き合いたい」そんな相手への願いと同時に、自分自身もその感情を信じ、受け止めたいという内なる想いが交差する。欲望と誠実さ、そのあいだにあるリアルな感情を、静かに、しかし確かに描き出した一曲。


Naoによるコメント:


Bnnyhunnaがスタジオにふらっと訪れて、リラックスした空気の中で自然に生まれたこの曲。コンセプトを決める前に、ただビートを感じて歌っていたら、言葉がそのまま溢れ出てきました。それは、理屈じゃなく“衝動”のまま相手を求める感情を映した、とても正直な瞬間だったと思います。

そして、Braxtonの初来日公演から約9年。長い時間を経て、ようやくコラボレーションが叶い、彼のサックスと歌声に改めて心を奪われました。

信頼してきたアーティストと、この作品を一緒に完成させられたことを心から幸せに感じています。

ただ身を委ねて聴いてほしい一曲。グラスを片手に、心地よい時間の中で楽しんでもらえたら嬉しいです。



▪︎作品情報 Nao Yoshioka, Braxton Cook 「You Got to Feel It (feat. Bnnyhunna)」-New Single


アーティスト:Nao Yoshioka, Braxton Cook

タイトル:You Got to Feel It (feat. Bnnyhunna)

ジャンル:R&B, Soul

発売元・レーベル:SWEET SOUL RECORDS 


配信URL: 「You Got to Feel It (feat. Bnnyhunna)」

 

▪︎公演情報

・Tokyo Funk Sessions 2026 at Blue Note Tokyo

日時:2026年4月2日(木)

場所:Blue Note Tokyo

 詳細: Tokyo Funk Sessions 2026 at Blue Note Tokyo

 

・AFTER THE JAM  ZIN × Nao Yoshioka at Billboard Live OSAKA

日時:2026年4月12日 (日)

場所:Billboard Live OSAKA

詳細: AFTER THE JAM  ZIN × Nao Yoshioka at Billboard Live OSAKA



ニューヨークのダダリオ兄弟によるデュオ、The Lemon Twigs(レモン・ツイッグス)は、待望のニューアルバム『Look For Your Mind!』を発表した。通算六作目となるフルレングスは、2026年5月8日にキャプチャード・トラックスからリリースされる。

 

レモン・ツイッグスは、ブライアンとマイケル・ダダリオ兄弟が率いるバンドとして、若々しいエネルギーと熟練したソングライティングを融合させた独自のスタイルで着実に注目を集めている。


10代のデビュー以来、ほぼ10年にわたる経験を糧にして、ロック、カリフォルニア・ハーモニー、パワーポップ、バロックポップを融合させ、独創的で喜びにあふれた革新的なサウンドを創り上げる。 


ツイッグスの作品は、複雑なアレンジ、多層的なハーモニー、冒険的な楽器編成が特徴であり、従来はブルックリンのスタジオで自主制作されてきた。兄弟は、現実逃避的なポップと内省的な瞬間をバランス良く織り交ぜた楽曲を創り出し、スタイルをシームレスに切り替えながら感情的な共鳴をもってアイデアを伝え、現代ロックシーンにおいて独自の存在感を確立している。


最初の先行シングル「I Just Can't Get Over Losing You」には彼らの古典的なロックソングのスタイルと合わせて意外性が垣間見え、唐突なブリッジや曲構成の変化が散りばめられ、ツイッグスの曲構成に対する、一方ならぬこだわりが込められている。しかしながら、意外にもそれは自然に培われたようだ。「ストレートな曲を書こうとすると、いつも突拍子もない要素を加えてしまう。今まで聞いたことのない曲を書き続けたいんだよ」とブライアン・ダダリオは語る。


ルビノーズ、ラズベリーズといった60、70年代のパワーポップバンド、最初期のザ・フーのピート・タウンゼントのような英国のクラシックなモッズロックを彷彿とさせる効果的なギター、ビーチ・ボーイズさながらに高揚するアメリカらしい青春のハーモニー、そしてボーカルとしての音響効果を最大限に活用したメリスマ。全年代のロックの教科書を網羅的に必修した兄弟らしい美学の下に形成される『A Dream Is All We Know』の続編には、新たな仕掛け、疑念と偏執の背景がひそかに横たわる。彼らはけして現代の世界に目をそむけているわけではない。


彼らがイギーポップ(Stooges)、フリー(RHCP)、エルトン・ジョンのような世代を超える伝説的なミュージシャンから評価されてきたのは事実だが、それにはなにか理由が隠されているのかもしれない。彼らのサウンドは一見すると、現実離れしているように思えるかも知れない。

 

しかし、一方、往年の名ミュージシャンと同じように、レモン・ツイッグスはリアリズムを度外視することなく、むしろ、その危機感を敏感に感じているとさえ言える。そのために作り出されるユートピアなのだ。「正直なところ、今は正気の沙汰じゃない時代だと思っている」とブライアンは語る。「正気を保ちたければ、自分の精神をしっかり掴んでいなければならないんだ」


また、楽曲単位では、共演者が演奏する場合もあったが、今回は明確にバンドスタイルでの制作が行われた。過去のアルバムでは、ブライアンとマイケルがスタジオ作業を全て自らこなしていた。最新作『Look For Your Mind!』では、ライブメンバーであるドラマーのレザ・マティンとベーシストのダニー・アヤラ、そしてチョッチケのエヴァ・チェンバースが初めてスタジオでのレコーディングに参加した。器楽的な編成に加えて、コーラスのハーモニーにも注目だ。


さらにブライアン・ダダリオは共演者の構成について以下のように述べている。「7曲はマイケルと僕だけの演奏なんだ。『Nothin’ But You』と『I Just Can’t Get Over Losing You』では、今年初めのシングルと同様、エヴァがベースとボーカルで参加した。残りのトラックではレザがドラムを担当、『Bring You Down』と『You’re Still My Girl』にはダニーもセッションに加わってくれた。彼らのおかげであの重要なライブサウンドをレコードに収めることができたんだ」 

 

 



▪The Lemon Twigs 『Look For Your Mind!』- NEW ALBUM 


Label: Captured Tracks

Release: 2026年5月8日

 

Tracklist: 


1. Look For Your Mind!

2. 2 or 3

3. Nothin’ But You

4. Gather Round

5. I Just Can't Get Over Losing You

6. Fire and Gold

7. Mean to Me

8. Bring You Down

9. Yeah I Do

10. I Hurt You

11. You’re Still My Girl

12. Joy

13. My Heart Is In Your Hands Tonight

14. Your True Enemy

 

▪Pre-order: https://lemontwigs.ffm.to/lookforyourmind.OWE

 


ミネアポリスのシンガーソングライター、runo plum(ルノ・プラム)が、新作EP『Bloom Again』を発表し、先行シングル「butterflies」をリリースしました。昨年リリースされた『Patching』に続く新作は5月9日にWinspearよりリリースされます。


ルノ・プラムはミネソタ州の田舎で生まれ育ったインディー・フォークロックアーティストである。静かな森に囲まれた環境で、ルノはあらゆるものからインスピレーションを得る——過去の深い思索、愛、健康、人間関係、芸術、あるいは日常の些細なことさえもテーマに縁取る。


ルノの楽曲の大半はミネソタの自宅で書き上げられ、ドイツ南部にあるアーティスト仲間フィリップ・ブルックスのホームスタジオで録音される。風鈴の音、ざわめく木々、遠くで鳴く鳥の声——そうした自然の音と共に、楽曲は書かれた当時のままの真実味を保ちながら命を吹き込まれる。


音楽はルノの人生を通じて変わらぬ伴侶であったが、作詞作曲の才能が開花したのは14歳の時。時は流れ2020年、パンデミックの静寂の中、ルノは音楽制作の世界に没頭し始めた。その年をアーティストとして変貌を遂げ、かつてないほど楽曲制作に打ち込むことに費やした。 この年、彼女は2枚のEPやピアノ曲などを書き上げ、2020年初頭にはそれらをBandcampとSoundcloudのみでリリースした。


2021年初頭、ルノは自身の楽曲動画をSNSで共有し始めた。少人数ながら熱心な聴衆が集まり、ストリーミングプラットフォームでの音楽体験を待ち望んでいた。彼らの要望に応え、『yin to yang』がSpotifyでデビューを果たし、音楽の旅路が始まった。以来、彼女は自主制作で様々な楽曲やプロジェクトを発表しており、6曲入りEP『jupiter』やフィリップ・ブルックスとの共同EP『mountain songs』などが含まれる。


最新シングル「butterflies」は、ベッドルームポップの色合いを明確に残している。最新アルバムでは見せなかった繊細で切ないインディーフォークソング。このニューシングルは、ルノ・プラムがミネアポリスの自宅スタジオでメインのギターとボーカルを録音し、共同制作者のフィリップ・ブルックスがドイツの自宅スタジオからドラム、ギター、ベースを追加して完成させた。歌詞が描写する感情的な不安定さを反映した、ミニマルでありながら重層的なアレンジが施されている。


ルノはこの楽曲についてこう語っています。


「片思いのときのおどおどした胸の高鳴りを歌った曲だと思うかもしれないし、確かにそういう面もあるけど、それ以上に、その感情が押しつぶされてしまい、どう扱えばいいのかわからなくなる感覚を描いているんだ。 メインのギターとボーカルはミネアポリスの自宅アパートのスタジオで録音し、フィリップ・ブルックスがドイツの自宅スタジオでドラム、ギター、ベースを追加しました。彼の加える深みは魔法のように感じられます。『patching』を書いた時期に書いた、とても優しい曲です」


「butterflies」


ヤナ・バーリッヒ(2001年または2002年生まれ)は、フランシス・オブ・デリリウムのプロジェクト名で知られるルクセンブルクのインディーロックミュージシャンだ。幼少期にフレンチホルンとバンジョーを演奏した後、ルクセンブルク国内外で著名なミュージシャンとなった。ライブが好評で最高のライブバンドとして知られている。そのサウンドの信奉者は殊の外多い。


Francis of Delirium(フランシス・オブ・デリリウム)は、5月29日発売予定のセカンドアルバム『Run, Run Pure Beauty』を発表した。今最も面白いインディーズサウンドを構築している。

 

本作は2024年のデビュー作『Lighthouse』に続く作品であり、この発表と同時にバーリッヒは先行シングル「It's a Beautiful Life」を公開した。ミュージックビデオはイラン人監督キヤン・アガジャニが手掛けた。


歌詞は、ベルリンでピアニストとコーヒーを飲んだ瞬間、ニューヨークの公園のベンチで目撃したカップルの別れ、合唱団のリハーサルを耳にした瞬間など、儚い観察の断片から紡がれている。「痛みそのものを否定するのではなく、その傍らにある美しさを見つけようとしている」と彼女は歌詞の姿勢について語る。


バーリッヒと常連コラボレーターであるクリス・ヒューエットがプロデュースを手がけた『Run, Run Pure Beauty』は、ニコラス・ヴァーン(ディアハンター、ダーティ・プロジェクターズ、シルバー・ジューズ)がミキシングを担当した。


制作に8ヶ月を要したというこの映像は、『リトル・ミス・サンシャイン』『スペース・ジャム』『ジュノ』などの映画に着想を得たバスケットボールを基軸にした物語。


アガジャニは以前、短編映画『Arman & Elisa』を監督しており、バーリッヒが「ゲイのバスケットボール」をテーマにした企画を持ちかけたことがきっかけで今回の作品が生まれた。ルクセンブルクのミュージシャン、アーティスト、映画製作者らがキャストとして参加している。



「It's a Beautiful Life」

 

Francis of Delirium  『Run, Run Pure Beauty』


Label: Dalliance Recordings

Release: 2026年5月29日


Tracklist:

1.Aliens

2.Out Tonight

3.Run, Run Pure Beauty

4.Higher

5.Damned

6.Little Black Dress

7.Sucker Punch

8.Open Up Your Mouth to Love

9.Requiem for a Dying Day

10.Modern Madonna

11.It's a Beautiful Life


1982年にフランスのストラスブールにて録音されたアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの未発表音源『ストラスブール 82』。これまでギアボックスの公式サイトのみでの販売だった同作品が、この度ついに一般流通開始となりました。


モダン・ジャズを代表するドラマー、アート・ブレイキー率いるジャズの名門バンド、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズが、1982年4月にフランス・ストラスブールで行ったライブ音源集。

 

今作は、ブレイキー家によって慎重に保存されたオリジナル・マスターテープから切り出され、未発表音源を収録。ロンドンにあるギアボックス全真空管式未来アナログ・スタジオでマスタリングを施した、180gダブル・ゲートフォールド・ヴァイナル(およびダブル・ゲートフォールドCD)仕様となっている。

 

同作はブランチャード/ハリソン体制のメッセンジャーズによる最古のフルレングス・ライヴ記録であり、この編成はその後数年間のバンドを定義し、ヤング・ライオンズ運動を単なる復興主義からより深遠な領域へと導く原動力となった。

 

62歳のブレイキーは、決して年齢と共に穏やかになることはなかった。むしろ、その使命にさらに力を注いでいた。「学校には卒業証書を取りに行くものだ」と彼はかつて語った。「俺と一緒に行くのは、教育を受けるためだ」 


『ストラスブール82』はまさに進行中の教育そのものだ。生々しく、フィルターのかかっていない、大学が再建されつつあったまさにその瞬間の記録である。本作はジャズのクールさ、そして楽しみを味わうのに最適な一枚。ジャズ初心者で何から聴くか迷っている人にもレコメンド!!





【アルバム情報】




アーティスト名:Art Blakey & The Jazz Messengers(アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)

タイトル名:Strasbourg 82(ストラスブール 82)

品番:GB4009CD (CD) / GB4009 (2LP)

税込価格:3,080円 (CD) / 9,900円 (2LP)

発売中!

レーベル:Gearbox Records


<トラックリスト>

(CD)

1. Little Man

2. Along Came Betty

3. Fuller Love

4. Eighty One

5. I Can’t Get Started

6. New York

7. I Didn’t Know What Time It Was

8. Blues March / Theme

9. Moanin’


(LP)

Side-A


1. Little Man (Charles Fambrough) 13:04

2. Along Came Betty (Benny Golson) 09:27

Side-B


1. Fuller Love (Bobby Watson) 09:13

2. Eighty One (Miles Davis) 14:26


Side-C

1. I Can’t Get Started (Vernon Duke) 07:44

2. New York (Donald Brown) 14:01


Side-D

1. I Didn’t Know What Time It Was 04:34

2. Blues March (Benny Golson) / Theme (Miles Davis) 08:39

3. Moanin’ (Bobby Timmons) 07:48


Credits:

Art Blakey; drums


Johnny O’Neal; piano


Donald Harrison; alto saxophone


Terence Blanchard; trumpet


Billy Pierce; tenor saxophone


Charles Fambrough: double bass


Recorded on 1st April 1982 in Strasbourg, France


Mastered by Caspar Sutton-Jones at Gearbox Records, London


Album artwork by Alan Foulkes


℗ & © Gearbox Records, 2025



▪『Strasbourg 82』配信中! :

https://bfan.link/strasbourg-82


▪CD『Strasbourg 82』発売中! (ディスクユニオン): 【https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1009173123?srsltid=AfmBOor8rs34Sz1jmYnxFU3PW7MJnHB2dtBjSAp04mh2ZEarAXzS6yxN


・2LP『Strasbourg 82』発売中! (ディスクユニオン):

https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1009173145?srsltid=AfmBOopCMZ3Z-2IT0TtOiE8JbXENB5F24vBxvmUO3MGTqMXdlShvNLlD


バイオグラフィー:

 

アート・ブレイキーは、1919年、ペンシルベニア州ピッツバーグ出身のジャズ・ドラマー。1944年からビリー・エクスタインの楽団へ入り、1940年代後半からマイルス・デイヴィス、セロニアス・モンク、チャーリー・パーカーらと共演後、1954年にホレス・シルヴァーと初代ジャズ・メッセンジャーズを結成。メンバーはその後入れ替わるも、基本的に2管または3管のフロント+3リズムのコンボ形式のバンドである。


親日家として知られ、メッセンジャーズにも1970年代以降、鈴木良雄、鈴木勲などの日本人がレギュラーまたは客演で加わっていた。1990年、肺がんのためニューヨーク・マンハッタンにて死去する直前まで来日を繰り返し、特に夏のフェスティバルではおなじみだった。なお、アート・ブレイキーは多くの新人を発掘し、多くの著名なミュージシャンがメッセンジャーズから巣立った。


その中にはリー・モーガン、ボビー・ティモンズ、ウェイン・ショーター、フレディ・ハバード、キース・ジャレットなどがメッセンジャーズ在籍をきっかけにスターとなった。他にも、第一線で活躍しているウィントン・マルサリス、ブランフォード・マルサリス、テレンス・ブランチャード、マルグリュー・ミラーなどがメッセンジャーズの出身である。