・Interview: Pulsnug アニメ/劇伴の楽曲制作やミュージシャンとしてのオールラウンドな活躍
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| Pulsnug |
東京の作詞/作曲/編曲家/マルチインストゥルメンタリスト、安川流司によるソロ音楽ユニット、''Pulsnug''はギターロック/ポップを中心に独創的な音楽を生み出している。そのサウンドは、海外のインディーポップに触発を受けながらも、やはり東京の文化観を片々にとどめている。彼のサウンドは都会的なビルディング、街角の風景の両側面の印象を兼ね備えているようなのだ。
言ってみれば、Pulsnugのサウンドは、東京の''ダイバーシティ(Diversity)''という街のコンセプトにぴったりである。自由闊達な音楽性を擁し、ロックにとどまらず、電子音楽やエレクトロニカ、アニソンまで及び、彼はサウンドトラックや劇伴作曲家としての手腕を発揮してやまない。
Pulsnugはネオアコースティック、ギターポップ、シューゲイザーを基調した音楽性を「ノイ!アコースティック(ノイアコ)」と自称している。
安川さんはソロソングライターとしてだけではなく、プロデューサーとしての表情を併せ持ち、リミキサー、ミックス&マスタリングエンジニア、ショートフィルムの劇伴、アニメ主題歌の楽曲提供、DJなど広範な音楽活動を行い、活躍の裾野を広げている。
2021年、彼自身が主催するレーベル(cheap trip records)より1stアルバムをリリース。その後リミックス作品を中心に発表している。昨日(6/22) 、未発表曲をコンパイルしたアルバム『(m.f.s.b)ound tracks』を自主レーベルから発売。アルバムの発売を記念して、アーティストにこれまでの音楽活動を総括してもらいました。新作アルバムの情報も合わせてご覧下さい。
ーーまず最初に、Pulsnugとしてアーティスト活動を始めたきっかけについて、また、独自レーベルについてもご紹介下さい。
Pulsnug(安川): 元々は友達とオーソドックスな編成でギターポップのバンドとして活動していたのですが、皆就職でやめてしまったので「それなら一人でやるかな」と名前を変えてソロユニットになりました。
ずっとレコードオタクで趣味もこれといってなく、某レコード店(ディスク・ユニオン)の店員もすぐ辞めちゃうような体たらくでしたので、唯一続いてるのが音楽を作ることくらいという感じです。
また、レーベル「CHEAP TRIP RECORDS」に関しては、2021年に1stアルバム「Fanfare For Farewell」をリリースする際に全部自分でコントロールする形でやりたいなという気持ちで発足しました。
ーー『m.f.s.b』Ound Track』が6月22日に発売となりましたが、このアルバムをあらためてご紹介していただければと思います。
Pulsnug(安川): PULSNUG初のインスト・アルバムと謳っていますが、自分の中ではオリジナル・アルバムという位置付けではなく、サイド・プロジェクト的な意味合いも強いコンセプト・アルバムになりました。
1stアルバムが2021.12.02発売で、上から読んでも下から読んでも、同じ構造(2021⇔1202)だったので、そのリミックスを去年(2025.02.25)にリリースした際に「次に出すなら2026.06.22かな」なんて冗談を言っていたのが実現しました。
また、つい最近、松浦直紀監督のアニメーション劇伴(台風科学技術研究センター【TRC】のPRアニメーション"My Little Sunshine")をやらせて頂いたのですが、その際に過去の自分のアウトテイクが沢山見つかって、「どうせならこの中の曲でアルバム作りたい」と思ったのがきっかけです。
PULSNUGのアルバムは歌モノが多いので、全曲インストにしたら高解像度で「PULSNUGってどんな音楽?」がみなさんに伝わるかな?と思い、こういう内容に落ち着きました。
タイトル「(m.f.s.b.)ound tracks」は、聴き手のみなさんが感じた(m.f.s.b.)のどれを取ってくれても良いよという意味合いで、サウンド・トラックスではなくアウンド・トラックスと名付けました。
ーー同作にはパリ・コレクション(ファッション・ウィーク)のランウェイBGMが収録されているというのですが、この仕事の依頼はどんな形で訪れたのでしょうか?
Pulsnug(安川): 実際には、本作には契約の都合上、パリコレで使われた2曲は収録されていません(ミスリードを誘ってすみません)が、パリコレBGM制作時のボツが大量にあったので、その中で特に自分で好きな曲を収録しています。
依頼自体は音楽仲間から「短期間で沢山曲を作れて一人で全部作れる人を探してるらしい」とお話を頂き「なんて俺向きなんだ!」と立候補し、採用されました。
・MAYUKO DAIMON SS24 COLLECTION in PARIS FASHION WEEK (最新アルバムには未収録)
・ニューアルバムや劇伴の制作全般に関して
ーー失礼しました。ボツとなった未発表曲を収録したという形ですね.....。最新アルバムに関して、どのような作品を制作/編集しようと思ったのか? 収録曲制作時のこだわり、思い入れなどについて教えていただきたいです。
Pulsnug(安川): PULSNUGのオリジナル・アルバムを聴いた方々から「歌わなきゃいいのに!」と良く言われていたのと、「PULSNUGはオールジャンル作ります」という意図があまり伝わってないと思っていたので、インストでバラエティに富んだ内容のアルバムを作りたいなと制作を始めました。基本的に尺を伸ばしたり、エディットはあまりせず、バラバラなジャンルの曲群がアルバムとし、なおかつ全1曲というイメージで聴ききれるように曲の並びに注力しました。
個人的には一番最近作った5拍子のエレクトロニカ「R.E.M.ember」がタイトル含め新しいフェーズに来たなと感じてます。
ーー安川さんはアニメのBGMも手掛けていらっしゃるようですが。また、サントラの制作時にはどのような点に気をつけているのか?
Pulsnug(安川): 数年前に『ほら、耳がみえてるよ!』というアニメ(中国の人気漫画が原作のアニメーション。Tokyo MXほかで放映)の主題歌「みみみみ☆ぷわっぷ」を担当させて頂き、その後は松浦直紀監督のアニメーションをいくつかお手伝いさせて頂きました。
アニメに限らず、劇伴は依頼主のイメージに沿うことを最優先で考えつつ、その中で自分らしさや新しさを出せたらな、と思います。何より「映像の邪魔をしない」ように気をつけています。すぐ変な音を入れようとしてしまうので、テンポ感とオーダーの意図を汲みとる「縛り」の中で自分がやりたいことを両立できたらなと考えています。
・音楽の遍歴や今後の活動
ーー以前、リーズのFar Caspianについて称賛されてましたが、共感を覚えるミュージシャン、バンドはいますか?
Pulsnug(安川):この時代でも相変わらず、レコードは大量に買っているのですが、最近は、dkj、Hannah Lore、Milledenials、August Ponthierあたりが特にお気に入りです。あとは月並みですが、Louis Coleが大好きで、Knower以外にも彼の参加してる作品や、彼の作品に参加してる人々をくまなく追っています。
ーー最近、池袋チョップ(手刀)などにライブ出演なさっています。ステージではPulsnagの曲はどんなふうに変化するのか? 観に来てくれたお客さんにどんな点に注目してもらいたいか?
Pulsnug(安川): PULSNUGのオケは音数がめちゃくちゃ多いので、ライブは完全再現ではなく、バンドならではのロック的なアプローチを念頭に置いています。オケとの同期などはせず、SEを使う際もサンプラーなどの実機から演奏し、人力ならではの楽しさが伝わったらと思っています。
あとはライブの度にTシャツを作っていたので、そういう面も楽しんでもらえたらなと思います。
ーー今後の活動計画や展望について教えて下さい。こんな仕事ができたらいいなという理想はありますか?
1stアルバムの後はリミックス・アルバム、今作のインスト・アルバムとリリースしたので、PULSNUGの2ndアルバムを作ろうかなという気持ちと、依頼があれば今後も劇伴をやりたいなと思っています。
音楽制作は自分にとって日常なので「作り続けることをやめない」をモットーに続けて行きたいです。
ーー今回は、質問にお答えいただきありがとうございました。今後の活躍にも期待しております。
取材: Music Tribune (Nakamura) 2026/6/23






















