また、この舞台音楽のたのしみは、クワイアや弦楽と合わせてささやかなピアノの小品が収録されていること。そして「In Your Nature」のように印象音楽としての自然を描いたと思われる曲から「Nine Roses」のような物語の中枢に登場するような印象的なシーンを描いたものまで、それらが一貫してペシミスティックなピアノの音色で縁取られていることである。ここにはドラマ音楽の基本的な作曲法と合わせて、マズルカのような物悲しい音楽的なテーマが垣間見える。ここにも一貫して、古典的な家父長制度における女性の生き方という主題が、一つの物悲しさに結びついている。そしてその中には、女性たちの幽霊というショーの物語の中枢が見えてくる。その音楽的なテーマの中には、やはりイギリスの古典的な雰囲気を見いだせるだろう。
本作『Warren Suit』はオペラティックな側面もありながら、バレエの組曲に近い音楽構成も発見出来る。そしてまた、アルバムの最後に収録されている「Ghosts In White Dress」は、ウォレン家の豪奢な暮らし、その裏に隠された物悲しいエピソード、当時の社会的な道徳という副次的な主題を鮮明に浮かびあがらせ、まるで音楽という舞台を中心に登場人物たちが甦るような不可思議な感覚に浸されている。音楽的には、Morton Feldmanの作品『Rothko Chapel』に近い感覚を見出せることもあった。近年聴いた劇伴音楽の中では随一の作品で、大いに称賛すべき組曲。
NEW AUCTIONは2026年3月15日、「古道具坂田」を通じて長年にわたり蒐集された品々から成る、吉澤宏隆氏のコ レクションセールを開催いたします。このコレクションセールでは骨董や古い調度品、そして生活を彩った道具などがオークション展示される予定です。単なる収集品を眺めるだけではなく、美や粋の概念を通じて旧い暮らしに想いを馳せることが出来るかも知れません。
NEW AUCTIONでは、またアートマーケットの持続的な循環を促すための「アーティスト還元金」 の仕組みを導入している日本唯一のオークションハウスになります。 ご落札された作品の著作権者に対してアーティスト還元金を独自にお支払いすることで、NEW AUCTIONを通じた取引が少しでもアーティストの支援に繋がることを目指します。
NEW AUCTIONでは、国内外の様々なコレクターやギャラリー、ディーラーと独自のネットワークを構築すると同時にファッション、カルチャー、建築、食、インフルエンサーなど業界を超えたチームとの連携を積極的に取り入れ、作品を最大限にプロモーションいたします。
Le Makeupが久々の新曲「はじまり」をリリース、2026年をスタートした。今年はリリースやライブを精力的に行う予定だという。環ROY、鎮座DOPENESSなどと並んで注目すべきビートメイカーのひとり。
Le Makeupは大阪の街が輩出した個性的なプロデューサーだ。J-POPを思わせるモダンなポップソング、ヒップホップをベースにしたローファイなど、多角的な音楽を取り入れるシンガー/プロデューサー。その個性的なサウンドは、大阪の街の雑多性を反映している。楽曲に感じられるほのかなエモーション。それは大阪、いや、日本全国津々浦々によくある風景とリンクする。
Le Makeup, a new track after a long hiatus.“hajimari (The Beginning)” signals the start of 2026, a year planned for vigorous releases and live performances.
A minimal ambient pop track where striking minimal guitar/synth and breakbeats fuse with lyrics projecting emotion and self.This song has been selected as the ending theme for NHK-FM's “Music Line” for February and March.
Le Makeup is a japanese Singer/Producer/Beatmaker. He began seriously pursuing composition while attending Kansei Gakuin University(Hyogo), subsequently releasing works on various domestic and international labels. In 2020, he released the album “Binetsu” After that he's performed in China, South Korea, the Netherlands, Denmark, and Germany.
In February 2023, he released the album ‘Odorata’ featuring contributions from Dove, gummyboy, JUMADIBA, Tohji, and Tamaki Roy. It garnered attention, including coverage by Pitchfork Magazine.
In May 2024, Le Makeup released the album ‘Premonition’ with Seigen Ono participating as mastering engineer. Held his first solo concerts, titled ‘Premonition’, in Tokyo and Osaka.
Weekly Music Feature: John Cragie
Photo: Bradly Cox
未知の才能と出会ったとき、大きな感動を覚える。今週紹介するジョン・クレイグのそのひとり。アメリカのシンガーソングライター、 John Craigie(ジョン・クレイギー)は人々を惹きつける音楽を作り続けてきた。彼の歌には理想的なアメリカの歌の魅力があり、そしてロマンやワイルドさもある。何よりクレイグの音楽はアメリカのローカルな魅力に満ち溢れていて本当にクールだ。
「Fire Season」も同様に、ベースとドラムが連動し、「Stand By Me」のようなスタンダードなジャズソングのリズムの枠組みの中で、陶酔感のあるボーカルが温かい響きを作り出す。 リズムは時々、ボサノバのような南米音楽にも近いシンコペーションを作り、ノリの良いゆったりとしたリズムを作り出す。
アンサンブルが際立つ序盤の収録曲の中で、「Follow Your Whisper」はアコースティクギターの弾き語り、つまりソロ演奏の性質が強まる。硬質なスティールギターで作り上げたシークエンスを背景に敷き詰めて、その音楽的な枠組みの中で気分良く紡がれるアコースティックギター、渋さを持つボーカル、その間に入るバスドラムのキック、これらが渾然一体となり、陶酔感があり奥行きのある崇高なサウンドを構築していく。また、ジョン・クレイギーはビートルズのカバーアルバムも制作していることからも分かるように、音楽的には60−70年代のポピュラーの楽曲の構成の影響を取り入れながら、見事なコントラストを持つ一曲に仕上げている。
「Call Me A Bullet」はフォークバラードの一曲で、やはり細野晴臣のボーカルを彷彿とさせる。ポップソングやヒット・ソングの定番の形を踏まえて、それらをオリジナリティ溢れる楽曲に仕立てている。クレイギーの楽曲は、全般的にも言えることであるが、宇宙の調和を大切にしていて、それは日常的な感覚からくる出来事と、壮大で神秘的な出来事の合致を意味する。
フォーク/カントリーというのは、ソロシンガーを中心に、デュエットの形式を通じて発展してきた。それは男性的なボーカルと女性的なボーカルの組み合わせでもある。「Mama I Should Call」は二拍子の簡素なデュエット曲で、フォーク/カントリーの重要なテーマである望郷(それらは戦時中には男女間の慕情へ変化し、戦後には反戦のような主題に変わることがあった)を引き継ぎ、ニュースタンダードを形作ろうとしている。カントリーのような音楽の主題であるトニック、ドミナント、サブドミナントを中心とする基本的な和声法の進行を通じて、またときどきジャズの和音を交えながら、スタイリッシュな感覚を持つフォークバラードに仕上げている。
列車の汽笛を模したイントロのギターの余韻、そして古典的なジャズボーカルの世界を体現する「Don't Let Me Run Away」は聴いたあと、腑に落ちるような感覚がある。長いアーティストの旅を遠巻きに眺める感覚、それらはアルトサックスの船の汽笛を思わせる響きや、クレイギーの味のあるボーカル、そしてレコードの音質やノイズを体現させたようなサウンドにより培われている。とくにタイトルが歌われるとき、印象的な映画のワンシーンを見ている気分になる。
イギリスのシンガーソングライター、Lande Hekt(ランデ・ヘクト)は2022年のアルバム『House Without A View』以来の最新作『Lucky Now』を先週末にリリース。2022年のシングル「Romantic」を聴くと分かるように、パワーポップやジャングルポップを中心とする良質なソングライターで、甘酸っぱく切ないメロディーをさらりと書き上げる能力を持ち合わせている。『Lucky Now』は前作の延長線上に位置するアルバムで、良曲揃いのアルバムとなっている。
また、「Rabbits」などを聴くと分かる通り、The Undertonesのような北アイルランドのパンクバンドの影響を感じさせることもある。 そういった中、ギターに薄いフェイザーをかけたようなサウンドを中心とする「Favourite Pair of Shoes」は前半の一つのハイライトとなりえる。ボーカルメロディーの親しみやすさもさることながら、ギターワークに光る部分があるのに注目だ。『Lucky Now』は、純粋なボーカルアルバムというよりも、その向こうから聞こえるギターリフに一瞬のきらめきが込められている。ドラム、ベースというシンプルなバンド構成がそれらの曲をほんのり引き立てている。また、曲全体から感じられる叙情的な音楽性からはどのような風景が思い浮かべられるだろうか。曲そのものが何らかの換気力に富んでいるのにも着目したい。
そういった中で、インディーフォークに舵をとった「Middle Of The Night」は新鮮な響きが込められている。クリアな雰囲気の中で、美麗なギターのアルペジオ、そしてバンジョーのような響きが聞こえてくる。さらに、夜の澄んだ空のような神秘的な雰囲気が立ち上ってくることがある。ここには、ランデ・ヘクトの吟遊詩人的なミュージシャンの姿を捉えられる(かもしれない)。
ジア・マーガレットは過去に声帯を痛め、シンガーとしては厳しい状態に立たされたものの、前作で自信を取り戻し、ボーカルアルバム『Singing』で復活を遂げる。先行シングル「Everyone Around Me Dancing」はピアノとエレクトロニックのビート、ボーカルを掛け合わせた優美な一曲。同楽曲はキャサリン・ロメディコ監督によるミュージックビデオが同時公開された。
「Everyone Around Me Dancing」
Gia Margaret 『Singing』
Label: jagujaguwar
Release: 2026年4月26日
Tracklist:
1.Everyone Around Me Dancing
2.Cellular Reverse
3.Alive Inside
4.Moon Not Mine
5.Rotten
6.Rotten Outro
7.Good Friend
8.Phenomenon
9.Ambient for Ichiko
10.Phone Screen
11.Guitar Duo
12.E-Motion
ニューヨークの作曲家/シンガー、Mitskiが2月27日、Dead Oceansよりニューアルバム『Nothing’s About to Happen to Me』をリリースする。本日、同作のセカンドシングル「I’ll Change For You」を公開した。ミツキの新アルバム『Nothing’s About to Happen to Me』が2月27日、Dead Oceansよりリリースされる。また、世界規模のツアー日程も発表された。
『Nothing’s About to Happen to Me』では、ミツキが荒れ果てた家に閉じこもる女性を主人公とした豊かな物語に没入している。 家の外では彼女は異端児、家の中では自由。レキシー・アレイ監督、レナ・ジョンソン編集による「I’ll Change for You」のミュージックビデオは、この世界を拡張し、アレイが撮影したアルバム写真で提示されたタンジー・ハウスの混沌とした散らかった宇宙へと深く踏み込む。
ミツキは『Nothing’s About to Happen to Me』の全楽曲を作詞作曲し、全ボーカルを担当。パトリック・ハイランドがプロデュースとエンジニアリングを、ボブ・ウェストンがマスタリングを手掛けた本作は、『The Land Is Inhospitable and So Are We』(2023年)で確立された音楽的路線を継承し、『The Land』のツアーバンドによる生演奏とアンサンブルアレンジをフィーチャーしている。 オーケストラはサンセット・サウンドとTTGスタジオで録音され、ドリュー・エリクソンが編曲・指揮を担当、マイケル・ハリスがエンジニアリングを担当した。
ミツキは『Nothing’s About to Happen to Me』を世界各国の主要都市で披露し、主要会場でのレジデンシー公演を実施する予定。
ミツキの常連コラボレーターであるパトリック・ハイランドがプロデュースとエンジニアリングを担当した「Nothing's About to Happen to Me」は、ボブ・ウェストンによってマスタリングされた。ミツキはアルバムの全楽曲を作詞作曲し、全ボーカルを自ら担当。ツアーバンドがバックを務めた。また、ドリュー・エリクソンが編曲・指揮、マイケル・ハリスがエンジニアリングを担当したオーケストラとのレコーディングをサンセット・サウンドとTTGスタジオで行っている。