タイの首都、バンコクでは、近年、インディーズ音楽シーンがとても盛り上がりを見せているようです。
バンコクの周辺にはPanda Redcordsを中心として数多くのレコードショップやインディーのラジオ局が散在し、街なかの、デパート、レストラン、バーといった場所では、ミュージシャンにイベントスペースを提供し、食事をしながら生演奏が楽しめるそうです。
もちろん、これは、2019年までの話であると断っておかなくては。Covid-19が発生してからというもの、この音楽イベントに接するが少なくなってしまったようですが、アジア圏の中でも、再注目の音楽シーンが形成され、音楽文化が都市に浸透しつつあるのは事実のようです。
特に、昨今のタイのインディーズシーンで盛んなのが、日本のシティ・ポップに影響を受けたおしゃれなシンセ・ポップです。以前の日本の音楽は、アメリカのLAだけでなく、タイでもホットな音楽として親しまれていることを誇りに思います。
これらのバンコクのインディー・ロックバンドは、世界の音楽として通用しそうなものも数多く見受けられます。また、その他にも、ドリームポップ、シューゲイズバンドもいくつか台頭してきているようですよ。
今回は、タイのバンコクを中心とするミュージックシーンから魅力的なグループを幾つか取り上げていきます。
これらのタイのバンドの歌詞は、母国語のタイ語で歌われているもの、英語で歌われているものと様々。とにかく、タイでは今、日本の平成時代初期のムーブメントのような雰囲気を持った音楽が盛り上がりを見せています。以下のグループの音楽には多彩な音楽性を発見でき、タイらしい、まったりとした、そして、とってもおしゃれな雰囲気を楽しんでいただけるはずです。
1.Inspirative
タイの伝説的な後人組のポスト・ロックバンド。2006年にNoppanan Panicharoen を中心に結成され、2008年に現メンバー構成となる。2007年に、Fina Kid Groupと契約を結び、二曲入りのシングル「The Lost Moment」をリリースしてデビュー。 2019年、来日ツアーを行っています。
緻密な曲構成、静寂と轟音、そして、エモーショナルなロックサウンドは、モグワイ、GY!BE, MONOのような大御所の風格が漂う。重厚感のあるギターサウンドは圧巻で、ギター音楽としての壮大なハーモニー、ストーリを形成している。タイのインディーシーンを代表するポスト・ロックの重鎮です。
2.temp.
temp.もまた2019年に日本来日ツアーを行っている男性四人組のグループ。アイドルグループのような方向性を擁したトロピカルポップサウンド。ライブでは女性ヴォーカリストを招いて、おしゃれなポップバンドに様変わりを果たす。
このポップスグループの音楽は、まさに平成時代の渋谷系ポップスを継承した、おしゃれでリズミカルな雰囲気によってカラフルさにより彩られています。
ライブ演奏においては、ホーンセクションを交え、ダンス要素の強いノリノリの音楽性が生み出されてます。ライブ演奏はメンバーが心のそこから音楽を楽しんでいます。こちらもその楽しさに魅了されてしまうバンドです。
3.Beagle Hug
こちらもタイ、バンコクで結成された四人組のエクスペリメンタルポップバンド。AOR,シティポップを始め、R&Bを交えた実験的な音楽性を、これまでの作品で生み出しています。国内では「โชคดีーチョークディ」という作品でブレイクを果たしたバンド。知的なサウンドアプローチの感じられるポップスで、タイ語という一般的には聞き慣れない言語に親しみをおぼえさせてくれるサウンドです。
4.Yokee Playboy
あまり情報がないバンドですが、タイ、バンコクで結成された四人組グループ。 映像を見る限りでは、非常にバンコクで凄まじい人気を博すバンドのようです。
Yokee Playboyは、ポップ、ファンク、R&Bを融合させたサウンドで、ピチカート・ファイヴ直系のおしゃれで洗練された音楽性です。口当たりの良いシャンパンを口にするような甘酸っぱいサウンドで、なんとなく、平成時代のポップスの影響性を感じさせ、そこにタイ語という面白い響きのある言語をうまく融和させたといえるでしょう。聴いているとうっとりするようなサウンドで、全く馴染みのない言語であるにもかかわらず、ノスタルジアを感じさせてくれます。
5.Plastic Plastic
Pokpong Jitdee、Tongta Jitdeeという実の兄妹によって結成された宅録サンシャインポップデュオ。
サンシャイン・ポップという名に違わず、明るくフレッシュで親しみやすい音楽性が魅力です。それほど肩肘をはらない、まったりとした音楽という点では、他のバンコクのバンドと同じ特徴を持っています。
これまでタイ国内の「Believe Records」に所属していましたが、現在は自主レーベルから作品リリースを行っています。She Is Sumerの楽曲の編曲を担当していて日本との音楽シーンとも少なからずの関わりを持っています。 実際のサウンドは聴いてわかるとおり、ものすごーくおしゃれです。