今年もあっという間に過ぎ去って、いよいよもうすぐそこまで年の瀬が迫って参りました。今年が良い年であったと思う方も、また、そうではなかったという方も、年末には一度、そういった気持を整理し、大晦日を迎えると、爽やかな新年を心機一転迎えられるかもしれません。
さて、少しきがはやいようですが、クリスマスといえば、お祝いのムードが最高潮に達する時でもあります。
キリストの復活にまつわる様々なお祝いの方法があるかと思いますが、ここでは、クリスマスムードにぴったりな華やかな名曲が数多く見いだされますので、クリスマスをご家族でお過ごしの方、恋人とお過ごしの方、ひとりでお過ごしの方にも楽しんでいただけるクリスマスソングを以下に取り上げていきましょう。
あなたのクリスマスが素晴らしいものになること、そして、また年の瀬が素敵なものになることをお祈り申し上げておきます。
以下に特集するクリスマスソングは、近年リリースされたあらたな傑作に加えて、いくつか往年の名曲も取り上げておきました。定番曲とは一味違う味わいのある、なんとなくクリスマス気分をわき立ててくれる作品を率先して選んでいきました。今回、クリティカルとレビューは極力しません。曲だけたのしんでもらえればこの上ない喜び。
1・Micah Edwards
「December 26」
December 26 |
2・Lawrence
「Merry Christmas」Disney NOLLE Original Soundtrack
「Merry Christmas」Disney NOLLE Original Soundtrack |
Lawrenceは、ニューヨークを拠点に活動するR&Bデュオ。頗る仲の良さそうな兄妹によるクールなソウルが特徴だ。この楽曲はド直球すぎる題名ではあるが、クリスマスソングとしては定番の雰囲気が漂っている。
もちろん、いうまでもなく、この、クリスマスのためのR&B.James Brownリスペクトのクールでファンクなソングが、クリスマス気分を盛り上げてくれるはず。
3・Best Coast
「Little Saint Nick」
Little Saint Nick |
ベスト・コーストは、カルフォルニア州を拠点に活動するインディーロックバンド。サーフサウンドをローファイの要素を交えて演奏する。
この「Little Saint Nick」は、2019年にリリースされたシングルでビーチ・ボーイズのカバーソング。クリスマス気分を高めてくれるであろう一曲。
4・The Rubinoos
「Christmas Is All Around 」
Christmas Is All Around |
ルビノーズはカルフォルニアバークレーで結成された1970年代から活躍するパワー・ポップバンド。
このクリスマスカバーと往年のTiffanyの名曲「I Think We're Alone Now」のカバーを併録した二曲入りシングルは、今年11月26日に発売されたばかり。やはり、カバーシングルではあるが、パワーポップバンドとしての存在感は健在。世界のクリスマスの幸福感を盛り上げるべく、最古参のパワーポップの伝説ロックバンドが遂に名乗りをあげた。
5・Goo Goo Dolls
「Shake Hands with Santa Claus」
From「It's Christmas All over」
It's Christmas All Over |
ニュージャージ州を拠点に活動するグーグー・ドールズは、既に説明不要のアメリカを代表するロックバンド。
この「It's Christmas It's Over」は、オリジナル曲二曲を収録したクリスマスソングカバー集として2020年に発売された。
収録曲は、グー・グー・ドールズにしては珍しく、jazzアレンジを取り入れたトラックが多い。特に、「Shake Hand with Santa Claus」はクリスマスの華やかな気分を浮き立たせてくれる一曲。また、題名にもある通り、クリスマス後の余韻を味わうのに最適。
6・New Found Glory
For Christmas Sake from 「December’s Here」
December's Here |
7・Phoebe Bridgers
「Day After Tomorrow」
Day After Tommorow |
フィービー・ブリージャーズは、カルフォルニアを拠点に活動するシンガーソングライター。2017年にリリースしたばかりのシンガーではあるものの、アメリカ国内では人気沸騰中のフォークシンガーである。
シングル作「Day After Tomorrow」は美麗なバラードであり、曲の最終盤でクリスマス定番ソングの「Silent Night」の合唱が不意にサンプリングとしてバックトラックに挿入されるのは圧巻といえる。11月30日リリースであったので、グラミー賞にはノミネートされなかったが、今年のアメリカの女性シンガーソングライターのリリースの中でも最高峰の名曲。
8・Norah Jones
「I'll Be Home For Christmas」from (I Dream For Christmas [Deluxe])
I Dream Of Christmas (Deluxe) |
ノラ・ジョーンズの「I Dream Of Chrismas」のオリジナル盤は10月14日にブルーノートからリリースされたが、セールスが好調だったためか、12月3日、追加の楽曲を収録したデラックスバージョンがリリースされた。
デラックスバージョンは、オリジナルの十三曲に加え、三曲が追加で収録。追加の三曲は、どれも力の入りようが半端でないため、レコーディングを予め行っていたものの、オリジナルに収録しきれなかった楽曲を追加で収録したのかもしれない。ラストトラックに収録された「I'll Be Home For Christmas」は、美しいクリスマスバラードで、ウキウキとした気分に浸れる一曲。ノラ・ジョーンズのシンガーとしての前向きな進化の様子が伺える。
9・The Jelly Granelli Trio
「Christmas Time Is Here」 from 「The Jelly Ganelli Trio Plays Guaraldi and Mose Allison」
The Jelly Granelli Trio Plays Gyraldi and Mose Allison |
ジェリー・グラネリはアメリカ出身、カナダを拠点として活動したジャズドラマー。今年の7月20日に惜しまれつつ亡くなられた。
スタジオ・アルバム「The Jelli Granelli Trio Plays Guaraldi and Mose Allison」は、2020年にリリースされた作品である。そして、このアルバムのラストトラックとして収録されている「Christmas Time Is Here」はクリスマスのジャズソングとして魅力的な一曲。ピアノの流麗な演奏、ウッドベースの渋いカウンターポイント。
なんといっても、ジェリー・グラネリのパーカッション演奏は、この楽曲に、優雅で、穏やかで、温かな響きをもたらしている。口惜しいのは、ジェリー・グラネリの演奏を二度と生で聴くことが叶わなくなったこと。しかし、この作品の素晴らしさは永遠不変、一抹の寂しさを補ってあまりあると思う。ジェリー・グラネリトリオの「Christmas Time Is Here」は、クリスマスジャズの新しいジャズアレンジ定番曲。
10・Blossom Dearie
「The Christmas Card」 from 「My New Celebrity Is You」
My New Celebrity Is You |
古い時代に録音されたクリスマスソングも一つ紹介しておこう。ブロッサム・ディアリーはアメリカのジャズ・シンガーとして1950年代から2000年代まで活躍。ビバップのベティ・ブーブと称されていた歌手である。作家のドン・ウィンズロウの作中登場人物のモデルともなっている。
この作品「My New Celebrity Is Youはアンソロジーとして2020年にリリースされたもので、ブロッサム・ディアリーの歌手としての少しコケティッシュな歌声の雰囲気を堪能できる一枚である。
かなり古い時代に録音された楽曲であるものの、この中の一曲「ChristmasCard」はアンニュイさの漂う美麗な一曲に挙げられる。シナトラサウンドを女性シンガーとして体現したような一曲。ノスタルジーさもあり、切ない情感あふれるクリスマスソングの名曲。