アメリカの偉大なシンガーソングライター、シャロン・ヴァン・エッテンが2020年以来のソロシングル作「Porta」のミュージックビデオを共有しました。
この静かな印象のあるシャロン・ヴァン・エッテンのアンセムソングでは、自己と安全に対する喪失についてしとやかに歌われた楽曲、おそらく、ポピュラー・ミュージックファンを歓喜させる名曲と言える。
「Porta」はシャロン・ヴァン・エッテンがうつ病に苦しんでいる際に書かれた楽曲である。彼女はこの楽曲について以下のようなコメントを出している。
「私の壮年期の人生のほとんどは、うつ病と不安にたいする機能的な発作によって苦しめられていました。
そして、私は時々、それらの暗い瞬間が私に対して最大限に働きかけるのです。この間、私は非常に精神と肉体が乖離していると感じます。私の精神が肉体に繋がっておらず、私の精神は制御不能に陥るのです」
新作シングル「Porta」は、そういった肉体と精神の乖離という機器的な状況に陥りながら生み出されたものである。
つまり、シャロン・ヴァン・エッテンはそういった自己のアイデンティティをより自分の肉体となじませるためにこの楽曲を生み出す必要があった。それはきっと同じような精神的な症状に苦しめられる人に、一種のやすらいだ気持ち、同じような症状に苦しむ人が自分だけではないという精神的な力強さを与えてくれるに違いない。
今回、公開されたミュージックビデオ「Porta」は、ノースカロライナ州でベースピラティス(フィットネスの一種)を運営している彼女の友人のステラ・クックとヴェン・エッテンの毎週行われていたミーティングにインスピレーションを得ている。この2020年に行われたミーティングを介して、シャロン・ヴァン・エッテンの精神状態を良い方向に向かったという。
シャロン・ヴァン・エッテンはさらにこの新曲「Porta」について以下のように語っている。
「難しいときでも、苦しいときでも、手を差し伸べる。あなたが自分自身に手を差し伸べるのを助けてくれる友人がきっといる。ぜひそういった苦しいときには友人に手をさしのべてみてください」
今回の作品は、シャロン・ヴァン・エッテンが精神的な治癒へと向かった経緯を、自分の経験を通して他の同じような症状に苦しんでいる人々に手を差し伸べようと努めた作品とも言えるかもしれない。この春、シャロン・ヴァン・エッテンは、ヨーロッパツアーを敢行した後、夏にはエンジェル・オルセン、ジュリアン・ベイカー、ワイルドハーツといった豪華なメンバーとツアーを回る。どういった素晴らしいステージになるのかファンとしては楽しみにしたいところだ。