米・ビルボードは、昨日、カニエ・ウェスト(Ye)の最新作「Donda 2」がビルボードチャートインの資格がないとの裁定を下した。
これはカニエ・ウェストが最新作を、音楽市場に一般流通させない「Stem Player」というオーディオ・デバイスにより、独自形態のリリース展開を行ったという理由による。
米・ビルボード・チャートは、主に、フィジカル形式のアルバムとしてリリースされた作品の売上を、MRCのデジタルデータに基づいて作成し、チャートリストを作製する。今回、ビルボード・マガジンは、ビルボードが規定する「Merchandise Bundle Policy」に違反するとして、「Donda 2」はチャートインする資格はないという決定を下した。
この事実を受けて、トップチャートを占めると予測されていたカニエ・ウェストの新作アルバムは、チャートから外れる結果となった。
また、この出来事に関して、Yeこと、カニエ・ウェストは、昨日、3月9日にインスタグラムで以下のようなユニークな投稿を行っている。
「大きな勝利だ!! 俺たちは、最早、カウントもされない、また、ジャッジもされない。俺たちは勝利したんだ。勝った、勝った、勝った・・・。
これから、俺たちは、自分たちなりの構造を作り上げていく。また、俺たちは、他者から左右されない独自の価値を持っている。昨日までの価値、それは今日の価値ではないんだ、baaaaabeeee!!!!!」
米・ビルボードは、今回、カニエ・ウェストの新作アルバム「Donda 2」を規定違反に当たるとして、チャートインさせないとの意向を示した。しかしながら、同時に、ビルボードは、今後、柔軟な対応を図っていく必要があり、引き続き、Stem Playerの動向を注視していくという見解を述べている。
カニエ・ウェストは、Stem Playerの開発の監修を手掛け、独自のオーディオデバイスの普及に、昨年から努めてきた。
英国のスタートアップ企業「Kano」と共同開発を行ったStem Playerは、比較的、商業製品としては成功を収めたと言えそうだ。予測されていた以上の普及率を見せており、近年、注目の最新オーディオ・デバイスのひとつに挙げられる。Stem Playerのオーディオシステムの仕組みは、PCから楽曲データをインストールすることで、音楽視聴を可能とするデバイスである。購入した製品に、カニエ・ウェストのアルバムの楽曲データが予めインストールされている。
カニエ・ウェストは、新作「Donda 2」がリリース後の24時間において、Stem Playerが、デジタルデバイスとして1.3億ドルの売り上げを記録したと述べている。 また、2月18日、オーディオデバイス、Stem Playerが、これまでに39,500の売上総数があったと説明、それにより、8.6億ドルの売上を計上したと報告している。(これは、カニエ・ウェストによる説明であり、公式な発表ではないことをお断りしておきたい)