Vince Staples 新曲「Rose Street」を公開 「Ramona Park Broke My Heart」のリリースを発表

 


 

ヴィンス・ステイプルズ(アメリカ、カルフォルニア州ロングビーチ出身のラッパー、俳優としても活躍)は、昨日のアカデミー賞の授賞式の直後に、最新シングル「Rose Street」をリリース、ミュージックビデオを公開した。

 

また、ステイプルズは、MVと先行シングルの公開に併せて新作アルバム「Ramona Park Broke My Heart」のリリースを発表した。昨年リリースされた「Vince Staples」に続く新作アルバム「Ramona Park Broke My Heart」は、今年の4月8日にドロップされる予定である。

 

ステイプルズは、ソーシャルメディアを通じて、カバーアートを提示すると共にこの新作アルバムについて以下のように語っている。


「私は、しばしば、人生というのは、”あなたが何かを成し遂げるためのものなんだ”という、とんでもない嘘を言われます。10年以上もの間、私の仕事のほとんどは、家の中にあると信じていた概念のアンソロジーに過ぎませんでした。でも、今ではその意味が、その場所を超越しはじめていることに気が付きました」

  

「私は、かねてから、”Home”という意義を探求してきました。その場は、安全、快適、意味、応え、言い訳でもある・・・

 

・・・でも、人間が成長するという本当の意味は、決して、その対象物や人を盲目的に愛することではありません。”ラモナパークは私の心を壊した”というニュアンスは、ネガティヴな印象を与えるかもしれない。けれども、これは、決して、否定的な意味を込めたわけでないんです。むしろ、それと正反対に人間の一連の成長の物語でもある」

 

「また、”ラモナパーク”は、いってみれば、私にとって、”故郷”という概念の象徴にほかなりません」

 

ステイプルズは、今回のアルバムタイトルのネーミングの由来について上記のように語っている。誰よりも言語に対する鋭敏な感覚を持つステイプルズにとってのHomeという概念は、単なる”家”という意味にとどまらず、広義における「故郷」というニュアンスが込められている。もちろん、カルフォルニア・ロングビーチの彼の故郷の近くにある”ラモナパーク”に対してのラッパーの深い敬意が表されているのだ。

 

さらに、ヴィンス・ステイプルズは、今回の作品「Ramona Park Broke My Heart」について、独りよがりではなく、広い範囲で共感を呼ぶ作品に仕上げようと試みたと話している。以前までは、彼にとっての家という概念は、単なる人が住む場所でしかなかった。しかし、今作においてのステイプルズが込めるニュアンスは、それよりも遥かに広範囲に及ぶ。彼は新たな気づきを見出し、家の外側にも、さらにこの広大な地球には様々な人が住んでいるという事実を見出している。それらすべての人々にとって、それぞれのHOMEという概念が存在するのである。

 

ヴィンス・ステイプルズの語る”HOME”という言葉は、普通の人が使う家の意味だけにはとどまらない。彼が明示する「家」なる概念は、きわめて幅広いものであり、ー単なる個人が所有するための家ーを離れていき、ーラモナパークーに及び、さらに、ーロングビーチ全体ー、ひいては、ーカルフォルニア全体ー、そして、ーアメリカという国全体ーに及ぼうとしているのかもしれない。家という概念が地域に暮らす人々全体に広げられつつあるように思えるが、このことについて、ステイプルズの以下の言葉が強い説得力を持っている。


「そして、今日において、多くの人々が”Home”という概念を共有している。それは、私としては、個人的な概念でもありさえする。しかし、それと同時に、誰もが、この”Home"という概念に共感を持つこともできる。そのため、私は、新しいアルバムの制作段階において、今回のことは上手く進行するだろうと確信していました」



・「Rose Street」