キャサリン・ジョセフ 新曲「The Burning Of Us All」を発表 内面に燃え上がる強い炎

 

スコットランドのシンガーソングライター、キャサリン・ジョセフは、2015年のデビュー・アルバムがスコットランド国内でベスト・アルバム賞を受賞しているシンガーであり、これまで、作家エマ・ドナヒューの「Room」の舞台版の劇伴音楽も手掛けている。ジョセフはこれまで社会的な風刺ーー社会の中に生きる女性の感覚により生み出される独特な感覚ーーを交えた歌詞や音楽を制作することで知られている。

 

キャサリン・ジョセフは、昨日の4月6日に新曲「The Burning Of Us All」を発表した。またこれに合わせて新作アルバムを発表している。アルバムタイトルは、「For You Who Are The Wronged(不当な扱いを受けたあなたのために)」である。今回、スコットランドのハイランドのスタジオでロモンド・キャンベルと共に制作が行われた新作アルバムは、4月22日に到着する予定である。

 

アルバム「For You Who Are The Wronged(不当な扱いを受けたあなたのために)」の先行シングルとして公開された「The Burning Of Us All」は、このシンガーソングライターの強固な知性と詩情、さらに社会に対するメッセージが色濃く反映された楽曲である。キャサリン・ジョセフの文学性は常に、暗喩に満ち溢れており、事実や真理を女性的な感覚という神秘的なヴェールで覆っているがゆえ知性と深みがある。たとえば、イギリスの作家、ラドヤード・キプリングの名作小説のように、物事を明確に述べず、聞き手に全てを与えないことは、シングライターの楽曲をより魅力的にしている。常に、キャサリン・ジョセフのような知性的な人物にとっては、社会的な物事の皮相を並べ立てただけでは、全てを明確に言い表せないものなのかもしれない。

 

昨日、公開されたシングルについても、その特性に変化はない。シンプルかつミニマル的でありながら、非常に音響として効果的な雰囲気を持つ「The Burning Of Us All」は、アルバム全体の広いテーマ性を暗示している。歌詞は、このシンガーソングライターの内なる炎ーー怒りーーに満ちており、その内的な感覚がひたひたと、時に静かに、また時に、扇動的に、淡々と、歌やメロディーというかたちで複数の声部ーーカウンターポイントーーとして紡がれていく。

 

「これは、部分的に何らかの意見を大声で言うことに関して、私ができる唯一のことのように感じます。コードのようなもの・・・。誰も、彼らの名を聞いたり、自分自身を認識したりすることはありませんのに、今後、数年のうちに、彼らはそうするようになるかもしれません。この曲を聴くまで虐げられていることの気づかない人だっているはず。すでに存在する人々ーーーー私は、彼らがどれほど強いのかを知っています。彼らは、私の人生の中に居り、息をしつづけている」