本イベントのチケットの一般販売が開始されたことを御報告するとともに、以前の記事を再掲致します。
英国出身のアンビエントの創始者でもあり、U2を始めとする数々の有名アーティストのサウンドエンジニアとして活躍してきたブライアン・イーノが、2022年6月3日(金)から8月21日(日)まで、京都市下京区の京都中央信用金庫 旧厚生センターで「Brian Eno Ambient Ktoto」を開催します。
今回、開催されるブライアン・イーノの展覧会のテーマはすばり、音と光の融合。音と光がシンクロしながら途絶えることなく変化する。イーノのインスタレーション展は、その空間、その瞬間にしか体験しえないアートであり、観客の誰もが違う体験をする事ができる参加型の空間芸術です。
京都中央金庫 旧厚生センターは、築90年の由緒ある建物です。その歴史ある会場の建築の特性を活かして、ブライアン・イーノは、今回、音と光によりこの空間に色彩あふれる魔法をかけてみせる。無機質な建物に「音と光」という生命的なエネルギーを注ぐことにより、現代的であるとともに、往古から存在するような独特なモダンアートの異次元を生み出す。これは、アンビエント音楽家としての音という概念を超えた領域にかのアーティストが踏み入れたとも形容出来るかもしれません。
「川のほとりに座っているような、絶え間ない変化と同時に不変の変化を体験したかったのです」
ブライアン・イーノ
また、今回のイベント開催にあたって、公式ホームページにて、複数の著名人から以下のようなコメントが添えられていますので以下にご紹介致します。
石野卓球
基本、ENOはいいのが当たり前。
宇川直宏(DOMMUNE)
ブライアン・イーノは越境する!!! 個と集合を!!! 音楽と環境を! !! アンビエントとアートを!!! まるで作曲するかのようにイ ンスタレーションを”創生”するイーノは、AMBIENT KYOTOで音と光の生態系を作り上げた!!!!!!
小崎哲哉(『Realkyoto Forum』編集長)
イーノは、ニューヨーク近代美術館が所蔵するマルセル・デュシャンの「泉」に放尿したことがあるという。事の真偽は問 わない。レディメイドの意義を過不足なく理解した、現代アートの本流アーティストであると思う。
テリー・ライリー
イーノがもたらす光環境は
瞑想・思索体験を最大限に効果的たらしめる
独創的な装置である
徳井直生 (Qosmo代表 慶應義塾大学准教授)
自らのコントロールを手放す。イーノの表現に共通する哲学、それは「他者」への絶対的な信頼ではないだろうか。 異質性を排除する風潮が強い今だからこそ、そんなイーノ作品の世界観にゆっくり身を任せてみたい。
永山祐子(建築家)
ブライアンイーノとの出会いは就職した青木淳さんの設計事務所の棚の中にあったアルバム「Ambient 1 :Music For Airports」。徹夜もしばしばであったその頃、深夜静かな音の中で集中して案を考えていた日々が懐かしいです。
野田努(ele-king)
このコロナ渦において開催される「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」の意義は大きい。「アンビエント・ミュージック」 はやかましさよりも静けさを、あくせく動くことよりもじっくり止まることを、 そして内省を賞揚する音楽だ。これまで の常識が揺らぎ、未来へのリセットが希求されているこの時代にブライアン・イーノの大掛かりなインスタレーションが日本──それも京都という「アンビエント・ミュージック」にはまことに相応しい古都において開催されることは願っても ないことである。よりよき社会のために動きながら、つねに自由な思考による創造性をもって人びとにインスピレーショ ンを与えてきたイーノによる今回のスペシャルなインスタレーションは、緻密に設計されたヴィジュアルと音響システム、 そして半永久的に変化し続けるジェネレーティヴ(自動生成)な、その空間のその時にしか体験できないアートであり、「ア ンビエント・ミュージック」なのである。
原 摩利彦(音楽家)
1989年の天河神社での伝説のインスタレーションについては何度か耳にしたことがあり、いつか体験したいと思っていました。
深い思索の末に彼が創り出す世界はどんなものなのか。「楽しみ!(Can’t wait!)」以外の言葉がありません!
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
テレビ・モニターの向きを縦にすることで絵画のように見せて、ほとんど動かないヴィデオを流した1983年のインスタレ イションは画期的でした。シンプルな発想でも誰もやろうとしなかった着眼点はブライアン・イーノの素晴らしいところだと思います。
細井美裕 (サウンド・アーティスト)
20代、私たちがイーノの展示をこの眼で見られる時がやっときた。散々聞かされた巨匠の話が自分の言葉になる 2022年夏の京都、だれもがイーノと同じ視点に立てる唯一の場所。
真鍋大度(Rhizomatiks)
音楽的な映像、風景映像の様な音楽。そういった言葉がイーノの作品にはしっくりくる。映画 音楽の作曲家の様に職人的 になりすぎず、技術と程よい距離感を保ちながら時代の空気を微かに取り入れる。コンセプトは作品形態が変わっても、新しい技術を使っても全ての作品を一本の串で串刺しに出来る。イーノの作品は自分の中で物差しの様な存在である。コロ ナウイルスで変わってしまった私たちの価値観や音楽の意義が、イーノの作品を体感することで見えてくることがあるかもしれない。
山口一郎(サカナクション/NF)
イーノを知る切っ掛けは千差万別です。入口は幾多もありますが、出口は常にイーノらしい”何か”なのです。僕はそれを知りたい。
湯山玲子(著述家、プロデューサー)
才能のあるアーティストの表現に出逢ったとき、その観手のほとんどは、圧倒されそのカリスマにひれ伏す、ファンとなっ て”押シ”に走る。そのクリエイションが意図するところにおのれの感性をいとも簡単にすり合わせてしまい、理解しようと 躍起になるのだ。観客主体の、どのような聴き方も受容するという「アンビエント・ミュージック」の創始者であり、す でにスターでもあるブライアン・イーノの渾身の作品を前にして、「それを自然の川の流れのように」無視することができ るかどうか?! 観て聴くおのれの心が試される非常に重要なインスタレーションだと思う。
横尾忠則(美術家)
ロキシー・ミュージックでのイーノのルックスとファッションは美術を学んだ彼をやがて現代音楽の世界に接触するのではと予感していたが、彼は磁石のようにあらゆる要素を肉体化していった。
若林恵(編集者・黒鳥社)
建築家ではなく庭師のように考える。終わりではなく始まりをデザインする。いま、イーノは、統御=コントロールを離 れ、自生的な秩序をもたらす者の比喩として、「建築家」に「庭師」を対置させて語る。「庭師」というモチーフには「環 境/地球」と、これからの人間がどう向き合っていくべきかという含意があるのはいうまでもない。
京都市下京区にて、6月から開催予定の「AMBIENT KYOTO」のインスタレーション展のコンセプトについて、ブライアン・イーノは、上記のように語っているとおり、すべての来場者は、水の流れを眺めているかのように、絶えず変化する空間の中に、不変な何かをその目に留めることでしょう。
ブライアン・イーノは、コロナパンデミック以降、初めて大規模なインスタレーション展を開催します。舞台は京都ですーーーー芸術家としての活動にとどまらず、環境問題、シリア空爆に対する反論を唱える等、アーティストとしてだけでなく、社会活動、平和のための運動にも率先的に取り組んできたイーノは、今回、世界的文化都市の地、京都で、どのようなメッセージを発するのでしょう??
*上掲致しました写真はあくまでイメージとなります。本展覧会の内容と異なる場合がありますので御留意下さい。
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インスタレーション展 「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」
開催期間
2022年6月3日(金)〜8月21日(日)
11:00〜21:00 ※入場は閉館の30分前まで
会場
京都中央信用金庫 旧厚生センター
イベント詳細 公式ホームページ
初代選曲家・桑原茂一