ロンドンのアート・ロックの新鋭 Gloop Unit シングル「Imitation」でデビューを飾る

Gloop Unit
 

英国、ロンドンの2020年代のアート・ロックシーンの最も奥深くから登場したのが、Gloop Unitである。

 

彼らは、先見の明があり、何より希望に満ちあふれた存在だ。日々、それまでのジャンルの定義を覆すような新鮮なアーティストが無数に輩出される、英国・ロンドンの最も刺激的なミュージックシーンの中心において、感覚の鋭さ、センスの良さという点において、頭ひとつ抜きん出た存在である。既に、ロンドンのライブサーキットで、デビューを飾っているGloop Unitは、デビューシングル「Imitation」をドロップし、同時に、ディーザー映像を公開している。


シングル「イミテーション」は、他のバンドの音楽性とは明らかに異なる。アブストラクトな魅力を持ち、それらをディスコ的なわかりやすい形で提示する。螺旋状の万華鏡のように中毒性のあるメロディー、卓越したグルーブ感。このシングル「イミテーション」の背後に込められた意味は、謝った相互作用、誤解における欲求不満という哲学めいたテーマが内在しているという。

 

Gloop Unitの音楽は、ディスコパンク、ポスト・パンク、アート・ロックの系譜にあたる。しかし、これらのジャンルを当てはめることは、このバンドの音楽を説明する上で意味をなさない。「イミテーション」は、Devoのようなユニークさにあふれ、それでいて、ポストパンクバンドらしい力強さがあるので、多くの耳の越えたリスナーに驚きをもたらす。SFという概念が今や二十世紀ほどには未来を象徴するように感じられなくなった2020年代において、その概念を今一度ロマンあふれるものとして構築しなおそうと試みるのが、Gloop Unitなのである。

 

彼らの発表されたばかりのデビューシングル「イミテーション」は、夢のように美しいスペーシーなギターライン、そして、宇宙的な概念を感じさせるシンセサイザー、これらが綿密に重なり合い、催眠効果のある音響の巨大なワームホールを形成し、力強く揺るぎないボーカルラインによって絶妙に均衡が保たれ、それは、まるでブラックホールのように果てしない空間性をもたらす。安定感のあるダンサンブルなリズムは、楽器の残りの要素と一緒に、宇宙的なサウンドスケープに溶け込み、地学的な力強いベクトルを生み出す。この力強い音の引力は、新鮮な印象をオーディエンスに与え、また実際のライブアクトに置いても、力強い情熱、そして、熱狂を生み出すに違いない。「イミテーション」は、まさにロンドンの音楽シーンのワイアードな音楽シーンから生まれ出るべくして生まれ出たアヴァンギャルド性に満ちたデビューシングルと言える。

 

ロンドン・ジャズの要素、そして、この地に伝統的に引き継がれる、X-Ray Spexのようなコアでユニークなポスト・パンクのキャラクター性を受け継ぎ、それを2022年代の時間軸において新たな風味を加味するのが、グループ・ユニットである。このバンドが、実はどこかの実験室から生まれたという噂がある。だが、その真偽については定かではない・・・。彼らがどこからやって来たのか、今後、どこへ向かうのか、それはまったく読めない。その全貌は今はまだ明らかにするべきではないことである。このバンドの音楽には、非常に多くの謎に包まれたロンドンのポストパンクの新鋭の気配が読み取れる。だが、「イミテーション」は現代のロンドンのシーンで、最も有望視されるロックバンドのほんの僅かな一部分を表したものでしかない。

 

 

1st Single 「Imtaition」

 

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