Grouper |
ザ・レイト・ニュースとなり大変恐縮ではありますが、アンビエント/エクスペリメンタル・フォークシーンで強い存在感を放つ、アメリカ・ポートランドのGrouper(リズ・ハリス)のゴシック風の魅力を持つアルバム「Ruins」が、今年4月15日に新たにCD/LP盤として再編集されリリースされました。
オリジナル・アルバムは、アメリカの電子音楽の名門レーベル”kranky”から2014年10月31日にリリースされ、今回、同レーベルからレコード盤としてリプレスが行われました。この作品は、リズ・ハリスが、ポルトガル滞在中に、ポータブル4トラック、ソニー製のステレオマイク、ピアノといった必要最低限の機材でレコーディングが行われています。二曲目に収録されている「clearing」を始め、リズ・ハリスがピアノの弾き語りをし、静かで神秘的な雰囲気が引き出されています。音楽家だけでなく画家としての表情を併せ持つハリスの独特でせつない音響世界が体感出来、暗鬱な淡いエモーションが滲むアルバムです。
リズ・ハリスは、幼い時代から、宗教的なコミュニティーの中で育ち、コーカサスの神秘思想家であるゲオルギイ・グルジエフから強い影響を受けています。神秘主義者としての概念から引き出される独特なアンビエント空間は、他のアーティストの電子音楽/エクスペリメンタルフォークに比べ強い異彩を放つ。CD/レコード盤として再編集された「Ruins」に改めて注目したいところです。
リズ・ハリスは、この作品について、「このアルバムは一種のドキュメントです。・・・失敗した構造でもあります。録音したものに一切加工を施さず、そのままにしておくことにしました」と説明しています。
Grouper 「Ruins」(2022 Repress)
Label: Kranky
Catalogue:
KRANK189
Format: CD & LP
Release Date: 15th April 2022
Tracklist
1.Made Of Metal
2.Clearing
3.Call Across Rooms
4. Labyrinth
5.Lighthouse
6.Holofermes
7.Holding
8.Made of Air
・Drift
https://driftrecords.com/products/grouper-ruins?variant=943141157