米国、ブルックリンを拠点に活動するシンガーソングライター、スカウト・ジレットは、デビューEP「one to ten」をCaptured Tracksから4月29日にリリースしたばかりです。そして、ジレットは、新たにEPに収録されていた「Come On Let's Go」のMVをアルバムリリースと併せて公開しました。この曲はBroadcastのカバーソングとなります。ブロードキャストは90年代から10年代にかけて活躍したトリッシュ・キーナンとジェイムス・カーギルによって結成されたレトロ風味のあるポップデュオで、コアな音楽ファンの間では一定の人気を博しました。
ジレットは、2017年にカンザスシティからブルックリンに移り、音楽のキャリアをスタート。彼女は過去5年間、ニューヨークのインディー・ロックシーンで自分自身のスタイルを確立し、ギターを弾き、Shadow Yetというバンドでボーカリストを務めながら、彼女の最初のソロ作品をじっくりと作り上げていきました。そして、EPのリリースの前夜、スカウトジレットはBroadcastのカバー曲「Come On Let's Go」をリリース、同時にミュージックビデオを公開しました。
ジレットの新バージョンの「Come On Let's Go」は、ブロードキャストの原曲の象徴的な部リープと保リールをアナログ楽器(ドラム、ベース)に置き換えているほかは、原曲を忠実に再現しています。近年、カバー楽曲でも原曲の原型を留めないようなアレンジを施すアーティストも中には存在しますが、カバー、トリビュートというのは、元のアーティストに対する敬意が何より欠かすことができないので、そのあたり、バーミンガムのブロードキャストに対するリスペクトをスカウト・ジレットは、今度のカバーアレンジで顕著に滲ませています。さらに、このアーティストの持ち味、ドリーム・ポップ/シューゲイズ寄りのアプローチを交えている点も、キャプチャード・トラックス所属のアーティストらしい個性が引き出されていると言えるでしょう。
「2020年9月、私は、ブロードキャストのトリッシュ・キーナンの生涯と遺産に深い敬意を表してカバーソングを制作するように依頼されました」と、スカウト・ジレットは話しています。「パンデミックがニューヨークでピークに達していた時に、私はこのカバーに取り組んでいたわけで、そのことは私の心に深い共鳴をもたらしました。あの時、私にとって、一緒に過ごした人たち、たとえ、それがどのような人物あれ、本物であり、貴重で、神聖な機会であったように感じられました」
また、「今回のカバーは、タイトルトラック”one to ten"を保管するものです」とスカウト・ジレットは説明しています。「”one to ten"は、私の人生のこの時点までの私のルーツ、インスピレーションの頂点を形成しています。私は自分の影響力の多様性、私が育てられた古典に傾倒し、自分のスピンを共有したいと予てから考えていました」
4月29日にリリースされたEPには全5曲が収録。上記のbroadcastの「Come On Let's Go」に加え、ブレイズ・フォーリーの「Picture Cards Can't Picture You」、フェランテ&タイシャーの「Midnight Cowboy」、ブレンダ・リーの「I’m Sorry」のカバーが収録。また、オープニングトラックとして収録されている「one to ten」のみがスカウト・ジレットのオリジナル曲となります。レトロ・ポップの良盤をお探しの方にとっては最適な一枚となりそうです。