ロンドンのインディー・ロックバンド Buggs   三作目のシングル「Mother」を発表

 

 Buggs Credit: Emily Swingle

 シングルデビューして間もないロンドンのインディーロックバンド、Buggsは、昨日公開した母性の強さに対する感傷的なラブレターとも言える 「Mother」で、人間味あふれる優しさを表現しようと努める。このトラックは、Buggsの特徴である魅力はそのままに、いつものように皮肉たっぷりにペシミズムを語るのではなく、人間のより柔らかで温かい性質を表現しようとしている。

 

「Mother」は、霞がかったようなインストゥルメンタルと陰鬱なヴォーカルが最初からこのトラックを濃厚な雰囲気に包みこんでいる。しかし、この曲はこれまでの三作のシングルとは異なり、生々しいセンチメンタルさがあり、希望、恐れ、そして憧れがサウンドに織り込まれている。しかし、それらのサウンドが説得力を持つのが、ボーカルのアリス・ウェスタンの実生活を反映した鋭い洞察力が歌詞、ひいては音楽全体を印象的にしている。今回の曲は、母親との人間関係を通して、むしろ、自分という存在の本質に近づいていくというような内容となっている。

 

ボーカルのAlice Westernは、この曲は、母性からインスピレーションを受けたと言い、さらに次のように語っています。

 

「この曲は、最初は自分の母親について歌っていたのですが、最終的には自分自身と母性全般の概念についての意味に変化していきました。他者の人生への対処の仕方を見ることで、自分も内側に目を向けて、自分のやり方を吟味することになるというような」

 

「これは、私の母親や世の女性たちに見受けられる「どうしたらいいの!? どうすればいい? どうやって乗り切ればいいんだろう!』という内なる叫びを表現したかったんです。生きていて、迷いや無力感、弱さを感じたっていい。私たちは、皆、常にそうなのだから。今回、私は、そのことを歌にして、そういった人たちと同じ目線で一緒に迷ったり、絶望したりするべきと思いました」

 

ロンドンのバグズは、2020年から三枚のシングルをリリースしているが、彼らのサウンドはすでに確立されつつあり、この勢いを保ち続ければ、いよいよデビューアルバムの登場も期待できるのではないか。少なくとも、Buggsは、今後注目すべき四人組のロックバンドで、彼らは私達に親しい考えを音楽という形にし、痛烈で鋭いアンセムを作ることを決して怠ることはないだろう。