Nirvana 『Nevermind』のアートワーク |
ニルヴァーナは、「ネヴァーマインド」のカバーアートに赤ちゃんの姿で登場し、有名となった原告スペンサー・エルデン氏が起こした「児童ポルノ」訴訟に勝訴したことがこの度判明した。
ローリングストーン誌によると、このネヴァーマインド裁判を担当したフェルナンド・オルギン米連邦地裁判事は、”エルデンが提訴するのに長く時間をかけ過ぎた”という事由を元に、10年の時効に基づき訴えを棄却することを最終的に決定した。「要するに、(エルデンが)違反を発見してから10年以内に訴状を提出しなかったことは議論の余地がないため、裁判所は彼の請求は時効でないと結論付けた」とフェルナンド・オルギンは8ページに及ぶ裁判の判決文において記している。
裁判の判事オルギンは続けた。"原告は時効に関する彼の訴状の欠陥に対処する機会があったので、裁判所は、原告に修正された訴状を提出する4回目の機会を与えることは無駄であると説得される。"
さらにこの最終的な判決を受けて、ニルヴァーナの法務担当者はロイター通信に対して次のように語った。"我々は、このメリットのない訴訟が迅速に最終的な結論に至ったことを喜んでいる"。
被告ニルヴァーナは2021年8月に初めて訴えの却下を申請し、スペンサー・エルデンは長年にわたり、サイン入りのカバーを販売したり、大人になってから写真を再現するなど、ネヴァーマインドのカバーアートとの関わりを進んでアピールしてきたため、彼は何らの損害も被っていないと主張していた。また、エルデンが訴訟を起こすには時間が経ちすぎているとのことだった。
スペンサー・エルデン氏側の主張は、精神的苦痛、稼得能力の喪失、成人後の「人生の楽しみの喪失」といった損害を被ったとのことであった。また、彼は、バンドが彼の性器をステッカー等で隠す取り決めが交わされていたが、実際のアルバム・アートの公開、アルバムの発売時に約束が組み込まれなかったこと、コバーン、クリスト・ノヴォセリック、デイヴ・グロールが性的搾取から彼を保護しなかったことを裁判において主張した。さらに彼は、この訴訟で、ジャケットのドル札が赤ちゃんを "風俗嬢 "に似せているとも主張している。スペンサー・エルデンは、この訴訟において、名前を挙げた各当事者にそれぞれ15万ドルの賠償金請求を行っていた。
スペンサー・エルデンは以前、三形式の訴状を裁判所に対して提出していたが、今回の裁判官の棄却により、これ以後、4つ目の訴状を提出することができなくなる。