カニエ・ウェスト ソーシャルメディア・プラットフォーム、Parlarを買収

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ニューヨーク・タイムズが報じたところによると、一連の反ユダヤ主義的な投稿をめぐってインスタグラムとツイッターで規制を受けたカニエ・ウェストが、アメリカの保守派の間で人気のある物議を醸すソーシャルメディア・プラットフォーム、パーラーの買収を発表した。


「保守的な意見が物議を醸すとされる世界では、自由に自分を表現する権利を確保しなければならない」と、Ye(カニエ・ウエスト)はParlerの親会社であるParlement Technologiesが発表した声明の中で述べている。現時点では、両者間の契約合意に至った買収金額については公表されていない。


ウェストの決断は、彼のツイッターとインスタグラムのアカウントが、それぞれ「デス・コン3・オン・ジュウィッシュ・ピープル」と書いたり、ユダヤ人がラッパーからモーグルに転身したディディをコントロールしているとほのめかしたために制限された後になされた。


注目すべき事実は、パーラーのCEOが、保守派の論客キャンディス・オーエンスの夫のジョージ・ファーマーであることだろう。Owensは、最近、Yeと一緒に「White Lives Matter」のアパレルを着ており、彼女がその関係を利用して今回の取引を仲介したかどうかは不明だが、このプラットフォームは負のスパイラルに陥っていたようなので、この売却はParlerのすべての関係者にとって良いニュースになるかもしれない。


一時期、Parlerは、米国でNo.1のニュースアプリであり、脱力したトランプ元大統領が、事実確認やコンテンツの節度をほとんど求めない保守派の移住を主導した時期があった。しかし、Data.aiによると、Parlerは現在のところ、108位にランクインしている。GAFAの一角、アップル、アマゾン、グーグルが、1月6日の米国議会襲撃事件に関連する暴力の呼びかけをモデレートしなかったとして、Parlerのホストサーバーを一時的に停止した後、多くのユーザーが離れた経緯がある。他の保守的な支持者は、トランプが競合するソーシャルメディアネットワーク「Truth Social」を設立した際、ドナルド・トランプ前大統領に追従している。


パーラーを買収したことが良いビジネス判断かどうかは、時間が経たないと判断しかねる。しかし、今回の行動は、カニエ・ウェストが億万長者であり、彼の精神状態がどうであれ、自分のアイデアを社会全体に波及させる行動に移すための潤沢な財源を十分持っていることを伺わせるものである。


しかしながら、ビジネスマンとして、West氏はますます孤立しつつある。先月、彼はYeezy Gapラインを終了し、Adidasは、ウエストが携帯電話でポルノを見せ、Adidasの幹部を威嚇しようとしたため、両者間の取引は「検討中」であると発表された。続けて、ウエストと個人的な取引のあるJP Morgan Chaseも、彼が、反ユダヤの発言を行い、ヒトラーやナチを賞賛したという報告が浮上するなり、彼との関係を全面的に解消した。


2021年、Parlerは1月6日の連邦議会襲撃事件をきっかけに、暴力を煽るようなコンテンツをブロックしていないとし、Google Play StoreとApple Storeの両方から削除されている。その後、Parlerはモデレーションポリシーを強化した上で、両アプリストアに復活させた。また、発表と同時期の本日、Westも同プラットフォームに参加している。