池田亮司とGrönlund-Nisunenの共同展覧会がベルリンのエスター・シッパー・ギャラリーで現在開催中

現在、日本の作曲家/ビジュアル・アーティストの池田亮司、及び、フィンランドのアーティスト・デュオ、Grönlund-Nisunen(Tommi Grönlund and Petteri Nisunen)がベルリンにあるエスター・シッパー・ギャラリーにて共同展を開催しています。エスター・シッパーはドイツの美術商で、89年にケルンで活動を開始し、95年にギャラリーをベルリンにオープン。この展覧会は、Olivier Renaud-Clémentが企画し、池田亮司とGrönlund-Nisunenのアート作品が展示されています。 


Ryoji Ikeda, point of no return, 2018. Esther Schipper, Berlin, 2023.  Almine Rech Gallery, and Esther Schipper, Berlin/Paris/Seoul
(Image credit: Photography © Andrea Rossetti)
 

2021年にロンドンの”180 The Strand”で行われた、音、光、データによる池田亮司のインスタレーション展で注目を集めた「point of no return」が、現在、ベルリンのエスター・シッパーに登場しています。当時、池田亮司さんは、この作品について「”point of no return”はとてもシンプルで、とても強烈な作品です」と説明しています。「壁に黒い円を描いて、その周囲に光を投射することで、その黒さが強調される。常に発光しているような感じがして、ちょっと怖くなる。圧倒されます」

 

さらに、池田亮司さんが「同時代のアーティストの中で、私にとって最も重要なアーティストの一人」と語るGrönlund-Nisunenにとって、本展は同ギャラリーでの5度目の展示となります。二人は、重力、磁気、放射線の元素の力を電磁波や音波で鑑賞者を包み込む詩的なモチーフに変換することで知られています。

 

《Scattered Horizon》2023年 Esther Schipper, Berlin/Paris/Seoul. © Andrea Rossetti)

さらに、本展のための新作「Scattered Horizon」は、水平線という安定したモチーフを弄することで、鑑賞者を幻惑させる。また、これは、暗い展示空間でのアート的な実験でもある。「投影されたゆっくり揺れる水平線は、互いに変調する低いサイン波の音と対応しており、少し方向感覚を失い、瞑想的な多感覚の体験を提供します」二人は、この作品についてWallpaperに説明しています。「私たちは、長期間、互いの作品を知っていて、高く評価しています。また、Tommiのレーベルからも彼のレコードが発売されています。私たちは、何年も前から一緒に展覧会を開いており、今回また共同でイベント開催中出来ることを大変嬉しく思っています」


さらに、本展では、池田亮司とGrönlund-Nisunenの作品と並んで、エストニアのサウンド&インスタレーション・アーティスト、Kaarel Kurismaaの新作、近作、歴史的作品もギャラリー内のブックストア・エリアで公開されます。池田亮司とGrönlund-Nisunenのコラボレーション展覧会は、2023年2月25日までベルリンのEsther Schipperで開催予定です。本展覧会の詳細はこちら