ブルース・スプリングスティーンの専門ファンジン「Backstreets」が43年の時を経て廃刊されることが決定しました。これはミュージシャン現在のツアーチケット料金の高騰が主な原因のようです。
アメリカンロックのボスは昨年、ヴィンテージ・ソウルへの敬意を示した「Only The Strong Survive」というニューアルバムを発表し、2023年に再びツアーに出ることが決まっていますが、「ダイナミック・プライシング」の採用が決定したことで、一部のファンから賛否両論が巻き起こっています。なぜなら、これまでスプリングスティーンは常に労働者をはじめとする民衆の永遠のロックヒーローであり続けてきたからです。
今回、彼の公演の一部で価格が高騰し、長年のマネージャーであるジョン・ランドウが介入せざるを得なくなり、この決定を公に擁護しようとしたわけですが、しかし、長年のスプリングスティーンの熱烈なファンであるBackstreetsは、この件に大きな反感を示しており、43年の歴史を経て廃刊を決定するという苦渋の決断を下した。"Backstreetsが道の終わりに達したことを発表するのは、複雑な心境です"と声明の中で述べています。さらに、ファンジンの編集長を務めるChristopher Phillips(クリストファー・フィリップス)は、「我々はBackstreetsが行ってきた仕事を誇りに思っており、長年我々の努力に貢献し協力してくれた世界中のファンのコミュニティーに永遠に感謝するとともに、我々の時代の終焉が到来したことを痛感している」と書いています。
彼はさらに「Backstreetsのようなゴンゾ的なものが、1980年以来、これほど長きにわたり存続することができた重要な理由は、この媒体が一貫して、彼と彼の音楽に対する心からの信念に根ざした真の情熱の場から生まれてきたものだからです」と書いています。「これで終わりとするのはきわめて難しいけれど、心がこもっていない状態で続けることを想像するのはさらに難しいのです」そして、「これらのコンサートのチケット代金は、私たちにはとても買うことは出来ず、また同時に読者の多くが買えないものでもある。その結果、読者の多くが興味を失いかけています」と言うのです。
「昨年夏、米国でのチケット販売直後にBackstreetsが発表した論説を読んでいただければ、私たちの気持ちがどこにあるのかを感じていただけると思います。落胆し、落ち込み、そして、そう、まさに幻滅しています。ブルース・スプリングスティーン・アンド・ザ・エ・ストリート・バンドの新ツアーを期待しながら、このような気持ちになるのは、まったくもって残念です」
「もし、あなたがまだ我々のファンジンの社説(「フリーズ・アウト」2022年7月24日)や、11月にローリングストーン誌に寄せられたスプリングスティーンの回答の核心を読んでいないなら、ぜひ目を通してみてみてください。私たちは、この大きな変化に苦しんでいるのは、私たちにとどまらりません。ここ数カ月に届いた手紙や、友人や古くからのファンとの連絡、そして編集部への反応から総合的に判断すると、失望はBackstreetsのコミュニティのハードコアなファンの共通の感情でもあるのです」