Wiiliam Basinsky |
米国のアンビエント・プロデューサー、ウィリアム・バシンスキーが1979年に録音したものの長年お蔵入りとなっていた幻の音源『The Clocktower at the Beach(1979)』を発表しました。このアルバムは3月3日にLINEより発売される予定です。また発表に合わせて先行シングルが公開されていますので、下記よりご視聴ください。
「The Clocktower at the Beach(浜辺の時計台)」は、伝説的なプロデューサー、ウィリアム・バシンスキーがサンフランシスコに住んでいた1979年に作曲・録音された42分の未発表アーカイブ。ある時はかすかに、ある時は轟々と、広大な霧のようなドローンは、潮の満ち引きのようなエネルギーに満ちている。
パートナーのアーティスト、ジェームス・エレインがヘイト・ストリートの疎らなアパートで路上から拾ってきたオリジナルの夜勤の工場録音と、壊れた1950年代のテレビのテープループから作曲された「The Clocktower at the Beach」は、バシンスキーの最も初期の不気味な作品の一つ。この特別な作品が、彼の将来の音の探求と作曲にどのように影響したかを振り返っています。
「オープンリールのデッキを持っていたことは、私の初期の作品の多くで役に立ちました」とバシンスキーは述べている。
「4つのスピードを持つこの頑丈な機械は、隠れた、聞いたことのない音を発見するのを助けてくれました。私の魔法の機械。この作品は、私の最も(重要な)初期のドローン作品の一つです。私の作品はどれも、ある種の閃きから始まる特異な実験なんですが、「Clocktower」では、空間を作り出し、時間を歪ませる長尺の作品を最終的に追求することを重視しました」
ジェームス・エレインがレコード店の仕事から持ち帰る中古レコードの数々に魅了されたバシンスキーはこう宣言する。「ジェイミーは何でも持っていたし、手に入れたんだ...。しかもすぐにね! 私の音楽学マスタークラスの師で、最初のチャンピオンがジェイムス・エレインなんだ」
佐藤聡明の「エメラルド・タブレット」(1978年)、ジャン・クロード・エロイの「学問の道」(1979年)、エリアン・ラディゲの1960年代後半から70年代の一連のフィードバック作品と同じ軌道にあるバシンスキーの「The Clocktower at the Beack(1979)」は、海辺のジョルジオ・デ・キリコを思い起こさせる音で描かれた不思議な空のクレパスのような不可思議な作品となっている。
ウィリアム・バシンスキーは、これまでLINEからリシャール・シャルティエとのコラボレーション作品「Untitled 1-3」(2008年)、「Aurora Liminalis」(2013年)を発表している。「The Clocktower at the Beach」は、10年ぶりのLINEからの復帰作となる。また昨年、バシンスキーはイギリスの実験音楽家、Jenek Schaeferとのコラボ・アルバム『…on reflection』を発表している。
William Basinsky 『The Clocktower at the Beack(1979)』
Label: LINE
Release : 2023年3月3日
Tracklist:
1.The Clocktower at the Beack(1979) (excerpt 1)
2.The Clocktower at the Beack(1979) (excerpt 2)
3.The Clocktower at the Beack(1979) (excerpt 3)
William Basinsky
ウィリアム・バシンスキー(1958年生まれ)は、クラシック音楽の教育を受けた音楽家、作曲家であり、ニューヨークとカリフォルニアで40年以上にわたって実験的なメディアで活動している。旧式のテクノロジーとアナログ・テープ・ループを使用した、心にしみるメランコリックなサウンドスケープは、人生の時間性を探求し、記憶の残響と時間の神秘に響くものである。
4枚組の大作「The Disintegration Loops」は国際的に高い評価を受け、Pitchfork Mediaによって2004年のトップ50アルバムに選ばれた。2012年に発売されたTemporary ResidenceのデラックスLPボックスセットのリイシューは、その年のベストリイシューに選ばれ、ピッチフォークでは10点を獲得している。