カニエ・ウェストの専属ブランド”Yeezy”の不良在庫を抱えるアディダス 約441億円の損失を計上

 

Ye(Kanye West)


昨年、アディダスがカニエ・ウェストとのパートナーシップを解消したことは今も同社にとって大きな負債となりつつある。同ブランドは売れ残ったカニエ・ウェストの専属ブランドであるYeezyの製品の在庫により、今年に入ってから4億ユーロ(約441億円)もの巨額損失を計上したというのだ。

AP通信によると、アディダスは、2022年9月にカニエ・ウェストが行った反ユダヤ主義的な発言を受けて、ラッパーに関連するすべてのアイテムを引き上げた後、まだ13億ドルのYeezy製品を保有しているという。

 

スニーカーとアパレルの大手は、アディダスの新CEOビョルン・ガルデンが、同社が「決断に近づきつつある」とし、さらに「選択肢は狭まっている」と述べたと報じられているが、この株式をどう処理するのかはまだ不明である。




在庫処分の方法としては、残りのYeezy製品をそのまま販売する、靴からYeezyのブランド名を消す、靴を譲る、破棄する、などが考えられる。しかし、それぞれの選択肢には、靴の販売でカニエウェストに支払われるロイヤリティや、二次市場での日和見的な転売など、デメリットが伴うという。


ガルデンは、アディダスがYeezyの在庫を破棄することを「避けようとした」と述べているが、現時点ではその可能性は残されている。同社は、消費者や市場に各スニーカーの評価額を知らせたくないため、Yeezyの在庫の残量を公表しておらず、製品への需要を提供する可能性があります。


アディダスとカニエ・ウェストの分裂は、ブランドにただならぬ余波を残し続けている。2022年には、数億円もの損失を計上した。そして、もしアディダスが売れ残ったYeezyの商品を消化することができなければ、2023年には総計5億ドル以上の負債を抱えることになるかもしれない。これはもちろん、同ブランドにとって大きな打撃となる。


さらに、カニエはロサンゼルスのメルローズ通りにYeezyのオフィスの開設を予定しているが、何とその隣の敷地にはアディダス・ストアが併設しているという。こちらの方も今後、ひと悶着ありそうだ。