グラミー賞を主催するレコーディング・アカデミーは、昨年に続きグラミー賞に3つの新しいカテゴリーを追加したことを発表した。
最優秀アフリカン・ミュージック・パフォーマンス賞、最優秀オルタナティブ・ジャズ・アルバム賞、最優秀ポップ・ダンス・レコーディング賞が追加される。
「レコーディング・アカデミーのCEOであるHarvey Mason Jr.(ハーヴェイ・マンソン・ジュニア)は、声明の中で述べている。「レコーディング・アカデミーは、賞のプロセスにおけるこれらの最新のカテゴリーの変更を発表できることを誇りに思います。これらの変更は、音楽コミュニティからのフィードバックに積極的に耳を傾け、それに応え、関連する多様な音楽ジャンルを正確に表現し、進化し続ける音楽状況に対応するための我々のコミットメントを反映しています」
新部門に加え、既存の非ジャンル別部門であるソングライター・オブ・ザ・イヤー、ノンクラシカル、プロデューサー・オブ・ザ・イヤー、ノンクラシカルの2部門は、グラミー賞投票者全員が投票できるよう、一般部門に移行される。ソングライター・オブ・ザ・イヤー、ノンクラシカルは、2022年にカテゴリーとして導入され、初代の受賞者はトビアス・ジェッソ・Jr.だった。
「また、プロデューサー・オブ・ザ・イヤーとソングライター・オブ・ザ・イヤーを一般部門に移行したことで、全投票者がこれらの分野の優れた作品を評価するために参加できるようになる」と、メイソンは付け加えました。「私たちは、これらの部門でクリエイターやレコーディングを称え、祝福すると同時に、より幅広い音楽を世界中のファンに紹介することを楽しみにしています」
米国の最大の音楽賞であるグラミー賞は2月に開催されるのが通例ではあるが、2022年のパンデミックのロックダウンの年に4月へと日程が変更された。2023年度は、ソングライター・オブ・ザ・イヤー、ベスト・スポークンワード・ポエトリー・アルバム等、新部門が新設された。今年度の新部門追加の発表は昨年の部門増設に続いて2年連続のこととなる。
近年、グラミー賞は、2000年以前の時代に比べ、音楽賞としての影響力を失いかけているという指摘がなされる場合もあるが、主催者のレコーディング・アカデミーは、新部門追加により、ジャズやワールド・ミュージックに脚光を当てる。ワールドワイドな賞を目指そうという主催者の狙いを伺い知ることが出来る。
2023年度に開催された第65回グラミー賞では、前年度に続いてトレヴァー・ノアが司会を務めた。昨年、待望の最新作『ルネッサンス』を発表したビヨンセ、ケンドリック・ラマーが各部門を独占した。来年度の第66回はどのようなスターが登場するのか、非常に楽しみである。