西海岸のチル・ウェイヴの象徴的なアーティスト、トロ・イ・モア(Toro Y Moi)が新作EP「Sandhills」をDead Oceansからデジタル・リリースした。
この新作EPは、チャズ・ベアの故郷であるサウスカロライナ州コロンビアへの優しいラブレターであると同時に、人は決して故郷には帰れないということを痛烈にほろ苦く受け入れている。ゆったりとしたフォーク・ポップは、ベアがトロ・イ・モワとして初めて手づくりしたCD-Rを彷彿とさせる。
「サンドヒルズ」の名前の由来となった、ショッピングモール、大きな倦怠感と大きな夢に満ち溢れ、そこであてもなく時間を過ごす10代の友人たち・・・、資本主義末期の衰退と現在のサンドヒルズの空っぽの大型店舗など・・・、聴くたびにそのディテールが少しずつ浮かび上がってくる。
チャズ・ベアこと、トロ・イ・モイは今や世界的に愛されるインディー・ポップ・アイコンだ。「Sandhills」は、バンジョーやラップ・スティールの華やかさと、目を見開いたような不思議な表情で、青春時代のブルースから完全に解放されることはないと認めている。ただ、運がよければ、その憂鬱に対処するためのよりよいメカニズム(あるいは妄想!?)を身につけることができるかもしれない。「Sidelines」は、高校フットボールの試練に打ち勝つ美学者の物語だ。
「Sandhills」