©Hana Tajima |
ブルックリンのマルチ演奏家、Spancer Zahnは、今年初めにリリースしたピアノを中心に構成したモダンクラシカルのアルバム『Statues I』(レビュー)の続編を発表。二枚組LPとしてリリースされる『Statues I & II』は11月17日にCascineから発売。新曲「High Touch」は本日発売。
アルバムのアートワークは、ユニクロ製品等のデザイナーとしても知られるHana Tajimaが手掛けている。
「"High Touch "は、シンガーにぴったりだと思った曲から始まったんだ。「この曲は、祝福と勝利に満ちたラブソングなんだ。アルバム全体と同じような捧げものだよ。フェンダー・ローズでコードを書いて、ヤマハのCP70とCS50でハーモニーを作った。このサウンドがまとまり始めると、ヴォーカリストのための曲というより、ジョン・ハッセルのレコーディングのように感じられたんだ。スペンサー・ルートヴィヒが週末家に滞在していたので、彼にトランペットを吹いてもらうと、すぐにこの曲の正体がわかった。クリス・ブロックのソプラノ・サックス、ブッカー・スタードラムのドラム、そして、タイラー・ギルモアのドラム・プログラミングとプロダクションが加わって、この曲はアルバムの中で最も好きな曲のひとつになった」
スペンサー・ザーンはまた、2枚のアルバムについて次のように語っている。
自分の音楽の個人的な側面について話すのは難しい。インストゥルメンタル・ミュージックの感情的な曖昧さは、私が大好きなもので、私の曲の中に人々が自分自身の意味を見いだせることを願っている。また、なぜ、音楽を分かち合いたいのか、その背景を説明することも重要だと思う。
この音楽を作ったとき、私の人生は愛、創造性、共同作業、そして孤独に満ちていた。しかし、変化は避けられないものであり、思いがけないときに起こるものだ。地盤が変化し、その結果、これらの曲は私の人生を表現するものとしてさらに意味を持つようになった。私はこれらの曲を、近年への感謝の手紙として残したいと思った。
2022年、私はニューヨーク州北部で静かな生活を送っていた。スタジオの静寂を楽しみながら、ピアノで新しい曲を書くことに集中する日々を送っていた。最近、私はドーン・リチャードとのアルバム『Pigments』を完成させたばかりだった。だから、ミニマルなアイデアをスケッチするのが新鮮に感じられた。
毎朝、ピアノで即興演奏をするのが日課になった。気に入った短いスケッチは、さらに発展させていった。やがて2組の音楽ができあがった。最初の音楽は、ピアノ独奏曲として完全に形成されていると感じられる曲だった。私はこれらの曲の中で生きることができた。この曲は、私の北部の生活における貴重な6ヵ月間を凝縮したものだった。控えめで、ミニマルで、孤独な瞬間。
同時に発展したもう1つの音楽は、一連のピアノのスケッチで、未完成な感じがしたが、アンサンブルで取り囲むことで可能性が出てきた。これらのアイデアが発展するにつれて、他のミュージシャンにアレンジの核となる部分を即興で演奏してもらうことで、『Pigments』の制作スタイルを参考にしたいと思うようになった。BlankFor.msことタイラー・ギルモア、スペンサー・ルートヴィヒ、クリス・ブロック、ジャス・ウォルトン、そしてブッカー・スタードラムが、それぞれの深い音楽的個性で楽曲に貢献し、楽曲に形と陰謀と美を吹き込んでくれた。
最後に、この2枚組アルバムのためのHana Tajimaによるアートワークは、彼女の祖父が彫った一連の彫刻である。彼女と私は、彼女が2020年に私のアルバム『Sunday Painter』のデザインを担当して以来、アートと音楽を共に創り上げてきた。彼女のペインティング、デザイン、そして全体的な美学は、長い間私にインスピレーションを与えてくれており、このアルバムはその集大成だ。
この2つのコレクションは『Statues I』と『Statues II』だ。
この音楽にスタンプを押してくれたみんな、ありがとう。
愛を込めて、
SZ
Spencer Zahn 『Statues II』
Tracklist:
1. Changes in Three Parts
2. Morning
3. High Touch
4. OST
5. Wind Unsung
6. Wave
7. Shadow Setup