提供していただいたリリース情報を中心に、J-POPの注目のリリース情報をジャンルレスに紹介するという新しいコーナー。
ここでアジアのポップスのイマがまるわかり。それでは早速日本の音楽のサファリに行ってみよう!!
Campanella 「Miyama」
愛知県のラッパー、カンパネルラ。今回のニューシングル「Miyama」では、Ramzaがプロデュースを手掛けた。
以前からアーティストの名前は知っていたが、改めてリアルな音源にふれると、ラップという枠組みのとらわれないクールな音楽性が魅力。エレクトロニックやIDMのバックトラックに関しては、ジョーダン・ラカイを彷彿とさせる。ラップやフロウに関しては、背後のビートを強調するかのように紡がれる。ブレイクビーツからの影響が感じられる。アーバンなラップ。OMSBのような質感を持つ繊細さと力強さを兼ね備えたカンパネルラの巧みなリリックの運びに注目。
配信リンク:
https://campanella.lnk.to/MiYama
Claquepot 「mellow yellow」
このアーティストは実は、公式のプレスリリースでは言及を控えていたが、「D-ICE」のメンバーで、テレビ番組の楽曲を提供したり、Indigo la endの川谷さんと共同制作をしたこともある。
シングルを聴いてみると、基本的にはJ-POPのトレンドとなる音楽性を下地にして、現在のロンドンのしっとりとしたネオソウルを思わせるメロウなメロディーとリズムを付加している。少し甘い感じのボーカルが、このアーティストの魅力かもしれない。曲全体にはサマーチルの雰囲気が漂い、ボーカルのスタイルはラップに近い。週末のくつろぎのひとときのお供にどうぞ。
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DYGL 「Shadow」
ここで紹介するのは東京のインディーロックバンド、DYGL(デイグロー)です。個人的に大好きなロックバンドが2ついて、一つは、ミツメ、それからこのDYGL。両者ともに数少ない日本の正真正銘のオルタナティヴロックバンドであると思っている。
ニューシングルでは90年代から00年代のUSオルタナティヴを踏襲している。Guided By VoicesやPavementを思わせる乾いた感じのギターラインに、それほど巧みではないがシンプルな質感を持つ英語のリリックが載せられる。曲全体に漂うエバーグリーンな感覚は、AVYSSのインタビューでも語っていたように、バンドメンバーがエモからの影響を大切にしているからと思われる。ワールドワイドなオルタナティヴロックバンドであり、今後の活躍にも期待していきたい。
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shuwa shuwa 「nagame (reflection)」
Shuwa Shuwa。個人的にこれから日本でヒットしそうな予感を感じている。デュオ編成で、基本的にはエレクトロニックを主体としているが、J-Popのセンスの良いボーカルがふんわり載せられる。また、ニューシングルにはソウルミュージックの影響も感じられ、さらにポピュラー性の中にはアーバンな雰囲気も漂う。真夜中の南青山をドライブしながら聴いてみると最高かもね。
Syuta Hasunuma(蓮沼執太) 「One Window」
現在、注目すべき日本のエレクトロニック・プロデューサーを挙げるとするなら、福岡のDuennさん、東京の蓮沼さん、そしてもうひとりは、DE DE MOUSEの遠藤さんである。皆それぞれ別の音楽の形とスタイルを持っているが、制作者としての才覚に関しては傑出したものがある。
上記のミュージシャンに共通しているのは、日本の電子音楽/エレクトロニックという枠組みにとらわれず、世界的な目線で音楽そのものを俯瞰していることかもしれない。昨年、日本の伝説的なタブラ奏者で、レイ・ハラカミとのコラボレーションでお馴染みのU-Zhaanとのアルバム『Good News」を発表した。実は、U-Zhaanさんは本場仕込みのインドカレーの達人でもある。
先日のニューアルバム『unpeople』に続いて発表されたニューシングル「One Window」では、エレクトロニカとクラシカルを融合させ、癒やしの質感溢れるトラックを制作している。今回の新曲では、アーティストらしい叙情性と感覚的に描出したいイメージが絶妙に合致を果たしている。
配信リンク:
https://virginmusic.lnk.to/onewindow
印象派 「総力戦」
J-POP Trendsの最後を飾るのは、スペース・シャワーの注目株のオルタナティヴロックデュオ、印象派。エレクトロポップ・デュオという紹介がなされているものの、明らかにオルタナの範疇にある音楽である。
印象派に関しては、オルタナティヴなひねりのきいたギターライン、そして美しいボーカルの中にはちょっとした棘がある。それがどのようにささるかは、リスナーの感性次第である。ボーカルラインは、J-POPらしさがあるが、一方、ガチャポップほどにはトレンドを意識していない。ギターラインとドラム、ベースには複雑性があり、ロンドンのポスト・パンクバンドのようなフックもある。そしてジャポニズムのテイストもボーカルラインになんとなく漂っている。今後、なにかやってくれそうなオルタナティヴロックデュオとして最後にご紹介しておきます。
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