(トム・ヨーク、ジョニー・グリーンウッド、ジャズ・ドラマーのトム・スキナーによる)The Smileは2021年に結成され、翌年のデビュー作「A Light For Attracting Attention」は各方面から賞賛を浴びた。(Reviewを読む)このプロジェクトはバンドの野心を遺憾なく発揮した。ポストパンク・サウンドと旧来のトム・ヨークらしいソングライティングが融合を果たしたアルバムだった。
ニューアルバム「Wall Of Eyes」は今年度最初の話題作。ザ・スマイルが次なるステップへと歩みを進めたことの証となるかもしれない。オックスフォードとロンドンのアビーロード・スタジオでレコーディングされ、サム・ペッツ=デイヴィスがプロデュースとミックスを手がけ、ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラによるストリングス・アレンジをフィーチャーしている。
本日、アルバムから公開されたセカンド・シングル「Friend Of A Friend」は、ザ・スマイルが最も直接的な表現をしており、(彼らの設定しようとする高い水準から見ると)簡潔であり、真のダイナミズムを実現している。ザ・スマイルのファンのみならず、レディオヘッドのファンもニンマリのベスト・ニュー・トラックスの登場だ。
ビートルズのようなアート・ロック/チェンバー・ポップへの回帰を見せながらも、やはり最初のシングル「Bending Hectic」と同じように、オーケストレーションを用いたフィル・スペクターのサウンドがボーカル・ループを含めたモダンなポピュラーミュージックのアプローチと合致している。なだらかな起伏のある展開が含まれ、旋律を上り下りしながら、ラウド/サイレントを交えたシークエンスが映画のワンシーンの切り替わりのように立ち現れる。低音域から高音域までバランスよく音が配置されており、聴覚が疲れないようにほどよく抑制の効いた構成が組まれているのも素晴らしい。最終的に、この曲は「完璧な着地」とも称すべきクライマックスを迎える。
「Friend Of A Friend」
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