Yard Act 「When The Laughter Stops」をリリース  

 

©Phoebe Fox

リーズのYard Actが、アルバム『Where's My Utopia?』の最新シングル「When The Laughter Stops」を公開した。ジェームス・スレーター監督によるミュージック・ビデオ付き。

 

毎回、自分やバンドが直面した人生や出来事に照らして、詳細に曲の説明を行ってくれるスミス。ニューシングルの声明は以下の通り。

 

「歌詞の情感は、『Where's My Utopia?'』の核心をほとんどすぐに突いていて、『Dream Job』の時に自分が置かれたのと同じ境遇から最初に生まれた皮肉が、今はもっと本物の一抹の惨めさに変わっていることに気づく。幸いなことに(ネタバレになるが)、今のところ、この落とし穴から抜け出す方法を見つけることができた。


 歌詞はすぐにできたが、音楽的には大変だった。ライアンがベース・ラインを提示するときによくあることだが、ハーモニー的にはかなり曖昧で、人によって聴こえ方が違う。私はこの曲をかなりブルージーなマイナー・キーで聴いていたし、一方サム(ギタリスト)はとても甘ったるいメジャー・キーの曲を聴いていた。曲は行ったり来たりで、僕の記憶が正しければ、カーディガンズの『Lovefool』のことをよく話していた。

 

 2022年12月にケタリングのパーラー・スタジオでラッセル・ラッセルとレコーディング・セッションをしたとき、私はローランド・ジュノでアルペジエーターを鳴らしていた。ジョン・カーペンターの終末時計のカウントダウンか何かのようだった。


 サムはギターをエレクトリック・シックスの「High Voltage」のようなサウンドに作り直し、私たちはファンキーなパーカッションを取り除き、リズムを「Seven Nation Army」のような攻撃的なものにした。ケイティがロンドンのメトロポリスに会いに来てくれて、コーラスのヴォーカルをダビングしてくれたんだ。彼女は素晴らしい。デヴィッド・セウリスにマクベスを朗読してもらったのは、明らかな理由だ。結果が物語っている!」


このビデオについて、ジェームス・スレーターはこうコメントしている。ミュージックビデオは、「『訪問者』の旅を続きであり、彼女が2人組のアサシンに引きずり出されるのを見た『石油』に続くものだ」


「『When The Laughter Stops』では、彼女の運命が明らかになる...年老いたサーカス団員でいっぱいの刑務所。警備が少し緩いのは認めるので、すべてが失われたわけではないかもしれない。私たちが制作したビデオはすべて、より広いヤード・アクトの映画的世界の一部であり、すべてを映画化する過程にある。お楽しみに!」

 

ニューアルバムはデビュー・アルバムで世界的な成功を手にしたバンドが次なる内面の幸福を探す旅とも言える。その中にはヤードアクトらしい皮肉もあり、そして人生を生きる上での喜びもある。 シアトリカルな演出は彼らの音楽が1つ上にステップアップしたことの証左となる。どうやらピカレスク・ロマンのようなテーマも音楽性に含まれているのはMVを観ると明らか。

 

新曲では、フロントマンのジェームズ・スミスがメインボーカルの座を女性ボーカルに受け渡す箇所に面白さがある。それは英国の古典演劇で主役が物語の中心にいながら、舞台袖に捌ける瞬間のような滑稽味をもたらす。その空白の瞬間にこそ想像をめぐらす余地がある。曲の後半のスミスのスポークンワードは、ブラック・フランシスのように渋い。これはアルバムのタイトルがピクシーズの曲にちなんでいることのジョークなのか。ディスコ風のダンサンブルなナンバーであることは先行シングルと同様だが、より軽やかなポップネスに焦点が絞られている。

 

 

「When The Laughter Stops」

 

 


アルバムの発表後、「Dream Job」のほか、「Petroleum」「When  The Laugher Stops」「We  Make Hits」が先行配信されています。