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良質なソングライターとして名高いアンドリュー・バード(Andrew Bird)がニューアルバム『Sunday Morning Put-On』を発表した。5月24日にリリースされるこのアルバムは、ジャズ・スタンダードの曲が中心となっているらしい。''大人のためのポップス''とも称すべき渋みのあるソングライティングを行うバード。前作では、人生の苦悩を交えた作風であったが、今回、アーティストは、音楽が持つ喜びや演奏することの愉楽に焦点をおいているように思える。そして、バードのシカゴ時代の若き日のラジオにまつわる思い出がジャズの文脈の中に組み込まれる。
今作は、アンドリュー・バード、ドラマーのテッド・ポア、ベーシストのアラン・ハンプトンによる”アンドリュー・バード・トリオ”として初のリリースとなる。彼らの「I Fall in Love Too Easily」と「I've Grown Accustomed to Her Face」のテイクを以下で聴くことができる。
「Sunday Morning Put-On」はカリフォルニアのヴァレンタイン・スタジオでライヴ録音され、ジェフ・パーカーのギターとラリー・ゴールディングスのピアノも加わっている。アンドリュー・バードは、このアルバムについて以下のように述べている。
「20代の頃、シカゴのエッジウォーター地区にある古いアパートメントホテルに住んでいた。そこは安くて、近くのロヨラ大学のイエズス会の司祭や修道女を引退した人たちが住んでいた」
「ジムには古いシュウィンの10段変速の自転車が置いてあって、低料金のペロトン用だった。古いプールではオペラが演奏され、スチームルームは地元のロシアンマフィアのクラブハウスだった。土曜日の夜はたいてい、午前12時から4時までWBEZの『Blues Before Sunrise』というラジオ番組を聴きながら起きていた」
「DJのスティーブ・クッシングは、ブルース、ジャズ、ゴスペルの古いレアな78回転レコードを流していた。それから数時間ほど眠り、目が覚めると、同じくWBEZのディック・バックリーの番組で、彼が30~40年代の「Golden Era」と呼ぶジャズを特集していた。20世紀半ばまでのある時代のジャズに対する私の愛着は、私自身の仕事(その大部分はジャズではない)において何度も変容を遂げながらも不変だった。ある時期、私はこの時代と自分との間に距離を取っていた」
「I Fall in Love Too Easily」
「I've Grown Accustomed to Her Face」
Andrew Bird 『Sunday Morning Put-On』
Tracklist:
1. I Didn’t Know What Time It Was
2. Caravan
3. I Fall in Love Too Easily
4. You’d Be So Nice to Come Home to
5. My Ideal
6. Django
7. I Cover the Waterfront
8. Softly, As a Morning Sunrise
9. I’ve Grown Accustomed to Her Face
10. Ballon de Peut-etre