日本にルーツを持つキャスキー兄弟からなるオーストラリアのインディーロックバンド “ラスト・ダイナソーズ” が5thアルバム『KYORYU』をリリース

Last Dinosaurs

日本にルーツを持つキャスキー兄弟からなるオーストラリアのインディーロックバンド “ラスト・ダイナソーズ” が5thアルバム『KYORYU』をリリースする。下記より配信リンクをチェック。


これまでにリリースしたEP「RYU」と「KYO」の集大成である本作。作品を通して【1000年後の文明崩壊後の世界】を描いており、その壮大な物語がついに完結した! リード曲である新曲「Wait Your Turn」を含む、こだわり抜かれたストーリーとサウンドがリンクしたメッセージ性の強い全13曲が収録。アルバムの先行シングルのミュージックビデオを改めて下記よりチェックしてみよう。


EPのタイトルは日本にルーツをもつキャスキー兄弟のミドルネーム“Ryuhei”と“Kyohei”から名付けられ、タイトルを合わせるとバンド名「ラスト・ダイナソーズ」の象徴でもある ”KYO-RYU” (恐竜)になるという、壮大な物語の裏側にあるラスト・ダイナソーズの遊び心も楽しめる。 

 

これまで、数々の日本のサブカルチャーにオマージュを捧げた作品を発表してきたラスト・ダイナソーズ。日本でもその仕掛けが話題を呼び、日本でのファンベースを着実に拡げてきたバンドの動向から目が離せない。  

 

 

「N.P.D」( *MVにはオカモト・レイジが出演。新宿LOFTのワンカットもあり)



 

「Paranoia Paradise」

 



Last Dinosaurs(ラスト・ダイナソーズ) 『Kyoryu(キョウリュウ)』 -New  Album



レーベル(国内):ASTERI ENTERTAINMENT

ストリーミング・ダウンロード・LP

 

Pre-add/Pre-save(配信リンク):  https://asteri.lnk.to/LD_kyoryu

 

 

 

Review:

 

オーストラリアのラスト・ダイナソーズは、The 1975とThe Strokesが未知の邂逅を果たしたとも喩えられる。『KYORYU-(キョウリュウ)』は、キャスキー兄弟は日本のルーツをオープンかつ明らかにし、謎掛けのような日本語の語りのサンプリング「Keys To Your Civic」で始まる。

 

しかし、そういったミステリアスな試みの後には、驚くほど軽やかなダンスロックが展開される。シティポップやAORの系譜にある、明るく清涼感のあるダンスポップのナンバーが目立つ。


ダイナソーズはハネ感のあるグルーヴィーなビートをシンセサイザーとギターを中心に作り出し、ベース/ギターサウンドを通じてチルウェイブのテイストを添え、スポークンワードのサンプリング等、近未来的な音楽の要素を散りばめる。The Killers、The 1975の系譜にあるダンサンブルで親しみやすいロック性は、彼らの持つ温和なエモーションとマッチしている。キャスキー兄弟を中心に構成されるラスト・ダイナソーズは、AIの革新やオートメーション化が進むこの世界で''人間性とはなにか''という、これからの人類が抱えるテーマを探求するのである。 


先行シングル「N.P.D」、「Paranoia Paradise」を始めとするキラーチューンはもちろん、「Afterlife」を筆頭にThe Strokesを彷彿とさせる痛快なロックナンバーも本作の持ち味だ。アルバムの終盤に収録されている「The Way You Are」は、持ち前のダンサンブルなロックがアンセミックなボーカルと結びつき、切ないエモーションを醸し出している。圧巻はアルバムのクローズを飾る「Not From Here」。シンセ・ピアノがロックの即効性とは対極にある癒やしをもたらす。クローズを聴くと、フルアルバムを聴いたという充実感を抱かざるをえない。トリオ編成のロックバンドの一体感を心ゆくまで味わえる力強いアルバム。ラスト・ダイナソーズのファンは本作を通じて、SFのような趣向を持つ未来派のロックソングに遭遇するだろう。


 

 

85/100 

 

 

 


Last Dinosaurs Biography:


オーストラリアと日本の血を引くLachlan Caskey(ロクラン・キャスキー)(Gt.)、Sean Caskey(ショーン・キャスキー)(Vo.)兄弟、そしてMichael Sloane(マイケル・スローン)(Ba.)の3人からなる、オーストラリアのインディーロックバンド。

2012年にリリースされた1stアルバム『In A Million Years』は、オーストラリアのARIAチャートで初登場8位を記録し、大きな注目を集めた。このアルバムの成功によりオーストラリア全土のライブをソールドアウトにし、イギリス、ヨーロッパ、東南アジア、南アフリカで大規模なヘッドラインツアーとフェスへの出演を果たした。 

2ndアルバム『Wellness』、3rdアルバム『Yumeno Garden』をリリース後、2018年12月には初のUSツアーを発表し、LAの第1弾公演はチケット販売開始1分以内にソールドアウト!その後すぐに全米で17公演がソールドアウトに。 Webster Hall、Fonda Theatre、The Fillmoreなどの有名な会場で21日間のヘッドラインツアーを含むアメリカとカナダの2つのソールドアウトツアーも行った。その後、バンドはイギリスとEUに渡り、パリ、ベルリン、アムステルダム、ロンドンでの2日間のツアーをソールドアウトにし、東南アジアでの公演も大成功を収めた。

また、Last Dinosaursは、Foals、Matt & Kim、Lost Valentin、Foster the Peopleなどといった国際的なアーティストをサポート。対バンやフェスでの共演も数多く、グローバルに活躍している。

コロナ禍では、メキシコとオーストラリアのスタジオに入り作曲とレコーディングを行い、4thアルバムとなる『From Mexico With Love』を2022年にリリース。

またルーツだけでなく、日本の音楽シーンとも関わりが深く、The fin.の日本国内リリースツアーへのゲスト参加、オカモトショウ(OKAMOTO'S)のソロアルバムにフィーチャリング参加、さらに2022年9月〜10月に開催されたOKAMOTO'Sとの日本国内対バンツアーは大成功のうちに幕を閉じた。