英国の現代音楽家、マックス・リヒター(Max Richter)が新作アルバム「In A Landscape」を9月6日にリリースする。ジョン・ケージの名曲と同名で、リヒターは内的な静けさを基にしたピアノアルバムを提供する。リスナーとの会話を誘うこのレコードは、彼の作品のさまざまな側面を融合させている。
リヒターはイギリスで最も著名な現代音楽家であり、ポスト・クラシカルという音楽の普及に貢献してきた。クラシック音楽をポピュラー的な観点から見つめ直すことは、敷居が高いと思われがちなこの音楽の扉を一般的なリスナーに開放させるような意味があった。没入感のあるサウンドスケープは他のアーティストにインスピレーションを与えつづけ、現代クラシック音楽を定義するのに貢献してきた。リヒターの記念すべき「SLEEP」は、史上最もストリーミングされたアルバムであり、創造性に対する彼のコンセプチュアルなアプローチを象徴している。
「僕にとって、このアルバムの音楽は、両極を結びつける、あるいは和解させるということなんだ」
マックス・リヒターは続けて次のように說明している。「エレクトロニクスとアコースティック楽器、自然界と人間界、人生の大きなアイデアと個人的な親密さの融合。これは、『The Blue Notebooks』で私が探求し始めたダイナミックなもので、新しいプロジェクトはそのアルバムの懸念の多くを共有しているんだ。ある意味、このアルバムは、以前の作品のテーマを、2024年の私たちの世界と私たちの生活という視点から、もう1度見つめたなおしたものなんだ」
リードシングル「Movement Before All Flower」はリヒターのピアノの演奏に気品に満ち溢れたチェロの演奏が加わる。演奏の簡素化や単純化に焦点を当ててきたマックス・リヒターの音楽は、今回もやはり質実剛健である。2000年代の名作アルバム『The Blue Notebook』からそうであったように、聞き手を平穏と静けさ、内的な安らぎに導き、感覚が最も大切であることを示す。彼の音楽は、喧騒から人々を解き放つ力があり、その音楽に静かに耳を傾けていると、自分自身が誰であるのかを思い出させてくれる。
現在発売中のシングルは、マックス・リヒターにとって初の海外ツアーの前に発表された。ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールでの2夜公演を含む、多数のUKヘッドライン公演が予定されている。(リードシングルのストリーミングはこちら)
「Movement Before All Flower」