Pavementの「Harness Your Hopes」がRIAAからゴールド認定を受ける 20数年ぶりの大ヒット


アメリカのオルタナティヴロックの代表格、Pavement(ペイヴメント)が先週末、大きな快挙を成し遂げました。後に1999年のEP『Spit on a Stranger』に収録されたB面曲 "Harness Your Hopes "がRIAAからゴールド認定を受けた。これはペイヴメントにとって初のRIAA認定となります。

 

ちなみに、分かりづらい人のために説明すると、”RIAA”とはアメリカのレコード協会で、著作権許諾管理と録音技術の標準化のため、1952年から活動しています。 LPのレコード時代から、CD,現在のストリーミング業界に至るまで、さまざまなサポートや貢献を果たしています。


RIAAは、レコードの新技術の普及という側面で多大な貢献を果たしてきました。1954年に米RCA社が開発したLP/EP用の録音・再生カーブである、New Orthophonicを"RIAAカーブ"として規格化した。その後、ステレオレコード(45/45方式)、コンパクト・カセット、DAT、コンパクト・ディスクなど音楽ソフトの技術標準の管理に関して役目を担っています。アメリカ合衆国におけるライセンスやロイヤルティの管理業務、ゴールドディスク認定等を行なっている。

今回、見事ゴールド認定を受けた「Harness Your Hopes」は、ペイヴメントの1997年の4枚目のスタジオ・アルバム『Brighten the Corners』のためにレコーディングされましたが、フロントマンのスティーヴン・マルクマスは、「正当な理由なく」アルバムに収録しないことを選択し、B面に収録するにとどめた。しかし、それから数年後、「Harness Your Hopes」は、2017年頃にストリーミング数を大きく伸ばし、TikTokで拡散され、今や50万枚以上のセールスを記録している。

 

リリースからしばらくして思いがけぬメガヒットを記録する事例は、近年では、Netflixのホラームービー「Stranger Things-  未知の世界」の放映によってスポットライトを浴びたケイト・ブッシュのシングル「Running Up That Hill」などがある。ケイト・ブッシュの場合は80年代にリリースした曲が40年後に大ヒットを記録するというかなりレアなケースでした。

 

2024年4月19日には、オリジナルバージョンと”Sped Up”という名を冠するスペシャルバージョンを併録したシングルもリリースされた。

 

 

 

ペイブメントの「Harness Your Hopes」の人気急上昇の直接的な要因は現時点のところ明らかになっていません。が、アメリカの音楽メディア、Stereogumは、”ストリーミング数の上昇を2017年のSpotifyのアルゴリズムの変更に起因する”と指摘しています。その後、2020年頃にTikTokのユーザーが、この曲の振り付けをつけたダンス動画を投稿し始め、爆発的な人気に獲得した。


「Harness Your Hopes」はペイヴメントのファンに最も愛されています。バンドは2022年の再結成以来、75回もこの曲をライヴのセットリストに入れている。彼らは2022年に『Spit on a Stranger EP』を再発、アレックス・ロス・ペリーが監督、イエロージャケッツの”ソフィー・サッチャー”が出演した「Harness Your Hopes」のミュージックビデオを公開しました。