ジェイムス・ブレイクが自主レーベルからシングル「Thrown Around」を発表した。秀逸なナンバーで、強固なビートを反映したクラブミュージックとブレイク特有のポップネスが融合している。昨年までの気負いはほとんどなく、音楽そのものは楽しさと喜びに満ちあふれている。
「『Thrown Around』は、私がイギリスで聴いて育った音楽のいくつかにちなんだものだ。ドム・メイカーと一緒に作ったアンビエント作品から始まったんだ」とブレイクは声明で語った。
「この曲は反抗的な曲なんだ。それが私たちの人生に何をもたらすのか。この曲は、仕事に多くの時間を費やしすぎることの欠点を扱っている。私たちには共同体への原動力はない。私たちは皆、成功に向かって突き進んでいる。そして私たちは孤独を感じる。この曲は人々をひとつにする。それは反抗を通じたつながりでもあるんだ」
「Thrown Around」
James Blake:
ロンドン、エンフィールド出身のシンガーソングライター、プロデューサーとして活躍するアーティスト。フランク・オーシャンの『Blonde』、ケンドリック・ラマーの『DAMN』、JAY-Zの『4:44』、ビヨンセの『Lemonade』など数多くの作品にプロデューサーやゲストとして参加しており、影響力のあるアルバムの制作を支えるミステリアスな存在としても知られている。
トラビス・スコットの大作『ASTRROWORLD』でスティービー・ワンダーやキッド・キューディと共演した「Stop Trying to Be God」や、チャートを席巻した『ブラックパンサー』でジェイ・ロック、ケンドリック・ラマー、フィーチャーと共演した「King’s Dead」など、さまざまな作品にもクレジットされている。「King’s Dead」はトリプル・プラチナを獲得しただけでなく、第61回グラミー賞でジェイムス・ブレイクはベスト・ラップ・パフォーマンス部門で自身初のグラミー賞を受賞した。
ジェイムス・ブレイクはソロ作品でもポップ界で最も有名な異端児として認知されるようになった。2011年にリリースしたデビューアルバム『ジェイムス・ブレイク』では独特のサウンドが話題となり、ピッチフォークは、このアルバムに10点満点中9.0点という高評価を与え、「10年間で最も優れアルバム100枚(2010年-2014年)」の一つに挙げられた。
続く2ndアルバム『オーヴァーグロウン』(2013)で第56回グラミー賞の最優秀新人賞にノミネート、マーキュリー賞を受賞するなど、ジャンルを超越した深遠なるエレクトロ・サウンドで世界から高い評価を得る。
3rdアルバム『ザ・カラー・イン・エニシング』(2016)は批評家から絶賛の声が上がり、その後リリースした4thアルバム『アシューム・フォーム』(2019)では、ビルボードトップ200の21位にランクインし、これまでの最高順位を記録、リリースから1年以内に3億回の累積ストリーミングを記録した。
このアルバムは第62回グラミー賞の最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞にノミネートし、タイム誌やビルボードなど多くのメディアから「2019年のベストアルバム」のリストに選ばれるなど評価された。自身5作目となるアルバム『フレンズ・ザット・ブレイク・ユア・ハート』を10月にリリースし、ジェイムス・ブレイクのポピュラー音楽への影はますます拡大している。