ブルームバーグの新しい報道によると、スポティファイは2024年後半、ハイファイ・オーディオ・ティアを開始することがわかった。
現行のプレミアム・プランに追加料金を加算し、スポティファイはハイファイ・オーディオをアドオンとして販売する予定だ。より高音質のオーディオの出力に加えて、このアップグレードは加入者に対して"プレイリストの作成と楽曲ライブラリの管理のための新しいツール "を提供するという。
ブルームバーグによるレポートには、「新しいプランへの加入者は、特定の活動、日付、時期に合わせてカスタムプレイリストが即座に作成することが可能になる」とある。
正確な月額費用は加入する基本プランにより異なるが、ブルームバーグの情報筋は、料金は平均して約40%の値上げになると見積もっている。スポティファイが2021年にハイファイ・オーディオ・プランを発表した当初、アップル・ミュージック、アマゾン・ミュージックのような競合他社は、ロスレス・オーディオを追加料金なしで標準の購読プランに導入する取り組みを行った。
2021年、競合のアップル・ミュージックとアマゾン・ミュージックは、スポティファイがHi-Fiオーディオ層の導入を発表後、追加料金なしでロスレスオーディオをプランに統合している。2010年代にかけて多数のユーザーを獲得したスウェーデン企業のスポティファイは現在、一企業として混迷期に差し掛かっている。取り分け、ロイヤリティの配分に関する不均衡がたびたび指摘されてきた。
今年5月には、Mechanical Licensing Collectiveが、スポティファイが一部のプレミアムサービスをバンドルとして再分類することで、ソングライターから1億5000万ドルのロイヤリティを搾取したとして訴訟を起こしたばかりだ。
今回の新プランの導入は、気軽にプレイリストを楽しみたいというリスナーにとってやや重荷となりそう。というのも、親しいユーザーとのやりとりやプレイリストの共有という面がSpotifyの強みであった。
しかし、その一方、プレイリストの自動作成があまりにもフィーチャーされすぎると、むしろランダムに音楽を探す機会が少なくなってしまう。これまで、ニール・ヤングが指摘してきたように、Spotifyは音質の悪さや粗さが指摘されることが多々あった。新たなプランで導入されるAppleのロスレスオーディオに対応する高音質の出力については、従来のSpotifyの弱点を補填する可能性がある。今後の動向を注視したい。