坂本龍一 遺作アルバム『Opus』のリリースを発表 NHK509スタジオで行われたピアノコンサートを収録

 


坂本龍一が亡くなられてから1年以上が経過し、新曲がリリースされる。本日、彼の遺族とミラン・レコードは『Opus』というタイトルの遺作アルバムを発表し、リード・シングルとして "Tong Poo "の瞑想的な新曲を発表した。


2022年に東京のNHK509スタジオで行われた生前最後のプライベート・ピアノ・コンサートの音源を収録した『Opus』には、映画音楽、イエロー・マジック・オーケストラのヒット曲など、坂本のキャリアを通して演奏された楽曲が収録されている。

 

このコンサート・フィルム/ドキュメンタリーは、「RYUICHI SAKAMOTO | OPUS」というタイトルで、6月30日にクライテリオン・チャンネルで初公開される。

 

この日の演奏は印象的なモノクロのトーンで放送され、演奏の合間に短いインタビューが収録された。作曲家の最後の闘病の様子を追ったドキュメンタリー番組も同放送局で放映された。プライベートピアノコンサートでは、「The Last Emperr」等の代表的な楽曲を中心に、モダンクラシカルやジャズの性質を反映させた楽曲が披露された。その中には、2023年始めに発表された日記のような形で書かれた生前最後のアルバム『12』の収録曲もパフォーマンスされた。


坂本は生前に書いた声明の中で、「Opusは私がまだ演奏できるうちに、私の演奏を未来に残す価値のある形で記録する方法として考案された」と説明している。


坂本は、限られた時間の中で新たに発見された曲の意味を振り返り、「ある意味、これが最後の演奏の機会だと思うと同時に、新たな境地を切り開くことができた気がします。一日数曲、集中して演奏するだけでも精一杯だった。その苦労がたたったのか、終わった後はまったく虚脱感に襲われ、1カ月ほど体調が悪化した。それでも、生前にレコーディングができたことに安堵しています。納得のいく演奏ができた」


シングルの「Tong Poo」は、坂本の作曲家としての意図を完璧に反映している。1978年のYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の名曲を瞑想的なピアノ・バラードとして再構築し、曲のハーモニーの複雑な美しさを強調する一方、そのメロディの崇高なシンプルさを輝かせている。

 

 

「Tong Poo」



坂本龍一 『Opus』 

Label: Milan

Release: 2024年8月9日

 

Tracklist:

1. Lack of Love

2. BB

3. Andata

4. Solitude

5. for Jóhann

6. Aubade 2020

7. Ichimei – small happiness

8. Mizu no Naka no Bagatelle

9. Bibo no Aozora

10. Aqua

11. Tong Poo

12. The Wuthering Heights

13. 20220302 – sarabande

14. The Sheltering Sky

15. 20180219 (w/prepared piano)

16. The Last Emperor

17. Trioon

18. Happy End

19. Merry Christmas Mr. Lawrence

20. Opus – ending