©Julia Khiroshilov |
通年のリリース情報を通じて、春先から夏場にかけて注目のアルバムが量産されるが、その合間を縫うようにして、秋ごろにかけてひっそりと面白い作品が発売されることがある。もしかすると、ブレア・ハワートンを擁するWhy Bonnieの二作目のアルバムもそうなるかもしれない。
オルタナティヴロックバンド、Why Bonnie(ホワイ・ボニー)は、出身地のテキサスからニューヨークに拠点を移し2022年にデビューアルバム『90 In November』をKeeled Scalesから発表し、耳の早いコアなオルタナティヴロックファンに注目を集めた。
音楽シーンにインパクトを与えるまでにはいたらなかったものの、ニューヨークの5人組のファーストアルバムは、以降のインディーロックとアメリカーナの融合のトレンドを予兆していた。タイトル曲、「Nowhere In LA」、「Hot Car」等、南部への郷愁を込めたエモーショナルなロックソングが、ミネアポリスのReplacementsのような特異な音楽的な印象に縁取られていた。
Why Bonnieは、2024年に入り、Fire Talkと新しいリリースのライセンス契約をかわしたことについて、資本主義の重さについて考えたとフロントパーソンはシンプルな言葉を添えていた。Bnny、Wishy、Cola,Packs、Mandy Indianaなど、今をトキメク魅力的なアルトロックのロースターを複数抱えるカナダのレーベルとの契約は、バンドが宣伝的なバックアップを得たことになる。
新作アルバム『Wish on the Bone』は、ブレア・ハワートンがジョナサン・シェンクと共同プロデュースを行った。アルバムには先行配信されたシングル「Dotted Line」と合わせて新曲「Fake Out」が併録される。
バンドのブレア・ハワートンによれば、「そうであることを不可能にする世界で、本物であろうとすること」について歌っている。
「Fake Out」
ボーカリストはブレア・ハワートンはこの2年間で大きな心境の変化があったと回想し、同じやり方にこだわらないことが大切だと述べている。
「あのアルバムから私は変わったし、これからも変わり続けるだろうと信じている。もしかしたら、2年後の私は全く同じ人間ではないかもしれない」
この言葉は、人間的な成長だけを反映するにとどまらず、バンドの音楽が歳月とともに変化せざるをえないことを表している。ボーカルのハワードンは、このことをファッションに喩えている。
「音楽的に新しい帽子をかぶってみた。このアルバムには、まだカントリーも入っているんだけど、1つのことに固執しようとは考えていなかった。より大胆に、より自己主張することを学び、自分自身を信頼するようになった個人的な経験は、私の音楽にもしたたかに受け継がれていると思います」
■2nd Single 「Rhyme or Reason」
テキサス出身のブレア・ハワートンのプロジェクト、Why Bonnie(ホワイ・ボニー)が8月30日にFire Talkからニューアルバム『Wish On The Bone』をリリースする。そのアルバムからの新曲「Rhyme or Reason」とツアー日程が発表された。新曲とツアー日程は以下の通り。
プレスリリースによると、"Rhyme or Reason "のインスピレーションの源は、「彼女がソングライターとして本領を発揮し始めた頃に起きた、ハワードンの兄を亡くした後の希望感の再生について」だという。それに対処するために、彼女は次から次へと曲を書き、苦しみながらもカタログを作り、そうすることでスピリチュアリティとの新しい関係を築いた。
ハワードンはこう付け加えた。 「『Rhyme or Reason』は、人生の諸行無常と折り合いをつけること、そしてそれがいかに恐ろしくもあり、また本当に美しいかを歌っている」
ホワイ・ボニーは2022年、デビュー・アルバム『90 in November』をKeeled Scalesからリリース。2023年、彼女は次作アルバムには収録されていない新曲「Apple Tree」を発表した。以前は、このプロジェクトはバンドとして発表されることが多かったが、現在はソロ活動という意味合いが強いようだ。
「あのアルバムから私は変わったし、これからも変わり続けるだろうと信じている」とハワードンはデビューからの年月について語る。
「Rhyme or Reason」
■3rd Single 「Three Big Moons」
Why Bonnie |
今年、Fire Talkは数かぎりないオルタネイトなロックアーティスト、及び、バンドを輩出した。Packs、Bnny、Colaの良作を次々に送り込んでいる。2024年下半期の序盤の総仕上げとなるのは、ブレア・ハワートンによるプロジェクト、Why Bonnieの『Wish on the bone』となるだろう。
セカンド・アルバムで目指したのは”チェンジ”という概念。二作目のアルバムでは、兄弟との別れ等、人生の成長というテーマが織り交ぜられている。ハワートンの念頭には、おそらく音楽は、人間としての成長とともに変わらざるを得ないというものであると思う。それは、マニアックなオルタナティヴロックから万人受けするようなポピュラーな音楽に近づいたとも言える。
8月30日にFire Talkから発売予定のアルバムに収録される新曲「Three Big Moons」を発表した。このニューシングルは、Why Bonnieの現時点の代名詞であるアメリカーナの幻想的な雰囲気を帯びている。ブレア・ハワートンによれば、「孤独がいかに慰めにも孤独にもなり得るかを歌っている」という。この曲のミュージックビデオは以下よりご覧下さい。
「Three Big Moons」
Why Bonnie Tour:
Fri. July 26 - Brooklyn, NY @ Union Pool *
Thu. Aug. 29 - Brooklyn NY @ Union Pool ^
Fri. Sep. 20 - Boston, MA @ Deep Cuts
Sat. Sep. 21 - Montreal, QC @ Cabaret Fouf
Sun. Sep. 22 - Toronto, ON @ Monarch Tavern
Tue. Sep. 24 - Chicago, IL @ Hideout
Wed. Sep. 25 - Cleveland, OH @ Beachland Tavern
Thu. Sep. 26 - Washington, DC @ Comet Ping Pong
Fri. Sep. 27 - Philadelphia, PA @ Milkboy
* w/ poolblood
^ w/ Sex Week
Why Bonnieのニューアルバム『Wish on the Bone』は8月30日にFire Talkからリリースされる。
Why Bonnie 『Wish on the Bone』
Label: Fire Talk
Release: 2024年8月30日
Tracklist:
1. Wish On The Bone
2. Dotted Line
3. Rhyme or Reason
4. Fake Out
5. Headlight Sun
6. Green Things
7. All The Money
8. Peppermint
9. Three Big Moons
10. Weather Song
11. I Took The Shot