【Interview(インタビュー)】 paniyolo   福島出身のギタリストの実像   ギターを始めた頃から現在まで

Interview (インタビュー)  - paniyolo  ー福島出身のギタリストの実像 ギターを始めた頃から現在までー

 

Paniyolo
渡辺明応とのコラボレーション


Paniyoloの名を冠して活動する高坂宗輝さんは、福島出身のギタリスト。小瀬村晶さん(Deccaに所属)が主宰するレーベル”Schole”に所属しており、これまで15年にわたってギタリストとして活動を続けてきました。

 

アコースティックやエレクトリックアコースティックギターを使用し、音楽の中にある安らぎというテーマを探ってきました。Paniyoloのギターには、Scholeのレーベルコンセプトが凝縮されている気がします。つまり、彼のギターの演奏は、忙しない日々の中に余白や落ち着きをもたらす。まさに現代の都会人が忘れてしまった何かを彼のギターの演奏は持ち合わせているのです。

 

Scholeのレーベルに所属するミュージシャンの多くは、私自身に音楽の楽しさをあらためて思い出させてくれました。今回、そのレーベルの象徴的なギタリストと交流できたことを嬉しく思います。今回のインタビューでは、ギターを始めたきっかけから、スコーレとの出会い、そして、ギタリストとしての近況に至るまで、いくつかの質問に答えていただくことが出来ました。

 

 
ーーpaniyoloさんが音楽に興味を持ち始めたのは何歳の頃だったでしょうか? 当時の記憶 について教えてください。

 


paniyolo: 自分で音楽を流すようになったのは小学校高学年の頃でした (90年代前半)。 親が買ってきたオーディオコンポと数枚のCDがきっかけですね。 (サザン・オールスターズ、チャゲアンドアスカ、 竹内まりやなど) その頃は楽器にはまだ全然興味がなかったです。



ーーギターを演奏するようになった契機についてご質問したいと思います。 今でも最初に演奏を始めた頃というのは思い出に残っていますか?


paniyolo: ギターを始めたきっかけは中学1年の頃でした。テレビで観たバンドの演奏でした。 ボーカルがストロークするアコギが聴き取れなかった。その音の正体を確かめたくて、 押入れにあった親のアコースティックギターを引っ張り出して、 C→Amをひたすら ストロークするところから始まりました。

 

 

ーーpaniyoloさんは福島のご出身ですが、どのような少年時代をすごしていたのか教えていただけますか。
 

 

paniyolo: 楽しかった思い出の方が多い気がするので、かなり恵まれていた環境だったと思いますね……。

 

ーープロミュージシャンとしてやっていこうと意識したのはいつ頃だったのでしょうか。 ま た、 そう思い立った具体的な出来事などありますか。

 

paniyolo: 音楽を通した人との繋がりが一番楽しくて続けているため、いつもそういった意識を持っているわけではないんです。誰かに楽しんでもらいたいという気持ちと、 自分自身が楽しみたい気持ち半々でやってます。

 

ーー最初のレコード「Im Home」は、scholeからのリリースとなったわけですが、 これは小瀬村さんからお声がかかったという感じですか。当時のことについて詳しく教えていただけると幸いです。


paniyolo:  scholeは発足当初、 CD付きのフリーマガジンを制作していました。 僕もその雑誌に音楽で参加したことがあるんです。

 

以降、scholeのメンバーとは、2000年代後半に流行っていたmixiやmyspaceなどで交流もありました。 2009年リリースの「I'm Home」は、 会話の流れで自然に決まっていったように思います。

 

最初は誰かとのスプリットアルバムの制作を提案してもらったんだと思います。 当時、scholeは、 「akira kosemura+haruka nakamura / Afterglow」 、「sawako+daisuke miyatani / hi bi no ne」など、スプリット・アルバムを発表していました。スプリット作品のシリーズ化をしたかったのだろうと思います。「自分はソロで出したい!」なんてワガママばっかり言っていました。(笑)

 


ーーその後、 paniyoloさんはギタリストとして、 およそ15年ほど活動していらっしゃいますね。 最初期と現在では、 曲の制作やギターの演奏に関して、どのように移り変わってきたとお考えでしょうか?

 

paniyolo:  実は……、表現したいことはずっと変わっていないんです。 誰かの日常に溶けて馴染むような音楽ができればと考えています。

 


ーー続いて、 アルバムや楽曲の制作に取り組む時の制作のプロセスについて教えていただきたいと思います。ソングライティングやレコーディングのときに、 あらかじめコンセプト やテーマのようなものを決めていますか?

 


paniyolo:  先ほどの発言とは矛盾するかもしれないんですが、 いざ作曲しようとギターを手に取った時は何も考えていないんです。弾いていて気持ちの良いフレーズ、メロディーを探してスケッチしている感じですね。

 

曲のタイトルは、完成した曲を改めて聴いて感じること、または浮かんだ情景などから、後でつけることが多いです。 何も考えずにギターを弾いたとしても、自分がやりたいコンセプトやテーマから逸れることはないですね。いや、もしかすると、それしかできないのかもしれないな... 。


太田美帆とのコラボレーション ©Yuri Kawabe
 

ーー近年では、 声楽家の太田美帆さんや、 スティール・パン奏者の渡辺明応さん、というよう に、多岐にわたってコラボレーションを行っていらっしゃいますね。 共同制作で心がけていることは何でしょうか。 また、コラボレーションで何か学びとなることがあれば教えてください。

 

paniyolo: コラボレーションは、まず、お互いの「らしさ」が感じられるものであると良いのかなと思っています。 それから、コラボするきっかけやタイミングは様々なんですが、とにかく楽しみたいという気持ちが強いですね。楽しんで作れた音楽ほど、遠くに届けられる気がしますし……。



ーー現在、 カフェのようなスペースでライブを行うことが多いようですが、 paniyoloさんにとってライブで一番楽しみにしていることは??

 

paniyolo:  窓から見える景色、 空間の響き、 美味しい珈琲、 お茶、 食事であったり......、楽しみは沢山です。そこで自分の好きなことを共有させてもらっているのですから、 かなり贅沢なことですね。
 


ーー最近よく使用しているギターや周辺機材について教えていただきたいと思います。 また、どんな点を気に入っていますか??

 

paniyolo:  つい最近まで、高校生の時に購入したギターを20年以上使用していました。 1st Albumから2023年リリースの「家並み」まで、ほとんどの曲をこのギターで録音したんですが、少しだけ、家でお休みしてもらうことにしました。 (リペアも必要になってきたので...) そして、 昨年新しいギターを手に入れました。今はそのギターと向き合っているという感じでしょうね。


ーーギタリストとして理想のプレイヤーを挙げるとするなら? また、 今後どのような演奏家を目指していきたいですか?



ずばり、アメリカのギタリスト、 アンドリュー・ヨーク(Andrew York)でしょう。 彼の清流のようなスムーズなプレイがとても好きです。「Woven World」という曲をぜひ聴いてみてほしい。


ーーさて、6月末にはニューシングル 「Utsukusisa-(うつくしさ)」 がリリースされました。夏の暑さを和らげてくれるような曲であると私自身は感じました。 この曲にはどんな想いが込められていますか??

 

Paniyolo: 「Utsukushisa」は、 今年4月に出演したイベントがきっかけで出来た作品です。 素晴らしかった一日がこの曲の制作につながりました。



paniyoloの新作情報


「Utsukushisa- 美しさ」- New Single (6/21)

 


 

楽曲の配信リンク: https://distrokid.com/hyperfollow/paniyolo/utsukushisa

 

 

「Natsunohi- 夏の日」- New Single (7/26)


 

楽曲の配信リンク: https://distrokid.com/hyperfollow/paniyolo/natsunohi