Scree |
本物のジャズマンはどこに潜んでいるのか? もしかしたら人知れず貴方のすぐ隣を歩いているかも知れない。
ブルックリンのジャズトリオ”Scree”が同地のコンサート会場でのライブを収録したEP「Live at the owl music parlor Vol.2」を発表した。注目の若手トリオは、古典的なジャズやクラシックからの影響を絡め、スタイリッシュで円熟味溢れるモダンジャズを演奏する。取り分け、作曲家/ギタリストのミュート奏法、ブルージャズの哀愁に満ちたプレイには感嘆すべきところがある。
''The Owl Music Parlor''で行われた2つのセットから抜粋されたこのEPは、クライマックスのナンバー「Nocturne With Fire」でピークに達する。9分に及ぶ本楽曲は、ライブの最も白熱した瞬間を克明に記録している。退屈で冗長な3分のポピュラーナンバーとは異なり、実際的な長さを感じさせることがない。ライアン・エル・ソルのエレクトリックギターが闇の中をうねり、他のメンバーの演奏と重なり、ノクターンの瞑想的で深妙な感覚へと入り込んでゆく。トリオのポテンシャルが発揮され、燃え上がるようなタイトルにふさわしい仕上がりになっている。
最初の先行シングルに続いて「Exclamation Point」がストリーミングで公開された。どちらのシングルもジャズトリオの魅力が満載。ウェス・モンゴメリー風の妖艶なジャズギター、しなやかな対旋律を描くウッドベース、緩急のあるドラムプレイが心地よい東海岸の夜の風景をかたどる。
ScreeのEP「Live at the owl music parlor Vol.2」は''Ruination Record Co.''から7月19日にリリースされる。
Scree:
ライアン・エル・ソル(ギター)、カルメン・ロスウェル(ベース)、ジェイソン・バーガー(ドラムス)は、2017年にScreeとして共演を始めた。
以来、このトリオは、デューク・エリントンからヨハネス・ブラームス、レバノンの作曲家ジアド・ラーバーニにいたるまで、様々な影響を受けたギタリスト、エル・ソルの作曲による、広く神秘的な弧を描く情熱的なサウンドによって、唯一無二のサウンドを築き上げてきた。
Scree(スクリー)は、親密で職人的なライブパフォーマンスを通じて、彼らの本拠地であるニューヨーク/ブルックリンで、熱心なファンを地道に増やしつづけている。デビューアルバム『Jasmine on a Night in July』(2023年3月10日、Ruination Recordsより発売)では、パレスチナの偉大な詩人マフムード・ダルウィーシュの作品を使い、遠い祖国への憧れと郷愁をテーマにしている。