フランスの音響作家 Felicia Atkinson、静寂のためのピアノ曲「The Healing」をリリース


世間の喧騒から離れ、静けさと本当の言葉に耳を傾ける。フランスの音響作家、Felicia Atkinsonは、ピアノ、ギター、パルス音を用いたダンスミュージックまで多角的な音楽を制作し、上述したことを実践してきた。


本日、フェリシア・アトキンソンは、ニューシングル「The Healing」を彼女自身の自主レーベル、Shelter Pressからリリースした。


ポストクラシカル調のピアノ、フィールドレコーディング、そしてスポークワードを交えた知的な音楽を楽しむことが出来る。
 
 
以前、アトキンソンは、The Quietusの「目をつむり、見て」と題された過去のインタビューにおいて、アンリ・ルソー、高田みどりからの影響、日本の切り花や生花からの影響を参照している。それはアトキンソンの音楽制作の道しるべとなり、ある空間の中でどのように音楽が聞こえるべきなのか、音の各々のマテリアルがどこに配置されるべきか、という考えに反映されている。


これらはすべて、印象派/抽象派としての美しい音楽をアトキンソンが作曲するための足掛かりとなるイデアでもあろう。そしてまた、「そこにあるべきものが自然な形で存在する」、あるいは、「過度な脚色や華美さを平すように削ぎ落としていく」という日本の伝統的な建築形式や芸術様式の美学の反映を意味する。これはまた、侘び寂びと呼ばれる日本の美学の原点でもある。


ニューシングル「The Healing」のピアノの瞑想的な響きはほのかなペーソスが伴うが、それはミュージシャンの美学と結びつけられると、ふしぎと凛とした響きに変わり、聞き手に癒しと安らぎのひとときをもたらす。過剰な表現からの逃避。それはまた眩い光の裏側にある影の心地よさでもある。



「The Healing」