【J-POP Trends】 6月/ 7月の日本のポップスの注目作をピックアップ



レーベルからご提供いただいた作品を中心に、先々月、および先月に発表された日本のポップスを紹介するコーナー、J-POP Trends。


夏を感じさせるフレッシュなシングルが続々と到着しています。洋楽もリラックスした作品や、涼し気な音楽が多いですが、邦楽も全般的に、サイダーのように清涼感のある音楽が際立っていたという印象です。

 

 

 Aru-2 「Naked Shaker」- 『Anida』に収録



ビートメイカー/プロデューサーとして知られるAru-2は、6月上旬に新作アルバム『Anida』をリリースしたばかり。このアルバムは、J-HipHopシーンの次世代の担い手が複数参加する注目作だった。

 

この最新作は、Green Assassin Dollar、Kzyboost、SBK、Asei Muraguchi、STUTSという全国各地のアーティストとセッションして生まれた楽曲や、Daichi Yamamoto、Campanella、JJJ、MUTA、NF Zessho、写楽、ISSUGIという日本の実力派ラッパーが勢ぞろいした楽曲を収録しています。

 

アルバムの収録曲「Naked Shaker」をあらためてチェック。ローファイ/チルアウトを生かしたメロウなヒップホップで、夏から秋にかけてのプレイリストにこっそり忍ばせておきたい。


シンプルなビート、対旋律的な役割を持つベースの兼ね合いがジャズ風のメロウさを醸し出す。ローファイなヒップホップという側面では、西海岸のヒップホップが好きなリスナーは要チェックしておきたいシングルです。Kota the Frirendが好きなリスナーにはたまらないトラックの登場でしょう。

 


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KONCOS 「Tanabarta Elotica」

 

KONCOS(コンコス)は東京在住の、Keyboard、Guitar、Drumsの3ピースバンド。ファッションブランド”ALLEGE”の「2012 AW COLLECTION」の音楽製作をきっかけに活動スタート。

 

2015年4月より下北沢SHELTERを拠点に、自主企画[AFTER SCHOOL]を開催している。2016年7月20日に所属するAWDR/LR2より、Colors & Scaleを発売。Alternative Soulなサウンドをベースに、全国各地のライブハウス、クラブを中心に精力的にライブをこなしている。

 

女性コーラスをゲストに招いた「Tanabarta Elotica」は、七夕まつりに関する歌詞を織り交ぜ、シティ・ポップと和風のビートを織り交ぜている。シンセの古川さんは、この曲に関して、「僕の子供の頃の思い出と、仙台の七夕祭りをヒントに、2023年の夏前に制作を始めた絵の作品をテーマにしました」と説明している。ノスタルジックな気分に浸らせてくれる心地良いポップスです。

 

 




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Naive Super 「More Than Meets The Eyes」 - Best New Tracks (J-POP)


Space Showerに所属するNaive Super(ナイーヴ・スーパー)は、ニューウェーヴ/シティポップ/チルアウトを基点にエキゾチックな香りも漂わせる国籍不明なホームメイド・シンセポップ・プロジェクト。

 

2019年7月に数量限定でリリースしたCassette Tapeが即完売となり、次いで同年10月にリリースしたアナログ12INCHも即完売した。2020年の4月よりデジタルにて連続リリースを続けている。

 

先月配信されたニューシングルMore Than Meets The Eyesは、ロンドンのエレクトリックプロデューサー/DJ、Peggy Gou(ペギー・グー)のアウトプットに近い。


ニューシングルはレイヴやUKベースライン、ドラムンベースをベースにしたEDMで、Naive Superは、ベッドルームポップのようなDIYの音楽的なセンスに恵まれている。ボーカルに関してもセンス抜群で、エイベックス・サウンドをマイルドにした感じ。注目のエレクトロニックプロジェクトとして抑えておくべし。

 

 

「More Than Meets The Eyes」

 

 

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yomm  「ミラコー: Feat. Layone」

 

シンガーソングライターであり、モデルとしても活躍するチェ・ジョンユンのソロプロジェクト。韓国人シンガーでありながら、シティポップをベースにした音楽、そしてややあどけない発音の日本語で歌う。いよいよヒットしそうな気配が漂いはじめている。

 

ジョン・メイヤーやチャーリー・プースといった世界的アーティストを輩出するバークリー音楽大学で学んだ後、2017年に音楽活動を本格的に開始。SE SO NEONや10CMらが所属する”Magic Strawberry Sound”からシングルやEPをリリース。楽曲が韓国の連続ドラマ『花様年華』の挿入歌に起用。TikTok Spotlight TOP10に入り話題を攫う。ナイキやアンブロ、スターバックスのブランドや企業の広告、TV CMなどにモデルとして出演し、活動の幅を広げている。

 

シンセポップを前回のシングル「Alice」に続いて、ニューシングル「ミラコー」では、シンプルなJ-POPサウンドに挑んでいる。 ファンクギターを含めたアーバンなシティ・ポップで、夏の暑さを和らげてくれる。今後、日本のミュージックシーンでも一定の人気を博することが予測されます。

 


「ミラコー」

 

 

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Qnel  「裸のOH! SUMMER」


 Qnelはソウルフルなボーカル、そしてファンクを絡めたギターを中心とするバンドアンサンブルでファンを魅了する。卓越した演奏、そしてカラフルなサウンドについては、Band Apart、Riddim Saunterの後継的なバンドとも見ることができるかもしれません。

 

LUCKY TAPESのギタリスト・高橋健介のソロ・プロジェクト。LUCKY TAPESのアルバム『BITTER!』に収録曲「脚本」のトラックメイク、「NO AID」のリミックスを手がけたことをきっかけに活動をスタート。ライブでは、荒谷翔大(yonawo)とのツーマン・ライブ、ワンマン・ライブを行う。ギタリストとしてもsaccharinやUEBOに参加、プロデューサー/アレンジャーとしても、ゆいにしおや、peetoといったアーティストを手がけるなど活動の幅を広げている

 

ニューシングル「裸のOH! SUMMER」は、YONA YONA WEEKENDERSのヴォーカル/磯野くんをコラボレーターに迎えた爽快感と疾走感溢れるシティポップ。バブリーな雰囲気と軽やかさはJ-POPの王道のニューシングルの登場。この夏、海辺で遊ぶ人々のアンセムとなることは間違いなし!?

 


 「裸のOH! SUMMER」

 

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Haruhisa Tanaka  「Relief」

 

カナダに本拠を置き、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、ハンブルグに支社を持つ国際的なレコードレーベル、Nettwerk Music Groupから続々と新作を発表する日本の新進気鋭のエレクトロニック・プロデューサーのハルヒサ・タナカ。


田中さんは自主レーベルを運営し、後進のアーティストやバンドを紹介する傍ら、自身のエレクトロニックを発表する注目のプロデューサーです。


ハルヒサ・タナカのニューシングル「Relief」は、キラキラとした音の粒が際立つような美しいシングルとなっている。ハルヒサ・タナカの作り出す音楽的な枠組みは、Four Tet、Caribouのようにサウンド・デザインに近い。ギターのテクスチャーの重ね方に卓越した才覚を感じさせ、背後のアンビエントのシークエンスが癒やしの質感を作り出す。夢想的、幻想的なアンビエントは夏の終わりの切なさを思わせる。


 





前回のJ-POPの注目のシングルはこちらからお読みください。