Laura day romance  ニューシングル「渚で会いましょう」をリリース  全国ツアー詳細も明らかに

Best New Tracks-  Laura day romance 「渚で会いましょう」(August Week 4)

Laura Day Romance
Laura Day Romance
 

東京のインディーフォークバンド、Laura day romanceがニューシングル「渚で会いましょう」を8月21日にリリースした。

 

前作「透明」が全国パワープレイを獲得するなど、さらに存在感を増すローラズの現在のスタンスを示すような新曲が完成。すでに昨日のデジタル配信に続いて、同曲のミュージックビデオも同時公開された。バンドのメンバーのコメントも下記よりお読みいただくことができます。

 

また、Laura day romanceは8月31日に泉大津で開催される「RUSH BALL 2024」に出演し、東京と大阪公演を来月に開催する。続いて、バンドは全国ツアー「Laura day romance tour 2024 crash landing」を控えている。このツアーは10月6日の札幌 cube gardenの公演を筆頭に、11月7日のZEPP Shinjukuで締めくくられる。ツアーの詳細については下記よりご覧ください。


Laura day romanceは、国内外のミュージックラバーにファンを広げる日本のバンド。鈴木迅が作り出す幅広い音楽性の楽曲と、井上花月の世界観のあるヴォーカル、タイトさと柔軟さを兼ね備えたリズムを刻む礒本雄太のドラミング、そして、それらを表現するためのベストな形でジョインするサポートメンバー達。

 

ワンマンライブは開催を重ねるごとに規模を広げ、2024年11月にZepp Shinjukuでのワンマンライブを控える。

 

 

「渚で会いましょう」

 

 

 

 

■コメント

 

鈴木:  いつまでも消えない記憶の中の風景やイメージがある。それは繰り返し夢に見たり、新たな経験とつながっていくことで僕の中にいっそう強く残り続けている。18 歳で曲を作り始めた頃から、それらの心象世界は僕の曲にも顔を出したり出さなかったりした。押さえつける時もあったが、そんなことは自分と作品との距離を深めるだけだと作る中で学んできた

 

 

井上:   小さい頃から海にあまり縁がなく、家族との旅行に出かけてみても行先は山ばかりだった。10 歳の頃に妹をおぶったまま深い川で溺れてしまったことで、自然の力への恐怖が増したことも関係しているかもしれない。加えて海のない県で育ったこともあり、自分と海は今後も縁遠いものだと思っていたのに、「渚で会いましょう」が次のシングルに決まった。

 

レコーディングの前にどういう想いを浮かべて歌うのがいいか、ちょっと考えたものの、杞憂だった。出来上がったアレンジや歌詞を新しい気持ちで聴いてみると、本当の海の手触りはわからないのに、なぜだかわかる。心のなかに、湿り気を含んだ日本の海がぶわっと入り込んで、切なさだけ残した波は曲の終わりと同時に引いてゆく。イメージが絶えなかった。何回歌っても良い曲だった。あなたの記憶や匂いや味や手触りと混ざり合い、各々のための曲に育っていったら素敵なことだと思うし、それができる曲だと思う。聴いてもらうのが楽しみです。

 

 

礒本:  ローラズのドラマーとして新しい試み。初めて曲に触れた時はフレーズの断片がそこらじゅうに散らばっていて、一つ一つが其々の良さを放っているものだから途方に暮れたような。各パーツがパズルのように横並ぶマスロックっぽいドラムフレーズに水面を揺蕩うような大らかなリズムセクション。緩急のついたフレーズやスリリングな演奏は、実はコンポーザーの「こんな感じ」が一つ一つ積み上がったものでもあります。ただひたすら直感のやり取り。

 

楽曲が完成に近づいていくにしたがって、点と点だったフレーズは次第に色付き、大きく柔らかな景色となりました。その時その時の直感を無造作にも美しく積み上げられた一曲だと思っています 



■ライナーノーツ(文 : 石角由香)

 

「究極は奇跡的に老若男女にわかってほしいんですよ。そこは諦めない」――
 
 
ソングライターアレンジャーでもある鈴木迅が本作「渚で会いましょう」のインタビューで話してくれた中で、この曲のスタンスについて最も芯を食った発言がこれだったと思う。イギリスのフォークミュージックやアメリカのオルタナカントリー、もちろん海外のインディポップと共振する部分もあるし、ルーツミュージックへの造詣も深い。そうしたバックグラウンドを現代日本のポップミュージックとして成立させうる主旋律をクリエイトできることも相まって、Laura day romanceはそれこそ奇跡的なバンドたりえている。それだけでも稀有なことなのに、本作ではさらに聴き手の感性を信じて一歩踏み込んだ楽曲に着手した印象が強いのだ。
 
 
2024 年に入り、バンドは早々にシングル「Young life / brighter brighter」をリリース。特に「Young life」はすでに春フェスなどのライブで重要な位置を担う曲になっている。そして4月リリースの「透明 / リグレットベイビーズ」収録の「透明」は全国の FM 局でパワープレイを獲得し、最近ローラズを聴き始めたリスナーにとっても親しみ深い曲だろう。
 
 
2曲とも一筋縄では行かない曲ではあるものの、井上花月が歌うメロディの美しさや、風通しのいいアンサンブルが生み出すグルーヴに自然と乗っていけるポピュラリティを纏っている。今のローラズを明快に代表する2曲に続くのが今回の「渚で会いましょう」なのが面白い。以前も鈴木は前作に対するカウンターを打っていくことに曲作りのモチベーションがあるとは言っていたが、今回もその傾向に当てはまる。
 
 
なんと言ってもこの曲、いわゆるドラムパターンの基本のキックとスネア、みたいなビートではない。イントロに続いて歌が入ると同時に特定のリズムが刻まれることで安心して乗っていけるものだと思うが、この曲ではギターリフの方がむしろ雄弁だ。少し進むとマスロック的な刻みでキックとスネアが歌メロとは別軸で刻まれている。
 
 
でも、ユニゾンする歌メロとギターリフがキャッチーで、しかも井上のボーカルは低めの地声とオクターブ上のハモリが交互に現れる構成。これがすごく気持ちをざわつかせるのだ。歌詞の意味は一旦おいておくとしても、人間が一人で歌ったり二人になったりする感覚とでも言っておこう。そしてスッとビートが抜け、ベースの生な聴き心地が自ずと耳をとらえるサビが際立つ。さらにそこに接続するサイケデリックな聴感の C セクション。もうなんだか眩暈がしそうだ。
 
 
主に曲の構造とアレンジにフォーカスして聴くと、ものすごくアバンギャルドな曲なように意識が働くけれど、歌メロはすごく強い。
 
 
J- ポップ的な強さじゃなく、イメージはフレンチポップや、それを自然と消化してきたインディポップのニュアンス。まあ、音そのものが美味しいギターリフとユニゾンしていることが歌メロをより印象的にしているのだけれど。と、同時に”こんなに変則的なリズムでどうやって歌入れをしたのか?”という素朴な疑問が浮上したのだが、井上には鈴木の弾き語りが、ドラムの礒本雄太にはトラックの断片が渡され、二段階にわたるレコーディングが行われたのだという。なるほどである。しかしそれは実現のための手法だ。鈴木は実験のための実験をしていない。
 
 
まるでオケと歌詞を切り離した聴き方になってしまったが、この謎を含んだリズムは物語や想いを平易に綴っていない歌詞とも共振して、リスナー各々の記憶や感情を予期しないところで呼び起こすはずだ。一行単位では感情移入できる歌詞が、次の一行ではもう違う文脈にあったりする。これは鈴木がこれまで書いてきた日常的な光景の中に毒や違和感を忍ばせる手法とも違う気がする。
 
 
だけれども、この曲の中で、私は忘れかけていた誰かに会う直前の感覚を覚えた。そして矛盾するけれど、聴き終えた時、もう会えないのかもしれないとも思った。ただ、舞台は夏だ。こんな感想にあまり意味がないぐらい、おそらく聴き手一人ひとりの「渚で会いましょう」がある。同じ方向を見て手を挙げるようなライブをしていないローラズの真骨頂っぽい場面が、次のライブで見られそうでワクワクする。

 

 

■event schedule

 
8 月 31 日 ( 土 ) RUSH BALL 2024
9 月 20 日 ( 金 ) FEAT. @ 渋谷 CLUB QUATTRO
9 月 27 日 ( 金 ) FEAT. @ 梅田 CLUB QUATTRO

 

■ Laura day romance tour 2024 crash landing

 


10 月 06 日 ( 日 ) 札幌・cube garden

10 月 17 日 ( 木 ) 名古屋・THE BOTTOM LINE

10 月 18 日 ( 金 ) 大阪・BIGCAT

10 月 25 日 ( 金 ) 福岡・BEAT STATION

11 月 03 日 ( 日 ) 仙台・darwin

11 月 07 日 ( 木 ) 東京・Zepp Shinjuku