The Belair Lip Bombs(ザ・ベレア・リップ・ボムズ) オーストラリアのバンドとして初めてサードマン・レコーズと契約

 

©Ian Laidlaw

The Belair Lip Bombs(ザ・ベレア・リップ・ボムズ)がオーストラリアのバンドとして初めてサードマン・レコーディングスと契約を交わした。

 

バンドはサードマンとの記念すべき契約について次のように語った。「サード・マンとの契約は、僕らにとって夢のようなことで、特にレーベル初のオーストラリア人バンドとなった。レーベルのみんなは伝説的な存在で、彼らがリリースのひとつひとつにどれだけ愛情を注いでいるかは明らかだ。サードマン・ファミリーの一員になれて、これ以上嬉しいことはありません!」


フロントウーマンのMaisie Everett(メイジー・エヴェレット)が率いるBelair Lip BombsはギタリストのMike Bradvica、ドラマーのLiam De Bruin、ベーシストのJimmy Droughtonを擁する。彼らのデビューアルバム『Lush Life』は昨年、Cousin Willからリリースされた。今後、ジャック・ホワイトのレーベルから再発される。フィジカル盤は10月18日より発売される。


このアルバムについて、エヴェレットはこう語っている。


「アルバムのタイトルは『Lush Life』で、この言葉はアルバムを通して何度か言及されている。このアルバムで探求されているテーマやモチーフは、そこにないものへの憧れや、その何かが何なのかよくわからないということがよくあるんだ。Lush Life」という言葉は、何もかもが簡単な(しかし実際には存在しない)絵に描いたような完璧な世界を描写しているようなもの」


「私はこの曲を完璧なものにしたかったし、スタジオではメロディーやハーモニーの面でいろいろなことを試した。とても楽しかった。当時は別のバンドで演奏していて、常にツアーに出ていたから、アルバムを直線的に仕上げるのは難しかった。でも、時間をかけて作ってよかったと思っている」

 


2001年にデトロイトで始まったThird Man Recordsは、ジャック・ホワイトのレコード会社として知られ、現在はナッシュビルに豪華な社屋と工場を所有している。デトロイトは工業の街で、自動車生産の重要拠点でもあるが、20世紀半ばからレコード生産のメッカとしても知られてきた。

 

サードマンは、デトロイトの工業的な特色を受け継ぎ、次世代へとその技術を継承しようとしている。ブルー・ノートとの生産ラインの共有や独自のレコードの工業的な生産技術を擁する。これはレーベル・オーナーのレコード生産に対する流儀やこだわりが色濃く反映されている。


レコード企業は社会における工業生産の役割の一端を担う。第二次産業の分野でどのような役割を果たすのか。これは、紙出版とデジタルパブリッシングとの関係に近似している。紙の出版が無くならないのと同様、レコード生産も欠かさざる産業である。ストリーミングサービスの最盛期、ジャック・ホワイト氏は彼自身の事業を通じて、その意義を問いかけようとしている。