【J-POP Trends】 8月のJ-POPの注目作をピックアップ

 【J-POP Trends】 8月のJ-Popの注目作をピックアップ


 

提携レーベルからご提供いただいたリリース情報を元に、注目の邦楽のシングル作やアルバムの収録曲をピックアップするというコーナー。夏も終わりに差し掛かり、夏休みも終わり。いよいよ秋が近づいてきました。2024年もいよいよ後半です。年末に向けて頑張っていきましょう。

 

 

 

JJJ 「July Tour at Zepp Haneda」

 

JJJは、ダイチ・ヤマモトとの共同制作で知られている。秀逸なトラックメイクはもとより、ハリのあるリリック捌きを披露するミュージシャン。日本のロイル・カーナーとも称すべきMC/トラックメイカー。

 

今回、JJJは、7月のZepp Hanedaでのライブ公演を音源にした「July Tour at Zepp Haneda」をリリースした。アルバムの全12曲には白熱したステージの模様を収録。

 

ライブでは、DJセットに加え、コントラバス奏者を招聘し、エレクトロニック・ジャズの影響を絡めたアクトを披露している。もちろん、旧来のドリルやトラップといったJJJらしいヒップホップも堪能できる。ロンドンのヒップホップを反映させた最もクールな音楽性を体感しよう。

 

「Strand」

 



柴田聡子 「Reebok」

 

 バタやんこと柴田聡子の新作は、最新アルバム『Your Favorite Things』のリミックス・バージョン。リミックスを手掛けたのは、日本の人気DJ/プロデューサー、tofubeats。


シティポップや昭和歌謡の世界観をベースにして、モダンなポピュラーワールドを構築するシンガーソングライターの今後の活躍に注目したい。

 

今後、柴田聡子は、最新アルバムのりミックスアルバム「My Favorite Things」の発売を予定している。「Reebok」は、現在、各レコードショップで、Tofbeatsのリミックスシングルと合わせて7インチで販売中。デジタルバージョンも配信中。オリジナル曲のミュージックビデオもぜひ。

 

 

「Reebok」


 

 

ziproom 「Dive」

神戸を拠点に活動するヒップホップ・コレクティヴ、Ziproom。テクノ、ハウス、ダブ、アンビエントを取り入れたエレクトロニックなヒップホップを制作する。

 

スペースシャワーから発売されたニューシングル「Dive」では、フューチャーベースをベースに、アーバンなヒップホップ、及びニュアンスを披露する。英国/レスターのSainte、ロンドンのStormzyが好きな人ならピンとくるものがあるかもしれない。


「Dive」はプロデューサーにMFSなどを手掛けているRUI、マスタリング・エンジニアにはエド・シーラン、アヴィーチー、チャーリーXCX、ディスクロージャーなどを手掛け、日本のHIP HOPシーンからも支持の厚いStuart Hawkesを迎え、Arich自身がミックスを手掛けている。


RUIによるメロディアスで内省的なビートに2人の安定感あるラップが絡み、ziproomならではの個性溢れる楽曲となっている。


 

 

 

「Dive」

 

 

 

Laura Day Romance 「渚で会いましょう」

 

東京のインディーフォークバンドの待望のニューシングル「渚で会いましょう」は、このバンドの旧来のオルトフォークの音楽性はそのままに、ローファイなギター、そしてややセンチメンタルなボーカルを絡めて、唯一無二のローラズの世界観を作り上げている。


ドラムの磯本がリズムパターンを他のメンバーに渡し、直感的なやりとりで制作されたというこの新曲。


ウィルコのような編集的なサウンド、ミュージック・コンクレートを要素を散りばめ、ローファイ風のギターを反映させ、J-POPを意識しつつも、洋楽とのクロスオーバーサウンドを構築している。聞きやすさがあるが、同時に作り込みの凄さが際立つニューシングルである。ギターのデチューンのエフェクト等を見る限り、かなり音作りへのこだわりを感じさせる。


 

 「渚で会いましょう」

 

 

 

 青葉市子 「Lullaby」

 

全国ツアーとヨーロッパツアーを発表した日本のシンガーソングライター、青葉市子のニューシングル「Lullaby」はフォークトロニカの音楽性が選ばれている。

 

アコースティックギターの弾き語りであるが、曲の途中からエレクトロニカやグロッケンシュピールの要素を押し出し、ファンタジックな世界観へと移行していく。

 

イントロでは暗鬱のように思える曲調だが、徐々に森の奥深くに入り込んでいくかのような摩訶不思議な音楽へと変化していき、リスナーの心を巧みに捉える。歌とギターによってかなり奥深い音楽性を提供している。ソングライターとしての手腕にあらためて敬意を表しておきたい。

 

「Lullaby」




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