モントリオールとともに魅力的なアーティストやバンドを輩出するケベック。この土地はカナダの先住民が暮らしていた場所で、現在はフランス語圏でもあり、多彩な生活様式が入り交じる都市である。こういった様々な考えやルーツを持つ土地から魅力的な音楽が登場するのは、必然といえる。自分と同じ考えをかき集めるのではなく、それとは対極にある今まで思いもよらなかったような考えに触れたり、それらを自分の中で吸収した時、新しい概念が生み出される。
同地のオルタナティヴポップバンドのMen I Trust(メン・アイ・トラスト)もまた、ケベックの象徴的なポップ・グループ。
昨日(9月10日)、彼らは2024年最初の単独シングル「Husk」をリリースした。2014年に結成されたバンドは、ベーシストのJessy Caron、マルチインストゥルメンタリストでプロデューサーのDragos Chiriac、ボーカリストでギタリストのEmmanuelle Proulxで構成されている。
メン・アイ・トラストは、現在ツアー中で、2021年に最新アルバム『Untourable Album』をリリースしている。以来、彼らは「Hard to Let Go」、「Billie Toppy」、「Girl」、そして昨年の「Ring of Past」など、数々のシングルを発表してきた。
ニューシングルのリリックは、このバンドにしては珍しくメッセージ性が含まれ、啓示的な示唆に富んでいる。リスナーに向けて直接的に歌われたようなポップソングだ。冒頭では「騒動、すべてのチャイム/諦めて、大丈夫さ/冷静さ、ラインの上に/もっと強くなって、解き放て」とボーカリストのエマニュエルはおなじみの軽快なオルトポップソングに乗せて歌っている。
「Husk」