©Bảo Ngô |
米国のベッドルームポップ界の象徴的なアーティスト、mxmtoonは、11月1日にAWALからリリースされるニューアルバム「liminal space」を発表した。アルバムはこのアーティストとしては珍しくシリアスなテーマが織り交ぜられている。日々転変する世界でどのようにあるべきか、mxmtoonは音楽制作を通じて真摯に探ろうとしている。アルバムのタイトルは外側の世界を指し示し、そして対外的な世界が自分という存在とどのような関係にあるのかを詳らかにする。その中には社会的な概念が要請する女性というイメージを覆すという意図も含まれている。
新作アルバムの発表と同時に、このシンガーソングライターはイギリスのポップ・グループ、ケロケロ・ボニートとのコラボレーション「the situation」を公開した。(ストリーミングはこちら)「2枚目のレコードをリリースしてからのこの2年間の混乱の中で、私はしばしば果てしなく感じられる一過性の風景の中で宙吊りになっているように感じていた」とmxmtoonことマイアは説明している。
「自分がほとんど理解していないことに囚われたと感じるのは簡単なことで、人生は私に質問の嵐を投げかけてきた。だから、未知の世界に宙ぶらりんのまま、私はこれらの曲を書いた。自分の人生で与えられた役割をどのように果たすことを選択してきたか、そしてある時はどのようにそれについていけなかったかを解き明かそうとしたんだ」
「”liminal space”は、苦いものを浴びながら、終わりのない廊下を彷徨う自分自身を見失うような、主体性を理解するのに苦労している人たちのためのアルバムです」と彼女は付け加えた。
アルバムの最初のリードカット「the situation」について、mxmtoonはこう語っている。
「私たちは年を取り、そしてやがて死ぬ! このアルバムに収録されている曲の多くは、少女時代と人生のサイクルというコンセプトを直接的に扱っている。「the situation」を書いたとき私は23歳で、20代前半が人生で一番ホットで楽しい時期だという考えで育ったような気がする。社会全体が、女性はピークに達した後、残りの人生を転落していくという物語を押し付けていると思う。感情的になりがちな曲を書いているときは、いつも皮肉を織り交ぜるのが好きなんだけど、『the situation』は、それがいかに馬鹿げたことかを揶揄する絶好の機会だった」
「特に、この曲でケロ・ケロ・ボニートと仕事ができたことは、夢のような出来事だった。KKBは2013年から聴いていて、サラのヴォーカルは『Intro Bonito』以来、私の頭にこびりついている。この曲への彼女の貢献はとても完璧で、楽しくて、全体が死ぬことについて歌っているのに、外面的に陽気であることが本当にこの曲を艶やかにしている! 彼女は本当に素晴らしい」
「the situation」
「リミナル・スペース」は、スラングやサブカルチャーの概念を指し示し、2020年代始めにインターネットから唐突に出てきた言葉である。
私達がいつも目にする何の変哲のない光景がある瞬間を期に、それとは全く別の意味を帯びることを意味する。これは本来の設計の意図とは別の意味を持つ「副次的な建築性」、「意図せぬ建築性」というきわめて斬新な建築学的な興味をもたらすとともに、社会学としても注目すべき概念であり、社会構造に生み出された「空虚な空間」や「穴」のようなものを象徴付ける。それは都市設計に発生した経済的な失敗であり、損失でもある。しかし、それらの負の遺産や瑕疵が現代社会の中で重要な意味を持つということを、リミナル・スペースは示唆している。
日本の作家で、無類のジャズ愛好家でもあった中上健次は、これに近い思想を持っていた。彼の場合は「ウツホ」という概念の中にリミナル・スペースを見出していた。生前の中上は、路地裏や裏通りといった日本独自の風景の底に、空虚さと得難い魅力が混在することを主張していた。これらの概念は、西岸良平の漫画そして後に映画化された「三丁目の夕日」などにも出てくる。
mxmtoon 「liminal Space」
Label: AWAL
Release: 2024年11月1日
収録曲は未公開