Photo Credit: Harrison Reid & Visuals Direction: Niki Zaupa |
グラスゴー出身のアンビエント・デュオ、ケーヒル//コステロ(Cahill // Costello)による3年ぶりとなる待望のニューアルバム『II』が、本日レコード(数量限定)、及び、デジタル・フォーマットでリリースされた。良作なので実験音楽がお好きな方はぜひチェックしていただきたい。
クラシックの訓練を受けたエクスペリメンタルなギタリスト、ケヴィン・ダニエル・ケイヒルと、スコットランドの著名なジャズ・イノベーター、グレアム・コステロから成るこのデュオにとって今作は、CLASH、Worldwide FMのサポートを得た2021年のデビュー作『オフワールド』に続く。
ニューアルバム『II』は、エフェクトのかかったギターを基調としたアンビエントな雰囲気と絶妙なグルーヴを取り入れたドラミングが、時折、催眠術のようなテープ・ループを経由しながら織り交ざっている。
スコットランド王立音楽院で出会った2人は、ジャズとクラシックという異なる分野を専攻していたにもかかわらず、ミニマリズムと即興演奏への情熱を分かち合っていた。
ある時はグレアムのバックグラウンドであるジャズ的素養を感じさせ、またある時は、彼が幼少期に聴いて育ったインストゥルメンタル・ロック、ポスト・ロック的な激しさも感じさせる。アルバムは、デュオがデビュー作の成果をさらに発展させた、広大で野心的な作品となっている。
ニューアルバムのリリースを記念し、デュオは「JNGL」(ジャングル)と題された新曲を公開した。このトラックは、ループと熱烈なアップテンポのドラミングを駆使して、ダンス・ミュージックと表現力豊かなアンビエント調の微妙な融合を生み出している。プログレッシヴジャズを経過したドラミングとポストロック/音響系の緻密なギターワークがキラリと光る一曲となっている。
「JNGL」について彼らは次のように話している。
「この曲はアルペジオのコード進行と、キーセンターの中で対位法を重ねたループ・ソロ・ギターから生まれたんだ。ギターのループが決まったら、90年代のジャングル/ドラムンベースに通じるビート/グルーヴを探した。そしてノスタルジックなサウンドとフィーリングを出すために、クラシックな165bpmのテンポに収まるようにした。結果、クラシックなスタイルをポストモダンにアレンジし、独自のアプローチを加えた」
Cahill // Costello - JNGL (Audio Video)
今回のアルバムについては、こう語っている。
「『II』の作曲と制作のプロセスは、『オフワールド』と変わらない部分も多かったが、まったく違う部分もあった。最初のアイデアのほとんどは、以前と同じように即興で、その場でライヴ録音したものだ。最も大きな違いは、デュオとして、また友人として、より親密になったこと。『オフワールド』は、音楽的にも個人的にも、お互いを理解し合うための素晴らしいきっかけになったと思う。その結果、僕たち2人が信じられないほど誇りに思っているアルバムができた。『オフワールド』のセッションから”作曲プロセス”が終わることはなく、最終的にこのアルバムになるものへと、時間をかけてゆっくりと融合していったんだ」
「その結果、このアルバムにはじっくりと腰を据えて書いたり、リハーサルをしたりする時間はなかった。どこか特別な場所から生まれた音のアイデアや、決して強制されることのないアイデアの共有が行ったり来たりしていた。今、思えば、それは特別なことだった。こうして一緒に音楽を演奏するというのは、繊細なコンセプトなんだ。ある意味では、音楽と友情を称えるために、できるだけ一緒に曲を書いたり演奏したりしたいと思うものだが、同時に、新鮮で創造的なアイデアを長続きさせるため、”井戸の水を飲み干す”ようなことはせず、必要な分だけ飲むことも必要なんだ。『II』は、僕たちの継続的な発展、僕たち自身の創造的なプロセスのより良い理解、お互いの意見に耳を傾け、友人として、デュオとしてより親密になることを表現している」
Cahill // Costello 『Ⅱ』
【アルバム情報】
アーティスト名:Cahill//Costello(ケーヒル//コステロ)
タイトル名:II(2)
発売日:発売中!
形態:2LP(140g盤)
バーコード:5060708611163
品番: GB1599
<トラックリスト>
Side-A
1. Tyrannus
2. Ae//FX
Side-B
1. Ice Beat
2. Sensenmann
Side-C
1. JNGL
2. I Have Seen The Lions On The Beaches In The Evening
Side-D
1. Lachryma
2. Sunbeat
【クレジット】
Kevin Cahill: electric guitar, effects, tape loops
Graham Costello: drums, percussion FX
All tracks composed by Kevin Cahill and Graham Costello
Recorded on location and mixed by Luigi Pasquini, Dystopia Studios, Glasgow.
Mastered and cut by Caspar Sutton-Jones at Gearbox Records
アルバム『II』レコード (数量限定)発売中!
https://store.gearboxrecords.com/products/cahill-costello-ii-cahill-costello
https://cahillcostello.bandcamp.com/album/cahill-costello-ii-2
デジタル・アルバム『II』配信中!
https://bfan.link/cahill-costello-ii
Cahill // Costello Biography:
スコットランドはグラスゴー出身のアンビエント・デュオで、メンバーは、ギタリストのケヴィン・ダニエル・ケーヒルとドラマーのグレアム・コステロ。
両者の出会いは2012年の英国王立スコットランド音楽院であった。ジャズとクラシックという異なる専攻を学んだ二人だったが、さまざまなジャンルにわたるミニマリズムと即興への相互の情熱を共有していた。この友情と共有された情熱は、最終的にケーヒル//コステロの結成に至る前に、グラハムとケヴィンがさまざまなソロ・プロジェクトで協力することにつながった。
彼らのプロセスは、ミニマリズムとアンビエント・ミュージックの要素を融合し、過度の複雑さとは無縁の、非常に感情的なサウンドの世界を構成している。その音楽制作は忍耐と明晰さに基づいており、リスナーの心に正直に語りかける。2021年9月、ファースト・アルバム『オフワールド』をリリース。そして、2024年11月には3年ぶりとなるニュー・アルバム『II』を発表した。