先日、ニューシングル「From Beneath」を発表したエリオット・ガルビンが、来年2月にニューアルバム『The Ruin(ザ・ルイン)』をリリースすることがわかった。この発表と合わせて新曲「A House, A City」が配信された。
受賞歴もある作曲家で、シャバカ・ハッチングスのピアニストとしても知られる即興演奏家のエリオット・ガルビンは、英国ジャズ界のスーパーグループ、ダイナソーのメンバーで、マーキュリー賞にもノミネート経験をもつ。
グラミー賞、マーキュリー賞、MOBOにノミネートされたレコーディング&ミキシング・エンジニア、ソニー・ジョンズ(トニー・アレン、アリ・ファルカ・トゥーレ、ローラ・ジャード)との3回のセッションでレコーディングされた今作『ザ・ルイン』は、エリオットの新たな出発点となる作品だ。「このアルバムは、ジャンルや位置づけを気にすることなく、僕に影響を与えたすべての音楽を組み合わせた、これまでで最もパーソナルな作品だ。自分という人間を最もピュアに表現したアルバムだと思う」とエリオットは話している。
アルバムには、著名なベーシスト兼ヴォーカリストのルース・ゴラー、ポーラー・ベアのドラマーでパティ・スミス/デーモン・アルバーンのコラボレーターでもあるセバスチャン・ロックフォード、そして長年のコラボレーターであるリゲティ弦楽四重奏団といったUK音楽シーンの錚々たるミュージシャンたちが参加している。
すでにファースト・シングル「From Beneath」が公開となっているが、本日新たな新曲「A House, A City」が配信された。同楽曲は、エリオットにとっての最初のピアノで弾いた最後の即興演奏をiPhoneで録音したものから始まり、その後、彼の家と成長期の思い出にインスパイアされた個人的で繊細なソロ曲へと発展していく。
そしてこの度、エリオットと映像作家のアレポとジェイムス・ホルコムが古いアップライトピアノに火をつけるというドラマティックなミュージック・ビデオも公開された。ビデオはアナログのボレックスカメラで撮影され、出来上がったフィルムは化学的に劣化させられ、ピアノの火がフィルムそのものを燃やしているように見える。このコンセプトは、アルバム全体に流れる廃墟と記憶の劣化(ruin)というテーマと結びついており、エリオットが新しい何かを求めて、これまでやってきたことをすべて解体するということを表している。
今回のシングル「A Horse, A City」とミュージック・ビデオについて、エリオットは次のように話している。
「子供の頃に使っていたピアノを売る直前に、座って即興演奏を録音したんだ。このピアノは祖父が亡くなった後に彼のお金で買ったもので、すごく特別な意味を持つ。アルバムの核になるとわかっていた即興曲があったんだけど、それを作るまでに5年くらいかかった。レコーディングしていたスタジオにボロボロになった古いピアノがあって、それでこの曲を録音するのが相応しいと感じたんだ。人生を生きてきたピアノには、壊れやすくて美しいものがある。音の不完全さには、この音楽の核心となる人間味がある」
「A House, A City」
Elliot Galvin 『The Ruin』
【アルバム情報】
アーティスト名:Elliot Galvin(エリオット·ガルビン)
タイトル名:The Ruin(ザ・ルイン)
品番:GB4005CD (CD) / GB4005 (LP)
発売日:2025年2月発売予定
レーベル:Gearbox Records
<トラックリスト>
Side-A
1. A House, A City
2. From Beneath
3. Still Under Storms
4. Gold Bright
5. Stone Houses
Side-B
1. High And Wide
2. In Concentric Circles
3. As If By Weapons
4. Giants Corrupted
5. Fell Broadly
6. These Walls
アルバム『The Ruin』のご予約: https://bfan.link/the-ruin
Credits:
Elliot Galvin – Piano, Synthesizers and Electronics
All Tracks
Ruth Goller – Bass and Voice
Tracks 2, 3, 4, 5, 7, 10
Sebastian Rochford – Drums
Tracks 2, 3, 4, 5, 7, 8
Ligeti Quartet
Freya Goldmark – Violin I
Patrick Dawkins – Violin II
Richard Jones – Viola
Val Welbanks – Cello
Tracks 3, 4, 5, 7, 9
Recorded at Giant Wafer Studios, Powys
Recorded, Mixed and Co-produced by Sonny Johns
Mastered by Caspar Sutton-Jones
Co-produced by Sebastian Rochford
Produced by Elliot Galvin
All Music Composed by Elliot Galvin
All Music Published by Gearbox Music Publishing
Elliot Galvin:
受賞歴のある作曲家、ピアニスト、即興演奏家。作品は主に、即興演奏の取り入れと、様々な環境と文脈における音の折衷的な並置の使用で知られている。Downbeat誌とJazzwise誌の両方で2018年の年間最優秀アルバムに選ばれ、2014年には栄誉ある"ヨーロピアン・ヤング・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー"を受賞した。
これまでシャバカ・ハッチングス、ノーマ・ウィンストン、マリウス・ネセット、マーク・ロックハート、エマ・ジーン・サックレイ、マーキュリー賞ノミネート・バンドのダイナソーなどとのレコーディングや国際的なツアーを数多くこなしてきた。
即興演奏家としては、マーク・サンダース、ビンカー・ゴールディングとのアルバムや、パリのルイ・ヴュイトン財団でのコンサートで録音された全曲即興のソロ・ピアノ・アルバムをリリースしており、Guardian誌の"アルバム・オブ・ザ・マンス"やBBCミュージック誌の"アルバム・オブ・ザ・イヤー"に選ばれている。
作曲家としては、ロンドン・シンフォニエッタ、リゲティ弦楽四重奏団、アルデバーグ・フェスティバル、ジョンズ・スミス・スクエア、ロンドン・ジャズ・フェスティバルなど、一流のアンサンブルやフェスティバルから委嘱を受けている。また、オーディオ・アーティストとしても活動し、ターナー・コンテンポラリー・ギャラリーや、最近ではオックスフォード・アイデア・フェスティバル等でインスタレーションを展示している。2024年10月、Gearbox Recordsからの初リリースとなるシングル「From Beneath」を発表。2025年2月にはアルバム『ザ・ルイン』が発売決定。