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トロントを拠点に活動するシンガー・ソングライター、タマラ・リンデマンのプロジェクトThe Weather Station(ウェザー・ステーション)は、今週金曜日にファット・ポッサムからニューアルバム『Humanhood』をリリースする。発売日を目前に新曲をチェックしてほしい。

 

今回、彼女は最後のシングル「Mirror」を公開した。フィリップ・レオナールがこの曲のビデオを監督した。


リンデマンは歌う。 「あなたは畑に化学雨を降らせ、自分の痛みを超越するために私の腕を切った。


「この対決は穏やかなものだ。「しかし、人生と自然は巨大なバイオフィードバック装置だ。しかし、人生と自然は巨大なバイオフィードバック装置なのだ。そしてあなたも反応する。それが常に起こっていることなんだ。私が "神は鏡である "と言ったのは、そういう意味なんだ」


リンドマンはこう付け加えた。「幻想や認知的不協和を支える架空の足場のように、曲が歪んだり崩壊したりするようにしたかった。最後には、バンドは文字化けしてバラバラになり、シンセとストリングスのテクスチャーが宙吊りになる。曲の中で私が話していた光かもしれない」


「Mirror」

 

 

The Weather Station、ニューアルバム『Humanhood』を発表 1月17日にリリース

 

©V Haddad 

 

Floristはニューアルバム『Jellywish』を発表した。

 

 ニューヨークのインディー・フォーク・バンドの2022年発表のセルフタイトルに続くセカンドアルバムは、Double Double Whammyから4月4日にリリースされる。 本作には、先にリリースされた「This Was a Gift」に加え、魅惑的なリードシングル「Have Heaven」が収録されており、コハナ・ウィルソンがアニメーションを手がけたビデオと同時に公開されています。 アルバムのアートワーク(V Haddadによる)とトラックリストは下記よりご覧ください。


シンガー/ギタリスト/ソングライターのエミリー・スプラグは、このアルバムについて次のように説明しています。

 

「本当に混沌としていて、混乱していて、多面的なものを優しく表現している。 "私たちの世界にインスパイアされたこのテクニカラーと、私たちの世界から脱出するために使えるファンタジーの要素がある」


「”Have Heaven”について、スプレイグは次のように付け加えた。「私たちは、人生と個人の知覚の間の限界空間を浮遊する観察的な熱の夢の中に入っていく。 私たちの魂が生き、着地するための平和な場所を望むことを通して、喜びと苦しみの中で私たちがつながっていることへの考察がある。” Have Heaven”は、このアルバムの世界が常に明晰であるとは言い難く、むしろ私たちの周りに渦巻く魔法と死の世界の中に溶け込んだ視点であることを立証している。 コーラスは、これらの世界と、私たちが存在しなければならないシステムに縛られながら、互いに生き残ろうとする地上の姿との、よりよい共生を嘆願する聖歌である」



「Have Heaven」




Florist 『Jellywish』

 

Label: Double Double Whammy

Release: 2025年4月4日


 Tracklist


1 Levitate 
2 Have Heaven
3 Jellyfish
4 Started To Glow
5 This Was A Gift
6 All The Same Light
7 Sparkle Song
8 Moon, Sea, Devil
9 Our Hearts In A Room
10 Gloom Designs

最初の掲載時に記事に誤りがございました。訂正とお詫びいたします。


バーモント州のシンガーソングライター/ギタリスト、Lutalo(ルタロ・ジョーンズがニューシングル「I Figured」を公開した。この新曲は最新作のアウトテイクとして発表された。(ストリーミングはこちらから)


昨年、ルタロはオルタナティヴフォークを中心とするデビューアルバム『The Academy』をリリースし、ニルファー・ヤーニャのツアーサポートを務めた。2025年、ルタロは北米とカナダのツアーを予定している。


ルタロ・ジョーンズはアメリカ文学屈指の名作「グレート・ギャツビー」で知られるスコット・フィッツジェラルドの母校の卒業生。デビューアルバム『The Academy』では、セントポール・アカデミーの学生生活を題材に選び、郷愁的なインディーフォークサウンドを確立している。



「Figured」




Tour Dates:

01/14/25 - Toronto, ON @ Monarch 
01/16/25 - Chicago, IL @ Schubas 
01/17/25 - Milwaukee, WI @ Cactus Club 
01/18/25 - Minneapolis, MN @ 7th St Entry 
01/21/25 - Seattle, WA @ Barboza 
01/22/25 - Portland, OR @ Mississippi Studios 
01/24/25 - San Francisco, CA @ Bottom of the Hill 
01/25/25 - Los Angeles, CA @ The Echo 
01/27/25 - Phoenix, AZ @ Valley Bar 
01/30/25 - Houston, TX @ White Oak Upstairs 
01/31/25 - Austin, TX @ Mohawk Indoors 
02/01/25 - Denton, TX @ Rubber Gloves 
02/04/25 - Atlanta, GA @ The Earl
02/06/25 - Carrboro, NC @ Cat’s Cradle (Back Room)
02/07/25 - Washington, DC @ Songbyrd 
02/08/25 - New York, NY @ Elsewhere Zone One
02/14/25 - Burlington, VT @ Radio Bean



Review:



 


フリコは、デビューアルバム『Where we've been, Where we go from here』から新曲「Pride Trials」を発表した。繊細でありながら、心に染みるようなインディーフォークソングである。


「"Pride Trials"は、実はFrikoの最初の曲のひとつ」とバンドは声明で説明している。「2019年後半にシカゴのDIYショーで演奏し始め、その頃にレコーディングもした。多くの変容を経て、最終的に私たちが心から愛する場所にたどり着いた。これは僕らにとってとても特別な曲なんだ」


『Where we've been, Where we go from here』のデラックス・エディションはATOから11月22日に発売される。


「Pride Trials」

 


現在、ブルックリンを拠点に活動し、沖縄にルーツを持つロサンゼルス出身のシンガーソングライター、William Alexander(ウィリアム・アレクサンダー)が11月22日にニューアルバム『Solo』をSweet Soul Recordsからリリースします。

 

『ミュージシャンズ・ミュージシャン』として高く評価されるウィリアム・アレクサンダーは、豊かなリズム感覚とロサンゼルスの進歩的なアンダーグラウンドシーンに深く根ざした経験から、これまでにAndre 3000,Connan Mockasin、Laraaji, John Carroll Kirby, Carlos Nino,Mndsgn,Nick Hakimなど、数々の著名なアーティストとのコラボレーションや録音を行ってきた。

 

今週末に発売予定である『Solo』は、そんな彼の広大な芸術的な世界を通して、内省的なベッドルームフォークの真髄を表した作品です。Jessica Prattの時代を超越した感覚、Jose Gonzalesの独特なギタープレイなどを参照しながら、独自のソウルフォークを体現した先行シングル「ANWT」に始まり、「Sunflowers」「Blue Skies」「WDWG」など彼の初期作『New York Songtapes, Chapter Ⅰ: ”The Uncut Tree"」に収録された力強くざらついたソウルサウンドのソウルサウンドの楽曲を柔らかなムードのアコースティックサウンドに移行した楽曲が続く。


2ndシングル「Ghosts」は、サンバ、ボサノヴァ、ローファイなど多様なインスピレーションを独自のソウルフォークに昇華した親密な内省的対話と切ないハーモニーで迫る珠玉の一曲です。「Mediation」「Selfness」ではアンビエント・ミュージック的な要素も加わり、リスナーを安らかな瞑想へと誘う。ラストを飾る「Time」では、繊細で表現豊かなギタープレイとともに自己と向き合うことの重要性を優しく語りかけ、リスナーをさらに内面的な探求へと誘う。その素朴でありながら、洗練された豊かなヴォーカルトーンとナイロン・ギターの流れるようなリズムは、若き日のCaetano Veloso、あるいはErasmo Carlosといった70年代のブラジル・トロピカリアの巨匠たちをありありと彷彿とさせ、リスナーの琴線に深く触れるものがある。

 

 

「Anwt」

 




William Alexander 『Solo』



レーベル:Sweet Soul Records

発売日:2024年11月22日


Tracklist:

1.ANWT

2.In Your Hands

3.Emancipate

4.Sunflowers

5.Cycles

6.Blue Skies

7.WDWG

8.Ghosts

9.Mediation

10.Selfness

11.Time


 

配信リンク:  https://lnk.to/WXXL_Solo



William Alexander Profile:

 

沖縄にルーツを持つSSW,William Alexander(ウィリアム ・アレクサンダー)は、その広大な芸術的世界を通して、内省的なベッドルームフォークの真髄を表現する。初期の作品に見られた力強くざらついたソウルから、柔らかなムードへと移行し、リスナーを内なる探求へと誘う。

 

素朴でありながら洗練された豊かなヴォーカルトーと、ナイロン弦ギターの流れるようなリズは若き日のCaetano Veloso、Erasmo Carlosといった70年代のブラジル・トロピカリアの巨匠たちを彷彿とさせる。

 

彼の楽曲は自己実現や様々な形の愛をテーマに、観察と目に映らぬ神秘的な概念との境界を往来する。現代のファストファッションや自己顕示が主流となる風潮の中で、逃避ではなく、むしろ音楽や自分自身、そして、心の奥深くにひそむ魂の叫びに向き合う勇気ある選択である。

Haley Heyndrickx 『Seed Of a Seed』

 


 

Label: Mama Bird Recordings Co.

Release: 2024年11月1日

 

Review

 

ポートランドのギタリスト、ソングライター、ヘイリー・ハインデリックスは、三作目のアルバムで自らのフォーク/カントリーの形式を完全に確立している。ヘイリー・へインドリックスにとって音楽制作の動機となるのは、内向きの感覚であり、ナビゲーションであり、みずからの内的な声に静かに耳を傾け、そして純粋な音楽として昇華することにある。ニュース、ソーシャルメディア、または絶え間ない自己疑念など、私達を取り巻く喧騒から身を守るためのシェルターでもある。しかし、それらは決して閉鎖的にならず、開放的な自由さに満ちあふれている。

 

アルバムは、いくつかのテーマやイメージに縁取られているという。花(ジェミニ)、空想(フォックスグローブ)、森(レッドウッズ)、友人(ジェリーの歌)という地点を行き来するかのように、へインドリックスの歌とアコースティックを中心とするギターは鬱蒼とした森の中に入り、果てしない幻想的な空間へとナビゲートする。その導き役となるのは、妖精ではない。彼女自身の内的な神様であり、それらの高次元の自己がいわば理想とする領域へと誘う。

 

へインドリックスの音楽はオープニングを飾る「Gemini」から明確である。フィンガーピッキングのなめらかなアコースティックギター、ナイロン弦の柔らかな響き、そして何よりへインドリックスのソフトな歌声が心地良い空気感を生み出す。ツアー生活でもたらされた二重の生活、時間の裂け目から過去のシンガーが現在のシンガーを追いかけようとする。過去の自分との葛藤やズレのような感覚が秀逸なフォーク・ミュージックによって描出される。しかし、御存知の通り、「数年前の誰かは明日の誰かではない」のである。その違いに戸惑いつつ、彼女は自分の過去を突き放そうとする。しかし、その行為はどうやら、歌手にとっては少し恥ずべきことのように感じられるらしい。背後に遠ざかった幻影をどのように見るべきなのだろうか。そういった現在の自己を尊重するためのプロセスやステップが描かれている。秀逸な始まり。

 

フォーク・ミュージックから始まったアルバムはディラン、ガスリー、キャッシュ以前のハンク・ウィリアムズのような古典的なカントリーへと舵取りを果たす。「Foxglove」はトロットのリズムに軽快なアコースティックギターのフィンガーピッキングを乗せ、軽快な風のような感覚を呼び起こす。カントリーの忠実な形式を踏襲したアルペジオを見事であり、歌手の歌うボーカルの主旋律とのカウンターポイントを形成している。古典的なカントリーソングには、時々、ストリングスのレガートが重なり、ロマンチックな雰囲気を帯びる。鬱蒼とした森の中を駆け抜けるかのようである。曲の最後は、神妙なコーラスが入り、ほど良い雰囲気を生み出す。

 

その反面、タイトル曲では、アップストロークのアコースティックギターでしんみりとしたフォーク・バラードを提供している。この曲でもナイロン弦が使用されており、裏拍を強調するリズムカルなギター、そして艷やかな倍音がこの曲の全体的なアトモスフィアを醸成している。美しいビブラートを印象付けるへインドリックスのボーカル、そして、こまやかなフィドルの役割をなすバイオリンの音色が、これらのフォークミュージックの音楽性をはっきりと決定付けている。この曲では、フォーク/カントリーに加え、60、70年代のUSポピュラーの音楽的な知識が良質な音楽性の土台を形作っている。例えば、ジョニ・ミッチェルの『Blue』のような。

 

 

「Mouth Of A Flower」は、古きアメリカへの讃歌、または、現代の音楽として古典的なフォーク/カントリーが、どのような意義を持つのかを探求したような一曲である。古い時代のプランテーション、農場、農夫等、失われたアメリカの文化への幻想的な時空の旅を印象付ける。続く「Spit In The Sink」は、序盤の収録曲の中では、かなり風変わりな一曲である。低音部のリズム的な役割を担うギター、高音部のリード/アルペジオを中心とするアコースティック/エレキギターの演奏をベースにし、インディーロック、アヴァンフォーク、ジャズ、ララバイのような形式が込められている。金管楽器(フレンチホルン)の導入は、ジプシー音楽の要素を付け加え、ヨーロッパ大陸を遍歴するユダヤ人の古典的な流しの楽団の幻影を呼び覚ます。そして、基本的に、歌手は内的な感覚をリリスティックに吐露しているが、その反面、内にこもったようなビブラートを披露する。ヘイリーの声には、派手さはないけれど、見事なボーカルの技巧が披露されている。いわば「大人向けのフォーク/カントリー」といった感じとして楽しめるに違いない。

 

 

ヘイリー・ヘインドリックスのフォーク音楽には、ハンク・ウィリアムズのような古典的なアメリカの民謡よりも更に古い移民としての音楽性が何らかの鏡のように映し出される。とりも直さず、これらはニューヨークから北部に何千キロにもわたって連なるアパラチア山脈に住んでいたイギリスやアイルランドからの移民が山小屋でフォーク・ミュージックを演奏していた。


これらの共同体の中には、実は、黒人の演奏家もいたという噂である。少なくとも、ヘイリーの音楽は、一世紀以上の米国の隠れた歴史を解き明かすかのように、長い文明の足取りをつかもうとする。「Redwoods」では、CSN&Y、サイモン&ガーファンクルといった60、70年代のフォークロックの形式を通じて、その中にそれよりも古い20世紀の詩の形式を取り入れる。これらは民謡特有の歌唱法ともいうべきで、ビブラートの音程をわざと揺らし、音程そのものに不安定な要素をもたらす。アメリカの古い民謡などで聴くことが出来る。しかし、これらは、ケルト民謡やノルウェーのノルマンディ地方などの民謡にもあり、有名な事例では、スイスのヨーデルのような民謡の形にも登場する。いわば「ユーラシア大陸発祥の歌唱法」である。



そういったアメリカの歴史が英国の清教徒の移民や、その船にオランダ人も乗っていたこと。アステカ発祥の南アメリカとの文化、メキシコ等の移民の混交が最初の自由の女神のイメージが作られていったことを、このアルバムは顕著に証明付ける。「Redwoods」は単なる歴史的なアナクロニズムではなく、この国家の音楽的な文化の一部分を巧みに切り取ったものなのである。更に、この曲には、アステカ文明の「太陽の神様への称賛」を読み解ける。しかし、それらの自然崇拝は一体どこへ消えたのだろうか。それよりも権威的な崇拝が21世紀以降のアメリカ国家の全体を支配してきたのは事実であろう。アニミズム(自然信仰)は、一般的な宗教より軽視される場合が多いと思われるが、現代人が学ぶべきは、むしろアニミズムの方かもしれない。これは物質文明が極限に至った時、この言葉の意味がより明らかになることと思われる。


アルバムの後半では、聴きやすいフォークミュージックが提供される。「Ayan's Song」では、ジャズのスケールを低音部に配し、フォークジャズの範疇にある旋法を駆使しながら、親しみやすい音楽を生み出す。この曲でも、小節のセクションの合間にシンコペーションの形で伸びるヘイリーのボーカルは美しく、ほんわかした気分を掻き立てる。この曲には融和の精神が貫かれている。分離ではなく、融和を描く。言うのは簡単だが、実行するのは難しい。しかし、この曲は音楽や芸術が、政治のような形態よりも部分的に先んじていることを証左するものである。

 

ヘイリー・へインドリックスのギターの演奏は、フラメンコギターに系統することもある。「Sorry Fahey」では、二つのアコースティックギターの演奏を組み合わせ、見事なフレットの移動を見せながら和音を巧みに形成していく。ヘイリーのボーカルはイタリアのオペラに近い歌唱法に近づく場合もあり、西欧的な音楽性を反映させているのは事実だろう。 また、へインドリックスは、現代テクノロジー、消費社会の中で、現代人が自然主義からどれほど遠ざかっているかを示す。それは人類が誤った方向から踵を返す最後の機会であることを示唆するのだ。

 

この世のあらゆる病は、自然主義から遠ざかることで発生する。時間に追われること、自分を見失うこと、倫理にかき乱されること。人類はほとんどこういったものに辟易としているのだ。「Jerry's Song」は、現代人が思い出すべきもの、尊重すべきものが示唆されている。この曲は、開けた草原のような場所の空気、あるいは山岳地帯の星空の美しさを思い出させてくれる。

 

アルバムのクローズ「Swoop」も素晴らしい一曲。子供の頃にはよく知っていたが、年を経るにつれて、なぜか少しずつ忘れていくことがある。現代人は何を求めるべきなのか、そして私達が重要としているのは本当に大切なことなのだろうか。改めて再考する時期が来ているのである。

 

 

 

84/100