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Samiaは3rdアルバム『Bloodless』を発表した。本作は、4月25日にGrand Juryからリリースされる。

 

2022年の『Honey』に続くアルバムは、硬質なカントリーロックソング「Bovine Excision」を筆頭に構成されている。シンガーソングライターは、「自己抽出のメタファーとして、無血の牛の切除という現象に惹かれました」と説明する。

 

Samiaは、共同プロデューサーのCaleb Wright(キャレブ・ライト)とJake Luppen(ジェイク・ルペン)、そしてソングライティング・パートナーのChristian Lee Hutson(クリスティアン・リー・ハットソン)とRaffaela(ラフェエラ)と共にニュー・アルバムを制作した。"可能な限り何も与えない方が、誰かが望むものになりやすい "と彼女は振り返った。"私は、誰かの頭の中で私がなった人物のように生きたいという私の人生のパターンに気づいた。


「過去20年間、私は知らず知らずのうちに、男性という抽象的な概念と神への理解を混同して過ごしてきた」とサミアは付け加えた。

 

「この想像上の人物に感銘を与えるために私がなった人物は、今の私とは切り離せない。私の人格のかなりの部分は、観察であれ伝聞であれ、男性に好かれると信じていた特徴や行動を中心に構築されていた。このアルバムで、私はそのことに正面から向き合おうとした」



Samia 『Bloodless』


Tracklist:

1. Biscuits Intro

2. Bovine Excision

3. Hole In A Frame

4. Lizard

5. Dare

6. Fair Game

7. Spine Oil

8. Craziest Person

9. Sacred

10. Carousel

11. Proof

12. North Poles

13. Pants

 

Youth Lagoon

Youth Lagoon(ユース・ラグーン)がニューアルバム『Rarely Do I Dream』の制作を発表した。2023年に発表され、高評価を得た『Heaven Is A Junkyard』に続くアルバムとなる。

 

アイダホ州を拠点に活動するシンガーソングライター、トレヴァー・パワーズは、現実と空想を織り交ぜた音楽的な主題を落ち着いた陶酔感のあるインディーポップソングに落とし込む。ユース・ラグーンの曲は確かに男性シンガーとしての夢想的な感覚に充ちているが、それはむしろ現実的な視座を彼が欠かさないことによる。幻想性というのは現実性を直視することによってしか生み出されない。そして夢見ることもまた、現実性を見ることによって形作られる。

 

ユース・ラグーンはいつも何かを見つけるが、一般的な人々が見過ごしがちなものほど彼の目を惹く。彼はよく街や郊外を歩いているときに何かを見つけるが、今回はそうではなかった。

 

『Rarely Do I Dream』は、2023年に彼の実家で偶然見つけた彼の子供時代を記録した一連のVHSテープから生み出され、暗喩の働きをなした。「テープをながめていると、さまざまな思い出がよみがえってくる。自分の人生のテープを巻き戻せば巻き戻すほど、自分の魂の声が聞こえてくる」

 

「でも、これはノスタルジーではない。 人生はもっと複雑怪奇だ。 これは、私が誰であったか、私が誰であるか、そして私が誰であろうとしているかのすべての部分に捧げるものなんだ」


ニューシングル「Speed Freak」は、このアルバムから初めてリリースされる曲で、個人的な気づきの力強い瞬間に促された曲であり、彼の哲学的な思考、そして形而下の表現に支えられている。


「この曲は、死の天使を抱きしめてあげたいと思ったことから生まれた」とパワーズは言う。 私たちは一生をかけて、逃れられないものから逃げているのだと思う。この肉体は一時的なもので、実のところは死は存在しえない。 あるのは変容だけ。 一生をかけて築き上げたアイデンティティを手放すことを学んだとき、扉が開く。 数年前、ある人に言われたんだ。『いい知らせと悪い知らせがある。 悪いニュースは、トレバーが絶望的だということ。 トレバーに希望はない。 良いニュースは、君はトレバーではないということだ。 それを聞いて、ピンときたんだ」



 「Speed Freak」

 

 

 

Youth Lagoon 『Rarely Do I Dream』


 

Label: Fat Possum

Release: 2025年2月21日


Tracklist:

 Neighborhood Scene
 Speed Freak
 Football
 Gumshoe (Dracula From Arkansas)
 Seersucker
 Lucy Takes a Picture
 Perfect World
 My Beautiful Girl
 Canary
 Parking Lot
 Saturday Cowboy Matinee
 Home Movies (1989-1993)


Pre-order: https://youthlagoon.ffm.to/speedfreak

 


ブルックリンのシンガーソングライターのMei Semones(芽衣・シモネス)が最新EP、『Kabutomushi』、『Tukino』のLPヴァージョンのリリースを発表した。(海外盤の予約はこちら

 

さらに2025年のツアー・スケジュールも発表された。Hippo Campusのサポートとして1月28日から2月24日までツアーが開催される。ライブ日程については下記よりご覧ください。

 

さらに、今年11月、アーティストは来日公演を行ったほか、先月、シカゴのラジオ局”Audio Tree”のライブにも出演しています。バンドセッションで行われたライブ映像も合わせてご覧ください。(アーティストのQ&Aはこちら)

 

 

■ 2025 TOUR DATES

01/28 - Nashville, TN - Ryman Auditorium *
01/29 - Atlanta, GA - The Eastern *
02/05 - Asbury Park, NJ - The Stone Pony *
02/08 - Albany, NY - Empire Live *
02/09 - Toronto, ON - History *
02/11 - Detroit, MI - The Fillmore *
02/12 - Milwaukee, WI - Riverside Theater *
02/14 - St. Louis, MO - The Factory *
02/15 - La Vista, NE - The Astro Theater *
02/16 - Denver, CO - Mission Ballroom *
02/18 - San Diego, CA - The Sound *
02/20 - Los Angeles, CA - The Wiltern *
02/21 - Santa Ana, CA - The Observatory *
02/22 - Oakland, CA - Fox Theater *
02/24 - Salt Lake City, UT - The Union *



*supporting Hippo Campus

 

 

 

 Audio Tree Live

Yoshika Colwell・The Varnon Spring  『This Weather(E.P)』

 

Label: Blue Flowers Music

Release: 2024年12月6日



Review  エクペリメンタルポップのもう一つの可能性 

 

ロンドンをベースに活動するYoshika Colwell(ヨシカ・コールウェル)の新作『This Weather』はThe Vernon Spring(ヴァーノン・スプリング)が参加していることからも分かる通り、ピアノやエレクトロニクスを含めたコラージュ・サウンドが最大の魅力である。単発のシングルの延長線上にある全4曲というコンパクトな構成でありながら、センス抜群のポップソングを聴くことが出来る。

 

ヨシカ・コールウェルは、イギリスの伝統的なフォークサウンドから影響を受けており、同時にジョニ・ミッチェルに対するリスペクトを捧げている。例えば、ミッチェルの1971年の名作『Blue』のようなコンテンポラリーフォークの風味を今作に求めるのはお角違いと言える。しかしながら1970年代の西海岸の象徴的な音楽性、ジャズシーンでも高い評価を受けた名歌手の影響をコールウェルのボーカルに見出したとしても、それは気のせいではない(と思う)。


それに加えて、ポスト・クラシカルともエレクトロニックとも異なるヴァーノン・スプリングの制作への参加は、このささやかなミニアルバムにコラージュサウンドの妙味を与えている。Bon Iver以降の編集的なポップスであるが、その基底には北欧のフォークトロニカからのフィードバックも捉えられるに違いあるまい。また、感の鋭いリスナーはLaura  Marling(ローラ・マーリング)のソングライティング、最新作『Patterns In Repeat』との共通点も発見するかもしれない。


EPの収録曲に顕著なのは、エレクトロニカとフォークトロニカのハイブリッドであるフォークトロニカをポップネスとして落とし込むという点である。オープニングを飾る「No Ideology」を聴くと分かる通り、グロッケンシュピール等のオーケストラの打楽器をサンプリング的に配し、ジャズ的な遊び心のあるピアノの短い録音をいくつも重ね合わせ、コラージュサウンドを組み上げていく。聴いているだけで心が和みそうなサウンドの融和は、コンテンポラリーフォークを吸収したヨシカ・コールウェルのボーカルと巧みに折り合っている。現代的な「ポップスの抽象化」(旋律や和音、そして全般的な楽曲の構成の側面に共通している)という観点を踏まえ、自然味に溢れ、和らいだポピュラーワールドが構築されていく。そして、ピアノの演奏の複数の録音やグロッケンシュピールの音色が、アンビバレント(抽象的)なボーカルと重なりあうとき、曲のイントロからは想像だにしないような神秘的なサウンドが生み出される。ここには構築美というべきか、音を丹念に積み上げることによって、アンビエント風のポップスが完成していく。この曲は近年の実験的なポップスの一つの完成形でもあるだろう。



ヴァーノン・スプリングのエレクトロニカ風のサウンドは次の曲に力強く反映されている。「Give Me Something」は前の曲に比べると、ダンサンブルなビートが強調されている。つまり、チャーチズのようなサウンドとIDMを融合させたポピュラー・ミュージックである。この曲ではイギリスのフォーク・ミュージックからの影響を基にして、エレクトロニカとしてのコラージュ・サウンドに挑んでいる。Rolandなどの機材から抽出したような分厚いビートが表面的なフォークサウンドと鋭い対比を描きながら、一曲目と同じように、グロッケンシュピール、ボーカルの断片が所狭しと曲の中を動き回るという、かなり遊び心に富んだサウンドを楽しめる。また、サウンドには民族音楽からのフィードバックもあり、電子機器で出力されるタブラの癒やしに満ちた音色がアンビバレントなサウンドからぼんやり立ち上ってくる。色彩的なサウンドというのは語弊があるかもしれないが、多彩なジャンルを内包させたサウンドは新鮮味にあふれている。ボーカルも魅力的であり、主張性を控えた和らいだ印象を付与している。

 

「Your Mother’s Birthday」はローラ・マーリングとの共通点が見いだせる。クラシックを基にしたピアノ、そしてエレクトロニカを踏襲したシンセ、そしてボーカルが見事に融合し、上品さにあふれる美しい音像が組み上げられていく。結局のところ、この曲を聞くかぎり、2020年代の音楽においては、北欧のエレクトロニカもポスト・クラシカルも旧来のフォークやポップスと影響を互いに及ぼしながら、新しいポップスの形として組み込まれつつあるのを実感せざるを得ない。こういったサウンドは、今後、主流のポピュラーの重要な基盤を担う可能性もありそうだ。そして楽曲は、旋律の側面においても、構成的な側面においても、緩やかな波を描きながら、曲の後半では、ドラマティックな瞬間を迎え、そしてアウトロにかけてクールダウンしていく。この曲には、即効性や瞬間性とは異なるオルトポップの醍醐味が提示されている。

 

EPのクローズも個性的なサウンドを楽しめる。この曲は、EDMとネオソウルのハイブリッドサウンドをイントロで強調した後、意外な展開を辿る。エレクトリック・ピアノを背景の伴奏として、ドラマティックなポピュラーミュージックへ転変していく。一曲目と同じように、最初のモチーフは長い時間を反映しているかのように少しずつ形を変え、植物がすくすくと葉を伸ばし成長していくように、ダイナミックでドラマティックな変遷を辿る。いわば最初のモチーフから曲が成長したり、膨らんでいくようなイメージがある。つまり、制作者のイマジネーションによって、民族音楽の打楽器をボーカルの背景に配し、エキゾチックなサウンドを強調させるのである。最終的には種にすぎないモチーフが花開くような神秘的な瞬間は圧巻と言える。


エクスペリメンタルポップは、近年においては、電子音楽やメタルのような音楽を吸収し、次世代のサウンドへ成長していったが、いまだクロスオーバーの余地が残されていることに意外性を覚える。もしかすると、クラシック/民族音楽/ジャズというのが今後の重要なファクターとなりそうだ。

 

 

82/100

 

 


©Michael Schmelling


デイモン・マクマホンは、自身のプロジェクト「Amen Dunes」の活動終了を発表した。この彼は今年リリースされた『Death Jokes』から曲を削ぎ落としたリミックス・アルバム『Death Jokes II』をプロデューサーのクレイグ・シルヴェイと共にリリースする。ストリーミングは以下から。


「これは最終巻の最終章だ」とマクマホンはプレスリリースで説明している。「さようなら、ほとんど一言も話していないけど、パーティーではいつもそう。私たちが死んだら、もっとうまくいくことを祈りましょう」


アーメン・デューンズは2006年、ニューヨーク州北部のトレーラーで8トラック・レコーダーで録音したアルバム『D.I.A.』で設立された。そこから成長し、マクマホンは過去18年間に6枚のフルアルバムと2枚のEPをリリースした。今日、彼は7作目にして最後のアルバム『Death Jokes II』をリリースする。これは、2024年5月のサブ・ポップ・デビュー作『Death Jokes』の再編集版である。

 

「Ian (Goodbye)」

 

 

NPR Musicに「異なる方向への大胆な転換」、Stereogumに「マクマホンの芸術的な才能の証」、GQに「しばしば、その素晴らしさと同じくらい困惑させられる音楽作品群」と評された『Death Jokes』は、アーメン・デューンズのこれまでの作品とは大きく異なるもので、マクマホンが幼少期から親しんできたエレクトロニック・ミュージックに没頭する野心的なアルバムだ。



デス・ジョークス』は、完成までに4年近くを要した複雑なプロジェクトで、2021年6月にロサンゼルスの有名なイースト・ウェスト・スタジオ(「ペット・サウンズ」とお化け屋敷のような「ホイットニー・ヒューストン」の部屋)で、マネー・マーク(ビースティ・ボーイズ)をキーボードに、ジム・ケルトナー(ボブ・ディラン他)とカーラ・アザー(オートラックス)をドラムに迎えて録音された別バージョンを含む、様々な反復が行われた。



このアルバムを『Death Jokes II』として再構築するにあたり、マクマホンはクレイグ・シルヴィーによる楽曲のストリップダウン・リミックスのために、すべての素材を再検討した。

 

これらの新しいミックスには、『Death Jokes』の著名な貢献者であるパノラム、クウェイク・ベース(ディーン・ブラント、MF DOOM)、クリストファー・バーグ(フィーバー・レイ)、ロビー・リーの未発表曲も含まれている。

 



Amen Dunes 『Death Jokes II』

 


Tracklist

1. Ian (Sunriser)

2. What I Want (Night Driver)

3. Exodus (Do It)

4. Rugby Child (300 Miles Per Hour)

5. Purple Land (In The Springs)

6. Mary Anne (Senigallia)

7. Italy Pop Punk

8. I Don’t Mind (Q Loop)

9. Round the World (Down South)

10. Ian (Goodbye)


Listen/ Streaming: https://music.subpop.com/amendunes_deathjokesii


Casino Heartsがニューシングル「Ice In Mouth」を発表した。リノで結成され、LAを拠点に活動するこのプロジェクトは、歪んだデジタリズムとポップ・メロディーの分断されたテイストを融合させ、熱狂的にユニークなアプローチで世界を構築している。(ストリーミングはこちら

 

デビューEP「Lose Your Halo」は今年の八月にリリースされ、その後リミックスもリリースされた。2024年を華々しく締めくくるカジノ・ハーツは、あざやかなニュー・シングルを公開した。

 

「Ice In Mouth」は、トリオが気温の急降下を受け入れているのがわかる。セイラムを彷彿とさせるこの曲には、ゴシックな雰囲気が漂い、傷ついたロマンチシズムが黒く染め上げられている。

 

このシングルについて、フォレストはこう語っている。 「Ice In Mouthは、去年の冬の吹雪の中で恋に落ちた後に書いた」


「Ice In Mouth」