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 11月の注目のリリース

 

・ 11月4日発売

 

Ezra Collective  「Where I'm Meant To Be」

 


南ロンドンを中心とする、近年盛り上がりを見せるUKジャズ・シーンのキーマンである鍵盤奏者、ジョー・アモーン・ジョンズ(Joe Armon-Jones)擁する5人組、エズラ・コレクティヴ。

 

エズラ・コレクティブはUKのジャズシーンを牽引する存在であり、アフロ・ビート、レゲエ、ヒップホップ、UKグライム、さらには民族音楽と実に多彩な音楽性を取り入れたグループです。

 

「Where I'm Meant To Be」はNinja Tuneから第一週に発売される。先行シングル「Ego Killah」Sampa The Greatをゲストに迎えた「Life Goes On」、「Victory Dance」を公開しています。


 

First Aid Kit 「Palomino」

 


スウェーデン/ストックホルムのヨハン、クララ・ソダーバーグ姉妹からなるフォークデュオはすでにデビューから12年が経過している。Youtubeに投稿した動画がデビューへのきっかけとなった。その後、スウェーデン国内のチャート一位を確立、アメリカやイギリス、日本でもその名を知られるようになった。牧歌的なフォークミュージックとポップスの色合いを兼ね備えています。

 

ファースト・エイド・キットの四年ぶりの新作『Palomino』 はコロンビアから発売される。スウェーデン人プロデューサーの Daniel Bengtson と一緒に、ストックホルムにあるスタジオ Studio Rymden でレコーディングが行われた作品となる。新作アルバムの先行シングルとして「A Feeling That Never Come」「Turn Onto You」「Out Of My Head」が公開されています。

 

 

Phoenix 「Alpha Zulu」

 


パリ近郊のヴェルサイユで幼馴染を中心に結成されたフェニックス。2000年デビュー・アルバム『UNITED』を発表し、ロックやソウルをエレクトロニクスを絶妙に融合させたポップ・サウンドが話題となった。エールやダフト・パンクと並び新世代パリ・シーンを代表するバンドとして一躍有名となる。
 

2009年に4作目のアルバムとしてリリースした『WOLFGANG AMADEUS PHOENIX』は、第52回グラミー賞で「最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム」を受賞、これはフレンチ・アーティストによる初の受賞だったこともあり、大きな話題となって世界的な人気を確立した。2013年、2017年とコンスタントにアルバムリリース、ここ日本にもフェスや単独で複数回来日公演を行っている。

 

 フェニックスは、2020年のCOVID-19パンデミック時に、パリのルーヴル宮殿内にある装飾美術館のスタジオでアルバム『Alpha Zulu』のレコーディングを開始した。ローラン・ブランコウィッツは、誰もいない美術館で「何もないところから何かを生み出すのは素晴らしい冒険だと感じた」と語っている。

 

クリスチャン・マザライは、ルーブル美術館のように、「美しすぎる」ものに囲まれながら何かを作るという懸念にもかかわらず、「音楽制作を止めることができなかった」し、最初の10日間で『Alpha Zulu』のほとんどすべてを書き上げたと述べる。 本作は、2019年に亡くなったバンドCassiusのフィリップ・ズダールからインスピレーションを受けている。先行シングルとして「Tonight」「Winter Solstice」が公開されています。

 

 

 

11月11日発売

 

 

・Bruce Springsteen 「Only The Strong Survive」

 


 

BOSS!!  USロックの源流を作り上げた第一人者ともいえるブルース・スプリングスティーン。長いキャリアの通算21作目となる最新作「Only The Strong Survive」は、コロンビアレコードから発売されます。新作はモータウン、ギャンブル&ハフ、スタックスなど伝説的なカタログからの珠玉のソウル・ミュージックを称えるものになる。

 

 ブルース・スプリングスティーンは「Only The Strong Survive」について次のようにコメントしている。

 

「ただ歌うだけのアルバムを作りたかったんだ。60年代と70年代の偉大なアメリカン・ソングブックより素晴らしい音楽なんてあるだろうか? リーヴァイ・スタッブス、デヴィッド・ラフィン、ジミー・ラフィン、アイスマン・ジェリー・バトラー、ダイアナ・ロス、ドビー・グレイ、スコット・ウォーカーなど、多くの人からインスピレーションを得たんだ。彼ら全員と、この輝かしい音楽の素晴らしい作曲家たちに対して正義を貫こうと思った。私が初めて聴いたときからそうであったように、現代の聴衆にもその美しさと喜びを体験してもらうことが私の目標だ。私がこの作品を作るのを愛したように、みんなにもこれらの曲を聴いて気に入ってもらえるといいな」

 

テンプテーションズ「雨に願いを」、シュープリームス「またいつの日にか」、ウォーカーブラザース「太陽はもう輝かない」、ベン・E・キング「ドント・プレイ・ザット・ソング」他、ブルース・スプリングスティーンが青春時代に聴いていた極上のスウィート・ソウル・ミュージックの数々を15曲収録。

 

Eストリート・ホーンズや、ゲスト・ヴォーカルとしてサム・ムーア、バッキング・ヴォーカルとしてスージー・タイレル、リサ・ローウェル、ミシェル・ムーア、カーティス・キングJr.、フォンジー・ソーントン、デニス・コリンズが参加。フル・ストリング・アレンジはロブ・マテス。ニュージャージー州のThrill Hill Recordingで録音され、ロン・アニエッロがプロデュース、ロブ・リブレットがエンジニア、ジョン・ランダウがエグゼクティブプロデューサーを務めている。

 

新作アルバム「Only The Strong Survive」の先行シングルとして「Don't Play That」「Nightshift」「Do I Love You(Indeed I Do)」が公開されています。

 

 

Gold Panda 「The Work」

 



ロンドン出身のエレクトロ・プロデューサー、Gold PandaことDerwin Dicker(ダーウィン・ディッカー)の待望の4thフルアルバム「The Work」。

 

このアルバムのタイトルは、彼が6年の歳月をかけて制作したレコードを文字通りに表現していると同時に、より深く掘り下げると、彼が今この場所に辿り着くまでの経緯も同じように反映されているという、興味深いものとなっている。


「”The Work”は、私のセラピーでよく使われているもので、セルフケアやメンタルヘルスに関する本でもよく耳にする言葉です。私はセラピー、ランニング、ピラティス、そしてオステオパスを実践してきました」という。しかし、ここ数年は「セルフケアと、自分のどこが悪いのか、なぜ落ち込んでいるのかを知るために自分自身に働きかけること」がこのアルバム制作の主な目的だったと、より簡潔に語っている。

 

アルバムの先行シングルとして「I've Felt Better」「The Corner」「The Dream」が公開されています。 


 

 Hyd 「Clearing」

 


 Hayden Dunham(ヘイデン・ダナム)のソロプロジェクトであるHydはデビュー・アルバム「Clearing」をPC Musicからリリースする。HYDは、A. G. CookとSOPHIEによるプロデュースで、2014年に唯一のシングル「Hey QT」をリリースしている。いわゆる、新時代のベッドルームポップとハイパーポップシーンの中間点に位置づけられるようなアーティストといえそうだ。

 

デビュー・アルバム『Clearing」はCAROLINE POLACHEKがプロデュースを手掛けている、ゲストにはSOPHIE、EASYFUN、A. G. COOK、JONSI(SIGUR ROS)が参加している。先行シングルとして「Breaking Ground」「So Clear」「Fallen Angel」が公開されています。


 

11月18日発売

 

Brockhampton  「The Family」

 


 

BROCKHAMPTONは彼らの最後のアルバム『The Family』を11月17日にリリースする。プロジェクトの2つのティーザーを公開している。

 

「I Miss the Band Already」と題された映像ではSaturationのセッションからCoachellaでの最後のパフォーマンスまで、彼らの歴史を切り取っている。また、3種類の限定ボックスセットの予約も開始された。

 

2021年、Kevin Abstract は「2021年に2枚のアルバムをリリースする。これが我々の最後のアルバムになるだろう」と発表した。しかし、実際にリリースされたアルバムは『ROADRUNNER: NEW LIGHT, NEW MACHINE』の1作のみだった。今年1月には無期限の活動休止を発表し、Coachellaで最後の1作を予告していた。『The Family』がその言葉を証明するものとなっている。

 

 

 

Caitlin Rose 「CAZIMI」

 


ナッシュビルのシンガーソングライター、ケイトリン・ローズは新作アルバム『CAZIMI」のリリースを間近に控えている。2010年8月にファーストアルバム『Own Side Now』をNames Recordsからリリース。

 

彼女のボーカルパフォーマンスと歌詞は、ロレッタ・リン、パッツィ・クライン、アイリス・デメントと比較された。Time誌は『Own Side Now』を2011年のトップ10アルバムに選出、7位に選んでいる。

 

この2ndアルバムにおいて、ケイトリン・ローズは、自らの性癖や衝動のコントロール、人生や恋愛における悪い癖を記録した自己破壊の歌を歌っている。彼女はこの作品においてニューウェーブの影響とポップなスタイル、そして、ナッシュビル・ロック・シーンの主役となったメランコリックなフォークソングライティングを融合させている。


新作アルバム『CAZIMI』の先行シングルとして「Nobody's Sweetheart」「Black Obsidian」が公開されています。


 

Weyes Blood 「And In The Darkness, Hearts Aglow」

 


ワイズ・ブラッドことナタリー・メーリングの新作。ジョナサン・ラドーとの共同プロデュースによる4枚目のアルバム「And In The Darkness, Hearts Aglow」をSub Popからリリースする。


このアルバムは、2019年に発表された『Titanic Rising』に続く作品となる。『Titanic Rising』は、The AV Club、Pitchfork、NPR Music、Stereogum、Brooklyn Vegan、Under the Radar、Uproxx等、100以上のメディアにより、年間ベスト・アルバムの1枚に選出され、All Music、The AV Club、Aquarium Drunkard、Pitchfork、PASTE、Uproxxはベスト・オブ・ザ・ディケイドの称号を同作に与えている。

 

収録される全10曲はWeyes BloodことNatalie Meringにより書かれ、MeringとRodaidh McDonaldによる「A Given Thing」以外の曲は、MeringとJonathan Radoがアルバム・プロダクションを担当している。ミックスは”Studio 101でKenny Gilmoreによって行われ、マスタリングはThe LodgeでEmily LazarとChris Allgoodが手掛けた。また、Meg Duffy、Daniel Lopatin、Mary Lattimoreがゲスト参加している。


ワイズ・ブラッドの特別な3部作の1作目であった『Titanic Rising』は、来たるべき破滅の観察であったのに対し、『And In The Darkness, Hearts Aglow』では、その渦中にいること、つまり、アルゴリズムとイデオロギーの混沌から我々を解放するための脱出のハッチが探求されている。

 

 

11月25日発売

 

Stormzy 「This Is What I Mean」

 



 

英ラップシーンのアイコンともいえるストームジー。ストームジーとして知られマイケル・エベニーザー・クワジョ・オマリ・オウオ・ジュニアは、英国のラッパー、シンガーソングライター。 2014年、彼はクラシックなグライムビートを超えたフリースタイルのウィキッドスケンマンシリーズを通じて、英国のアンダーグラウンドミュージックシーンで耳目を集めることに成功した。


英国のみならず世界の音楽シーンにおいて最も優れたラッパー、ミュージシャンの1人であり、カルチャー・アイコンでとしても知られるストームジーにとって3作目のスタジオ・アルバムとなるこの新作「This Is What I Mean」は、ソウル、ヒップホップなど様々なジャンルのエッセンスを見事に凝縮した、紛れもなくモダン・クラシックと呼ぶにふさわしい作品に仕上がっている。

 

前作『Gang Signs & Prayer』と『Heavy Is The Head』から大胆かつ勇敢な飛躍を遂げ、弱さ、後悔、儚さ、癒し、喜び、勝利など、パーソナルなテーマを突き詰め歌詞にした本作は、単にポップ・チャートのための音楽ではなく、むしろ音楽への親密なラブレターと言えるだろう。

 

新作アルバム『This Is What I Mean』の先行シングルとして、「Hide&Seek」が公開されています。

 


 

※次回のMonthly Music Report、12月号は新作のリリースが少ないため、休載します。




 皆様、いかがお過ごしでしょう? 早いもので10月になり、今年も残すところ、あと3ヶ月となりました。さて、今回も、今月発売される注目のアルバムを以下に取り上げていきましょう。もちろん、すべての注目作品をご紹介出来るわけではありませんが、以下に、選りすぐりのチョイスを読者の皆様にお届け致します。ぜひ、良盤を探す際の助力となればこの上ない喜びです。

 

 

・10月7日発売


Alvveys 『Blue Rev』

 


カナダのインディーロックバンド、オールウェイズは、2014年のデビュー作「Alvveys」は全米大学チャートで一位を獲得し、鮮烈なデビューを飾った。続く2017年に発売された2ndアルバム「Antisocialities」はジュノー賞の最優秀オルタナティヴ・アルバム部門で受賞、さらにカナダ国内最大の音楽賞、ポラリス音楽賞で最終候補作となった。続く三作目のアルバムで、オールウェイズは、いよいよ世界的なインディーロックバンドとして注目される可能性もある。

 

3作目のアルバムの先行シングルとして、「Pharmacist」「Easy On Yoru Own?」「Very Online Guy」「Belinda Says」を公開している。モダンな雰囲気を持つポピュラー性とインディーロック性が見事な融合に挑戦する。このアルバムはオールウェイズにとっての飛躍作となりそうな予感もある。


 


Disq『Desperately Imagining Someplace Quiet』

 


USオルタナティヴの新星と称される、ウィスコンシン州マディソンのインディーロックバンド、DisqはギタリストのIsaac DeBroux-Slone とベーシストのRaina Bockの友情の延長線上に結成されている。

 

2020年にデビュー。アルバム『Collector』をSaddle Creekからリリースし、話題を呼んだ。

 

続く、二作目となる『Desperately Imagining Someplace Quiet』において、ヒップホップとデルタブルースを、中西部のエモ、スコットランドのパワーポップ、彼らにとっての「クラシック・ロック」として機能するオール・アメリカン・インディーに置き換えようと試みている。Beckの最盛期を彷彿とさせるロックサウンドとなっている。先行シングルとして「Cujio Kiddies」「If Only」「(With Respect To)Royal Serfs」「The Hardest Part」が公開されている。


 

 


Sorry 『Anywhere But Here』

 


 ロンドンの北西部カムデンを拠点とするロックバンド、Sorryはあまりに多彩なサウンドを擁するため、カテゴライズ不可能のバンドとも称される場合もある。幼少期からの親友、アーシャ・ローレンツ、ルイス・オブライエンの2人によって結成され、現在はドラマーのリンカーン・バレット、マルチ・インストゥルメンタリストのキャンベル・バウム、エレクトロニクス奏者のマルコ・ピニを加えた体制で活動を行う。デビュー・アルバム「925」は高い評価を獲得している。

 

この2020年のデビュー作に続く2ndアルバム『Anywhere But Here』はDominoから発売される。 There's So Many バンドのアーシャ・ローレンツ、ルイス・オブライエン、そしてブリストルよりポーティスヘッドのメンバー、エイドリアン・アトリーと同じくブリストルのアリ・チャントがプロデュースを手がけている。先行シングルとして「There's So Many People That We Want To Love」「Let The Lights On」「Key To The City」が公開されています。



・10月14日発売

 

 


Alaskalaska 『Still Life』

 


毎回、シングルリリースのたび、個性的なアーティスト写真で楽しませてくれるアートポップデュオ、アラスカラスカ。ヒップホップ、パンク、エレクトロニカ、多彩な音楽文化を持つ魅力的な音楽シーン、イギリスの最新鋭のシーンの一つ、サウスロンドンから台頭したエレクトロポップ・デュオです。

 

Marathon Artistsから10月にリリースされる 最新作『Still Life』では、その印象に違わず、個性的でユニークで、可愛らしさのあるポップサウンドを追求しています。シンプルなシンセ・ポップを基調としたサウンドで、そこにふんわりとしたボーカルが絶妙な合致を果たしており、北欧フォークトロニカのような実験的な雰囲気も持ち合わせています。すでに新作アルバムの先行シングルとして「TV Dinner」「Still Life」「Growing Up Pains」が公開されています。

 

 


Brian Eno  『ForeverAndEverNoMore』

 


今年の夏、日本の京都で、映像と音楽を劇的に融合したインスタレーション展を開催したアンビエントの始祖、ブライアン・イーノ。この展覧会は好評を博し、会期が延長されたほどでした。

 

10月にリリースされるアルバム 『ForeverAndEverNoMore』は、近年のブライアン・イーノの作品としては珍しく、ボーカルトラックに挑んだアルバムとなります。また先行シングルとして公開されている「We Let It In」では、イーノの実娘がボーカルに参加しています。このシングルを聴くかぎりでは、アンビエントとポップスを融合した聴き応えのある作品となりそうです。

 

 


The 1975 『Being Funny In A Foreign Language』

 


 

マンチェスター出身のマシュー・ヒーリー率いるロックバンド、The 1975。来年に単独来日ツアーを発表している。ダンサンブルなリズムを交えた親しみやすいロックバンドで、洋楽慣れしていない方にもお勧めです。米・ピッチフォーク誌でもアーティスト特集が組まれており、今後、イギリスにとどまらず、その影響力を米国のミュージックシーンまで拡大していきそうな気配もある。

 

日本国内では、すでに今年開催されたサマーソニックでの公演が大好評で、着実にファン層の裾野を広げつつあるように感じられる。最新シングル「All I Need To Hear」を聴くかぎりでは、『Being Funny In A Foreign Language』は一筋縄ではいかない、なかなか手ごわいアルバムとなりそうですよ。

 

 


・10月21日発売

 


 

Dry Cleaning 『Stumpwork』

 


 

4ADが大きな期待を持って送り出すイギリスの気鋭インディーロックバンド、ドライ・クリーニング。ソニック・ユースの最盛期の音楽性を彷彿とさせるエッジの効いたギターリフ、ナチュラルかつクールなボーカルが融合したいかにもこのレーベルらしいアーティストの登場です。すでにアルバム『Stumpwork』の先行シングルとして「Don't Pass Me」「Anna Calls From The Arctic」「Gary Ashby」が公開されています。インディーロック旋風を巻き起こせるかに注目です。

 

 


Frankie Cosmos  『Inner World Peace』

 


ニューヨークのインディーロックバンド、フランキー・コスモスの最新作『Inner World Peace』は、シアトルの名門レーベル、サブ・ポップからリリースされます。このバンドは、1990年代のUSインディーロックの温和なサウンドを引き継ぎ、それをどのようにモダンなロックサウンドとして提示するのか模索している様子が窺えます。また、フランキー・コスモスの音楽性は、Throwing Musesをほのかに彷彿とさせる。

 

しかし、そのインディーロックのフリーク好みのスタイルは、やはり現代的な質感に彩られている。アルバム『Inner World Peace』のタイトルには、何か奥深い意味が隠されているような気もします。先行シングルとして「One Year Stand」「Aftershock」「F.O.O.F」が公開されています。

 



Arctic Monkeys 『The Car』

 


シェフィールドのロックバンド、アークティック・モンキーズの最新作『The Car」はおそらく今年のリリースの中でも多くのファンが待望していたはずです。

 

このアルバムは、あえて最新鋭のレコーディング技術を駆使するのではなく、1970年のアナログ式の録音技術を取り入れています。ザ・ビートルズやZEPのようにクラシックなブリティッシュ・ロックに回帰したような作品となる可能性もある「The Car』のレコーディングはイギリスの田舎地方の屋敷を借りて行われたという。

 

すでに、先行シングルとして、「There's Be a Mirrorball」「Bodypaint」が公開されています。前作「Tranquility Base Hotel &Casino』の作風を踏まえつつ、「Only Ones You Know」のブリティッシュバラードの新たな世界を探究している。フロントマンのアレックスターナーが最近よく聴いているというセルジュ・ゲンスブールのような哀愁を漂わせつつ、モータウンのR&Bサウンドの伝統性を受け継いだ、かなり渋いスタジオアルバムとなりそうです。

 

 



Loyle Carner『Hugo』

 



サウスロンドンのラップシーンを牽引するロイル・カーナーは、ラップ、ジャズ、ソウル、様々な音楽性を融合させ、内的な感情をスポークンワードに込め、それをメッセージとしてラップとして昇華するミュージシャン。ロイル・カーナーは、すでに「Yesterday's Gone」「Not Waving,But Drawing」に二作のアルバムをリリースし、着実にスターとしての階段を登りつつある。

 

ファン待望の三作目のスタジオ・アルバム『Hugo』では、より大きなテーマが掲げられています。これまでカーナー自身が書くのをためらってきた、黒人として英国社会に生きることを、主な主題として取り上げています。新作アルバムの先行シングルとして「Hate」「Nobody Knows」が公開されている。ラップ・アーティストとしての個人と社会をつなぐメッセージがどのような形でこの作品に現れるのかに注目です。

 


 

・10月28日発売 




Benjamin Clementine 『And I Have Been』

 


 

マーキュリー賞にノミネートされ、話題を呼んだシンガーソングライターの最新作。そのクールな佇まいからは、圧倒的なオーラが醸し出されている。

 

おそらくダークホースが現れなければ、この週はこの作品が最も注目すべきアルバムとなりそうです。このレコードは、パンデミック中に作られ、UKのアーティストの長期にわたる内省的な期間から生まれた作品です。ベンジャミン・クレメンタインは、このアルバムを最後にアーティスト活動を終了させることを発表しています。どのような作品になるのか楽しみにしたいところです。









・9月9日発売のニューアルバム

 

Jock Strap  「I Love You Jennifer B」

 


新たに2021年にラフ・トレードと契約を交わしたロンドンのデュオ、ジョック・ストラップ。Georgia ElleryとTaylor Skyeは、ロンドンのギルドホール音楽演劇学校で出会い、その後2016年にJockstrapを結成する。ベル・アンド・セバスチャンの初期のように、素朴な味わいのあるインディーポップサウンドを特徴とします。

 

このアルバム「I Love You Jennifer B」は彼らにとって記念すべきデビュー作となります。既に先行シングルとして「50/50」「Concrete Over Water」の二曲が公開されている。演劇を学校時代に学んだ二人組による新時代のオルタナティヴポップ作がどのような内容になるのか注目したいところです。



Ozzy Osbourne  「Patient Number 9」

 


 

難病パーキンソン病から大手術により奇跡的な回復を見せたメタルレジェンド、オジー・オズボーンの最新作。

 

アルバムのレコーディングゲストには、ブラック・サバス時代の盟友トニー・アイオミ、ザック・ワイルド、ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、錚々たるギタリストが参加。既に公開されているタイトルトラック「Patient Number 9」「Degradation Rules」の2つのシングルを聴くかぎりでは、サバス時代の原点に回帰したかのような芯の太いハードロックサウンド。「来年には必ずツアーに戻る」と勇猛果敢に宣言するオズボーンの最新作は新旧の全世界メタルファンが待ち望むものとなるはずです。



Son Little  「Like Neptune」

 


 

オルタナティヴなR&Bを掲げてフィラデルフィアに彗星のごとく登場したサン・リトル。2015年から三作のフルアルバムをリリースしている。最新作「Like Neptune」は、サンリトルが少年時代にうけた心の傷を癒やすため、アイデンティティを探る作品となっています。先行シングル「inside out」がリリースされているが、これはクラシック・ソウルとモダンソウルを架橋するような楽曲で、ブルージーな雰囲気も漂う一方、チルアウトのような安らぎも込められる。

 

新作アルバムの先行シングルとして「deeper/stoned love」「6AM」「Inside out」の三曲が公開されている。これらの曲では艶のあるサンリトルのボーカルから分かる通り、クラシカルなソウルミュージックへのリスペクトが込められている。新時代のR&Bシーンを牽引するような存在となるか、R&Bファンにとって「Like Neptune」は重要な意義を持つ作品となるでしょう。

 

 

 

・9月16日発売のニューアルバム


Death Cub For Cutie 「Asphalt Meadows」

 


 

USインディー/オルタナティヴの象徴的なロックバンド、ベンジャミン・ギバード率いるデス・キャブ・フォー・キューティー。

 

これまで、彼らは2000年代始めから「Transatlantism」を中心に良質なリリースを続けてきたが、今作もまたインディーロックの金字塔となりそうな作品のひとつです。「Roman Candle」「Here To Forever」「Foxglove Through The Clearcut」と3つの先行シングルが公開されています。上記のシングルでは、00年代のUSインディーロックに音楽性の重点を置きながら、よりアリーナロックバンドとしての風格を感じさせます。これは現在もバンドとしての成長を遂げている証拠でもあるのでしょう。

 

 


Rina Sawayama 「Hold The Girl」

 


 

サマーソニックで来日公演を果たしたロンドンを拠点に活動するシンガー、リナ・サワヤマ。The 1975の所属するダーティー・ヒットと契約を結んで第一作(実質的には『Sawayama』以来の2ndアルバム)となる。

 

現時点では、先行シングルとして「This Hell」「Catch Me In The Air」「Hold The Girl」「Phantom」が公開されている。既に先行シングルだけでも大きな期待を感じさせるものとなっており、ポピュラー・ソングとしてクオリティがきわめて高いものとなっています。

 

センセーショナルなアルバムアートワーク、アーティスト写真、Instagramのインフルエンサーとしての底力がシンガーとして実作にどのように現れるのか。次世代のレディー・ガガとも称されるロンドンのシンガーの最新作「Hold The Girl」はポピュラーミュージックの潮流を変えるものになるでしょうか。



Mars Volta  「Mars Volta」

 


 

10年ぶりの長い眠りから覚めたマーズ・ヴォルタ。彼らの再結成は、ファンにとっては「百年の眠り」にも思えたはずです。

 

最初期にはサイケデリックなハードロックをリリースしていたマーズ・ヴォルタではありますが、LAでのアルバム発表とともに公開された先行シングル「Blacklight Shine」ではラテンミュージックやソウルの影響をロックソングとして落とし込んでいる。バンド名をアルバムのタイトルに持ってきたことからも分かる通り、バンドがこの新作を記念碑的なアルバムとして位置づけているように思える。ファンとしてもこのアルバムが重要な作品となることを願うばかり。



・9月23日発売のニューアルバム

 


Alex G 「God Saves the Animals」

 


 

 

この週にリリースが予定されているのは、今後スターになる可能性を秘めた複数のアーティストの作品で、その筆頭格として挙げられるのがアレックス・GのGod Saves the Animals」となる。先行シングルとして「Blessing」「Runner」「Cross The Sea」がリリースされています。

 

アレックス・Gの音楽性はマニアックなインディーロックとして位置づけられるが、これらのシングルにおいてもその点に大きな差異はないように思えます。ただ、以上の先行シングルを聞くかぎりでは、ポップス、インディーロック、オルタナティヴフォークと3つの楽曲の中でバリエーションを感じさせる流れが形作されている。これらの多彩で芯の強い性質を持った楽曲が、他の収録曲にも複数見られるようであれば、この新作「God Save The Animals」は聴き応え十分のものになるだろうし、スマッシュヒットを記録する作品となる可能性も高い。



Maya Howke 「Moss」

 


 

マヤ・ホークは女優としても活躍する米国のシンガーソングライター、 今後知名度が上がっていきそうな気配もありそうです。この最新作「Moss」は2020年のデビュー・アルバムに続く2ndアルバムとなる。

 

「Therese」「Sweet Tooth」といった先行シングルでは、自然味あふれる北欧のフォークトロニカに近い童話的なフォーク・ミュージックを展開している。上記の二曲を聞くかぎりでは、良作以上の作品が期待出来るが、これらの穏やかな雰囲気を擁す牧歌的なフォーク音楽に加え、強烈なキャラクターを持つ名曲が収録されているのかがこのアルバムの完成度を占うものとなる。 米国のモダン・フォークミュージックの潮流を変えるような作品になるかに注目です。




Bjork「fossora」

 


アイスランドの世界的なシンガーソングライター、ビョークの最新作「Fossora」は、当初、英国の新聞The Gurdianの記事でアルバムのリリースが公表された。当初、ガーディアンの記者はこのアルバムの中に東洋的なエキゾチックな要素が込められていると説明していた記憶がある。

 

その後、ビョーク自身もこの新作アルバムについて、ポッドキャストを通じて言及を行いましたが、1つ言えることはアルバムの詳しい内容はまったく分からないということ。現時点では、先行シングルが発表されていないが、明日にリードシングルが発表されるとのことなので楽しみに待ちたい。刺繍やテキスタイルなど独特な観点から、このアルバムの音楽性を組み上げていった、と話すビョークですが、実際の音楽性がどのようなものになるか、全然読めないという点では、今月発売されるアルバムの中で、最もミステリアスな雰囲気に包まれています。予感としては、アーティスト写真に象徴されるカラフルな作品となるのではないでしょうか。



Pixies 「Doggerel」

 


今年末に来日公演を控えている偉大なオルタナティヴ・ロックバンド、ピクシーズもこの週にアルバムの発売を予定しています。

 

ちょうど、ロシア軍のウクライナ侵攻とリンクするような形で単独のシングル「Human Crime」がリリースされているのはなんらかの因果があってのことなのか。少なくとも、この後、発表された新作アルバム収録の二曲のプレビューシングルを聴くかぎりでは、このバンドの90年代の全盛期を彷彿とさせるひねりの効いたオルタナティヴ・ロックの原型が見いだせます。それに加え、ブラック・フランシスのボーカルには大御所の風格のようなものが備わっています。最初期のような過激さは望むべきもないかもしれませんが、1990年代の原点回帰を果たした作品としてビョークの作品と並んで、この週において最注目の作品のひとつになるでしょう。

 


Yeah Yeah Yeahs 「Cool It Down」

 



さて、上記の2つのアルバムのリリースに並んで、9月の最終週に発売が予定されているのが、ニューヨークのガレージロック・リバイバルシーンの旗手、ヤー・ヤー・ヤーズの最新作「Cool It Down」です。

 

トリオはどことなくSF調のアーティスト写真でアルバムリリースを大々的に予告し、最初のシングル「Spitting off The Edge Of The World」を公開し、世界の音楽メディアを騒然とさせました。

 

既に公開された先行シングル「Spitting off The Edge Of The World」「Burning」は、これまでよりもはるかに大きなスケールを持ったアンセミックなロック/ポピュラーソング、バラードソングが提示されている。九年ぶりのアルバムリリース告知により多くのロックファンの度肝を抜かせたヤー・ヤー・ヤーズですが、9月最終週に発売される新作『Cool It Down」』もファンの期待に違わず、良質なアリーナクラスのポップ/ロックアルバムとなることが期待される。




 


今月から、その月のおすすめのアルバムを特集していきます。取り上げるものからぜひ良盤を探す手がかりとしてみて下さい。洋楽のインディーズレーベルの作品を中心にピックアップします。 

 


8/5 リリース予定の注目作

 

 

Calvin Harris 『Funk Wav Bounces Vol. 2 』(Columbia Records)


 

先週の最大の注目のリリースはスコットランドのエレクトロプロデューサーのカルビン・ハリスでした。リアルサウンドでは前作超えとの高い評価。現在最も勢いが感じられるアーティストで、彼の生み出す爽やかなエレクトロポップスは国内にとどまらず、世界的な注目を集めている。




 

8/12 リリース予定の注目作

 

 

Boris 『Heavy Rocks 』(Relapse)


ジャパニーズヘヴィーロック界の重鎮、ボリス。1992年に結成され、ノイズコアのバンドとして世界的な知名度を擁する、ある一定のジャンルに留まることなく、ストーナー、サイケ、ノイズときわめて多彩なアプローチをこれまでの作品で図って来ている。国内よりもアメリカを中心に海外で評価が高い。2002年と2011年にリリースされたBorisの他の2枚のアルバムと同名です。しかし、この作品は全く新しいものです。リード・シングル "She Is Burning" をリリースされています。

 


Kiwi Jr. 『Chopper』 (Sub Pop)


 

 

Kiwi Jr.は近年のサブ・ポップらしい雰囲気を持つバンドに挙げられるでしょうか。既に先行シングル「Unsparkable Things」「Night Vision」「The Extra Sees The Film」がリリースされています。これらの先行シングルでは、1990年代のUSインディーロックと、モダンなシンセポップを融合させたサウンドが展開されています。サブ・ポップ好きは聴き逃がせないリリースとなります。


 

Pale Waves 「Unwanted』 (Dirty Hit)


 

The 1975、Rina Sawayama等と契約するダーティー・ヒットの注目のインディーロックバンドです。

 

ペール・ウェイヴズは、今年、来日公演を控えています。ゴシック調のアーティスト写真の印象とは裏腹に、シンガロング性の高いキャッチーかつ爽快なアリーナロックが特徴です。現在は、バンドの佇まいから醸し出されるのは高いスター性については言うまでもないでしょう。今後、スターダムに上り詰める気配もあるバンドなので、ぜひチェックしておきたい新作アルバムです。



Sylvan Esso『No Rules Sandy』 (Loma Vista)


シルヴァン・エッソは、ノースカロライナ、ダーラムを拠点とするエレクトロデュオです。歌手のアメリアミースとプロデューサーのニックサンボーンで構成されています。アルバムの先行シングルとして「Your Reality」「Sun Burn」「Don’t Care」がリリースされています。モダンエレクトロ、テクノを歌もののポピュラー・ミュージックと融合させた作風で、これまでの米国のポピュラー・ミュージックとは異なる音楽性を追求する。アルバムの到着が楽しみです。

 

 

 8/19 リリース予定の注目作


Madonna  Finally Enough Love   (Warner)
 

 

6月に16曲入りの『Finally Enough Love』のティーザー映像が公開されたが、今月は待望のフルパッケージが登場します。マドンナが2020年に「Girl Gone Wild」で達成したビルボード・ダンスクラブのナンバーワンヒット50曲を記念したこのコンピレーションには、Honey Dijon、Felix Da Housecat、Bob Sinclairなどのアーティストによるリミックス、未発表の楽曲が収録されています。

 


 

Hot Chip 『Chopper』 (Sub Pop)


近年、サブ・ポップは以前に比べると、多彩なジャンルを要するアーティストとの契約を結ぶように鳴ってきており、その代表格とも称せるのがこのイギリスのロックバンド、Hot Chipです。

 

ドイツのクラフトワークを下地にした摩訶不思議でスペーシーなテクノポップサウンドに軽快なヴォーカルが舞う。そのほかにも、イギリスのFoalsのような軽妙なダンスロックも演奏しており、彼らの楽曲はライブで凄まじいパワーを発揮することでしょう。今後、アリーナ級のバンドに上り詰める可能性も秘めている。既にアルバムのテースターとして「Down」「Eleanor」「Eleanor-Edit」「Freakout/Release」が先行シングルとしてリリースされています。

 

 

Why Bonnie 「90 In November 」(Keeled Scales)


 

 

テキサス州オースティンのWhy Bonnieは、米国の90年代のインディーロックがお好きなリスナーはチェックして貰いたいインディー・ロックバンドです。良質なメロディーセンス、Pavement、Guide By Voicesをはじめとする90年代のUSオルタナティヴ/ローファイを継承し、それらを女性ボーカルに象徴されるスタイリッシュで軽妙な雰囲気で彩っています。楽曲に漂うエモ・スロウコアの内省的で落ち着いた大人びた雰囲気は、他のバンドにはなかなか見出しづらいものです。新作アルバムの先行シングルとして、「Galveston」「90 In November」「Hot Car」「Sailor Mouth」「Nowhere LA」がリリースされています。

 

 

Cass McCombs   Heartmind (Anti-)


インディーロック/フォークアーティストとして米国内で注目されつつあるのが、 キャス・マックームス。フォーク・カントリーを下地にした郷愁を誘う温和なサウンド、70年代のクラシックポップスからの影響も感じさせ、昔の洋楽ポップスを彷彿とさせるような良質な男性ソングライターです。先行シングルとして「Unproud Warrior」「Karaoke」がリリースされています。



 8/26 リリース予定の注目作

 

 

Julia  Jacklin 『Pre Pleasure』(Transgressive Records)

 


 オーストラリア・シドニーを拠点とするジュリア・ジャックリンは、インディーポップ、インディーフォーク、オルタナ・カントリーを楽曲の特徴とし、2013年からSSWとして活動しています。米国のインディーフォークに近いアプローチを感じさせる楽曲に加えて、キュートなキャラクター性を持っている。既に先行シングルとして発表されている「Lydia Wears A Cross」「I Was Neon」「Love Try Not To Go」をみる限りでは佳作以上の出来映えとなるでしょうか。

 

 

Laufey 『Everything I Know About Love』(AWAL)

 


 

Laufey(レイヴェイ)は、スコットランドのフォーク/ケルトの正当な継承者ともいえる十代の天才的なシンガーソングライター。良質なインディーフォークを書くシンガーソングライターで、映画のようにドラマティックな展開力を持つ。ラーフェイの美しい旋律の運びはまるでハープの音色のように滑らかで、さらに、歌声も温かく、心に響くものがあり。伸びやかな歌声と牧歌的な雰囲気のフォークミュージックに加え、初期のビョークを彷彿とさせる繊細なストリングスアレンジを込めた映画のような壮大な物語性を感じさせる楽曲、さらに、その楽曲の良さを存分に引き出すロマンティックなヴォーカルスタイルを擁する。アルバム発売に先駆けて発表されたシングル、「Everything I Know About Love」、「Fragile」、このサイトでもご紹介している「Dear Soulmate」では、このシンガーソングライターの底知れぬ才能が引き出されています。

 

 

Stella Donelly  Flood (Secretly Canadian)

 


 

 

ステラ・ドネリーもジュリア・ジャクリンと同様、オーストラリア国内の注目のアーティストのひとり。2018年にシークレットカナディアンと契約を結び、デビュー・アルバムをリリースした後、着々と知名度を獲得、ファン層を増やしている。ステラ・ドネリーは強いインディーロックの要素に加え、軽妙なベッドルームポップの雰囲気を兼ね備える。次作「Flood」はパンデミックのロックダウンを題材に取り、それらの孤独感と個人的にどのように向き合うかが表現されているとか。新作の先行シングルとして「Lungs」「Flood」「How was Your Day?」 がリリースされています。ジャック・ジョックリンと共に世界的な知名度を獲得する可能性もある。