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サウスカロライナ州チャールストンのアーティスト、 Contour (Khari Lucas)は、ラジオ、映画、ジャーナリズムなど、様々な分野で活躍するソングライター/コンポーザー/プロデューサー。


彼の現在の音楽活動は、ジャズ、ソウル、サイケ・ロックの中間に位置するが、彼は自分自身をあらゆる音楽分野の学生だと考えており、芸術家人生の中で可能な限り多くの音とテーマの領域をカバーする。彼の作品は、「自己探求、自己決定、愛とその反復、孤独、ブラック・カルチャー」といったテーマを探求している。


コンツアー(カリ・ルーカス)の画期的な新譜『Take Off From Mercy- テイク・オフ・フロム・マーシー』は、過去と現在、夜と昼、否定と穏やかな受容の旅の記録であり、落ち着きのない作品である。


カリ・ルーカスと共同エグゼクティブ・プロデューサーのオマリ・ジャズは、チャールストン、ポートランド、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ジョージア、ロサンゼルス、ヒューストンの様々なスタジオで、Mndsgnやサラミ・ローズ・ジョー・ルイスら才能ある楽器奏者やプロデューサーたちとセッションを重ねながら、アルバムを制作した。


ジャンル的には、『Take Off From Mercy- テイク・オフ・フロム・マーシー』は、ギター・ドリブン・ミュージック、トロピカリア、ブルース、そしてヒップホップのありのままの正直さを融合させ、夜への長い一日の旅を鮮やかに描き出すことで、すでにコンターの唯一無二の声に層と複雑さを加えている。


メキシカン・サマーでのデビュー作となる本作では、2022年にリリースされた『オンワーズ!』のノワール的なサンプルやリリカルな歴史性を踏襲し、より歌謡曲的で斜に構えたパーソナルな作品に仕上げている。ルーカスにとって、これはギターを手に取ることを意味し、この動きはすぐに彼を南部のソングライターの長い系譜と形而上学的な会話に置くことになる。カリ・ルーカスは言う。「それはすぐに、旅する南部のブルースマンについて考えるきっかけになった」 彼にとってギターは旅の唯一の友であり、楽器は自分の物語を記録し、世代を超えた物語と伝統を継承する道具なのだ。このアルバムの語り手は放蕩息子であり、悪党の奸計の中をさまようことになる。



『Take Off From Mercy』/ Mexican  Summer   (94/100) 

 

  Yasmin Williams(ヤスミン・ウィリアムズ)をはじめ、最近、秀逸な黒人ギタリストが台頭していることは感の鋭いリスナーであればご承知だろう。Khari Lucas(カリ・ルーカス)もまたジャズのスケールを用い、ソウル、ヒップホップ、サイケロック、そして、エレクトロニックといった複数のフィールドをくまなく跋渉する。どこまで行ったのだろうか、それは実際のアルバムを聞いてみて確かめていただきたい。

 

シンガーソングライター、ルーカスにとっては、ラップもフォークもブルースも自分の好きな音楽でしかなく、ラベリングや限定性、一つのジャンルという括りにはおさまりきることはない。おそらく、彼にとっては、ブルース、R&B、エレクトロニック、テクノ、アンビエント、スポークンワード、サイケロック、それらがすべて「音楽表現の一貫」なのだろう。そして、カーリ・ルーカスは、彼自身の声という表現ーーボーカルからニュアンス、ラップーー様々な形式を通して、時には、フランク・オーシャンのような次世代のR&Bのスタイルから、ボン・アイヴァー、そしてジム・オルークのガスター・デル・ソルのようなアヴァン・フォーク、ケンドリック・ラマーのブラックミュージックの新しいスタイルに至るまで、漏れなく音楽的な表現の中に組みこもうと試みる。まだ、コンツアーにとって、音楽とはきわめて不明瞭な形態であることが、このアルバムを聴くと、よく分かるのではないだろうか。彼は少なくとも、「慈悲からの離陸」を通して、不確かな抽象表現の領域に踏み入れている。それはまるでルーカスの周囲を取り巻く、「不明瞭な世界に対する疑問を静かに投げかける」かのようである。


「静か」というのは、ボーカルに柔らかい印象があり、ルタロ・ジョーンズのようにささやきに近いものだからである。このアルバムの音楽は、新しいR&Bであり、また、未知の領域のフォークミュージックである。部分的にはブレイクビーツを散りばめたり、Yves Tumorの初期のような前衛的な形式が取り入れられることもあるが、基本的に彼の音楽性はもちろん、ラップやボーカル自体はほとんど昂じることはない。そして彼の音楽は派手さや脚色はなく、演出的な表現とは程遠く、質実剛健なのである。アコースティックギターを片手にし、吟遊詩人やジプシーのように歌をうたい、誰に投げかけるともしれない言葉を放つ。しかし、彼の音楽の歌詞は、世の一般的なアーティストのように具象的になることはほとんどない。それはおそらく、ルーカスさんが、言葉というのに、始めから「限界」を感じているからなのかもしれない。

 

言語はすべてを表しているように思えるが、その実、すべてを表したことはこれまでに一度もない。部分的な氷山の上に突き出た一角を見、多くの人は「言葉」というが、それは言葉の表層の部分を見ているに過ぎない。言葉の背後には発せられなかった言葉があり、行間やサブテクスト、意図的に省略された言葉も存在する。文章を読むときや会話を聞く時、書かれている言葉、喋られた言葉が全てと考えるのは愚の骨頂だろう。また、話される言葉がその人の言いたいことをすべて表していると考えるのも横暴だ。だから、はっきりとした脚色的な言葉には注意を払わないといけないし、だからこそ抽象領域のための音楽や絵という形式が存在するわけなのだ。

 

カリ・ルーカスの音楽は、上記のことをかなり分かりやすい形で体現している。コンツアーは、他のブラック・ミュージックのアーティストのように、音楽自体をアイデンティティの探求と看過しているのは事実かもしれないが、少なくとも、それにベッタリと寄りかかったりしない。彼自身の人生の泉から汲み出された複数の感情の層を取り巻くように、愛、孤独、寂しさ、悲しみといった感覚の出発から、遠心力をつけ、次の表現にたどり着き、最終的に誰もいない領域へ向かう。ジム・オルークのようにアヴァンな領域にあるジャズのスケールを吸収したギターの演奏は、空間に放たれて、言葉という魔法に触れるや否や、別の物質へと変化する。UKのスラウソン・マローンのように、ヒップホップを経過したエレクトロニックの急峰となる場合もある。


コンツアーの音楽は、「限定性の中で展開される非限定的な抽象音楽」を意味する。これは、「音楽が一つの枠組みの中にしか存在しえない」と思う人にとっては見当もつかないかもしれない。ヒップホップはヒップホップ、フォークはフォーク、ジャズはジャズ、音楽はそんな単純なものではないことは常識的である。


そして、音楽表現が本当の輝きを放つのは、「限定的な領域に収まりきらない箇所がある時」であり、最初の起点となるジャンルや表現から最も遠ざかった瞬間である。ところが、反面、全てが単一の領域から離れた場所に存在する時、全般的に鮮烈な印象は薄れる。いわば押さえつけられた表現が一挙に吹き出るように沸点を迎えたとき、音楽はその真価を発揮する。言い換えれば、一般的な表現の中に、ひとつか、ふたつ、異質な特異点が用意されているときである。

 

アルバムは15曲と相当な分量があるものの、他方、それほど時間の長さを感じさせることがない。トラック自体が端的であり、さっぱりしているのもあるが、音楽的な流れの緩やかさが切迫したものにならない。それは、フォーク、ブルースというコンツアーの音楽的な核心があるのに加え、ボサノヴァのサブジャンルであるトロピカリアというブラック・ミュージックのカルチャーを基にした音楽的な気風が、束の間の安らぎ、癒やしを作品全体に添えるからである。


アルバムの冒頭を飾る「If He Changed My Name」は、ジム・オルークが最初期に確立したアヴァンフォークを中心に展開され、不安定なスケール進行の曲線が描かれている。しかし、それ対するコンツアーのボーカルは、ボサノヴァの範疇にあり、ジョアン・ジルベルト、カルロス・ジョビンのように、粋なニュアンスで縁取られている。「粋」というのは、息があるから粋というのであり、生命体としての息吹が存在しえないものを粋ということは難しい。その点では、人生の息吹を吸収した音楽を、ルーカスはかなりソフトにアウトプットする。アコースティックギターの演奏はヤスミン・ウィリアムズのように巧みで、アルペジオを中心に組み立てられ、ジャズのスケールを基底にし、対旋律となる高音部は無調が組み込まれている。協和音と不協和音を複合させた多角的な旋法の使用が色彩的な音楽の印象をもたらす。 そしてコンツアーのボーカルは、ラテンの雰囲気に縁取られ、どことなく粋に歌をうたいこなすのである。

 

 一曲目はラテンの古典的な音楽で始まり、二曲目「Now We're Friends」はカリブの古典的なダブのベースラインをモチーフにして、同じようにトロビカリアの領域にある寛いだ歌が載せられる。これはブラックミュージックの硬化したイメージに柔らかい音楽のイメージを付与している。しかし、彼は概して懐古主義に陥ることなく、モダンなシカゴドリルやグリッチの要素をまぶし、現代的なグルーヴを作り出す。そしてボーカルは、ニュアンスとラップの間を揺れ動く。ラップをするというだけではなく、こまかなニュアンスで音程の変化や音程のうねりを作る。その後、サンプリングが導入され、女性ボーカル、アヴァンギャルドなノイズ、多角的なドラムビートというように、無尽蔵の音楽が堰を切ったかのように一挙に吹き出る。これらは単なる引用的なサンプリングにとどまらず、実際的な演奏を基に構成される「リサンプリング」も含まれている。これらのハチャメチャなサウンドは、音楽の未知の可能性を感じさせる。



さて、Lutalo(ルタロ・ジョーンズ)のように、フォークミュージックとヒップホップの融合によって始まるこのアルバムであるが、以降は、エレクトロニックやダンスミュージックの色合いが強まる。続く「Entry 10-4」は、イギリスのカリビアンのコミュニティから発生したラバーズロック、そして、アメリカでも2010年代に人気を博したダブステップ等を吸収し、それらをボサノヴァの範疇にある南米音楽のボーカルで包み込む。スネア、バスを中心とするディストーションを掛けたファジーなドラムテイクの作り込みも完璧であるが、何よりこの曲の気風を象徴付けているのは、トロピカリアの範疇にあるメロディアスなルーカスのボーカルと、そして全体的にユニゾンとしての旋律の補強の役割を担うシンセサイザーの演奏である。そして話が少しややこしくなるが、ギターはアンビエントのような抽象的な層を背景に形作り、この曲の全体的なイメージを決定付ける。さらに、音楽的な表現は曲の中で、さらに広がりを増していき、コーラスが入ると、Sampha(サンファ)のような英国のネオソウルに近づく場合もある。

 

その後、音楽性はラテンからジャズに接近する。「Waterword」、「re(turn)」はジャズとソウル、ボサノヴァとの融合を図る。特に、前者にはベースラインに聴きどころが用意されており、ボーカルとの見事なカウンターポイントを形成している。そしてトラック全体、ドラムのハイハットに非常に細かなディレイ処理を掛けながら、ビートを散らし、分散させながら、絶妙なトリップ的な感覚を生み出し、サイケデリックなテイストを添える。しかし、音楽全体は気品に満ちあふれている。ボーカルはニュアンスに近く、音程をあえてぼかしながら、ビンテージソウルのような温かな感覚を生み出す。トラックの制作についても細部まで配慮されている。後者の曲では、ドラムテイク(スネア)にフィルターを掛けたり、タムにダビングのディレイを掛けたりしながら、全体的なリズムを抽象化している。また、ドラムの演奏にシャッフルの要素を取り入れたり、エレクトリックピアノの演奏を折りまぜ、音楽の流れのようなものを巧みに表現している。その上で、ボーカルは悠々自適に広やかな感覚をもって歌われる。これらの二曲は、本作の音楽が全般的には感情の流れの延長線上にあることを伺わせる。

 

アルバムの中盤に収録されている「Mercy」は本当に素晴らしく、白眉の出来と言えるだろう。ヒップホップに依拠した曲であるが、エレクトロニックとして聴いてもきわめて刺激的である。この曲は例えばシカゴドリルのような2010年代のヒップホップを吸い込んでいるような印象が覚えたが、コンツアーの手にかかると、サイケ・ヒップホップの範疇にある素晴らしいトラックに昇華される。ここでは、南部のトラップの要素に中西部のラップのスタイルを添えて、独特な雰囲気を作り出す。これは「都会的な雰囲気を持つ南部」とも言うべき意外な側面である。そして複数のテイクを交え、ソウルやブルースに近いボーカルを披露している。この曲は、キラー・マイクが最新アルバムで表現したゴスペルの系譜とは異なる「ポスト・ゴスペル」、「ポスト・ブルース」とも称するべき南部的な表現性を体験出来る。つまり、本作がきわめて奥深いブラック・ミュージックの流れに与することを暗示するのである。

 

意外なスポークンワードで始まる「Ark of Bones」は、アルバムの冒頭部のように緩やかなトロピカリアとして流れていく。しかし、ピアノの演奏がこの曲に部分的にスタイリッシュな印象を及ぼしている。これは、フォーク、ジャズ、ネオソウルという領域で展開される新しい音楽の一つなのかもしれない。少なくとも、オルークのように巧みなギタープレイと霊妙なボーカル、コーラス、これらが渾然一体となり、得難いような音楽体験をリスナーに授けてくれるのは事実だろう。続いて、「Guitar Bains」も見事な一曲である。同じくボサやジャズのスケールと無調の要素を用いながら新しいフォークミュージックの形を確立している。しかし、聴いて美しい民謡の形式にとどまることなく、ダンス・ミュージックやEDMをセンスよく吸収し、フィルターを掛けたドラムが、独特なグルーヴをもたらす。ドラムンベース、ダブステップ、フューチャーステップを経た現代的なリズムの新鮮な息吹を、この曲に捉えることが出来るはずだ。


一般的なアーティストは、この後、二曲か三曲のメインディッシュの付け合せを用意し、終えるところ。そして、さも上客をもてなしたような、満足げな表情を浮かべるものである(実際そうなるだろうとばかり思っていた)しかし、驚くべきことに、コンツアーの音楽の本当の迫力が現れるのは、アルバムの終盤部である。実際に10曲目以降の音楽は、神がかりの領域に属するものもある。それは、JPEGMAFIA、ELUCIDのような前衛性とは対極にある静謐な音楽性によって繰り広げられる。コンツアーは、アルバムの前半部を通じて、独自の音楽形態を確立した上で、その後、より奥深い領域へと踏み込み、鮮烈な芸術性を発揮する。


 「The Earth Spins」、「Thersa」は、ラップそのもののクロスオーバー化を徹底的に洗練させ、ブラックミュージックの次世代への橋渡しとなるような楽曲である。ヒップホップがソウル、ファンク、エレクトロニックとの融合化を通過し、ワールドミュージックやジャズに近づき、そして、ヒーリングミュージックやアンビエント、メディエーションを通過し、いよいよまた次のステップに突入しつつあることを伺わせる。フランク・オーシャンの「Be Yourself」の系譜にある新しいR&B、ヒップホップは再び次のステップに入ったのだ。少なくとも、前者の曲では、センチメンタルで青春の雰囲気を込めた切ない次世代のヒップホップ、そして、後者の曲では、ローファイホップを吸収し、それらをジャズのメチエで表現するという従来にはなかった手法を確立している。特に、ジャズピアノの断片的なカットアップは、ケンドリック・ラマーのポスト的な音楽でもある。カーリ・ルーカスの場合は、それらの失われたコーラスグループのドゥワップの要素を、Warp Recordsの系譜にあるテクノやハウスと結びつけるのである。


特に、最近のヒップホップは、90、00年代のロンドン、マンチェスターのダンスミュージックを聴かないことには成立しえない。詳しくは、Warp、Ninja Tune,、XLといった同地のレーベル・カタログを参照していただきたい。そして、実際的に、現在のヒップホップは、イギリスのアーティストがアメリカの音楽を聴き、それとは対象的に、アメリカのアーティストがイギリスの音楽を聴くというグルーバル化により、洗練されていく時期に差し掛かったことは明らかで、地域性を越え、ブラックミュージックの一つの系譜として繋がっている部分がある。

 

もはや、ひとつの地域にいることは、必ずしもその土地の風土に縛り付けられることを意味しない。コンツアーの音楽は、何よりも、地域性を越えた国際性を表し、言ってみれば、ラップがバックストリートの表現形態を越え、概念的な音楽に変化しつつあることを証立てる。このことを象徴するかのように、彼の音楽は、物質的な表現性を離れ、単一の考えを乗り越え、離れた人やモノをネットワークで結びつける「偉大な力」を持ち始めるのである。そしてアルバムの最初では、一つの物質であったものが分離し、離れていたものが再び一つに還っていくような不思議なプロセスが示される。それは生命の根源のように神秘的であり、アートの本義を象徴付けるものである。

 

アルバムの終盤は、カニエ・ウェストの最初期のようなラフなヒップホップへと接近し、サイケソウルとエレクトロニック、そして部分的にオーケストラの要素を追加した「Gin Rummy」、ローファイからドリルへと移行する「Reflexion」、アヴァンフォークへと回帰する「Seasonal」というように、天才的な音楽の手法が披露され、90年代のNinja Tuneの録音作品のように、荒削りな質感が強調される。これらは、ヒップホップがカセットテープのリリースによって支えられてきたことへの敬意代わりでもある。きわめつけは、クローズ「For Ocean」において、ジャズ、ローファイ、ボサノヴァのクロスオーバーを図っている。メロウで甘美的なこの曲は、今作の最後を飾るのに相応しい。例えば、このレコードを聴いたブロンクスで活動していたオランダ系移民のDJの人々は、どのような感慨を覚えるのだろうか。たぶん、「ヒップホップはずいぶん遠い所まで来てしまったものだ」と、そんなふうに感じるに違いない。







Tyler The Creator(タイラー、ザ・クリエイター)が新曲「Noid」をリリースした。ニューアルバム『Chromakopia』に収録されるこの曲は、アヨ・エデビリがカメオ出演するシュールなビデオとセットになっている。サンプリングにはアフリカの民族音楽が取り入れられているようだ。


先週、タイラー・ザ・クリエイターは『Call Me If You Get Lost』に続く『Chromakopia』を10月28日(月)にリリースすることを発表したばかりだ。彼はまた、プレイボイ・カルティ、エリカ・バドゥ、アンドレ3000、フェイ・ウェブスター、ブラッド・オレンジ、セクシー・レッドなどが出演する2025年版「Camp Flog Gnaw Festival」のラインナップを明らかにした。


このアルバムは『CALL ME IF YOU GET LOST』以来となるタイラー・ザ・クリエイターのフルレングス・プロジェクトとなる。以来、彼は2023年3月にコーチェラのヘッドライナー出演に先駆けてアルバムの拡大版をリリース、最近ではマクソ・クリームの新曲「Cracc Era」にゲスト参加している。 


「Noid」

 


アトランタ出身のヒップホップミュージシャン、Lil Yachy(リル・ヨッティ)が2曲のニューシングル「We Ball Forever」と「Cry Me a River」を同時に公開した。どちらもミックステープ文化を継承するヒップホップで、ローファイをベースにしたチルウェイヴでアーティストのセンスが滲み出ている。背景となるヴィンテージソウル風のトラックにも注目したいところ。

 

この2曲は、頻繁にコラボレートしているリトル・マイルズとAMDが監督したミュージックビデオと合わせて公開されています。以下よりご覧ください。

 

 

 

 

 


TYLER, THE CREATORがニューアルバム『CHROMAKOPIA』を10月28日(月)にリリースすることを発表した。


このアルバムは『CALL ME IF YOU GET LOST』以来となるタイラー・ザ・クリエイターのフルレングス・プロジェクトとなる。

 

それ以来、彼は2023年3月にコーチェラのヘッドライナー出演に先駆けてアルバムの拡大版をリリースし、最近ではマクソ・クリームの新曲「Cracc Era」にゲスト参加している。

 

 

TYLER, THE CREATOR『CHROMAKOPIA』


Lex Amor. 『forward ever.』 

 

Label: Modern Oak

Release: 2024年10月4日



Review


Lex Amor(レックス・アモール)は、ノース・ロンドンを拠点に活動するラッパー/DJである。詳しいリスナーならば、Wu-Luの「South」にコラボレーターとして参加し、曲の最後でラップしているのをご存知かも知れない。レックス・アモールは端的には言えば、Little Simzの次世代のラッパーである。アモールのニュアンス、ラップ自体は繊細で、ナイーヴな感覚を持ち合わせている。

 

レックス・アモールのラップは、トラックメイクの前面に出てくるというより、背景となるエレクトロニック・サウンドにじんわりと馴染むといった感じである。最近のロンドンでは、トラップ/サザンヒップホップの「エレクトロニックとヒップホップの融合」という手法を受け継いで、イギリスのダンスミュージックと結びつけている。レックス・アモールのヒップホップもまた、ダブステップやドラムンベース、UKガラージといったベースメントのEDMと密接な関係を持つ。ジョーダン・ラケイの系譜にあるEDMに加わるセンス抜群のラップは、次世代のヒップホップの象徴とも言える。また、実際的に、ギターやベースの生演奏が加わるという点では、Ninja Tuneのサウンドの系譜に位置づけられる。様々な観点から楽しめるヒップホップだ。

 

『forard ever.』に関してはどうだろうか。大掛かりな枠組みを設けず、さりとて分かりやすいサビを作るわけでもなく、淡々とラップを続けてグルーヴを作り上げ、音楽をマイスターのように組み上げてゆく。全体的には、エレクトロニックのトラックにラップするというシンプルな内容である。しかし、トラック制作に関して非凡なセンスがあり、メロウでダークな質感を持つラップ、細かなビートの組み合わせ、 それからレゲエ/レゲトンの系譜にあるフロウが際立っている。さらに、ボーカルやホーンをサンプリングし、組みわせて、心地よいビートを生み出す。

 

実際的に近年のヒップホップアーティストは、エレクトロニックのプロデューサーとしても優れている場合が多い。レックス・アモールも同様である。オープニング「SUN4RAIN」を聞けば、いかに彼女がプロデューサーとして傑出しているか、お気づきになられるだろう。そして、レックス・アモールのヒップホップは、ECMのニュージャズのように、エレクトロジャズの影響も含まれている。これが、全般的な音楽として、ネオソウルのようなメロウさと甘美的な感覚を作り出し、切なさを漂わせるラップと重なりあう。「SHINE IN」は、ワールドミュージックやニューエイジのイントロを起点にして、グリッチ・サウンドをベースにしたUKドリルを展開させていく。しかし、しっとりとした感覚を持つネオソウルの系譜にあるアモールのリリック捌きが独特なアトモスフィアを作り上げる。その雰囲気を一層メロウにしているのが、ダブステップ/フューチャーベースの系譜にあるビートやホーンのコラージュ、コーラスの配置である。これらの多角的なヒップホップは、アシッド・ジャズのような瞑想的な雰囲気を呼び覚ます。決してヒップホップが軽薄な音楽ではないよとレックス・アモールは示唆するわけだ。


このアルバムを聴くと、インストゥルメンタルのEDMは今後、大きな革新性や工夫を凝らさないと、時代遅れになりそうな予感もある。なぜなら、リトル・シムズを筆頭に、ヒップホップ界隈のアーティストのほとんどは、平均的な水準以上のプロデューサーとしての実力を兼ね備えているからである。これは、はっきり言うと、インストゥルメンタルを専門とするエレクトロニック・プロデューサーにとっては、かなり脅威なのではないかと思われる。特に、ハードコアやガラージ、ドラムンベースをヒップホップと掛け合わせることは、ロンドンのラップミュージシャンとしては、ほとんど日常的になっていることが分かる。それらのダンスミュージックの知識とセンスの良さがNY/ブロンクスの古典的なDJのように試されるといった感じである。

 

「BEG」は、EDMとしてそれほど新しくはなく、古典的なドラムンベースを踏襲しているが、やはりというべきか、レックス・アモールのラップが入ると、それらの古典的なダンスミュージックは新鮮なエモーションを帯びる。そして、アモールのラップに関して言及すると、現代的なレゲエ/レゲトン等を吸収した歌唱法を披露していることに注目である。そして、リリックを曲の中に能うかぎり詰め込むというよりも、歌わない箇所をうまく活かし、いわば乗せる部分と聞かせる部分を選り分けているように感じられる。これは、ダンスミュージックのインストゥルメンタルの箇所の魅力を知っているから出来ることだろう。

 

続く「GRIP」も同じくダンスミュージックを主体とする楽曲だが、レックス・アモールのラップは、ほとんど囁きやウィスパーに近い。これはオーバーグラウンドのヒップホップとは対象的に、もの憂げな側面を押し出した、大胆なラップのスタイルである。従来までは、アグレッシヴな側面ばかりが取りざたされることもあったが、どのようなアーティストもナイーヴな側面を持っている。それをストレートに伝えることもまたヒップホップの隠れた魅力の一面なのかも知れない。そして、リズムの複雑化というのが、近年のロンドン界隈のヒップホップの主題である。続く「A7X」は、Stormzyの系譜にあるシンプルで聴きやすいUKドリルの楽曲であるが、リズムの構成が緻密に作り込まれているし、なおかつフューチャーソウルの音楽性がSF的な雰囲気を帯びる。音楽的な世界観としてはSZAに近いが、それほど過剰な音楽性になることはない。ストリートの空気を吸い込んだシンプルなヒップホップのスタイルが貫かれている。

 

「SUMMER RAIN」は、ギターのアップストロークの演奏をコラージュしたEDM。この曲もジョーダン・ラケイの系譜にあるスタイリッシュなヒップホップである。そして、他の収録曲とは少し異なり、ポピュラーの歌唱が織り交ぜられていることが、楽曲そのものの楽しみや面白さを倍増させている。つまり、これはラップの進化のプロセスを示していて、今後のヒップホップは、曲の中でポピュラーのボーカルを部分的に披露するというスタイルが台頭してくるような気配もある。(もちろん、ポピュラーのコラボレーターを参加させるというのも奥の手になるだろうか)これは、例えば、ポピュラーアーティストがスポークンワードを曲で披露するのとは真逆の手法であり、ポピュラー音楽に対するラッパーからの回答とも言うべきだろう。


もうひとつ、このアルバムの最大の魅力は、全体のアンビエンスを形作るオーガニックな感覚にある。「1000 Tears」は、ゆったりとしたBPMのダブステップの系譜にあるヒップホップだ。もちろん、現代的なネオソウルの影響も含まれるとは言え、ボーカルアートのような要素がひときわアーティスティックな印象を帯びる。ヒップホップやラップはおそらく、その表現性を極限まで研ぎ澄ましていくと、ボーカル・アートに近くなるのかもしれない。この曲では、ELIZAのボーカルの協力を得て、「ラップのコラージュアート」という未知の領域へと差し掛かる。ボーカルのサンプリングを活かして、それらをトラックの随所に散りばめるという手法は、ラップにおけるアクション・ペインティングの要素を思わせる場合がある。これはまた、バスキアの事例を見ても分かる通り、ヒップホップというジャンルがストリートで発生し、そしてアートと足並みを揃えて成長してきた系譜をはっきりと捉えることが出来るだろう。


現在、多数のプロデューサーが取り組んでいる「ジャズとヒップホップのクロスオーバー」という主題は、すでにシカゴ等の地域で盛んであったが、ロンドンでも今後の主流となっていきそうな気配がある。「AGAIN」では、ジャズの抽象的なニュアンスを捉え、グルーヴ感のあるEDMにテイストとしてまぶすという手法が見出される。そして、これらは現代的なロンドンのダンスミュージックと結びつくと、アーバンでスタイリッシュ、洗練された印象を帯びるのである。この曲は、ヒップホップがジャズに最接近した瞬間で、それらの表現法はニュージャズに属する。今後、こういった手法がどのように変化したり、成長していくのかを楽しみにしたい。

 

レックス・アモールの音楽性がすべてが完成したといえば誇張表現になるだろう。もちろん、その中には発展途上の曲もある。しかし、現代の女性ラッパーとしては、抜群のセンスが感じられる。全般的には、アンニュイとも言うべきヒップホップに終始しているが、クローズ「SUPER BLESSED」だけはその限りではない。アンダーグラウンドのダンスミュージックとヒップホップを結びつけ、本作のクライマックスで強烈な爪痕を残す。レックス・アモールはフューチャーベースを主体としたヒップホップにより、ロンドンのラップの現在地を示している。

 

 

 

82/100


 

 

CLYDE&Algernon Cornelius  『Stick a Fork in It』


Label: Instinctive People 

Release: 2024年9月13日



Review

 

ロンドンとマンチェスターのヒップホップの異なるタレントの融合を楽しめるのが、今作『Stick Fork in It』である。CLYDE/Algernon Corneliusは、両者ともお世辞にもオーバーグラウンドな存在とは言えず、アンダーグラウンド・ヒップホップの次世代を担うMC/プロデューサーである。コラボレーション・アルバムというのは、2つの異なる才覚や音楽的な性質が掛け合わされて、それまで全く考えも及ばなかったような化学反応を起こすという利点がある。ある意味、『Stick a Fork in It』はそんなコラボレーションの醍醐味が凝縮された作品となっている。


このアルバムはシンプルに言えば、サンプリングの楽しさを徹底的に追求したアルバムである。ブレイクビーツのリズムを元にして、チョップ的な音飛びを作り、その合間にどのようなサンプリングを挿入するのか、そのアイディアの豊富さには瞠目すべきものがある。CLYDEとCorneliusのサンプリングの考えは、De La Soul、Dr.Dreの系譜に属し、古典的な内容でありながらも、楽しさと遊び心に満ちあふれている。二人のプロデューサーの手に掛かると、驚くべきことに、どのような素材もサンプリングのネタになってしまう。昔のTV番組や映画のオープニングや挿入歌や、エキゾチックなインドや中東のポップス、ボーカルのダビング録音など、あらゆる題材が彼らの音楽的なアイディアになってしまう。つまり、本来、音楽と見なされないものまでヒップホップのサンプリングやトラックメイクのテーマになってしまうのだ。あらためて、サンプリングの持つ楽しみや面白さが本作の随所に散りばめられている。それは子供の遊びのような純粋さと音楽的な興味を介して、彼らのオルタネイトなヒップホップが繰り広げられる。

 

両者は、ジャズやネオソウル、ヴィンテージソウル、アフロソウル、現代的なアブストラクトヒップホップに至るまで、多角的にこのジャンルの作法や技法を吸収し、オリジナリティ溢れるトラックを制作する。ラップとしてもかなり多彩な音楽性が含まれていて、米国のサザン・ヒップホップなどのギャングスタラップの系譜にあるドラッギーな文脈や表現も内包されている。

 

そして、もうひとつ、厳密に言うなら、両者のうち、どちらがこの要素をもたらしたのかは不明なのだが、エキゾチックな音楽が彼らのヒップホップには織り交ぜられていることがわかる。パキスタンやインドの中東のポピュラー音楽がブレイクビーツやトラップの流れの中を変幻自在に揺らめく。どことなくいかがわしげで、不思議な感覚を持つそれらのエキゾチズムは、彼らの都会的な空気を吸い込んだマイルドなリリック、フロウ、そしてラップバトルのように白熱したマイク捌きにより、それらのエキゾチズムは中和される。さらに、そこにより深みをもたらすのが、De La SoulやDreの系譜にある古典的なソウルからの引用であり、全体的に聞くと、サイケ・ソウルや、アフロ・ソウルのような極彩色のR&Bのように聞こえなくもない。  


しかし、こう言うと、過激な音楽性を思い浮かべる人もいるかもしれないが、実際のCLYDE、Algernon Corneliusのボーカルのニュアンスは基本的に、かなりナイーヴであり、繊細である。例えば、このアルバムには、サブリミナル効果のような働きをなす同一のフレーズが何度も別の曲に登場する。もちろん、曲調によって、それは楽しいイメージを呼び起こしたかと思えば、悲痛な叫びへと変わる。両者の現代社会に生きる中での感覚の鋭い変化や内的な感覚を巧みに表現したのが、本作の凄さなのである。そして、その内的な叫びのようなものは、まるで日常生活においてタブーとされているもの、あるいは表側に吐露することが叶わぬもの、こういったラップでしか表現しえないことを時にストレートに、それとは正反対にオルタネイトにリリックやライムとして外側に吐き出しているから、何かしら胸を打つものがあるわけである。

 

現代のヒップホップはどうしても、商業主義を度外視するのが年々難しくなっているのではないか。それは米国やカナダからビックスターが登場し、そして、ロンドンでもStormzyなどこのジャンルのスターが登場している。それはある意味では、1980年代のジャクスンの時代と重複する部分があり、ヒップホップ自体が宣伝的な役割を持つ音楽に変わったということである。しかし、前の時代の経緯を知ってか知らずか、この流れに対抗する勢力がアンダーグラウンドで息を巻いている。これらのグループは、ヒップホップの原初的な魅力を再発見しようと試み、新しい音楽的なニュアンスや、これまでになかった実験的な要素をもたらそうとしている。いわば、ヒップホップがミックステープの文化の範疇にあった頃の魅力を呼び覚まそうというのである。ヒップホップの最大の魅力とは洗練されていることではなく、音楽にちょっとした遊び心や、他の主流の音楽とは異なるアンダーグラウンド性を再発見することなのである。


そういった側面では、『Stick a Fork in It』は、ヒップホップが未だ主流派ではなかった時代のマニア性、いかがわしさが体現されている。本作においては、「Lemons」のように、サイケ・ソウルのサンプリングを背後に繰り広げられる前のめりなフロウ、サンプリングの楽しさをアナログ時代のダブと結びつけ、さらにUKベース等のアンダーグラウンドのクラブミュージックと融合させた「Mudd」をはじめ、JUNGLEのような音楽性を見出すことができる。特に、逆再生とテープディレイを掛けたボーカルが、これらの古典的なソウルを基底にしたクラブミュージックの最中を駆け抜ける。両者の音楽は、ローファイな感覚に縁取られているのは事実だが、本作のクローズ「Fathers」を聞くと、スコットランドのYoung Fathersのようなスター性の片鱗も捉えられるかも知れない。両者はUKヒップホップの注目の存在であることは疑いがないようだ。

 

 





78/100
 
 
 

CLYDE:


リアル・ヒップホップの研究者であるCLYDEは、ダークなビートもライトなビートも同様に、サンプル・ヘビーな連打を生み出す。イギリス生まれのイギリス育ち。池の向こうで作られる音楽から多大な影響を受けながら、彼はオリジナルでインスパイアされたものを作ろうとしている。


CLYDEは、友人が家に置いていったRoland MC-307でエレクトロニックとサンプル・ベースの音楽を作り始めて約6年になる。ジャズやメタル・ドラムの経験もあり、パーカッションは彼の音楽において重く確固たる位置を占めている。2016年初めにDome Of Doom Recordsに加入し、同レーベルの唯一の英国人メンバーであるCLYDEから初のフルレングス・テープをリリースして以来、CLYDEはライブ・アプリケーションで小さな成長を遂げている。DaedelusとSamiyamのサポート(本当に夢が叶った)やヘッドライナーを務めるなど、ライブへの出演が少しずつ増えている。

 


Algernon Cornelius:

 

アルジャーノン・コーネリアスは、マンチェスター(リーズ経由)出身のラッパー、プロデューサー、マルチ・インストゥルメンタリストであり、リーズとマンチェスターのDIYシーンの中心的存在として、アーマンド・ハマー、ケイクス・ダ・キラ、ムーア・マザー、シャバズ・パレイス、ザ・バグ、ティーブスらと共演してきた。

 

コンピレーション、ミックステープ、EP、インストゥルメンタル・ビート・テープ、サイド・プロジェクト、分身アルバムなどをリリースしてきたが、この12ヶ月で「Neither Gloaming Nor Argent」、ラップ・シングルのコンピレーション・アルバム『Both Before And After The Dark』と、"公式 "デビュー・ラップ・アルバム『The Miraculous Weapons of Clarkus_Dark』をリリースした。アルジャーノンのスタイルは「冷酷でエモーショナル」(Exposed Magazine)と評されている。「アルジャーノン・コーネリアスは、今ヒップホップで最も興味深いアーティストの一人だ」(Focus Hip Hop誌)

 


ニューヨークのラッパー/プロデューサー、E L U C I Dがニューシングル「The World is Dog」をリリースした。

Fat Possumから10月11日にリリースされる新作アルバム『REVELATOR』の収録曲。E L U C I Dは昨年、Armand Hammer、billy woods、JPEGMAFIAとのコラボレーションアルバム「We Buy Diabetic Test Strip」を発表している。 

ビリー・ウッズをフィーチャーしたアルバムのリードシングル「Instant Transfer」はトラップのスタイルの巧みなラップでリスナーを惑乱させる。放送禁止用語のNワード等はお手のもの。同時に公開された「Slum of A Disregard」は、コラボレーションアルバムの経験を活かしたドラッギーなアブストラクトヒップホップだ。先鋭的なラッパーとしての才覚を遺憾なく発揮している。

アルバムからの三作目のシングル「The World Is Dog」は、サザンヒップポップ/トラップの系譜にあるナンバーである。従来のアブストラクトヒップホップをエモラップやニューウェイブと結びつけている。スクラッチのループはトリップの渦へとリスナーを導くこと必須だ。実験的なヒップホップだが、E L U C I Dのフロウは一貫して苛立ちや怒りがこめられていて情熱的だ。




「The World Is Dog」


◾️E L U C I D、ニューアルバム「REVELATOR」を発表  10月11日にリリース

 

©Run Music


キラー・マイクが、ラン・ザ・ジュエルズのバンドメイトであるEl-Pがプロデュースした新曲「Detonator」を発表した。ロック・D・ザ・レジェンドをフィーチャーしたこの曲は、近日発売予定のビデオゲーム「コール・オブ・デューティ:ブラックオプス6」のためにレコーディングされた。アクションシーンなどに最適なヒップホップトラック。以下からチェックしてほしい。


マイクは声明で「アクティビジョンがゲームのテーマと探しているものを教えてくれた時、誰に連絡すればいいかはっきりわかった。「それに、El-Pのビートでラップしたくてうずうずしていたんだ。


ラン・ザ・ジュエルズは2020年に最新スタジオ・アルバム『RTJ4』をリリース。先月、マイクはゴスペルにインスパイアされたアルバム『Songs For Sinners & Saints』をリリースしたが、これは昨年の『Michael』のエピローグ的な意味合いを持っていた。

 

「Detonator」

日本の敏腕トラックメイカー、JJJが『July Tour』東京公演のライブ音源を本日配信リリース。 新たなツアー『Nov Tour』を開催を発表。



JJJが今年7月のワンマンツアー『July Tour』東京公演のライブ音源を本日配信リリースした。

 

7月11日(木) Zepp Hanedaで開催した当公演では、バックDJのAru-2に加え、 尺八奏者の瀧北榮山、箏奏者の岡村秀太郎、コントラバス奏者の岩見継吾を迎えたコラボレーション楽曲の数々を披露。縁の深いラッパーも多数登場し、大きな盛り上がりを見せた。その熱気を封じ込めた、臨場感あふれる音源はJJJ本人がミックスを手掛けており、アートワークのライブ写真は安藤政信が撮影を担当している。



また、ライブ音源のリリースにあわせて、11月に行われる新たなツアー『Nov Tour』の開催を発表。



11月5日(火)福岡・UNITEDLABを皮切りに、13日(水)台北・THE WALL、20日(水)仙台・darwin、30日(土)東京・日比谷公園大音楽堂の4公演を行う。



福岡公演、東京公演はAru-2(DJ)、瀧北榮山(尺八)、岡村秀太郎(箏)、岩見継吾(cb)による編成、台北公演はCampanella、Daichi Yamamoto、MFSが客演で参加。また、東京公演にはDJとして、Kazuhiko Fujita、KID FRESINO、KMの出演が決定している。



チケットは本日8月30日(金)12:00より、オフィシャル先行受付がスタート。



【リリース情報】 JJJ『July Tour at Zepp Haneda (Live)』

発売日 : 2024年8月30日(金)
レーベル : FL$Nation / AWDR/LR2
フォーマット : DIGITAL


LINK : https://ssm.lnk.to/JTaZH


TRACK LIST


1. Kids Return
2. Synthese Freestyle feat. 岩見継吾
3. Mihara feat. 瀧北榮山, 岡村秀太郎, 岩見継吾
4. July feat. 岡村秀太郎
5. Friendskill feat. Campanella, 瀧北榮山, 岡村秀太郎, 岩見継吾
6. Cyberpunk
7. Mirror feat. MFS
8. Maktub feat. 瀧北榮山, 岡村秀太郎
9. Beautiful Mind feat. 瀧北榮山, 岡村秀太郎, 岩見継吾
10. STRAND feat. KEIJU, 岩見継吾
11. 2024 feat. KID FRESINO, febb
12. wakamatsu feat. 瀧北榮山, 岡村秀太郎

 

 

【ライブ情報】 『JJJ - Nov Tour』

日時 : 2024年11月5日(火) OPEN 18:30 / START 19:30
会場 : 福岡・UNITEDLAB
料金 : 前売 ¥5,000 / 当日 ¥5,500 (D代別)
LIVE : JJJ w/ Aru-2, 岩見継吾, 岡村秀太郎, 瀧北榮山
INFO : BEA 092-712-4221 (平日12:00〜16:00) https://www.bea-net.com

[オフィシャル先行]
受付期間 : 2024年8月30日(金)12:00〜9月5日(木)23:59まで
受付方法 : 抽選
受付URL : https://w.pia.jp/t/jjj/

[BEA WEB先行]
2024年9月6日(金)12:00〜9月16日(月・祝)23:59まで
受付URL : https://l-tike.com/st1/beaweb-jjj

[現地先行]
ぴあ : https://w.pia.jp/t/jjj/ (2024年9月10日(火)11:00〜9月16日(月・祝)23:59まで)
ローチケ : https://l-tike.com/jjj/ (2024年9月6日(金)12:00〜9月16日(月・祝)23:59まで)
e+ : https://eplus.jp/jjj/  (2024年9月6日(金)12:00~9月16日(月・祝)23:59まで)

[一般発売]
2024年9月21日(土)10:00〜
ぴあ : https://w.pia.jp/t/jjj/
ローチケ : https://l-tike.com/jjj/
e+ : https://eplus.jp/jjj/

日時 : 2024年11月13日(水) OPEN 19:00 / START 20:00
会場 : 台北・THE WALL LIVE HOUSE
料金 : 前売 NT$1200 / 当日 NT$1400
LIVE : JJJ w/ Aru-2, Campanella, Daichi Yamamoto, MFS
INFO : 浪漫的工作室 Romantic Office https://www.instagram.com/romanticoffice/

発売日:台湾時間2024年8月30日(金)12:00〜(日本13:00)
TICKET : https://romanticoffice.kktix.cc/events/241113

日時:2024年11月20日(水) OPEN 18:30 / START 19:30
会場:仙台・darwin
料金:前売 ¥5,000 / 当日 ¥5,500 (D代別)
LIVE : JJJ w/ Aru-2
INFO : EDWARD LIVE 022-266-7555 (平日11:00~15:00)

[オフィシャル先行]
受付期間 : 2024年8月30日(金)12:00〜9月5日(木)23:59まで
受付方法 : 抽選
受付URL : https://w.pia.jp/t/jjj/

[現地先行]
ぴあ : https://w.pia.jp/t/jjj/ (2024年9月6日(金)11:00〜9月12日(木)11:00まで)
ローチケ : https://l-tike.com/jjj/ (2024年9月6日(金)12:00〜9月16日(月・祝)23:59まで)
e+ : https://eplus.jp/jjj/ (2024年9月6日(金)12:00~9月11日(水)18:00まで)

[一般発売]
2024年9月21日(土)10:00〜
ぴあ : https://w.pia.jp/t/jjj/
ローチケ : https://l-tike.com/jjj/
e+ : https://eplus.jp/jjj/

日時 : 2024年11月30日(土) OPEN 16:00 / START 17:00
会場 : 東京・日比谷公園大音楽堂
料金 : スタンディング, 指定席 ¥6,500 (D代別)
LIVE : JJJ w/ Aru-2, 岩見継吾, 岡村秀太郎, 瀧北榮山
DJ : Kazuhiko Fujita, KID FRESINO, KM
INFO : SMASH 03-3444-6751 https://smash-jpn.com / HOT STUFF PROMOTION 050-5211-6077 https://www.red-hot.ne.jp

[オフィシャル先行]
受付期間 : 2024年8月30日(金)12:00〜9月5日(木)23:59まで
受付方法 : 抽選
受付URL : https://w.pia.jp/t/jjj/

[一般発売]
2024年9月21日(土)10:00〜
ぴあ : https://w.pia.jp/t/jjj/
ローチケ : https://l-tike.com/jjj/
e+ : https://eplus.jp/jjj/

※未就学児入場不可、小学生以上はチケットが必要になります。
※お1人様4枚までお申し込み可能です。
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【TV オンエア】

SPACE SHOWER TV Special Program
O.A : 2024.09.03 (Tue) 23:30~
https://tv.spaceshower.jp/p/00088498



UK/レスターを拠点に活動するSainté(サンテ)がニューシングル「Programme Channel」をYSMからリリースした。この曲は"Future Bass"を音楽的なテーマにしている。今年、ラッパーは、フルアルバム「Still Local」で快調な滑り出しを見せ、さらにこの新曲でも好調を維持している。

 

最新アルバムのレビューでは、ローカルラップのヒーローと紹介したが、SainteのヒップホップのトラックはStomzyの系譜にある都市的な雰囲気を持つ。イントロでは、チルアウト風とR&Bのクロスオーバーを基に、ハートウォーミングなリリック捌きを披露する。この曲では、Sainteはまったりしたニュアンスを披露し、ドラムンベースのビートを背景に、リラックスした感覚を擁するフロウを披露している。曲の後半では、ロンドン近郊のコアなダンス・ミュージック、とりわけ、”フューチャー・ベース”のビートがスタイリッシュな印象を醸し出している。

 

Saintéのヒップホップは、カー・マニアとしての表情と、レスターという都市の地域性、そして、ロンドンやマンチェスターといった都市のミュージシャンに引けを取らぬアーティストの”都会的なセンス”から導き出される。ある意味では、ストリートの匂いを吸い込んだリアルな感覚を持つラップが魅力。彼のヒップホップは録音現場だけではなく、リアルな空間でその真価を発揮するはずだ。

 

 

「Programme Channel」

Toro y Moi announces new album "Hole Erth"

 

 

Toro Y Moi(チャズ・ベア)がニューアルバム『Hole Erth』で帰ってくる。このアルバムは9月8日にDead Oceansから発売される。『Mahal』に続く8作目のフルアルバム。

 

このアルバムは、アンセミックなポップ・パンクとオートチューニングのメランコリックなラップをクロスオーバーし、彼の多彩な音楽の趣味を反映させている。、チャズ・ベアの音楽史-パンクやエモに没頭した幼少期、現代ラップ界の大物たちのプロデュースを手がけた過去を網羅している。



ベン・ギバード、ポーチズ、ケヴィン・アブストラクト、グレイヴ、ケニー・メイスン、ドン・トリヴァー、ダックワース、イライジャ・ケスラー、レフなど、豪華なゲストが参加している。


リード・シングルの「Tuesday」は西海岸のポップ・パンクをラップ側から解釈したようなナンバー。この曲についてチャズ・ベアは次のように説明している。


「この郊外のアンセムを楽しんでもらいたい。大人になってからは、メインストリームとアンダーグラウンドのアーティストの境界線はしばしば物議をかもしたが、今ではその境界線は曖昧になり、何が好きなのかさえわからなくなってしまった...ときもある」

 

 

 「Tuesday」- Best New Tracks



アルバムの発表に合わせて、トロ・イ・モイはロサンゼルスのハリウッド・フォーエヴァー墓地でのヘッドライン公演とザック・フォックスのサポートDJセット、翌月のニューヨークのノックダウン・センターでの公演を発表した。

 

これらの公演は、8月にカリフォルニア州バークレーのグリーク・シアターで行われるヘッドライン公演の発表に続くものである。彼にとってこれまでで最大の公演であり、2019年にサンフランシスコのThe Fillmoreで2晩を完売させて以来、この地域では初のヘッドライナー公演となる。



2nd single- 「Heaven」



トロ・イ・モイはケヴィン・アブストラクトとレヴとタッグを組み、ブロークン・ソーシャル・シーンの「Anthems for a Seventeen Year-Old Girl」のサンプルを挿入した新曲「Heaven」を発表した。この曲はリードシングル「Tuesday」に続く、Toro y Moiの次のアルバム『Hole Erth』のプレビュー第2弾となる。インディア・スリーム監督によるビデオは以下より。


トロ・イ・モイはこのニューシングルについて次のように語っている。


「ミュージシャンとして、ソングライターが...何もないところから出てきた。あるいは、数分から数時間のうちに書かれた曲で、淡々とした魔法がかかっている。『Heaven』はまさにそれだ。サンフランシスコのディファレント・ファーでの『ホール・アース』セッションの初日に書かれた」


「私はエンジニアのグレース・コールマンに、私のスタジオのデモの中からランダムにセッションを開いてくれるように頼んだ。セッションを始めてから1時間も経たないうち、私は2番目のヴァースをラップしている自分に気づき、完成させる価値のある曲ができたかもしれないと思った」


「プロダクションやミックスについてそれほど難しく考えないで、ただ、自分の考えに耳を傾ける。私は、最終的に、処理する瞬間について書き、ミュージシャンの旅は絶え間ない修行であり、ある側面に注意を払うだけで、何かが抜け落ちてしまう余地があることに気づいたんだ。提示された選択肢がすべて詩的に両極端であるとき、人はどのように決断を下すのだろうか?」

 

 

「Heaven」

 

 

・3rd、4th Single「Hollywood」/ 「CD-R」

Toro y Moi
Toro y Moi

西海岸のチルウェイブの象徴的なミュージシャン、Toro y Moi(トロ・イ・モア)の次回作『Hole Erth』が約1ヶ月後に発売される。今回、チャズ・ベアは次回作から2曲をドロップした。

 

「Hollywood」では、Toro y Moiが「エモ・トラップの領域に入っていることがわかる」とBrooklyn Veganは指摘している。この曲には、デス・キャブ・フォー・キューティーとザ・ポスタル・サービスのベン・ギバードがヴォーカルとして参加している。「私は以前からベンの音楽のファンで、彼がアルバムに参加するのは的確だと思った。怒りやノスタルジアをテーマにしているから、『Hollywood』は完璧にフィットしていると感じた」

 

 「Hollywood」

 

同時に公開された「CD-R」は、チャズ・ベアが言うには、「プレイリストやストリーミングの前の時代、アルゴリズムではなく人々によってキュレーションされていた時代に敬意を表した曲」であるという。トラップをベースにテクノ風のIDMを結びつけている。両曲とも下記で聴くことができる。


ニューアルバム『Hole Erth』は9月6日にDead Oceansからリリースされる。ゲスト・ミュージシャンも豪華なので注目したいところだ。Duckwrth、Elijah Kessler、Don Toliver、Porches、Kenny Mason、Kevin Abstract、Lev、Glaiveらが参加している。チャズ・ベアーは、10月3日のKnockdown Centerでのニューヨーク公演を含む、アルバムのツアーを間もなく行う予定。

 

「CD-R」


 

 

Toro Y Moi によるニューアルバム『Hole Erth』は9月6日にDead Oceansからリリースされる。



Toro Y Moi Tour Date:


8/9 – Vancouver, BC @ Vogue Theatre
8/10 – Seattle, WA @ Thing Fest
8/11 – Portland, OR @ The Best Day Ever Festival
8/13 – Berkeley, CA @ Greek Theatre (with Aminé)
9/20 – Los Angeles, CA @ Hollywood Forever with Zack Fox (DJ Set)
10/3 – Queens, NY @ The Knockdown Center
10/18 – 10/19 – Miami, FL @ III Points Festival




Toro Y Moi 『Hole Erth』

Label: Dead Oceans

Release: 2024年9月8日


Tracklist:

1. Walking In The Rain

2. CD-R

3. HOV

4. Tuesday

5. Hollywood (Feat. Benjamin Gibbard)

6. Reseda (Feat. Duckwrth & Elijah Kessler)

7. Babydaddy

8. Madonna (Feat. Don Toliver)

9. Undercurrent (Feat. Don Toliver & Porches)

10. Off Road

11. Smoke (Feat. Kenny Mason)

12. Heaven (Feat. Kevin Abstract & Lev)

13. Starlink (Feat. Glaive)

 

 

 

Toro Y Moi:

 

トロ・イ・モワは、サウスカロライナ出身でベイエリアを拠点とするチャズ・ベアによる12年以上にわたるプロジェクトである。

 

2008年の世界的な経済破綻をきっかけに、Toro y Moiはチルウェイヴとして広く知られるサブジャンルの旗手として頭角を現した。その後10年間、彼の音楽とグラフィック・デザインは、その特別な呼称をはるかに、はるかに凌駕してきた。偉大なレーベル、Carparkとの9枚のアルバムを通して、彼はサイケ・ロック、ディープ・ハウス、UKヒップホップ、R&B、そしてその枠を超え、むしろ象徴的で明るくきらめくToro y Moiの指紋を失うことなく探求してきた。

 

ベアーはグラフィックデザイナーとしても活動している。ナイキ、ダブラブ、ヴァンズなどのブランドとコラボレートしてきた。ソングライター、プロデューサーとしても、タイラー、ザ・クリエイター、フルーム、トラヴィス・スコット、HAIM、ティーガン&サラといったアーティストとコラボしている。

E L U C I D

ニューヨークのラッパー/プロデューサー、E L U C I Dがニューアルバム『REVELATOR』を発表した。Fat  Possumから10月11日にリリースされる。E L U C I Dは昨年、Armand Hammer、billy woods、JPEGMAFIAとのコラボレーションアルバム「We Buy Diabetic Test Strip」を発表している。


ビリー・ウッズをフィーチャーしたアルバムのリードシングル「Instant Transfer」はトラップのスタイルの巧みなラップでリスナーを惑乱させる。放送禁止用語のNワード等はお手のもの。同時に公開された「Slum of A Disregard」は、コラボレーションアルバムの経験を活かしたドラッギーなアブストラクトヒップホップだ。先鋭的なラッパーとしての才覚を遺憾なく発揮している。


『REVELATOR」は生々しく、ひび割れるような衝動が地下送電線のように還流している。ELUCIDが作り上げたオーディオアウトバーンからのオフランプが権力者や加担者の家をブルドーザーで破壊する。金の前掛けをつけた反逆者ロバート・モーゼス。『REVELATOR』は、目をそらすことを拒否する。今を生きるエネルギーに満ちている。殺人仮面のカルペ・ディエム。


『REVELATOR」のパッケージは、長年アーマンド・ハマー/バックウッズのアートディレクターを務めたアレクサンダー・リヒターがデザインした。



「INSTANT TRANSFER (feat. billy wood)」- Best New Track
 


「SLUM OF A DISREGARD」

 



E L U C I D『REVELATOR』


Label: Fat Possum

Release: 2024年10月11日


Traclklist:


THE WORLD IS DOG

CCTV (feat. Creature)

YOTTABYTE

BAD POLLEN (feat. billy woods)

SLUM OF A DISREGARD

RFID

INSTANT TRANSFER (feat. billy wood)

IKEBANA

IN THE SHADOW OF IF

SKP

HUSHPUPPIES

14.4 (feat. Sketch185)

VOICE 2 SKULL

XOLO

ZIGZAGZIG

 JPEGMAFIA 『I Lay Down My Life For You』


 

Label : AWAL

Release: 2024年8月1日

 

Review     


アブストラクト・ヒップホップの帝王の新作

 

JPEGMAFIAのラップは、いわゆる実験的で抽象的なヒップホップ、つまりアブストラクト・ヒップホップと呼ばれることがあり、リリックや音楽性の先鋭的な側面に焦点が絞られている。同時に、JPEGMAFIAは、ヒップホップというジャンルに必要以上にこだわることはあまりない。Danny Brownとのコラボレーションの時、彼はSlayerのカットソーを着ていた。ダニー・ブラウンもMayhemのシャツを着ていた。二人は揃って、どうやらコアなメタルのファンらしい。

 

当然のことながら、あるジャンルの音楽をやっているからと言えども、自分の関わる音楽ジャンルだけを聴いているアーティストはほとんどいないのではないか。そして、まったく無関係の音楽からヒントを得ることもあるだろうし、また、ライターズブロックが解消されるとき、想像もしないような方向から解消されるものである。最近のラップアーティストと同じように、JPEGMAFIAのラップも未知なる可能性に満ちていて、なにが次に起こるかわからないから興味深い。

 

このアルバムは、盟友であるダニー・ブラウンの昨年の最新作『Quaranta』に部分的に触発を受けたような作品である。序盤ではドラムのアコースティックの録音を織り交ぜ、不可解で予測不能なアブストラクトヒップホップが繰り広げられる。「i scream this in the mirror-」では、ノイズやロック、メタルを織り交ぜ、80年代から受け継がれるラップのクロスオーバーも進化し続けていることを感じさせる。メタル風のギターをサンプリングで打ち込んだりしながら、明らかにスラッシュ・メタルのボーカルに触発されたようなハードコアなフロウを披露する。そして、断片的には本当にハードコアパンクのようなボーカルをニュアンスに置き換えていたりする。ここでは彼のラップがなぜ「Dope」であると称されるのか、その一端に触れることができる。

 

そして、ターンテーブルの音飛びから発生したヒップホップの古典であるブレイクビーツの技法も、JPEGの手にかかるや否や、単なる音飛びという範疇を軽々と越え、サイケデリックな領域に近づく。「SIN MIEDO」は音形に細かな処理を施し、音をぶつ切りにし、聞き手を面食らわせる。ただ、これらは、Yves Tumorが試作しているのと同じく、ブレイクビーツの次にある「ポスト・ブレイクビーツの誕生」と見ても違和感がない。普通のものでは満足しないJPEGMAFIAは、珍しいものや一般的に知られていないもの、刺激的なものを表現すべく試みる。そして、音楽的には80年代のエレクトロなどを参考にし、ラップからフロウに近づき、激しいエナジーを放出させる。これは彼のライブでもお馴染みのラップのスタイルであると思う。

 

今回、JPEGMAFIAは、ダブ的な技法をブレイクビーツと結びつけている。そして、比較的ポピュラーな曲も制作している。「I'll Be Right Time」では、 背後にはEarth Wind & Fireのようなディスコ・ファンクのサンプリングを織り交ぜ、まったりとしたラップを披露する。そして、ブラウンと同様に、JPEGMAFIAのボーカルのニュアンスの変化は、玄人好みと言えるのではないだろうか。つまり、聴いていて、安心感があり、陶然とさせるものを持ち合わせているのだ。これは実は、70、80年代のモータウンのようなブラックミュージックと共鳴するところがある。


そして続く「it's dark and hell is hot」では、イントロにおいてドゥワップのコーラスをなぞられている。しかし、その後、何が始まるかといえば、ゲームサウンドに重点を置いたようなラップである。そしてそれらのイントロのモチーフに続いて、シュールな感じのヒップホップを展開させる。


ドラムを中心とする細かなリズム/ビートをAphexTwinの最初期のサウンドのようにアシッド・ハウス/アシッド・テクノの観点から解釈し、早回しのリリックさばきをし、彼の持ち味であるドープなフロウへと近づけようとする。フロウは、いきなり発生することはなく、ビートや言葉を辛抱強く続けた先に偶発的に起きるものである。そのことを象徴付けるかのように、ダークなラップを続けながら、JPEGはハイライトとなる瞬間、ハードコア・パンクやメタルのようなボーカルへと変化させる。この一瞬に彼のラップの特異なスペシャリティが発生するのである。 

 

 

 「I'll Be Right Time」

 

 

 

このアルバムの中盤には、いわゆるアブストラクトヒップホップ、そして、ニューヨークドリルの最も前衛的で過激な部分が出現する。ロサンゼルス/コンプトンのラッパー、Vince Staplesをゲストに招いた「New Black History」では、英国のモダンなエレクトロニックと多角的なリズムを織り交ぜたダブステップ以降のヒップホップを制作している。


ここでは、彼自らがブラックミュージックの新しい歴史を作るといわんばかりの覇気を込めて、ミュージックコンクレートやサンプリングを織り交ぜながら、刺激的なヒップホップの雛型を丹念に構築していく。「don't rely on other man」では、JPEGがアクション映画にあこがれているのではないかと伺わせるものがある。そしてブレイクビーツを生かしたビートやラップは、悪役の活躍するハリウッドのアクション映画のワンシーンを聞き手の脳裏に呼び覚ます。この曲では彼のラップが最もシネマティックな表現性に近づいた瞬間を捉えることができるはずだ。

 

JPEGMAFIAはどうやら、ギターロックやハードロックがかなりお好きなようである。実際的には80年代のギターヒーローの時代のメタリカ、アンスラックス、その周辺のハードロック/メタルからの影響を感じさせることがある。しかし、そうだとしても、やはりこのアルバムでは先鋭的なヒップホップのサウンド加工が施されると、「vulgar display of power」のように前衛的な響きを帯びる。そして近年のハイパーポップやエクスペリメンタルポップをラップという領域に持ち込むと、このような曲になる。ここでは彼のバックグランドにあるフレンドシップの感覚がパワフルなコーラスに乗り移る。そしてそれらのコーラスが熱狂的なエナジーを発生させる。ここまでを『I Lay Down My Life For You』の前半部とすると、続く「Exmilitary」から第二部となり、その音楽性もガラリと変化する。中には、ビンテージなソウルとブレイクビーツを組み合わせたデ・ラ・ソウルの系譜の古典的なヒップホップに傾倒している曲も含まれている。

 

「Exmilitary」はターンテーブルのスクラッチ音で始まり、古いラジオやレコードの時代の懐かしさへと誘う。その後、レゲエ/ダブのサンプリングを起点に、まったりしたボーカルのニュアンスを披露する。JPEGは東海岸のラッパーだが、西海岸及び南部的なニュアンスを持ち合わせている。これが良い癒やしの瞬間になり、いわばアーバンな雰囲気は南国的なリゾートの気分へと変わる。


曲の展開の仕方も見事である。「Exmilitary」の後半部では、JPEGのラップとしては珍しく、エモーショナルな性質、ややセンチメンタルな曲風へと変遷していく。これは従来のJPEGの作風から見ると、すごく新鮮に聞こえることがある。


もちろん、ラッパーとして、ユニークな表現も忘れてはいない。「Jihad Joe」は、政治に対する揶揄であるものと思われ、この人物がジハードを勃発させたことを暗にジョークで指摘している。ただ、ラップのスタイルがギャングスタ・ラップに影響を受けているとはいえ、表現や歌のニュアンスは、やや救いがある内容となっている。暗い側面を歌うことが現代的なラップのスタイルとなっているが、JPEGは、この画期的な曲の中で、旧来のヒップホップの時計の針を未来へと進め、むしろ暗さという概念の中にユニークな性質が見いだせることを指摘している。


このアルバムは、旧来のJPEGのアルバムの中で最も多彩な音楽性に縁取られていて、彼のカタログの中でもとっつきやすい。そして、ヒップホップがどこまでも純粋で楽しい音楽であることを教えてくれる。「JEPGULTRA!」は、澄んだ音の響きがあり、素晴らしいナンバー。聴いているだけで元気や明るさが漲ってくる一曲である。デンゼル・カリーが参加したこの曲では、アフリカ/カリブといったエキゾチックな民族音楽をヒップホップとつなぎ合わせ、最終的にハード・バップのようなジャズに組み換え、陽気なお祭り気分の楽しい音楽に昇華させている。そう、この曲ではヒップホップという表現を通して世界を結びつける試みが行われている。

 

このアルバムは、アブストラクトヒップホップとして複雑化した音楽の側面も内包されるが、その一方で、簡潔さという、それとは対極にある要素もある。そして、音楽を聞き進めていく内に、閉鎖的な感覚であったものが徐々に開けてくるような感覚がある。「either on or off the drugs」は古典的なソウル、もしくはネオソウルとして聴いても秀逸なナンバーである。女性ボーカルの録音を元に、ライオネル・リッチーやジャクソン、そしてホイットニー・ヒューストンの時代の愛に満ちあふれていたソウルの魅力を、彼はラップで呼び起こす。ラップのニュアンスも素晴らしく、こまやかなトーンや音程の変化には、ビンテージソウルの温かさが込められている。オーティス・レディングが現代に転生し、ラップしはじめたようにファンタスティック。続く「loop it and leave it」では、ピアノのサンプリングを断片的に配して、ミニマルミュージックをベースにしたヒップホップへと昇華させる。すでにフランク・オーシャンが行った試みだが、この曲では「Flllow me」というフレーズを通してアンセミックなフレーズを強調している。これは必ずしもJPEGの音楽がレコーディング・スタジオにとどまるものではないことを示唆している。つまり、ライブやショーケースでのパフォーマンスで生きるような一曲である。

 

曲単位で見ると、分散的に過ぎるように思えるこのアルバム。しかし、全体として聴くと、何らかの流れのようなものがある。そして、それは起承転結のような簡素なリテラチャーの形式に近いものである。

 

そして、アルバムのクライマックスにも聴きどころがしっかり用意されている。「Don't Put Anything on the Bible」では、最近のイギリスのヒップホップやクラブ・ミュージックと連動するように、フォーク音楽やクラシック音楽の領域に近づいている。それはカニエ・ウェストと同じように、クワイア(賛美歌)のような趣旨が込められているが、曲そのものがスムースで、透徹したものがある。表現そのものに夾雑物や濁りのようなものがほとんどない。これが参加したBuzzy Leeの美しいボーカルの持つ魅力を巧みに引き立てているように感じられる。曲の後半では、トリップ・ホップに触発されたようなクールなラップミュージックが展開される。

 

アルバムの最後でも、JPEGMAFIAは、これまでに経験したことがなかったであろう新たな音楽にチャレンジする。「i recovered from this」では、メディエーションの音楽を元に、これまで芸術と見なされることが少なかったヒップホップのリベラルアーツとしての側面を強調している。このアルバムを聴くと、ラップの固定概念や見方が少し変わる可能性がある。そして、音楽でそれを試みようとしていることに、アーティストの素晴らしい心意気を感じることができる。

 

 

90/100



 * JPEGのフェイスマスクには日本語で「不安な」と書いてある。アルバム・タイトルはラッパーとして神に殉ずる覚悟のほどが示されている。最近、彼は、ライブのフライヤーに「戦争」や「降伏」という言葉を使ってくれているのを見るかぎり、どうやら日本語に凝ってるらしい。


 

Best Track - 「vulgar display of power」





 Kanye West- ¥$- Ty Dolla Sign  『Vultures 2』 

Label : YZY

Release: 2024年8月3日


Review


『Donda 2』を独自のプラットフォームから発売し、主要な公式のチャートから除外されたことがわかった時、一方的な勝利宣言を表明したカニエ・ウェスト。彼は、その後、アディダスとのファッション・コラボに関して、ゴシップ的な話題を振りまいていた。彼の独自ブランドであるYeezyがアディダスとのパートナーシップが解消されたとき、大手のメディアはこの話題に真っ先に飛びついた。彼のパートナーシップ解消には、シオニズムに対する嫌悪が一因としてあったが、一方、まったくそれと無関係ではない企業のスケッチャーズにスニーカーの宣伝を行ったのは、悪手を踏んだと言える。近年、カニエ・ウェストは、ファッションブランドの展開に夢中になっていたが、タイダラー・サイン、そして、謎のラッパー、¥$とのトリプルコラボで、カニエの音楽がヒップではなくなったという音楽ファンに一矢報いようとしている。

 

アルバムのアートワークも意味深だ。以前の大統領選挙にも立候補したことがあるYeであるが、 やや彼の候補者としてのスピーチは、帳尻の合わないものだった。しかし、彼が政治的な話題に関心があり、そして、米国の腐敗した政治を変えようとする心意気だけは偽りのないものである。アルバムのアートワークに撮影された黒ずくめの男はほかでもない、カニエ本人かもしれない。首からぶら下げたポートレイトは何を意味するのか。追悼、もしくは哀悼、いくつかの可能性が考えられるが、このジャケットには銃をズボンに忍ばせ、黒人の生活の脅威を暗示したコンプトンのラッパーと同じように、何らかの政治的なメッセージが込められているのかもしれない。確かなことは言えないが、これは世界的な政治に対する暗示でもあるのだろう。

 

『Donda」、そして『Donda 2』で商業化されたラップの形骸化を予見していたものだとすれば、『Vulture』、『Vultures 2』ではその形骸化を乗り越え、シアトリカルなラップの領域へと踏み入れている。一作目ではやや演劇的な試みが散漫になりすぎた印象もあるが、次作ではややそれが解消されつつある。

 

そして、カニエ・ウェストの計画する理想的なラップとは、おそらく賛美歌のような高らかな世界、または、クワイアのような友愛的な世界であることが伺える。これは前作『Vulture』でも部分的に登場していたが、『Vulture 2』でも「The Moving Slow」で登場する。この曲ではゴスペルのルーツをたどり、アフリカの民族音楽のような開放的な音楽をクワイアで表現し、現代的なラップと融合させている。一方、「Fried」では、シカゴ・ドリルをシアトリカルな音楽という試みが見受けられる。この曲でも、祝福されたような音楽を表現しようとしている。


デビュー当時のカニエ・ウェストの持ち味とは、サイケデリックなソウルをターンテーブルのビートと結びつけて、それらをやや内省的な感覚と結びつけたのがとても画期的だった。いつしかブラックミュージックの歴史と連動するようにして、それらの音楽は、商業化のウェイブに飲み込まれていき、やや形骸化していった印象もあるが、少なくとも、最近では、完全な形になったとは言えまいが、そのエネルギッシュな側面の裏側にある内省的な感覚が徐々に戻ってきている。例えば、「Husband」や「Lifestyle」はその象徴的なトラックと言えるかもしれない。ラッパーとして重要なのは、なにか得難い迫力があるということ、そして、ラップやフロウ、さらにはニュアンスに味があるということ。何より後者のトラックでは、年齢を経たラッパーとしての渋さが出てきている。これらはまだニュアンスという側面では、ベストな領域まで到達していないが、ラッパーとしての復活の兆しが見られるような気がしている。


特に、ラップやフロウ、そしてニュアンスの側面から見ると、「530」がかなり良い線を行っている。女性ボーカルを交えたこの曲では、ソウルミュージックの系譜にあるヒップホップの持ち味を探っている。ただ、いわゆるドープとまではいかず、ややラップにリズム的な乱れが含まれている。そしてフロウに入りかけたとたん、その手前でつまずいたり、とまってしまうことがある。これはまだウェストがラップをすることに関して、何らかの戸惑いや困惑を感じているか、もしくは、心の奥深くに遠慮があることを感じさせる。しかし、もっと大胆なフロウを試みても面白くなるはずである。

 

一方、「FOREVER ROLLING」では、コラボレーターとのラップを通して、ややスリリングな瞬間を形づくる。結局、ラップのレコードというのは、レコーディングの白熱した感覚や、マイクバトルのような瞬間に刺激性があれば、それはおのずと聞き手にも伝わってくるし、その奇妙な熱狂がラップの醍醐味なのではないかと思うことがある。そういった側面では、この曲では、ラッパーとしての足がかりのようなものが見出されたのではないかと推測される。


カニエ・ウェストはラップアーティストがインディーロックや他の音楽を制作することの可能性を示したアーティストで、それはフランク・オーシャン、そしてトロイ・モアのような現代的なシンガーソングライターに受け継がれていったが、このアルバムでも、単なるヒップホップという枠組みにとらわれない曲も収録されている。断片的なマテリアル「Isabella」ではギターロックをやっているし、「Sky City」では、同じようにオルタナティヴロックとフォークミュージックを結びつけて、それらにソウルやチルウェイブの色合いを加えている。

 

アルバムのクローズ「My Soul」では、このシンガーがソウルミュージックに対する愛着がいまだ深いことをなんとなく伺わせる。

 

ラップ・アーティストとして名声を上げると、ついそのジャンルにこだわってしまう。しかし、ひとつの表現にこだわることはないのだし、他にも様々な可能性があることをこのアルバムは教えてくれる。スターダムに近くなるにつれ、他者の評価や名声という側面を念頭から振り払うことは困難になってくる。でも、そんなことは二の次である。自分が本当に面白いというもの、やっていて熱狂できるものを作ることが、ミュージシャンにとって最善の道である。そして、彼自身が本当に心から熱狂出来たとき、再び世界のファンがその音楽に熱中し、完全なる復活の時を迎えるだろう。



75/100

 

 

 Best Track- 「Fried」

 


Childish Gambino(チャイルディッシュ・ガンビーノ)がアマラエとジョルジャ・スミスと組んだ新曲「In the Night」をリリースした。

 

この曲は、チャイルディッシュ・ガンビーノとしての最後のアルバムとなるドナルド・グローヴァーの同名映画のサウンドトラック『Bando Stone & the New World』に収録される。この曲はグローヴァー、DJダヒ、カーティス・マッケンジーの共同プロデュース。以下よりチェックしてみて下さい。


ニューアルバム『Bando Stone & the New World』は7月19日(金)にmcDJ/RCAからリリースされます。



 Sudanese-Canadian artist -Mustafa- releases debut album "Dunya".

©Jack McKain


スーダン系カナダ人アーティストのMustafa(ムスタファ)が、公式デビュー・アルバム『Dunya』をジャグジャグワーから9月27日にリリースすると発表した。これまでのシングル「Imaan」、「Name of God」、「Gaza Is Calling」に加え、新曲「SNL」が収録されている。


2021年発表の『When Smoke Rises』に続く12曲入りLPには、ロザリア、ザ・ナショナルのアーロン・デスナー、クレイロ、ニコラス・ジャール、ダニエル・シーザー、ラミー・ユセフらが参加している。SNL」は、ムスタファの頻繁なコラボレーターであるサイモン・ヘスマンとロダイド・マクドナルドがプロデュースした。

 

 「SNL」



Mustafa 『Dunya』


Label: jagujaguwar

Release: 2024年9月27日

 

Tracklist:


1. Name of God

2. What Happened, Mohamed?

3. Imaan

4. What good is a heart?

5. SNL

6. I’ll Go Anywhere

7. Beauty, end

8. Old Life

9. Gaza is Calling

10. Leaving Toronto

11. Hope is a Knife

12. Nouri

 Moses Sumney Announces New EP "Sophcore"   



Moses Sumney(モーゼス・サムニー)が新作EP『Sophcore』を正式に発表し、その中から新曲「Gold Coast」を公開した。EPはサムニー自身のレーベル"Tuntum"から8月2日にリリースされる。


サムニーはプレスリリースで次のように語っている。 「ソフコアは、官能と直感...難解さと大衆性...深い感情と楽しさの間の出会いを探求している。地下のリズム、ベース、ドラムに飛び込み、心だけでなく背骨のための音楽を作る」


2022年、サムニーはライブ・コンサート映像作品『A Performance in V Acts』を発表した。

 

2021年、サムニーは自身のレーベルTUNTUMからライブ・アルバム『Blackalachia』とそれに付随するフィルムをリリースした。サムニーは俳優としても活動しており、現在A24のティ・ウェスト監督作品『MaXXXine』に出演中だ。ミア・ゴス、ホルシー、ケヴィン・ベーコンらと共演している。

 


「Gold Coast」



Moses Sumney 『Sophcore』 EP

 

Label: Tuntum

Release: 2024年8月2日 


Tracklist:


1. I’m Better (I’m Bad)

2. Vintage

3. Whippedlashed

4. Gold Coast

5. Hey Girl

6. Love’s Refrain



コンプトンの英雄、ケンドリック・ラマーが、ドレイクとの確執から生まれた最大のヒット曲「Not Like Us」の待望のビデオを公開した。


ケンドリックはすでに人物そのものがブランド化している。何の変哲のない曲も、彼がラップすると、プレミア的な付加価値がついて、それ以上の価値を持ち、社会現象となる。こういった影響度は並みの人間がもちえるものではない。新しいラップの王者はやはり……ラマーなのだ。


さて、デイヴ・フリーとラマーが監督を務めたこの映像には王者の余裕がただよう。コンプトンのラッパーが故郷で祝杯を挙げる様子が収められており、楽曲のプロデューサーであるマスタード、クランプのゴッドファーザーであるトミー・ザ・クラウン、元トロント・ラプターのデマー・デローザン、アンソニー・"トップ・ドッグ"・ティフィスらがカメオ出演している。


ラマーの婚約者ホイットニー・アルフォードと2人の子供もリビングルームで一緒に踊っており、ドレイクが「Family Matters」でフリーとアルフォードの間にラマーの子供をもうけたと主張していることに反論している。クリップは以下から。


ラマーは6月下旬、故郷のロサンゼルスで6月1日に開催されたポップ・アウト・コンサートの後に「Not Like Us」を撮影した。その中で「Not Like Us」を6回演奏した!?



「Not Like Us」

Childish Gambino announce their sixth studio album, "Bando Stone & The New World

Childish Gambino
Childish Gambino

 

カルフォルニア出身のミュージシャン、ラッパーでもあるドナルド・グローヴァーことチャイルディッシュ・ガンビーノ(Childish Gambino)が、6枚目のスタジオアルバム「Bando Stone & The New World」を7月19日にRCAからリリースすることを発表した。このアルバムはチャイルディッシュ・ガンビーノ名義の最後の作品となる。(プリセーブ/プレアドはこちら


「Atavista」(4thアルバム「3.15.20」のリイシュー)に続く新譜は、グローヴァーにとってチャイルディッシュ・ガンビーノ名義での最後の作品となる。8月11日のオクラホマ・シティを皮切りにスタートするザ・ニュー・ワールド・ツアーの北米公演では、スペシャル・ゲストとしてウィローを迎え、30以上の都市を回る予定だ。

 

チャイルディッシュ・ガンビーノはこの夏、AEGプレゼンツがプロデュースするザ・ニュー・ワールド・ツアーで再び世界的なステージに立つ予定。待望のアメリカ公演は、8月11日にオクラホマシティのペイコム・センターでスタート、10月3日にイリノイ州シカゴのユナイテッド・センターで幕を閉じるまで、北米で33カ所を回る。

 

ガンビーノはその後、ヨーロッパ/イギリス、オーストラリア/ニュージーランド公演をリヨンで開始する。ニュー・ワールド・ツアーは、10月31日にフランスのリヨンでスタートし、2月11日に西オーストラリア州パースのRACアリーナで幕を閉じる。北米ではWILLOWがダイレクト・サポートを務めることが決定している。チケットはthenewworldtour.comで入手可能。



「Lithonia」


チャイルディッシュ・ガンビーノの今後のツアー日程は以下からチェックできる。

 

 

NORTH AMERICA 2024


Sun Aug 11 – Oklahoma City, OK – Paycom Center *
Mon Aug 12 – Kansas City, MO – T-Mobile Center *
Wed Aug 14 – Milwaukee, WI – Fiserv Forum *
Thu Aug 15 – Columbus, OH – Schottenstein Center *
Sat Aug 17 – Detroit, MI – Little Caesars Arena *
Sun Aug 18 – Toronto, ON – Scotiabank Arena *
Tue Aug 20 – Pittsburgh, PA – PPG Paints Arena *
Wed Aug 21 – Philadelphia, PA – Wells Fargo Center *
Fri Aug 23 – Boston, MA – TD Garden *
Sat Aug 24 – Uncasville, CT – Mohegan Sun Arena *
Mon Aug 26 – Brooklyn, NY – Barclays Center *
Tue Aug 27 – Brooklyn, NY – Barclays Center *
Thu Aug 29 – Washington, D.C. – Capital One Arena *
Fri Aug 30 – Raleigh, NC – PNC Arena *
Sun Sep 1 – Nashville, TN – Bridgestone Arena *
Mon Sep 2 – Atlanta, GA – State Farm Arena *
Wed Sep 4 – Tampa, FL – Amalie Arena *
Thu Sep 5 – Sunrise, FL – Amerant Bank Arena *
Sat Sep 7 – New Orleans, LA – Smoothie King Center *
Sun Sep 8 – Houston, TX – Toyota Center *
Tue Sep 10 – Austin, TX – Moody Center *
Wed Sep 11 – Dallas, TX – American Airlines Center *
Fri Sep 13 – Denver, CO – Ball Arena *
Sat Sep 14 – Salt Lake City, UT – Delta Center *
Mon Sep 16 – Phoenix, AZ – Footprint Center *
Wed Sep 18 – Los Angeles, CA – Crypto.com Arena *
Thu Sep 19 – Los Angeles, CA – Crypto.com Arena *
Sat Sep 21 – San Francisco, CA – Chase Center *
Mon Sep 23 – Vancouver, BC – Rogers Arena *
Tue Sep 24 – Portland, OR – Moda Center *
Wed Sep 25 – Seattle, WA – Climate Pledge Arena *
Fri Sep 27 – Calgary, AB – Scotiabank Saddledome *
Sun Sep 29 – Edmonton, AB – Rogers Place *
Wed Oct 2 – St. Paul, MN – Xcel Energy Center *
Thu Oct 3 – Chicago, IL – United Center *


EUROPE/UK 2024


Thu, Oct 31 – Lyon, FR – LDLC Arena #
Sat, Nov 2 – Milan, IT – Unipol Forum #
Mon, Nov 4 – Cologne, DE – Lanxess Arena #
Wed, Nov 6 – Hamburg, DE – Barclays Arena #
Fri, Nov 8 – Oslo, NO – Oslo Spektrum #
Sun, Nov 10 – Copenhagen, DK – Royal Arena #
Tue, Nov 12 – Prague, CZ – O2 arena #
Wed, Nov 13 – Berlin, DE – Uber Arena #
Tue, Nov 19 – Paris, FR – Accor Arena #
Thu, Nov 21 – Munich, DE – Olympiahalle #
Sat, Nov 23 – Brussels, BE – ING Arena #
Sun, Nov 24 – Amsterdam, NL – Ziggo Dome #
Tue, Nov 26 – Manchester, UK – AO Arena #
Thu, Nov 28 – Glasgow, UK – OVO Hydro #
Sat, Nov 30 – London, UK – The O2 #
Sun, Dec 1 – London, UK – The O2 #
Tue, Dec 3 – Birmingham, UK – Utilita Arena #
Thu, Dec 5 – Dublin, IE – 3Arena #


AUSTRALIA 2025


Tue, Jan 28 – Auckland, NZ –Spark Arena #
Sat, Feb 1 – Brisbane, QLD – Brisbane Entertainment Centre #
Tue, Feb 4 – Sydney, NSW – Qudos Bank Arena #
Wed, Feb 7 – Melbourne, VIC – Rod Laver Arena #
Sat, Feb 11 – Perth, WA– RAC Arena #


Support Key


* With WILLOW
# With Aamarae

 

Killer Mike
©Andrew Clifton


波瀾万丈の人生を歩むキラー・マイク。彼は最も神様に愛されている。2月のグラミー賞でマイケルの最優秀ラップ・アルバムを含む3部門を受賞した後、ラッパーは会場内の警備員を突き飛ばした廉でロサンゼルス市警に連行。歓喜の直後の悲劇……。しかし、先週、ラッパーはカムバックし、BETアワードのアルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞。逮捕の一件を取り上げた新曲も発表した。「Humble Me」はモノクロのミュージック・ビデオ付きで、以下からチェックしてみよう。


「キラー・マイクはBETアワードのアルバム・オブ・ザ・イヤーの受賞スピーチで、「厳密に言うと、僕はその場にいるはずじゃなかった。手錠をかけられ、建物から追い出された。でも、神を見てくれ、俺は戻ってきた! BETのおかげで、私は戻ってきた。黒人がこのビジネスを運営し、黒人の会社がこのショーを開催し、俺の黒人のケツをここに戻してくれた。本当にありがたい」


新曲についてのプレスリリースの中で、マイクはこうコメントしている。「翌日からスタジオに入った。これまでと同じように刺激を受けているし、今はただ音楽を追いかけている。僕のヒーローは、みんな、何らかの形で手錠をかけられたり、雑に扱われたりしてきた。ライオンの檻の中のダニエルになったその瞬間、私は、神にひたすら感謝した。土砂降りの雨の中、牢屋から出てくると妻が待ってくれてて、マリファナに火をつけ、少し祝杯をあげた後、目を覚ますと、息子の腎臓の手術のニュースが飛び込んできた。謙虚さと礼拝が、あの試練に直面した私に神の恵みを与えてくれたと信じている。そして、息子が腎臓を得たことは、神からの祝福だった」

 


「Humble Me」