イギリス/アイルランドのシンガー、アンナ・B・サヴェージの3枚目のアルバム『You & i are Earth』の核心は、根源的な感覚にある。このアルバムは、癒しについて、さらに屈託のない好奇心についての感覚でもあり、もっと簡単に言えば、「ある男性と、アイルランドへのラブレター 」でもある。


絶賛された『A COMMON TURN』、『in|FLUX』に続く『You & i are Earth』は、開放的でありながらフレンドシップを感じさせる。オープニング曲『Talk to Me』は、海の音と目を輝かせるストリングスが私たちをなだめ、優しさの研究であり、私たちの魂を本質的な場所へと導いてくれる。

 

私が緊張するのは、それがとても繊細で微妙なものだからで、注目の経済が私たちに、私たちを連れ去ってくれる大きな光り輝くものを渇望させているのです。


しかし、『You & i are Earth』は、サヴェージの初期の作品から大きく進歩した、変わらぬ穏やかな感覚を持ちながらも、従来とは違った場所に導いてくれる。

 

最初のレコードを書いていたときは、難しいと感じていた。2枚目のアルバムでは、セラピーを受けて自分自身と向き合っていたんだけど、昔の自分がまだ私を少し引き戻していた。


ある場所に異様なほどに心を惹かれたり、もしくは親しみを見出すことはないだろうか。サヴェージは、地理的にも感情的にも、今自分が置かれている場所や環境に起因するものだと語る。そして、このレコードは文字通り、ある特定の場所に根ざしている。ほかでもないアイルランドのことだ。

 

サヴェージとアイルランドとのつながりは、マンチェスターの大学で詩の修士課程を専攻した10年以上前にさかのぼる。ソングライターとしての素地あるいは内郭のようなものを築き上げた場所だという。

 

2020年に(ダブリンで)音楽の修士課程に進んでから、シアン・ノーの歌についてのエッセイを読んだり、カートゥーン・サルーンのものを見たり、アイルランドの神話について読んだりした。

 

それ以来、アンナは多くの時間をアイルランド西海岸で過ごしている、 ツアー(今年はザ・ステイヴスやセント・ヴィンセントのサポートで、以前にはファーザー・ジョン・ミスティやソン・ラックスらとツアーを行った。その合間には、故郷のドニゴール州に戻り、仕事のためにロンドンを訪れ、当地の文化的な事業に携わっている。


例年10月に開催されるロンドン映画祭でプレミア上映されたアレックス・ローサー監督の新作短編映画『Rhoda』の映画音楽を担当し、マイク・リンゼイのスーパーシェイプス(Tunng & LUMPのプロデューサー兼マルチ・インストゥルメンタリストが率いるコラボ・アルバム&スーパー・グループ)の一員としても活躍した。これらの活動が音楽的な奥行きや幅広さをもたらしたのは明らかである。


そういったミュージシャンとしての仕事の傍ら、アンナ・B・サヴェージはもうひとつの故郷とのつながりを見出そうとしていた。その土地にしかない感覚であり、自分にとって欠かさざる神秘性の源泉である。彼女の新しい故郷とデリケートでありながら花開いた関係は、「ドネガル」での海との約束の中に集約されている。そこでは、きらめくパーカッションの中で、彼女は海に「私のことをよろしくお願いします」と頼みこみ、そして「モ・チョル・スー」では、人、場所、希望にたいする子守唄のように変化してゆく。このレコードを形作っている間、彼女が読んでいた本のひとつに、Manchán Magan(マンチャン・マガン)の『32 words for Field』がある。

 

歴史と人間、自然と人間性など、さまざまな要素が交錯する慈愛に満ちた作品の根底には、清算の感覚がある。タイトル曲「You & i are Earth」は、ロンドンの下水道で発見された17世紀のお皿からインスピレーションを得ており、そこには統一された感情が刻まれている。しかし、この曲は壮大でありながら、控えめで優美、ストリングスの渦巻く嵐のようなサウンドに縁取られている。ギターとコーラスが夢のように融合したデリケートな「I Reach for You in My Sleep」、甘く切ない「The Rest of Our Lives」のように、このレコードは何かを隠そうとするのではなく、サヴェージの魅力的でエレガントな歌声にぴったりと寄り添うような繊細さを表現している。


そのプロセスは、アンナ・ミーケをフィーチャーした複雑な作品で、二重性と変容という主題を軸にした「Agnes」で見事に表現されている。この曲は、サヴェージが瞑想を通して経験した不穏な体験を反映したもので、最終的には没入感のある美しい感覚に終わる。


20世紀に入り、人類は宇宙を目指して来たが、同時に多くの人々はなにか重要なことを見落としてきた。自然との調和、もしくは自然を慈しむことなくして、その場所に溶け込むことなどできようはずもない。アンナ・サヴェージは、土地に戻る、もしくは土地に帰るというような現代人の多くが忘れかけた感覚を大切にしている。それはアートワークにも表され、自然と一体になるという重要な主題に見出すことができる。


アイルランド/スライゴ州の森林地で撮影された写真で、サヴェージが木々を見上げ、そのフラクタル(幾何学的な概念)が彼女の目に映し出されている。彼女が瞑想中に感じた何かを映し出し、私たちを一周させ、私たちは本質的に一体で、少なくともそうあろうと努力している、つまり、「あなたと私は地球」という感覚に立ち戻らせる。

 

 

Anna B Savage 『you & i are Earth』


 

米国の思想家であるヘンリー・D・ソローの名著の一つに『ウォールデン 森の生活』というのがあるのをご存知だろうか。都会的な生活や産業の発展により、極度にオートメーション化された現代人の生活を営む若者が森に入り、しばらく生活をし、重要な概念を見出すという内容である。森の小屋での暮らしは簡単ではないものの、機械文明の中では見出しづらい重要な人生のテーマを発見するというのが趣旨である。


この生活の中で、ソローは、時々、小屋に友人を招きつつ、原始的とも言える暮らしを送り、山や湖のような自然と一体化する暮らしを送り、この名著を世に輩出した。この書籍は現在でも、私自身の重要な生活の指針ともなっており、実際的に、デジタルや日々の喧騒に飲み込まれそうになった時、単なる思想以上の重要な意味を持ち始める。そして、ロンドンのシンガーソングライター、アンナ・B・サヴェージの新作もそれに近い趣旨を持つ。 このアルバムは簡潔な30分の作品であるが、現代的な生活のなかで人々が忘れかけた感覚を思い出させてくれる。

 

多くの場合は、人々は、世間的な価値観を重んじるが、 それはつまり空虚を獲得するための道が開けたということである。多くの人々は、虚しさという道標が視界の先に見えるやいなや、幸福と見間違えて歩みを進める。だが、それは蜃気楼にも似ていて、掴んだかと思えば、すぐ通り抜ける。煉獄への道はきわめて魅力的に映るが、本来の意味での幸福に繋がっているとはかぎらない。ソローが、湖にほど近いウォールデンで解き明かしたのは、簡潔に言えば、幸福は自分の内側にしか見つけることができず、それは、基本的には一般化できないということである。


理想的な音楽とは、言語化しきれない本質的な思いを暗示するものである。例えば、私たちの話す個別の言語は、それを表層化するための手助けやヒントの役割を果たす。言い換えれば、水面下にある感覚や言葉を、水面の上に汲み出すということである。しかし、驚くべきことに、日頃の暮らしでは、主たる役割を持つ言語が、音楽の場合は、副次的や役割を果たすのである。


そして、あるとき、優れた音楽家は、ある大切なことに気がつく。言語の不確実性、そして言葉というものがいかに頼りないものだったのか、と……。どのような方向から見ても、言葉は誤ちを引き起こす要因ともなり、それはまた、言語の限界性がどこかに存在するという意味である。なぜなら、言葉は、音楽以上に受け手側の感情により、その解釈が分たれるからだ。音楽は、言語、詩、絵画では表現しえない抽象的な領域、かつてアンドレ・ブルトンが提唱した「シュールレアリスム」のフィールドに属している。アンナ・B・サヴェージは、すべてではないかもしれないが、このアルバムの制作で音楽の本質の端緒を掴んだのではないかと思われる。

 

本作の地球のタイトルの接頭辞(頭文字)が大文字になっていることは、偶然ではない。強調のためである。そして、内在的には、人間は利己的な生き物であると言わざるをえないが、この地球が、そして、自然や生きものたちが、本来は人間と対等であるという重要な提言を行おうというのである。これは、近年、注目を浴びていたナチュラリストなどという浮ついた言葉で解釈するのは不当かも知れない。なぜなら、それは本質的な意味で、自然は特別な存在ではなく、わたしたちと共存しているのだから。このアルバムが示そうとするのは、最も生命的な根源の本質であり、それを詩や音楽の側面から解き明かそうということだ。このアルバムの核心は、基本的には、現代的な文明の中で忘れられがちな人間の本来のすがたを思い出すということにある。この考え方は、アンビエントや環境音楽に近いと思うが、サヴェージの場合、古典/現代的なフォークミュージックという形で、優雅に、そして、ゆるやかに繰り広げられる。アンナ・サヴェージの英語は、すごくわかりやすく、聞き取りやすい。それは、英語の響きを丁寧に発音し、真心を込めて歌おうという歌手の精神の発露でもある、おだやかでありながら優雅なひびきを持つフォーク・ミュージックと並置され、それが絶妙なバランスをたもっている。

 

アイルランドとの関わりは、もしかすると、現世的な意味だけではなく、それよりも遥かに深いルーツのような意味を持つのかもしれない。もっといえば、中世ヨーロッパ以前のアイルランド的な気風を反映しようというのかもしれない。さらに、現代的な価値観から離れ、本質的な生命の魅力を思い出すという副次的な主題については、アルバムの全体的なサウンドに貫流している。例えば、レコーディングのデジタル処理を除いては、ギター、ストリングス、木管楽器というように、実際の演奏の多くは、アコースティック楽器を中心に行われている。これは、アルバムの「自然との一体化」という主題と融和し、アートワークの期待を裏切ることがない。ボーカル、ギター、ストリングのカルテットのような編成で繰り広げられるフォークミュージックは、見方を変えれば、アイスランドの”amiina”のような室内楽グループのサウンドを彷彿とさせる。アンナ・B・サヴェージは、北欧的な感性に、詩学という彼女にしか持ちえない特性を添える。 そして言葉もまた、音楽の向こう側にぼんやりとゆらめき、心地よい響きを放つ。

 

 

アルバムの音楽は、サウンドスケープを巧みに用い、情景的な音楽で始まりを告げる。「Talk To Me」は、ヴァイオリン奏者であるPual Giger(ポール・ガイガー)のような現代音楽のストリングの特殊奏法から始まり、その向こうからフォークミュージックが始まる。アコースティックギターのサウンドホールの芳醇な響きを生かした的確なマスタリング、そして、それと並置されるサヴェージのボーカルが涼し気な音響を作り出し、アルバムの世界観が広がりを増していく。


時々、ハミングのような歌唱を交え、背後のアコースティックギター、ストリング、薄く重ねられるシンセのテクスチャーが折り重なり、重力のあるサウンドが構築される。注目すべきは、アコースティックギターを多重録音し、音の厚みや迫力を重視していることだろう。さらに大きめの音像を持つボーカルと溶け合うようなミキシングが施されている。しかし、全体的には音楽の重厚さが重視されながらも、各々の楽節に関しては、小さなものが丹念に組み上げられている。

 

例えば、ジャクソン・ブラウンの作品には、一曲の構成の中で、スタジオの録音/ライブの録音という、二つの観点から異なる雰囲気を持つレコードに仕上げるという手法が用いられたことがあった。このアルバムもまた、異なる場所で録音されたようで、作品全体に多彩性をもたらす。聞き手は、実際に、収録曲ごとに別の空間に導かれるような錯覚を覚えるかもしれないし、もしくは、曲ごとに別の新しい扉をひとつずつ開くようなワクワク感を覚えるかもしれない。

 

続く「2-Lighthouse」は、エイドリアン・レンカーが『Bright Future』で用いたような録音技法を駆使する。この曲の場合、ローファイな感覚やデモテープの質感が前に押し出され、まるで山小屋のアナログ機器でレコーディングしたかのような印象を覚える。


カモメが海辺を舞う情景、アイルランドの海辺の波がさざめく情景、心を和ませるサウンドスケープが、アンナ・サヴェージの得意とするフォークソングという形で繰り広げられる。ここには、ーー内側(音楽を奏でる制作者の心)、外側(アイルランドの自然)ーーという二つの情景が対比され、内在的なストーリーテリングのような趣旨を持つ。音楽がイメージを徐々に膨らませていく。


制作者の人生の一部を写真のスナップショットや映画のワンカットのように切り取り、表面的な情景を音楽で表現するという、アルバムの制作において重視される作業の他に、もう一つ、制作者自身のルーツを辿るという試みが含まれている。


例えば、アイルランド音楽(古楽)の中世的な源泉に迫るという側面では、同地の実験的なフォークグループ、Lankum(ランカム)が例に挙げられるが、それに類する試みと言えるかも知れない。ここでは、民族的な打楽器を用い、それをダンスミュージックのように散りばめ、フォークミュージックと同化させる。


「3-Donegel」は、シンガーの二つのボーカルを対比させ、ジャズの系譜にあるドラムを背景とし、中世ヨーロッパの舞踏的な音楽、エスニックに近い民謡的な音楽へと傾倒していく。しかし、そういったマニアックな音楽性は、ポピュラーな節回しや親しみやすいフレーズによって帳消しにされ、聴きやすい、ダンサンプルでグルーブ感のあるポピュラーソングに昇華されている。

 

さらに、続く「4-Big & Wild」は、アイルランドのフォークミュージックのイディオムを駆使して、アルバムの序盤の収録曲と同じように、同地の開けた感覚や自然との調和を表現している。他の曲に比べると、繊細な感覚が、アコースティックギターのフィンガーピッキングや、ボーカルの内省的な感覚と合致し、 優美なハーモニーを形成する。そして、楽曲の構成も巧緻で、長調と短調のフレーズを交差させながら、アイルランドの変わりやすい気候であるとか、日によってそのつど印象を変化させる海峡の情景を巧みに表現しようとしている。それは、さながら個人的な日記の代用でもある。明るい感覚を持っていたかと思えば、それとは対照的に、暗鬱とした感覚に変わる。同曲は、短いインタリュード(間奏曲)のようでありながら、アルバムの前半部と中盤部を結びつけ、次なる曲の流れを呼び込むような重要な役割をなしている。

 

「5-Mo Cheoul Thu」から後半部に入る。フォークギターの基本を習得する際にトロットという演奏法がベースになっている。これは、アレグロの速さのアルペジオをフィンガーピッキングのギターによって演奏するというものである。例えば、有名なところでは、Bob Dylan(ボブ・ディラン)の「Don't Think Twice, It's All Right(邦題: クヨクヨするな)」でも聴くことができる。こういった馬の駆け足のようなリズミカルなテンポを持つアコースティック・ギターの演奏では、アルペジオ(分散和音)が水の流れのようになめらかであることが重要視される。そしてもちろん、演奏時にも、次のコードやスケールへ動く際にもスムーズであるに越したことはない。


この点において、巧みなアコースティックギター演奏が披露され、聴き応えのあるフォークソングが組み上げられる。また、実際的な旋律の進行や和音のスケールもまた、聞き手の内的な感覚に訴えかけるように、センチメンタルな叙情性を創り出す。ボーカルに対するギターの分散和音が切ない響きを生み出し、そして、ボーカリストの繊細なニュアンスの変化がギルバート・オサリバンのような淡いペーソスを創り出すこともある。さらに、ボーカルの情感を上手く演出するのが、弦楽器と木管楽器(クラリネットかオーボエ)のレガート、トレモロで、この曲の上品さと切なさを巧みに引き出している。3分後半からは、曲の表情付けと伴奏の役割であった木管楽器が主旋律に変わり、感動的な瞬間を生み出す。この曲ではポリフォニックな構成とモノフォニックな構成が重なり合い、絶妙なフォークソングが生み出されることになった。


 

「Mo Cheoul Thu」

 

 

 

アイルランド民謡、及び、バクパイプのような楽器にまつわる民俗性は、間奏曲「6-Incertus」に明確に発見することができる。ここでは、ドローンという現代音楽の通奏低音の響きを活かし、次の曲の流れを呼び込む。アルバムという形態は、良い曲を集めただけでは不十分で、一連の流れや波のような構成を制作者の創意工夫を駆使して作り出す必要がある。この曲は、前のインタリュードと並び、他の曲を際立たせるための脇役のような役割を果たしている。鳥の声、自然の奥底に見いだせる雄大なアトモスフィアを、サウンドスケープで切り取り、アルバムの中に起伏をもたらしている。これが全体を聴き通したときのささやかな楽しみとなるはず。

 

 

以降、本作は、序盤から一貫して示唆されてきた簡潔性をもとに、冗長さを排した曲を終盤に並置している。しかし、その中で一貫して、アイルランド民謡などに象徴づけられる音楽の清々しい気風が反映されている。そして、制作者に人生の一部分や実際的な生活から汲み出される感覚を濾過し、それらを起伏のあるエンディングに向かって、一つの線をつなげようとしている。


「7- I Reach For You in Sleep」では、ケルト民謡、東欧のポルカなどでお馴染みの三拍子のリズムを活かし、自然味溢れるフォークミュージックに仕上げている。また、導入部のモチーフとサビのリズムの変化等、構成面のおける対比の工夫を駆使し、華やかさのあるポピュラーソングを創り出す。サビの箇所では、朗らかで、開けたような感覚と、カントリーソングの雰囲気が組み合わされて、重要なハイライトが形作られる。サビの最後に入るコーラスも美しい。また、全体的な曲の枠組みの中で、最後にサビに戻ってくる時、ボーカルがクレスタのような音色と重なり合う時、制作者が示そうとしたであろう生命の神秘的な瞬間のきらめきが登場する。そしてそれは、よりアグレッシヴな印象を持つポップソング「8-Agnes」でハイライトを迎える。

 

音楽自体は、表題曲において最も素晴らしい瞬間を迎える。アルバムの冒頭のモチーフが蘇り、ストリングのトレモロが再び登場するのは、文学における登場人物の再登場のような感じで面白さがある。また、背景となる自然の大いなる存在を背後に、サヴェージは心に響く歌をうたう。それは、アイルランドの自然のなかで歌をつむぐような爽快感がある。さらに、その後、連曲のような構成を作り、「The Rest Of Our Lives」に続き、あっけないほど、さっぱりとしたエンディングを迎える。アルバムの最後に収録されている曲には、本作の副次的な主題である、自然に帰る、あるいは、自然と一体化する、という感覚が音楽の基礎を通じて的確に体現されている。作品の中にある主題や伏線のようなものがしっかりと回収されているのも面白い。

 

アウトプットされるものは一瞬であるにしても、表層に出てくる音楽の背景には、制作者の蓄積と経験が浮かび上がる。それこそが本質とも言え、どうあろうと、隠すこともできなければ、ごまかしもきかない。このアルバムの最大の魅力がどのような点に求められるのかといえば、デジタルサウンドのマスタリングで本質を薄めず、それ以前の人の手の工程に制作の時間の大半を割いたことにある。だから、心地よくて、長く聴いていたいと思わせるものがあるのだ。


 

 

86/100

 

 

 『you & i are Earth』



 Anna B Savage(アンナ・B ・サヴェージ)のニューアルバム『you & i are Earth(あなたとわたしは地球)』はCity Slangより本日発売。ストリーミングはこちらから。

米国のシンガーソングライター、Hannah Cohen(ハンナ・コーエン)は、ニューアルバム『Earthstar Mountain』の制作を発表した。ベラ・ユニオンとコングラッツ・レコードと共同で3月28日に発売予定です。本作はニューヨークの保養地で山岳地帯のキャッツキルでレコーディングされました。

 

ハンナ・コーエンはサンフランシスコを拠点に活動し、シンガー/モデルとして知られ、ジャズに深い造詣を持っている。ノラ・ジョーンズ作品にも参加したトム・バートレットが「10年に一度の逸材」と称賛。60,70年代のUSポップスに根ざした普遍的なソングライティングが魅力である。

 

2019年の『Welcome Home』に続く作品は、コーエンのパートナーであるサム・エヴィアン(Sam Evian)がプロデュース、スフィアン・スティーヴンス、クレイロ、ショーン・マリンズ、オリヴァー・ヒル、リアム・カザールが参加。今回、リード・シングル「Earthstar」が先行公開された。


私にとって『Earthstar』は、繋がりの複雑さ、愛のリスクと脆弱性について歌っています。「この曲は、究極的には、私たちが誰かを完全に知ることは決してないという考えに取り組んでいる。


写真家のCJ・ハーヴェイと私は、4シーズンにわたってキャッツキル山脈へのラブレターを撮影することにした。キャッツキル山脈の森の奥深くにあるお気に入りの水泳場、小川、滝、シダの渓谷で、1年以上かけてじっくりと感動的なポートレートを撮影した。Earthstarのミュージックビデオは、すべて16ミリフィルムで撮影されました。

 

 

「Earthstar」

 

 


Hannah Cohen 『Earthstar Mountain』

Label: Bella Union 

Release: 2025年3月28日

 

Tracklist:

 

1. Dusty

2. Draggin’

3. Mountain

4. Earthstar

5. Rag

6. Una Spiaggia

7. Summer Sweat

8. Shoe

9. Baby You’re Lying

10. Dog Years


©Dana Trippe


Circuit De Yeux(サーキット・デ・ユー)は、ニューアルバム『Halo On The Inside』を発表した。2021年の『-io』に続く作品は、3月14日にマタドール・レコードからリリースされる。
 
 
シカゴを拠点に活動するヘイリー・フォアは、本日、タイトルトラック、堂々としたリードシングル「Megaloner」を公開した。エクスペリメンタル・ポップ、ハイパー・ポップの範疇にある楽曲であるが、ゴシック的、あるいはドゥーム的な雰囲気を持つ楽曲で、これまでのCDYの音楽的な方向性とは一線を画している。つまり、レーベルの説明するアーティストの変身を的確に体現していると言える。ポスト・ビョーク、ポスト・セント・ヴィンセント、ポスト・チェルシー・ウルフ、あるいは、それ以外の全く未知なる存在、サーキット・デ・ユー自身である。
 
 
「Megaloner」は、ある行為の後、その結果の内側に存在する空間のための賛歌であり、アーティストによると、「代価は支払われ、希望は私たちの通貨となる。私は、持久力、信仰、主体性、そして、自分自身の運命に向かう唯一無二の信じがたい道について歌っている」という。
 

『Halo on the Inside』は、プロデューサーのアンドリュー・ブロダーとミネアポリスで録音された。「この音楽を作るプロセスで、私は恐怖を感じる前の時代に自分自身を巻き戻すことができた。そして、恐怖がない中で、セックス、愛、メロディーの親密なビートを見つけたんだ」
 
 
 
 「Megaloner」
 


 


Circuit De Yeux 『Halo on the Inside』

 
Label: Matador
Release: 2025年3月14日

 
Tracklist:
 
1. Megaloner
2. Canopy of Eden
3. Skeleton Key
4. Anthem of Me
5. Cosmic Joke
6. Cathexis
7. Truth
8. Organ Bed
9. It Takes My Pain Away



3月14日にリリースされる『Halo On The Inside』は、変身の産物であると説明されている。たしかに、マナティのことについて書いていたポップシンガーの面影を見ることは不可能だ。狂想曲的で、快楽主義的で、ダンスフロアに隣接し、異教徒にやさしく、ホーンをあしらったサウンドと感情の壁という蝶と野獣のごとき作品。『ヘイロー・オン・ジ・インサイド』は、CdY(Circui De Yeux)が新しく生まれ変わり、組み替えられ、スリリングで異質なものとなっている。
 

 

シカゴを拠点に活動するミュージシャン、作曲家、マルチ・アーティストであるフォアの作品は、簡単にカテゴライズすることが不可能だ。絶賛されたアルバム、フリーフォームの即興演奏、絵画、オーディオビジュアル・インスタレーション、大規模なアンサンブルの作曲など、活動は多岐にわたる。無響室(エコーのない部屋)で演奏したり、50人の児童合唱団のために作曲したり、(スタント・コーディネーターの監視下で)屋上から飛び降りたりしたこともある。

 
『Halo』のプランを実現させるためには、フォアの典型的なやり方を何度も変える必要があった。彼女は夜に仕事をした。夜9時から朝5時まで地下のスタジオにこもり、心、声、手を解放していた。しかし、このような夜更かしを、重苦しく孤立したものと理解すべきではない。奔放な探求のための静かな空間だった。ペダルやシンセサイザーを自在に操り、「ソフトウェアの誤動作やフィードバックを通して遊びやメロディーを見つける」ことに要点があった。

 
このような”墓場シフト”の作曲セッションは、ミュージシャンにとって少なからず啓示となった。「私の心の奥深くにある、とても驚くべき小さな声を見つけた」とフォアは言う。彼女はそれをスタジオの孤独な静寂の中で発見した。外の街はフォアにとって十分に静寂に包まれ、自分の内的なリズムが互いに同期し、自分の内なるシンフォニーを聴くことを可能にした。彼女はさらに8ヵ月もの間、このコンセプトをもとに制作を続け、孤独と自分自身との関係を再活性化させながら『ヘイロー・オン・ジ・インサイド』を作り上げた。そして彼女は外に目を向けた。
 
 
ギリシャへの旅行がきっかけで、フォアは神話に登場する半ヤギ半人のフルート奏者、パンのキャラクターに興味を持った。彼の変身、メロディー、豊穣、そして最終的な終焉の物語は、アルバムの歓喜に満ちた、明るく燃える瞬間のムードボードとなった。それは「Anthem Of Me」で聴くことができる。SF的なパッド、ディストーション、キック・ドラムがピアノ・ドロップに溶け込みながら、フォアのサイレンのような声が催眠的に呼びかける。「これは私のアンセム。あなたを揺さぶる」
 
 
プロデューサーにアンドリュー・ブロダー(ボン・アイヴァー、ムーア・マザー、ラムチョップ)を迎え、ミネアポリスでレコードを完成させた。
 
 
アルバムの目玉である『Cathexis』では、2人のクリエイティブな相性が存分に発揮されている。ヘイリーの無限とも思える歌声が、ブロダーのカタルシス溢れるギター・コーダと絡み合い、おそらくこのアルバムで最も昇華された瞬間を提供している。


 『Halo』の中心となるのはフォアのボーカルだ。穏やかなメロディックなフック、動物的な鳴き声、元素的な慟哭など、4オクターブの幅を持つこの楽器は、パワフルで一見超自然的な楽器である。
 
この曲では、ジャンルやスタイルの間を大胆不敵に揺れ動くマキシマリズムのコンポジションで、フォアはその全音域を駆使している。「この音楽を作る過程で、私は恐怖を感じる前の時代に自分自身を巻き戻すことができた。「そして恐怖がない中で、セックス、愛、メロディーの親密なビートを見つけたのです」。

 
『Halo On The Inside』は、変身には衝撃が伴うが、平穏と美もあると教えてくれる。隠遁と転位の瞬間が、再生と不吉な美しさをもたらす。- Matador
 
 
 
Circuit De Yeuxは、スロウコアの伝説的な存在、Lowのメンバーとして知られるアラン・スパーホークとのツアーを今年開催予定。

 
 
Circuit De Yeux Tour Date:


1月24日(金) UT州ソルトレイクシティ、アーバン・ラウンジ
1月25日(土)コロラド州デンバー、ブルーバード・シアター
2月12日(月)オーストラリア、シドニー、TBA SOLO Show
2月13日(火)オーストラリア、シドニー、オックスフォード・アート・ファクトリー w/ アラン・スパーホークと
カム
2月14日(水)オーストラリア、ブリスベン、Crobar w/ Alan Sparhawk and Come
2月15日(木)オーストラリア、メルボルン、ノースコート・ソーシャル・クラブ w/ Alan Sparhawk and Come
1月22日(水)カリフォルニア州サンディエゴ、The Casbah
1月24日(金)カリフォルニア州ソルトレイクシティ、アーバン・ラウンジ
1月25日(土)コロラド州デンバー、ブルーバード・シアター
2月13日(木)オーストラリア、シドニー、オックスフォード・アート・ファクトリー #1
2月14日(金)オーストラリア、ブリスベン、Crobar w/ Alan Sparhawk and Come #
2月15日(土)メルボルン、ノースコート・ソーシャル・クラブ #
2月21日(金)チューリッヒ、ボーゲンF
2月22日(土)アンティゲル・フェスティバル、ジュネーブCH
2月24日(月)、アンペール、ミュンヘンDE
2月25日(火)、ベルリン、リド
2月27日(木)パリ、プチ・バン(フランス
2月28日(金)、アントワープ、トリックス・クラブ(BE
3月2日(日)オランダ、ナイメーヘンDoornroosje
3月3日(月)、アムステルダム、Paradiso - Tolhuistuin
3月5日(水)イギリス、ブライトン、チョーク
3月6日(木)イギリス、ブリストル、ランタン・ホール
3月7日(金)イギリス、マンチェスター、バンド・オン・ザ・ウォール
3月8日(土)イギリス、グラスゴー、ルーム2
3月26日(水)インディアナ州ブルーミントン、ザ・ビショップ
3月29日(土)ジョージア州アトランタ、ザ・アール
3月31日(月)ノースカロライナ州カーボロ、キャッツ・クレイドルBack Room
4月3日(木)マサチューセッツ州ボストン、シンクレア
4月4日(金)コネチカット州ハムデン、スペース・ボールルーム
4月7日(月)オンタリオ州トロント、ホースシュー・タバーン
4月8日(火)ミシガン州デトロイト、ラヴィング・タッチ

 # w/ アラン・スパーホーク、カム

 

©Scarlett Carlos Clarke


レベッカ・ルーシー・テイラーによる音楽プロジェクト、Self Esteem(セルフ・エスティーム)が復活した。このポップシンガーの待望のサード・アルバムは「A Complicated Woman」と題され、ポリドール・レコードから4月25日にリリースされることが発表された。


2021年にブレイクした「Prioritise Pleasure」の続編となるこの新作は、現代の女性らしさを多面的に探求した、高揚感溢れる作品となる。


RLTはクワイアの参加について、「人々のコミュニティ 」と表現し、「つながりを聴き、感じてほしい」と語っている。アルバムの高揚感あふれるリードシングル「Focus Is Power」のビデオではグループが地元のコミュニティホールで熱のこもったパフォーマンスを披露している。


パンデミック(世界的大流行)の最中に両親と暮らしていたレベッカが書いたフレーズを中心に構成されたこの新曲は、マントラのようなものであり、アルバム全体のミッション・ステートメントでもある。「あのね、私次第じゃなかったけど、今ならそうなれる/でも今、年を追うごとにはっきり見えてきた/私はここにいる価値がある」

 


「Focus Is Power」


 

 

Self Esteem 『 A Complicated Woman』

 


Label: Polydor

Release: 2025年4月25日


Tracklist:

1.⁠ ⁠I Do And I Don’t Care 

2.⁠ ⁠Focus Is Power

3.⁠ ⁠Mother 

4.⁠ ⁠The Curse

5.⁠ ⁠Logic, Bitch! (ft. Sue Tompkins)

6.⁠ ⁠Cheers To Me

7.⁠ ⁠If Not Now, It’s Soon

8.⁠ ⁠In Plain Sight (ft. Moonchild Sanelly)

9.⁠ ⁠Lies (ft. Nadine Shah)

10.⁠ ⁠69

11.⁠ ⁠What Now

12.⁠ ⁠The Deep Blue Okay


オスカー賞ノミネート(2025)は、1月23日(木)午前8時30分(現地時間)より発表された。2025年は非常に競争の激しい年であり、ノミネーション予想も例年以上に難しいものとなった。


ゴールデングローブ賞で最優秀作品賞を受賞し、複数部門での受賞が期待される『The Brutalist(原題)』や『Emilia Pérez(原題)』、また、『コンクラーベ』、『ウィキッド』、『アノーラ』も強力なキャンペーンを展開し、批評家から好評を得ている。


ニコール・キッドマン(『ベイビーガール』)やアンジェリーナ・ジョリー(『マリア』)といったA級女優が競い合う女優賞レースは数ヶ月注目の的だった。しかし、『I'm Still Here』のフェルナンダ・トーレスが、投票開始直後の勢い(そしてグローブ賞の受賞)で、このレースに食い込んだ。


主演男優賞では、エイドリアン・ブロディ(『ブルータリスト』)とティモシー・シャラメ(『A Complete Unknown』)が有力な前哨戦となっているが、それ以外のグループはまだ形成されていない。


今年のゴールデングローブ賞では『ブルータリスト』とエミリア・ペレスが大賞を受賞した。しかし、それは物事の大枠では全く意味をなさないかもしれない。特に『ウィキッド』は大ヒットを記録し、作品賞ノミネートも確実視されている。主演のシンシア・エリヴォやアリアナ・グランデはもちろん、ジョン・M・チュウ監督も評価されるのかに注目したいところ。デミ・ムーアは、『The Substance(原題)』で高く評価されたことにより、現在強力なキャリア復活を遂げているが、この映画が主演女優賞以外の部門で評価されるかどうかは誰にもわからない。


ロサンゼルスを襲った大火災のため、アカデミーは1月17日に予定していたノミネート発表を1月23日に延期。アカデミーは2月に予定されていた毎年恒例のノミニーズ・ランチョンもキャンセル。2025年のオスカー賞授賞式は、コナン・オブライエンの司会で3月2日に開催される予定。





BEST PICTURE


Anora

The Brutalist

A Complete Unknown

Conclave

Dune: Part Two

Emilia Pérez

I’m Still Here

Nickel Boys

The Substance

Wicked


BEST DIRECTOR


Sean Baker, Anora

Brady Corbet, The Brutalist

Coralie Fargeat, The Substance

Jacques Audiard, Emilia Perez 

James Mangold, A Complete Unknown


BEST ACTRESS


Cynthia Erivo, Wicked

Karla Sofía Gascón, Emilia Pérez

Mikey Madison, Anora

Demi Moore, The Substance

Fernanda Torres, I’m Still Here


BEST ACTOR


Adrien Brody, The Brutalist

Timothée Chalamet, A Complete Unknown

Colman Domingo, Sing Sing

Ralph Fiennes, Conclave

Sebastian Stan, The Apprentice


BEST SUPPORTING ACTOR


Yura Borisov, Anora

Kieran Culkin, A Real Pain

Edward Norton, A Complete Unknown

Guy Pearce, The Brutalist

Jeremy Strong, The Apprentice


BEST SUPPORTING ACTRESS


Monica Barbaro, A Complete Unknown

Ariana Grande, Wicked

Felicity Jones, The Brutalist

Isabella Rossellini, Conclave

Zoe Saldaña, Emilia Pérez


BEST ADAPTED SCREENPLAY


Jay Cocks and Jay Mangold, A Complete Unknown

Peter Straughan, Conclave

Jacques Audiard, Emilia Pérez

RaMell Ross and Joslyn Barnes, Nickel Boys

Clint Bentley and Greg Kwedar, Sing Sing


BEST ORIGINAL SCREENPLAY


Sean Baker, Anora

Brady Corbet and Mona Fastvold, The Brutalist

Jesse Eisenberg, A Real Pain

Moritz Binder, Tim Fehlbaum, and Alex David, September 5

Coralie Fargeat, The Substance


BEST COSTUME DESIGN


A Complete Unknown

Conclave

Dune: Part Two

Gladiator II

Nosferatu

Wicked


BEST HAIR AND MAKEUP


A Different Man

Emilia Pérez

Nosferatu

The Substance

Wicked


BEST ORIGINAL SCORE


Daniel Blumberg, The Brutalist

Volker Bertelmann, Conclave

John Powell and Stephen Schwartz, Wicked

Clément Ducol and Camille, Emilia Pérez

Kris Bowers, The Wild Robot


BEST LIVE ACTION SHORT


“A Lien”

“Anuja”

“I’m Not a Robot”

“The Last Ranger”

“The Man Who Could Not Remain Silent”


BEST ANIMATED SHORT


“Beautiful Men”

“In the Shadow of the Cypress”

“Magic Candies”

“Wander to Wonder”

“Yuck!”


BEST ORIGINAL SONG


“El Mal,” Emilia Pérez

“The Journey,” The Six Triple Eight

“Like a Bird,” Sing Sing

“Mi Camino,” Emilia Pérez

“Never Too Late,” Elton John: Never Too Late


BEST DOCUMENTARY FEATURE


Black Box Diaries

No Other Land

Porcelain Wars

Soundtrack to a Coup d’Etat

Sugarcane


BEST DOCUMENTARY SHORT


“Death by Numbers”

“I Am Ready, Warden”

“Incident”

“Instruments of a Beating Heart”

“The Only Girl in the Orchestra”


BEST INTERNATIONAL FEATURE


I’m Still Here, Brazil

The Girl with the Needle, Denmark

Emilia Pérez, France

The Seed of the Sacred Fig, Germany

Flow, Latvia


BEST ANIMATED FEATURE


Flow

Inside Out 2

Memoir of a Snail

Wallace & Gromit: Vengeance Most Fowl

The Wild Robot


BEST PRODUCTION DESIGN


The Brutalist

Conclave

Dune: Part Two

Nosferatu

Wicked


BEST EDITING


Sean Baker, Anora

Dávid Jancsó, The Brutalist

Nick Emerson, Conclave

Juliette Welfling, Emilia Pérez

Myron Kerstein, Wicked


BEST SOUND


A Complete Unknown

Dune: Part Two

Emilia Pérez

Wicked

The Wild Robot


BEST VISUAL EFFECTS


Alien: Romulus

Better Man

Dune: Part Two

Kingdom of the Planet of the Apes

Wicked


BEST CINEMATOGRAPHY


Lol Crawley, The Brutalist

Greig Fraser, Dune: Part Two

Paul Guilhaume, Emilia Pérez

Edward Lachman, Maria

Jarin Blaschke, Nosferatu


弱冠22歳の気鋭のオーストラリア人SSW、ポップシーンで注目を浴びるgrentperez(グレンペレス)が新作アルバムの詳細を明らかにした。『Backflips In a Restautant』は、インパートメントから国内盤/輸入盤が3月28日に発売。Benny Singsベニー・シングス)をフィーチャーした「Fuzzy Things」を含む、3作の先行シングルのMVが公開されています。下記よりご覧下さい。


Spotify、Apple Musicで話題のシンガーソングライター、グレンペレスが遂にフルアルバムをリリース。60〜70年代のポップス、ディスコ/ソウルをZ世代の感性で表現した多幸感サウンド。


2021年のシングル”Cherry Wine”の大ヒット、2023年のEP『When We Were Younger』の高評価により、2024年のオーストラリアの音楽アワード”APRA”での受賞、先行シングルではベニー・シングスが参加した”Fuzzy Feeling”が注目され、NewJeansのハニによる”Clementine”のカバーが話題になるなど、瞬く間に人気者となった”グレンペレス”に注目したい。

 

幼い頃から影響を受けてきた60〜70年代のサウンドとフィリピンにルーツのある彼らしい独特の感性が融合したポップソングは、現代の幅広いリスナーの人気を獲得しそうだ。ノスタルジックな要素がありながらも、ヒップホップ/ソウルを取り入れた新しいサウンドへ進化している。4年の間で大きな成長を見せた彼がこのタイミングで発表するフルアルバムが遂に完成した。

 

 

「Fuzzy Things  (Feat. Benny Sings)」

 

 

 

「Dandelion」

 

 

 

「2DK」

 

 

 

 

grentperez 『Backflips in a Restaurant』- New Album


 

 
アーティスト : grentperez (グレンペレス)
タイトル : Backflips in a Restaurant (バックフリップス・イン・ア・レストラン)
レーベル : Inpartmiant inc.
発売日 : 2025年3月28日

<国内盤CD>
品番 : IPM-8147
価格 : 2,970円(税込)/2,700円(税抜)
バーコード : 4532813731476

<輸入盤LP>
品番 : FF0085VS
卸値 : 3,890円(税抜)
バーコード : 5056167180708

 

 

grentperez(グレンペレス): 

 

22歳のオーストラリア人シンガーソングライター。YouTubeでギターをかき鳴らしながらカバー曲やオリジナル曲を歌うことで最初のファンを獲得。正式な音楽教育を受けていないものの直感的な才能でボサノバのリズムやジャジーなコード進行やクラシックな作曲技法を習得し、現代のR&Bやベッドルームポップと融合させて独自のスタイルを築いている。

 

2021年にリリースしたデビューシングル”Cherry Wine”で国際的なセンセーションを巻き起こし母国オーストラリア、カナダ、シンガポールのSpotifyバイラルチャートで1位を獲得。その後アーティストとして大きく成長した後にストリーミングプラットフォームで4億5500万回以上再生を記録し多大陸にわたるツアーも経験。

 

Triple J、NPR Music、MTV、KCRW、DIY、Wonderland、The Line of Best Fit、A Book Ofなどの有力メディアからも支持されています。さらに、2023年のARIA賞で「ブレイクスルーアーティスト・オブ・ザ・イヤー」にノミネー トされ、2024年のAPRA賞では「エマージングソングライター・オブ・ザ・イヤー」を受賞。今まさに大き な飛躍を迎えようとしています。

ニューヨークのシンガーソングライター、Daneshevskaya(ダネシェフスカヤ)は昨年11月に「Scrooge」を発表し、2023年のデビュー作「Long Is The Tunnel」以来となる新曲を発表した。 今日、ベッカーマンは「Kermit & Gyro」と銘打たれたエレガントでエレガントな曲で戻ってきた。

 

穏やかなオーラとは裏腹に、"Kermit & Gyro "は「別れの絶望の中で書いた」とアンナ・ベッカーマンは言う。 

 

混乱と熱望から書いた。 その関係が自分に何をもたらしてくれたか、その関係がまだ自分の一部であり続けることができるかという考えにしがみつくということ。 でも同時に、完全に解き放たれ、漂流しているような気分にもなる。


「カーミット&ジャイロ』はいつものように音楽は見事なほど穏やかで美しく、ベッカーマンがすべてを把握しているかのよう。 プロデュース、アレンジ、ミキシング、ギター、ベースにArtur Szerejko、ヴァイオリンにFinnegan Shanahan、ピアノにMadeline Leshnerが参加している。

 


「Kermit & Gyro」

 


アメリカ系カナダ人のメタル・トリオ、SUMAC、フィラデルフィアを拠点に活動する詩人/作曲家のMoor Motherがコラボレーションアルバムの詳細を明らかにした。この作品は4月25日にThrill Jockeyからリリースされ、オープニングトラックであるインダストリアルで閉所恐怖症的な「Scene 1」が現在公開されている。

 

本作は、エンジニア/ミキサーのスコット・エヴァンスと共にスタジオ・リトグラフでレコーディングされた。SUMACは2024年に最新アルバム『The Healer』をリリース。ムーア・マザーの最新アルバム『The Great Bailout』も昨年リリースされた。

 

『The Film』は、SUMACのメタル、ジャズ、ノイズのテクスチャーの探求、そして、Moor Motherのヒップホップに実験性を加えるという両アーティストの作品の特徴を取り入れ、音楽的パターンの変化や表現力に共通点を見出したアルバムだ。このアルバムは、それぞれの分野における伝統的なアプローチを音楽的に否定するものであり、革新的で力強いアルバムである。


このフィルムなる名称は、本作がアルバム、一連なりの物語、物語として構想され、提供されているという事実を如実に物語ろうとしている。

 

Moor Motherはこの作品について次のように述べている。 

 

このアイデアは、既成概念にとらわれない瞬間を創り出すこと。これは芸術作品です。アルバムや曲のコレクションではなく、フィルムとして作品を考える。すべてを消費という箱に押し込めようとする業界では、この作業はほとんど不可能だ。

 

アートワークが完成するまでは、その全貌を理解することも得ることもできない。この仕事は発展途上であり、クリエイティブ・プロセスの中でより多くのエージェンシーを要求している。この作品には明確なテーマがある。 テーマは、土地、移住、気候、人権と自由、戦争と平和、逃げ出すという考えなど、普遍的なものです。

 

 

「Scene 1」



SUMAC/Moor Mother 『The Film』


Label: Thrill Jockey

Release: 2025年4月25日


Tracklist:

1.Scene 1

2.Scene 2: The Run

3.Hard Truth

4.Scene 3

5.Scene4

6Camera

7.The Truth Is Out There

8.Scene 5: Breathing Fire

スウェーデンのエレクトロニック・デュオ、Lust For Youthは、デンマークのCroatian Amorとのコラボレーションアルバム『All Worlds』を発表した。本作は、Sacred Bonesから3月7日に発売予定。

 

2023年6月、Lust For YouthとCroatian Amorは、Vivid Live Festivalの期間中、シドニーの象徴的なオペラハウス(シドニー)でステージを共にした。この出会いが彼らのクリエイティブなパートナーシップを再燃させ、コラボレーション・ニュー・アルバム『All Worlds』の礎を築いた。

人類の未知へのメッセージとして宇宙に送られたゴールデン・レコードからインスピレーションを得た『All Worlds』は、繋がりと理解への憧れを映し出している。各トラックは、感情、文化、記憶の断片をとらえ、人間の経験を万華鏡のように映し出す。



アルバムのタイトルは、バラバラの場所、感情、物語から断片を集めるというアイデアを反映している。どの曲もユニークな「世界」を披露し、探求と内省という包括的なテーマに貢献している。これらの 「世界 」は、私たちが抱えている内なる風景を表し、私たちのアイデンティティを形成している。タイトルはまた、あたかもこれらの世界が宇宙空間を漂い、発見され理解されるのを待っているかのような、つながりへのジェスチャーでもある。最終的に、『All Worlds』は帰属と意味の探求を体現している。

 


「Dummy Feat. Purient」



Lust For Youth・Croatian Amor 『All Worlds』

 

Label: Sacred Bones

Release:2025年3月7日

 

Tracklist: 

 

1. Friendzone
2. Passerine
3. Dummy
4. Akkadian
5. Lights In The Center
6. Kokiri
7. Nowhere
8. Fleece
9. Velella Velella Wind Sailors
10. Still Here


ナイン・インチ・ネイルズが3年ぶりにツアーを開催することを公表した。先週、NINのアリーナ・ツアーが計画されているという一報が駆け巡った。その後、バンドは、ツアーが計画中であることを確認したものの、カリフォルニアの山火事のため発表を延期していた。「Peel It Black』ツアーでは、トレント・レズナーとアティカス・ロスは夏の間、ヨーロッパと北米のアリーナを回る予定である。現時点ではアジアツアーは日程には含まれていないが、続報に期待したい。


ナイン・インチ・ネイルズのライブを観たことがない人は、この機会を絶対に利用すべきだ。トレント・レズナーとアティカス・ロスは最近、映画音楽の仕事で多忙を極めている。稀にステージに戻ってくることがあるが、彼らは大掛かりなプロダクションを作り上げ、それを確実にものにする。


今度のツアーには、アメリカのフェスティバルへの参加は発表されていないが、ヨーロッパのフェスティバルへの参加も含まれている。日程は以下の通り。



◾️Nine Inch Nails Peel It Back Tour 2025


Tour Date:


6/15 – Dublin, Ireland @ 3Arena

6/17 – Manchester, UK @ Co-op Live

6/18 – London, UK @ The O2

6/20 – Cologne, Germany @ Lanxess Arena

6/21 – Dessel, Belgium @ Graspop Metal Meeting

6/24 – Milan, Italy @ Parco della Musica Novegro

6/26 – Zurich, Switzerland @ Hallenstadion

6/27 – Vienna, Austria @ Wiener Stadthalle

6/29 – Amsterdam, Netherlands @ Ziggo Dome

7/01 – Berlin, Germany @ Uber Arena

7/03 – Gdynia, Poland @ Open’er

7/07 – Paris, France @ Accor Arena

7/10 – Madrid, Spain @ Mad Cool

7/12 – Oeiras, Portugal @ NOS Alive

8/06 – Oakland, CA @ Oakland Arena

8/08 – Portland, OR @ Moda Center

8/10 – Vancouver, BC @ Rogers Arena

8/12 – Seattle, WA @ Climate Pledge Arena

8/14 – West Valley City, UT @ Maverik Center

8/15 – Denver, CO @ Ball Arena

8/17 – Saint Paul, MN @ Xcel Energy Center

8/19 – Chicago, IL @ United Center

8/22 – Detroit, MI @ Little Caesars Arena

8/23 – Toronto, ON @ Scotiabank Arena

8/26 – Baltimore, MD @ CFG Bank Arena

8/27 – Philadelphia, PA @ Wells Fargo Center

8/29 – Boston, MA @ TD Garden

8/31 – Cleveland, OH @ Rocket Mortgage FieldHouse

9/02 – Brooklyn, NY @ Barclays Center

9/05 – Raleigh, NC @ Lenovo Center

9/06 – Nashville, TN @ Bridgestone Arena

9/09 – Duluth, GA @ Gas South Arena

9/10 – Tampa, FL @ Amalie Arena

9/12 – Houston, TX @ Toyota Center

9/13 – Fort Worth, TX @ Dickies Arena

9/16 – Phoenix, AZ @ Footprint Center

9/18 – Los Angeles, CA @ Kia Forum


Franz Ferdinand 『The Human Fear』

Label: Domino

Release: 2025年1月10日


Review


スコットランドのフランツ・フェルディナンドは、2000年代からイギリスのロックシーンを牽引してきたリーダー的な存在であり、アークティック・モンキーズとデビューの時期が被っている。その両バンドが同レーベル、Dominoに所属しているというのは、なにかの奇縁としか言いようがない。フランツ・フェルディナンドは、ダンスロックという2000年代初頭のムーブメントを牽引したが、この最新アルバムでも、たとえ若干のメンバーチェンジがあったにせよ、彼らのアプローチには大きな変更はない。しかし、アレックス・カプラノスをはじめとするバンドメンバーの胸中には、アルバムのタイトルにあるように、恐怖という感情があったという。制作に関して、ビックネームのバンドにも、おそれという感情が湧き出るというのは驚きであるが、ある意味ではそれを乗り越えるためのアルバムではないかと思われる。

 

アルバムはドラムのカウント代わりに、アレックス・カプラノスの掛け声とともに始まり、ライブセッションのような感じで始まる。オープナーを飾る「Audacious」からフランツ節が炸裂し、軽快なディスコロック風のナンバーが繰り広げられる。まるで長年のモヤモヤした感覚を振り払うかのようなシンプルで親しみやすいロックソングによって新旧のロックファンの心を掴む。しかし、以前と大きく変わらないように見えるが、実際はサビにおいてスタジアムアンセムへと移行し、長らくライブ・バンドとしてのキャリアを歩んできたバンドとしての迫力を見せる。変拍子の展開を交えているが、シンプルでフックのある曲作りでシンガロングを誘発する。また、ロックソングの安心感やメロディアスという側面も今回のアルバムでは強調されている。「Everydaydremaer」ではやはりダンサンブルなロックソングの側面を押し出しているが、リバティーンズの最新作と同様に、バラード的な叙情性がボーカルから湧き上がり、それらがベースラインと絶妙に重なり合っている。また、バンドサウンドの側面でも工夫が凝らされ、メロトロン風のシンセとベースがボーカルの合間に入り、良い空気感を創り出している。

 

「The Doctor」は明らかに80年代のシンセ・ポップやポピュラー・ソングに根ざしていて、懐古的な雰囲気を漂わす。しかし、バンドサウンドとしては、モダンなロックサウンドを意識しており、タイトな楽曲に仕上がっている。特に続く「Hooked」はフランツ・フェルディナンドの復活を告げるハイライトである。サブベースの強いエレクトロサウンドをディスコのビートと組み合わせて軽快なロックソングに仕上げている。この曲には、アルバムのテーマである恐怖を打ち破るような力があり、聴いているだけで活力がみなぎってくるような効果がある。デビューアルバムの頃から培われたジプシー音楽のスケールを生かしたロックソングもある。「Built Up」において哀愁のある旋律性を活かし、アンセミックな楽曲性を強調する。同じく、「Night Or Day」ではハードロック風の楽曲のスタイルを選んでいるが、やはり南欧の哀愁のあるサウンドがシンプルな構成の中で個性的を雰囲気を醸成している。相変わらずカブラノスのボーカルはクールさとシニカルな印象を持つが、やはり彼らの音楽は不動のものという気がする。簡単に模倣出来るようでいて、そうではない唯一無二のサウンドが貫流している。

 

このアルバムは押しも押されぬフランツらしい作品として十分に楽しめるような内容となっている。しかし、新たに ポピュラー・ソングやワールド・ミュージックの要素が以前よりも色濃くなったという点を言及しておきたい、それは実際にアルバムを楽しむ上で、一度聴いただけでは掴み難い、渋さや奥深さという魅力にも成りえる可能性がある。例えば、前者は、「Tell Me What I Should Stay」では、Wham!を彷彿とさせる年代を問わず楽しめるポップソングとして、スコットランドのケルト民謡のリズムが登場する「Cats」では、電子音楽とは異なる民族音楽を要素がダンスミュージックの色合いを強調させ、心楽しいサウンドが立ち現れている。

 

また、アルバムの終盤でもワールド・ミュージックの要素が一つのキーポイントとなりそうだ。「Black Eyelashes」では奇妙なサーカスのようなサウンドが登場する。そしてそれらをフランツ・フェルディナンドはパブロックのような渋いロックサウンドと結びつける。ボーカルやバンドアンサンブルから立ち上る哀愁やペーソスのような感覚がこの曲を個性的にしている。最近、2000年代に登場したバンドは、ガレージロックを忘れつつあるが、フランツに関してはそうではなかった。「Bar Lonely」では、ガレージロックの風味をどこかに残しつつ、彼らの得意とするダンスロックのようなサウンドを織り交ぜ、それらを最終的ポピュラー的なフィルターに通している。ここにはやはり、ライブ・バンドとして名を馳せてきたバンドの真骨頂のようなものを見出すことも出来るかもしれない。意外とかっこいいと思ったのがクローズに収録されている「The Birds」である。70年代のThe Byrdsのサウンドを彷彿とさせるコアなハードロックソングは懐かしさとともに普遍性を感じとることが出来る。さまざまな角度から楽しめるロックアルバム。フランツは今なお良質なバンドであることを証明付けている。




76/100


 

 

Best Track 「The Hooked」

 

©Silken Weinber

 

Scowl(スカウル)はサンタ・クルスのパンク/ハードコアバンドで、2025年以降の活躍が非常に楽しみな五人組である。最初期は、デスメタル/グランドコアやニュースクールのハードコアを特徴としていたが、徐々にポップ・パンクに近いキャッチーなサウンドへ変化し始めている。

 

今回、Scowlはセカンドアルバム『Are We All Angels』を発表した。本作は、Dead Oceansからの4月4日に発売される。彼らの最新作『Psychic Dance Routine EP』を手掛けたウィル・イップ(Turnstile、Title Fight、Mannequin Pussyなど)がプロデュースした『Are We All Angels』は、毒舌で拮抗的なバンドが、自分たちのアグレッシヴさをより拡大させた作品だ。

 

アルバムのミックスはリッチ・コスティ(フィオナ・アップル、マイ・ケミカル・ロマンス、ヴァンパイア・ウィークエンドなど)が担当。 このアルバムは、疎外感、悲嘆、そしてコントロールの喪失が特徴的で、その多くは、過去数年間バンドを受け入れ、彼らを避雷針のような存在にしたコミュニティであるハードコア・シーンにおける彼らの新たな居場所と格闘している。


ニューシングル「Not Hell, Not Heaven」には、ショーン・スタウトが監督を務め、924ギルマン・ストリートで撮影されたビデオが収録されている。

 

ファースト・シングルの 「Not Hell, Not Heaven」は、外部の人間が彼らに投げかける物語を真っ向から否定している。「被害者意識を持ち、被害者でありながら、被害者であることを認めたくないということです」ヴォーカル/フロント・ウーマンのキャット・モスはこう説明する。「自分には自分の力があるという事実に優しさを見出そうとしている。私は自分の現実の中で生きている。自分の現実の中で生きているんだから、どんなことにも対処しなきゃいけない」」

 

 

 「Not Hell, Not Heaven」

 



Scowl 『Are We All Angels』

Label: Dead Oceans

Release: 2025年4月4日

 

Tracklist:


1. Special

2. B.A.B.E.

3. Fantasy

4. Not Hell, Not Heaven

5. Tonight (I’m Afraid)

6. Fleshed Out

7. Let You Down

8. Cellophane

9. Suffer the Fool (How High Are You?)

10. Haunted

11. Are We All Angels