米国政権の掲げる関税政策はアメリカの代表的なメーカーのギター生産にも影響を及ぼしている。フェンダー社は本来、USAで制作されるギターのクラフトを特徴としていたが、近年ではメキシコの工場でも生産を行っていた。

 

フェンダー社は、インドネシアの工場ラインで製造される「スタンダードシリーズ」を発表した。これまで、同社はこのモデルをメキシコで生産していたが、米国の新政権の掲げる関税政策の影響もあってか、インドネシアに生産工場を移転する。メキシコに多くの工場を持つ自動車産業への余波が大きいが、結果的には自社の楽器メーカーの生産にも影響を及ぼすことになった。

 

しかし、結果的には、アジアへの工場移転により、製造の生産コストが軽減され、一般的なモデルが廉価での提供が可能になった。モデルはメキシコで生産されているプレーヤーシリーズを凌ぐほどの人気がある。


「ファンダースタンダードシリーズは、ミュージシャンの元来、初心者むけのフェンダー製品として製造されている。手頃な価格のプレイアビリティと刺激的な音色を提供し、ブランドをロックンロールのアイコンにした」と同社は製品に関して説明している。この生産ラインには、ストラトキャスター、テレキャスター、ジャズベース、プレシジョンベースモデルが含まれており、海外の店舗では600ドル(正確には590ドル〜600ドル)の価格帯で販売される予定だ。


このギターには、ポプラボディ、デマップルアーム、インドのローレルスケール、セラミックピックアップなどの特徴がある。商品のカラーバリエーションには、オリンピックホワイト、バタースコッチブロンド、サンバーストなどのクラシックカラーがあり、あまり一般的なモデルではないようだ。

 


ワクサハッチー(Waxahatchee)が、グラミー賞にノミネートされたアルバム「Tigers Blood」のセッションからの新曲「Mud」を公開した。バンジョーの演奏がフィーチャーされた素晴らしいアメリカーナ。この曲はシングル「Much Ado About Nothing」のリリースに続く。


最新アルバムではミュージシャンの南部のルーツをテーマとし、インディーロックとカントリーの融合に取り組んでいる。 今年、ケイティ・クラッチフィールドは、ANTI-からリリースされた最新作の宣伝を兼ねたツアーを開催する予定だ


ケイティ・クラッチフィールドにとって、昨年はグラミー賞にノミネートされ、ミュージシャンとして印象的な一年となったが、今年以降の活躍も非常に楽しみである。この夏、ロンドンのハマースミス・アポロでのUK最大のヘッドライン・ライヴを含む、ヨーロッパとUKのツアーを開催する。また、バルセロナとポルトで開催されるプリマヴェーラ・サウンド・フェスティバルにも出演予定である。これらの公演に続き、9月には、ウィリー・ネルソン&ファミリー、ボブ・ディラン、シェリル・クロウとともにアウトロー・フェストでアメリカ公演を行う。

 

 


「Mud」

 

 

 

Tour Dates:

2/21 - Inglewood, CA @ Kia Forum *
3/14 - Spicewood, TX @ Willie Nelson’s Luck Ranch #
3/29 - Knoxville, TN @ Big Ears Festival
4/26 - Tallahassee, FL @ Adderley Amphitheater at Cascades Park ^
4/27 - North Charleston, SC @ High Water Festival
4/29 - Miami Beach, FL @ The Fillmore ^
4/30 - St. Augustine, FL @ The St. Augustine Amphitheater ^
5/2 - Birmingham, AL @ Avondale Brewing Company ^
5/3 - New Orleans, LA @ Saenger Theatre ^
5/4 - Houston, TX @ White Oak Music Hall (Lawn) ^
5/6 - San Antonio, TX @ The Espee ^
5/7 - Irving, TX @ The Pavilion at Toyota Music Factory ^
5/9 - Nashville, TN @ The Pinnacle ^
5/10 - Atlanta, GA @ Cadence Bank Amphitheatre at Chastain Park ^
5/11 - Chattanooga, TN @ Soldiers and Sailors Memorial Auditorium ^
5/13 - Wilmington, NC @ Live Oak Bank Pavilion ^
5/14 - Durham, NC @ Durham Performing Arts Center &
5/15 - Charlotte, NC @ The Amp Ballantyne ^
5/16 - Asheville, NC @ Asheville Yards Amphitheater ^
6/1 - Denver, CO @ Outside Festival
6/6 - Barcelona, ES @ Primavera Sound
6/8 - Glasgow, SCT @ Barrowland Ballroom $
6/9 - Manchester, UK @ Albert Hall $
6/10 - Bristol, UK @ SWX $
6/11 - London, UK @ Hammersmith Apollo $
6/13 - Porto, PT @ Primavera Porto
6/20 - Nelsonville, OH @ Nelsonville Music Festival
6/21 - Lafayette. NY @ Beak & Skiff Apple Orchards %
6/22 - Greenfield, MA @ Green River Festival
6/23 - Shelburne, VT @ Shelburne Museum on The Green =
7/29 - Columbia, MD @ Merriweather Post Pavilion ~
7/30 - New York, NY @ Madison Square Garden ~
9/5 - Bangor, ME @ Maine Savings Amphitheatre +
9/6 - Hartford, CT @ Xfinity Theatre +
9/7 - Mansfield, MA @ Xfinity Center +
9/12 - Camden, NJ @ Freedom Mortgage Pavilion +
9/13 - Holmdel, NJ @ PNC Bank Arts Center +
9/19 - East Troy, WI @ Alpine Valley Music Theater +

* w/ Nathaniel Rateliff & The Night Sweats and Iron & Wine

# w/ Lucinda Williams & Special Guests

^ w/ Wilco

& w/ Cameron Winter

% w/ MJ Lenderman & Hurray For The Riff Raff

= w/ Kevin Morby

$ w/ Merce Lemon

~ w/ Lord Huron

+ w/ Willie Nelson & Family, Bob Dylan, Sheryl Crow & Madeline Edwards


girlpuppyがニューシングル「I Just Do!!!」をシェアした。この曲は、2025年3月28日にCaptured Tracksからリリースされるセカンドアルバム「Sweetness」に収録される。ガールパピーはこのアルバムのためにニューヨークのレーベルと新しい契約を結んだ。


アトランタを拠点に活動するベッカ・ハーヴェイのニューアルバムは、2022年の「When I'm Alone」に続くもので、4年間の恋愛の余波を描いている。

 

このアルバムでは、ハーヴェイのヴォーカルとロック・テイストのインストゥルメンタルが組み合わされ、ホース・ジャンパー・オブ・ラブのディミトリ・ジャンノプロス、ザ・ウォー・オン・ドラッグスのデイヴ・ハートリー、ビーチ・フォッシルズのトミー・デヴィッドソンが参加している。


この曲は、ロサンゼルスで6日間、片思いしていた男性と過ごした後に書いたんだ。この曲は、まったく感情的になれない相手に思いを寄せるのは時間の無駄だとわかっていても、とにかく気持ちがいいからしてしまう、そんな気持ちを歌っているんだ。

 

この曲を全部書いて、(曲のインスピレーションをたくさん得る場所である)バスタブの中でアカペラで歌っているところをボイスノートに録音したんだ。それをアレックス(・ファーラー)のところに持っていったら、わたしが書いたメロディを中心に楽器を作ってくれて、とても楽しい曲になった。これは間違いなくツアーで演奏するお気に入りの曲になると思う。



このシングルは、トレント・ウェインが監督したミュージックビデオと合わせてリリースされる。

 

「ベッカと私は、このヴァンパイアをテーマにしたビデオを、禁断の愛への遊び心のある頌歌として、健康的なキャンプを交えて制作した」とウェイン。

 

「故デヴィッド・リンチや『Pee-wee's Playhouse』、ジョニー・トーの2000年代初期の香港ロマンス映画の魅力からインスピレーションを得ている。ストーリーはヴァンパイア・ハンターのハンサムな男が、ある日、香港で開催されたパーティーに乱入する」

 

 

「I Just Do!!!」

 

 

イギリス/ブリストルのエクスペリメンタル・ポストパンク5人組、Squidが今週金曜日にWarpからアルバム『Cowards』をリリースする。 3枚目のシングル「Cro-Magnon Man」がリリースされた。 この曲は、ギタリストのルイス・ボルレーズのヴォーカルと、ゲスト・ヴォーカリストのクラリッサ・コネリー、トニー・ンジョク、ローザ・ブルックをフィーチャーしている。


『Cowards』はスクイッドのサード・アルバムで、2023年の『O Monolith』(レビューを読む)と2001年のデビュー・アルバム『Bright Green Field』に続く作品である。 Squidは、Louis Borlase、Ollie Judge、Arthur Leadbetter、Laurie Nankivell、Anton Pearsonが参加している。


『Cowards』は、ロンドンのクラウチ・エンドにあるチャーチ・スタジオで、マーキュリー賞受賞プロデューサーのマルタ・サローニとグレース・バンクスと共にレコーディング。 バンドの最初の2枚のアルバムを録音した長年のコラボレーター、ダン・キャリーがプロデュースを担当した。 ジョン・マッケンタイア(トータス)がミキシングを、ヘバ・カドリーがマスタリングを担当した。


新しいアルバムについて、ボーレイズは以前のプレスリリースでこう語っている。 「素晴らしい曲作りのアルバムを考えていた。 濃密で複雑だった『O Monolith』とは全く異なる方法で共鳴するシンプルなアイデア」ジャッジは、「ツアーは、当初は気づかなかった方法でこのアルバムに反映された。 ニューヨーク、東京、東欧など、5人全員が一緒に訪れた場所だった」と回想する。


「Cro-Magnon Man」




 

©︎ Shannon Marks

 

シカゴを拠点に活動するマルチインストゥルメンタリスト、コンポーザー、ソングライターのMacie Stewart(メーシー・スティワート)は、スペンサー・トゥイーディのバンドでの演奏からSZAのインストゥルメンタル・アレンジまで、他のアーティストとの共同作業に多くの時間を費やしている。 


フィノムのメンバーは、ジャズとエクスペリメンタルのレーベル、インターナショナル・アンセムから3月21日にリリースされるニューアルバム『When The Distance Is Blue』の詳細を明らかにし、リードシングル「Spring Becomes You, Spring Becomes New」がリリースされた。


『When The Distance Is Blue』は、完全インストゥルメンタルの「組曲」と銘打たれている。 このアルバムでピアノとヴァイオリンを演奏しているスチュワートは、プレスリリースでこのアルバムを "私たちがその合間に過ごす瞬間へのラブレター "と表現している。 タイトルは、レベッカ・ソルニットの優れたエッセイ集『A Field Guide To Getting Lost』に由来する。


ピアノ・フォワードの「Spring Becomes You, Spring Becomes New」について、スチュワートはこう付け加えている。「この曲は、様々な景色や風景の中を列車で横断することを思い起こさせる。 窓の外を通り過ぎるすべてを目撃しているときの感覚だ。 マイケル・パトリック・エイヴリーによるこの曲のミュージックビデオと、アルバムの全トラックリストは以下を参照。

 


「Spring Becomes You, Spring Becomes New」



Macie Stewart 『When The Distance Is Blue』


Label: Internatonal Anthem

Release: 2025年3月21日

 

 Tracklist:

1.I Forget How To Remember My Dreams(Feat. Lia Kohl)

2 Tsukiji

3 Murmuration/Memorization

4 Spring Becomes You, Spring Becomes New

5 Stairwell (Before And After)

6 What Fills You Up Won’t Leave An Empty Cup

7 In Between

8 Disintegration


ブルックリンのギタリスト/シンガーソングライター、Mei Semonesが待望のデビューアルバムを発表した。『Animaru』は前作『Kabutomushi EP』と同様に、バヨネットから発売される。

 

先行シングル「Dumb Feeling」がリリースされた。これまでと同様にソングライターが得意とするボサノヴァ風の楽曲であるが、音楽的なセンスは昨年よりも磨きがかけられている。素晴らしい一曲。

 

 「後先考えず、考えすぎない。私が望む生き方は、自分にとって大切なことをすることであり、誰もがそのように生きるべきだと思う」

 

インディー・ロック、ボサノヴァ、ジャズ、チェンバー・ポップを融合させ、ギターのテクニカルな腕前を際立たせるという彼女の特徴に磨きをかけ続けることで、ブルックリンを拠点とする24歳のソングライター兼ギタリストは、革新的な音楽家としての地位を急速に確立しつつある。

 

様々な段階の愛について瑞々しくオーケストレーションされた『Kabutomushi』をリリースして以来、Meiはアメリカ全土で大規模なツアーを行い、熱狂的なファンを獲得し、待望のデビュー・アルバム『Animaru』の作曲とレコーディングを行った。

 

日本語の 「動物」の発音のスペルにインスパイアされた『Animaru』は、Meiの直感に対するより深い信頼の具現化であり、音楽的に印象的な楽曲のコレクションで、Meiのサウンドはこれまで以上に冒険的で、より傷つきやすく、より自信に満ちている。



2024年はMei Semones、そして彼女のバンドにとって大きな変革の年となった。リアナ・フローレス、エレファント・ジム、カーラ・ジャクソンらと共演し、メイ・シモネスはフルタイムの音楽活動に移行した。頻繁なツアーの中、メイと彼女の5人組バンドは2024年の夏、コネチカット州の農場スタジオ、アシュローン・レコーディング・カンパニーでアルバムをレコーディングした。


メイ・シモネスは、日本に深いルーツを持ち、日本語と洋楽の融合に真摯に取り組んでいる。「落ち込んでいる人を勇気づけたい」と、昨年、彼女は当サイトのインタビューに答えてくれたのが印象深かった。そのことがつい昨日のことにように蘇ってくる。言葉や文化は垣根を越え、ときに共通の意味を持つ。デビューアルバム『Animaru』はそのことを明確に示すであろう。

 

 

「Dumb Feeling」

 


Interview: Mei Semones(メイ・シモネス)   ブルックリンの新進気鋭のシンガーソングライター 音楽的なバックグランドを語る 



Mei Semones 『Animaru』-  Debut Album


Label: Bayonet

Release: 2025年5月2日


Tracklist:

   
1.Dumb Feeling
2.Dangomushi
3.Tora Moyo
4.I can do what I want
5.Animaru
6.Donguri
7.Norwegian Shag
8.Rat with Wings
9.Zarigani
10.Sasayaku Sakebu


2025 TOUR DATES


Wed. Feb. 5 - Asbury Park, NJ @ The Stone Pony #

Sat. Feb. 8 - Albany, NY @ Empire Live #

Sun. Feb. 9 - Toronto, ON @ History #

Tue. Feb. 11 - Detroit, MI @ The Fillmore #

Wed. Feb. 12  - Milwaukee, WI @ Riverside Theater #

Fri. Feb. 14 - St Louis, MO @ The Factory #

Sat. Feb. 15 - La Vista, NE @ The Astro Theater #

Sun. Feb. 16 - Denver, CO @ The Mission Ballroom #

Tue. Feb. 18 - San Diego, CA @ The Sound #

Thu. Feb. 20 - Los Angeles, CA @ The Wiltern #

Fri. Feb. 21 - Santa Ana, CA @ The Observatory #

Sat. Feb. 22, 2025 - Oakland, CA @ Fox Theater #

Mon. Feb. 24, 2025 - Salt Lake City, UT @ The Union #


Tue. Mar. 25 - Dublin, IR @ Button Factory ~

Wed. Mar. 26 - Glasgow, UK @ Saint Luke's ~

Thu. Mar. 27 - Leeds, UK @ Brudenell Social Club ~

Fri. Mar. 28 - Manchester, UK @ Academy 2 ~

Sat. Mar. 29 - London, UK @ Electric Ballroom ~

Thu. Apr. 3 - Amsterdam, NL @ Tolhuistuin ~

Fri. Apr. 4 - Antwerp, BL @ Trix ~

Sat. Apr. 5 - Paris, FR @ Petit Bain ~


Wed. May 7 - Brooklyn, NY @ Music Hall of Williamsburg

Thu. May 29 - Philadelphia, PA @ World Cafe Live

Fri. May 30 - Washington, DC @ The Atlantis

Sat. May 31 - Carrboro, NC @ Cat’s Cradle Back Room

Mon. June 2 - Atlanta, GA @ Aisle 5

Tue. June 3 - Nashville, TN @ DRKMTTR

Wed. June 4 - Louisville, KY @ Zanzabar

Fri. June 6 - Columbus, OH @ Ace of Cups

Sat. June 7 - Chicago, IL @ Lincoln Hall

Sun. June 8 - Milwaukee, WI @ Cactus Club

Mon. June 9 - Minneapolis, MN @ 7th St Entry

Wed. June 11 - Ferndale, MI @ The Loving Touch

Thu. June 12 - Toronto, ON @ Longboat Hall

Fri. June 13 - Montreal, QC @ Bar Le Ritz PDB

Sat. June 14 - Boston, MA @ Red Room Cafe 939


# supporting Hippo Campus

~ supporting Panchiko

 


Benefitsはニューシングル「Divide」を公開した。ミドルズブラのラッパー、 Shakk(シャック)をフィーチャーしている。ヒップホップとエレクトロニックを融合したハイセンスなナンバーである。ベネフィッツがポピュラーになったかと思うかもしれないが、依然として不穏な政治的な風刺が滲む。


ベネフィッツは2019年頃から断続的にシングルのみを発表し、ようやく数年前にインヴァダのジェフ・バーロウに才能を認められ、レーベルとの契約に至った。NME、CLASHをはじめ、ベネフィッツを評価するメディアは非常に多い。彼らは間違いなく2025年以降の音楽を先取りしている。

 

劇的なインパクトをもたらした2023年のデビュー作「NAILS」に続く2枚目のフルアルバムは、3月21日にインヴァダ・レコード(ポーティスヘッドの創設者であるジェフ・バーロウが主宰)からリリースされる。 デビューアルバム「Nails」はスティーヴ・アルビニによって激賞された。その後、ベネフィッツはグランストンベリーに出演した。

 

 ニューシングルは、エレクトロニックな要素とバンドの定評あるヘヴィなサウンドを融合させたもので、クラブ・リズムや実験的なプロダクションが盛り込まれている。ベネフィッツは当初、四人組で、ノイズコア/ポストハードコアを音楽的な特徴としていたが、現在はデュオ編成となり、音楽性自体もアンダーワールドの系譜にあるディープハウス系のエレクトロニックに移行している。そして、そのエレクトロニックのアウトプットとリリックには非凡なセンスが光る。


"「Divide」は、考えうるあらゆる問題をめぐって自分自身と戦争している社会についてのパンク・ソングなんだ "とヴォーカルのキングスレー・ホールは説明する。 


戦争、不平等、誤った愛国心、貧困から、貪欲さ、憎しみの産業化と収益化まで、あらゆることに怒っている。 サウンド的にも歌詞的にも、『2025年のベネフィッツ』が象徴するものすべてをまとめようとした。

 

ヘヴィなエレクトロニカと伝統的なパンク、そしてプロテストを融合させ、可能な限り最高の形で五感を攻撃する作品を作りたかった。

 

プロデューサーのジェームス・エイドリアン・ブラウンと一緒に、ビートを次から次へと打ち込み、純粋な炎とハートを加えるために友人のシャックを呼び寄せた。 分断をテーマにした作品だが、団結の精神で作られた。


「コンスタント・ノイズ」は、ピーター・ドハーティ、ゼラ・トーニン、セラピー? アルバムは、エレクトロニック・ミュージシャンのジェームス・ウェルシュとジェームス・エイドリアン・ブラウンの協力を得て制作された。


ニューアルバム『Constant Noise』について、キングズレー・ホールはこう付け加えている。


ダークな陶酔感を出すために努力した。 このアルバムは、私たち全員が誇りに思っている。 デビュー作が批評家たちに好評だっただけに、その方式に逆らうのはリスクだとわかっていたが、このバンドが予測可能なものになったり、マンネリ化したりすることは決して望んでいなかった。 私たちは、自分たちが何をしているのかよくわからないギリギリの状態を好み、その違和感がクリエイティビティを駆り立てる。 


『Benefits』は共同プロジェクトとしてデザインされたもので、仲間をステージに上げてフォークソングを歌ってもらったり、『Therapy』のドラマーに演奏を依頼している。前作に続いてこの世で最もオルタナティヴな作品となりそうだ。ボーカルのキングスレーの主張はこのプロジェクトが始まってから一貫している。つまり、「何かに怒りを覚えてもよい」ということである。


 

「Divide」

 

 

 

Benefits 『Constant Noise』

Label: Invada

Release: 2025年3月21日


Trackllist:


1. Constant Noise
2. Land Of The Tyrants
3. The Victory Lap
4. Lies And Fear
5. Missiles
6. Blame
7. Continual
8. Divide
9. Relentless
10. Terror Forever
11. Dancing On The Tables
12. Everything Is Going To Be Alright
13. The Brambles
14. Burnt Out Family Home

 

「Land Of The Tyrants」

▪️グラミー賞のはじまり ハリウッドから始まった米国最大の音楽賞

第1回グラミー賞の授賞式
 

音楽賞というのは、他の一般的な映画賞、文学賞と同じように、一定の商業的な効果や作品の販売促進を見込んで表彰者が決定されるものである。また、それとは別に、音楽的な貢献をもたらした制作者や文化人の功績が称えられるという意味も込められている。


そもそも、グラミー賞は、1958年に最初の受賞レコードが表彰された。これは米国映画界の最高の栄誉とされるアカデミー賞(オスカー賞)の創設から30年後のことだった。ハリウッドの映画産業とともエンターテイメント業界を発展させてきた米国であるが、少し遅れて同賞が開始されたのも、同じように経済効果を期待してのことだろう。もちろん、音楽産業が映画産業に付随するような媒体として一般的な市民のマインドに浸透させるという効果があった。

 

グラミー賞は、NARAS: ナショナル・アカデミー・オブ・ザ・レコーディング・アーツ・アンド・サイエンス(現在はレコーディングアカデミーの名称で親しまれている)によって優れた音楽作品に表彰される賞であり、アメリカの音楽界の最高の栄誉といえる。音楽を対象にしたアワードの一つで、当初はレコードだけを受賞対象としていた。当初は音楽作品に贈られる賞であったが、時代に沿った形で、アーティストや、それに付随する活動を表彰するようになった。

 

1958年に第一回の受賞レコードが発表され、1963年頃には39部門が表彰されていたが、受賞部門は増減を繰り返しながら、年々、拡大を続けている。1973年頃には、ジャズ、クラシック、ポップス部門が新設され、音楽ジャンルごとに細分化されていき、人気のあるジャンルを部門別に分けて表彰するようになった。2025年現在では91部門があり、そのうち4つの主要部門は「ビッグ4」と称されている。このうち最も栄誉があるとされているのが、アルバム賞だ。今年度はビヨンセがカントリー・アルバム『Cowboy Carter』で受賞している。

 

特に、日本でグラミー賞自体が知名度を上げるようになったのは、1970年代前半、およそ1973年頃である。例えば、同年の受賞者は、レコード・オブ・ザ・イヤーがロバータ・フラック「The First Time Ever I Saw Your Face(邦題: 愛は面影の中に)」、アルバム・オブ・ザ・イヤーには、ジョージ・ハリソンとラヴィ・シャンカールによるコラボレーション・アルバム「バングラデシュ・コンサート」が選ばれた。

 

現在でも注目を浴びるその年の象徴的な楽曲を紹介するソング・オブ・ザ・イヤーには、レコード・オブ・ザ・イヤーのロバータ・フラックによる「The First Time Ever I Saw Your Face(愛は面影の中に)」がダブル受賞を果たしている。当初から一人のアーティストに複数の賞を授与するという伝統は70年代から引き継がれているようだ。そして、この年のベスト・オリジナルスコアには「ゴッドファーザーのテーマ」が選ばれている。そして一般的には、洋楽には興味を持たない日本の一般層に、この名画がグラミー賞を浸透させる契機をもたらしたのである。

 

ちなみに、ベスト・ポップ・ボーカルには男性歌手として、「ウィズアウト・ユー」を歌ったニルソン(ハリー・ニルソン)が選出されている。女性歌手として、ヘレン・レディの「I Am A Woman(私は女)」が選ばれた。ニルソンの不朽のポピュラーソングに比べると、レディの楽曲はやや時代に埋もれてしまった感もあるかもしれない。しかしながら、この年のポピュラーの充実感は、日本の音楽ファンのみならず、業界全体に洋楽の最大の音楽賞に興味を惹きつける要因になったのである。

 

また、メディアのバックアップもグラミー賞の一般的な認知度を高める要因となった。ビルボード誌、そして、キャッシュ・ボックス誌などがグラミー賞を報道し、当該賞の華やかさを一般的に知らしめることになった。そして70年代はじめ頃には、受賞者にとどまらず、ノミネート作品にも大いに注目が集まるようになった。これは一つ、世界的な音楽賞が他に存在しなかったのも理由であろう。つまり、グラミー賞の開催そのものが音楽の重要なプロモーションのチャンスになったのである。グラミー賞は、当初から委員の投票形式で選考され、すでに70年代においてNARASのメンバーは2000人以上に膨れ上がっており、厳密な投票が行われるのが慣例だった。


グラミー賞は大きな専門機関から始まったわけではない。”1957年、ハリウッドの商工会議所がハリウッドと関連業界を発展させるために始まった”と日本の音楽評論家の岩波洋三氏は指摘している。要するに、映画音楽の宣伝のようにキャンペーン色が強いイベントであることは明らかである。


そして、1957年の最初のミッションは、五大レコード会社の有力者を集めて、選考の計画を立てるように依頼するというものだった。当時のアメリカの主要レーベル、及び、責任者は、ソニー・パーク(Decca)、ロイド・ダン(Capital)、ジェシー・ケイ(MGM)、デニス・ファーノン(RCA)、ポール・ウェストン(CBS)であった。つまり、レコード会社による干渉があったのは創設当初からであり、なにも今始まったというわけではない。しかも、近年はメジャーアーティストだけではなく、インディーアーティストも表彰する場合があることを考えると、主要なキャンペーンの他にも、公平性を重視した選考を行うようになっているのは事実だろう。ちなみに、現在の五大レコード会社とは勢力図がかなり異なることにご留意いただきたい。

 

しかし、彼らにとってこの選考はあまりに荷が重すぎたため、引退したCBSの社長であったジム・コンクリングを抜擢し、NARASが結成され、本格的な機関としての活動を始めるにいたった。現在でも、CBSのプロモーション広告があるのはそのためである。以後、1957年5月には、委員会とノミネート委員会が発足し、本格的な機関が創設される。そして、ハリウッド支部は、初代の会長に、ポール・ウェストン氏が選ばれ、この賞の責任者に就任した。同年にはNARASののニューヨーク支部も発足し、ガイ・ロンバート氏が選ばれた。

 

1958年には第一回のグラミー賞が開催され、前年度のレコードを対象として優れた作品にトロフィーが授与された。この第一回の受賞者には、ドメニコ・モデューノンの「ボラーレ」、ヘンリー・マンシーニの「ピーター・ガン」が受賞している。また、1960年には、パーシー・フェス・オーケストラの「シーム・フロム・サマー・プレイス」がレコード・オブザ・イヤーを獲得し、マイルス・デイヴィスの「スケッチ・オブ・スペイン」なども受賞した。

 

当初、グラミーが映画音楽に注力していたのは前述の通りで、1961年にはヘンリー・マンシーニの「ムーン・リバー」、62年には「ハロー・ドリー」が受賞している。その後、フィフス・ディメンション、ディオンヌ・ワーウィックが受賞した。グラミー賞は、その年の音楽の流行を反映している。70年代以降は、日本の音楽業界でもグラミー賞が注目されるようになった。例えば、1973年には日本のテレビで授賞式の模様が放送されたことがあった。





2025年度のグラミー賞授賞式が昨夜2月2日、ロサンゼルスのCrypto.comアリーナで開催されました。 


今年のノミネート総数11部門で首位に立ったビヨンセは、三部作の最新作「Cowboy Carter(カウボーイ・カーター)」で初めて年間最優秀アルバム賞を受賞し、黒人アーティストとして初めて最優秀カントリー・アルバムを受賞しました。 ビヨンセの授賞の瞬間の感動的な映像は下記よりご覧下さい。



一方、天文学的なストリーミング再生数を記録したケンドリック・ラマーのヒットソング「Not Like Us」は、ノミネートされた5部門すべてを独占しました。彼は一昨年、ビヨンセとステージで共演しています。年間最優秀楽曲賞、年間最優秀レコード賞、最優秀ラップ・ソング賞、最優秀ラップ・パフォーマンス賞、最優秀ミュージック・ビデオ賞です。両者ともに米国のミュージックシーンで根強い人気を誇っています。



さらに、7部門にノミネートされていたイギリスのチャーリーXCXは、「brat」でダンス/エレクトロニック・アルバムと最優秀レコーディング・パッケージを受賞し、「Von Dutch」は最優秀ダンス・ポップ・レコーディング賞を受賞しました。 劇的な復活を遂げたセント・ヴィンセントはオルタナティヴ・ミュージック部門を席巻し、「All Born Screaming」で最優秀オルタナティヴ・アルバム賞、「Flea」で最優秀オルタナティヴ・ミュージック・パフォーマンス賞、「Broken Man」で最優秀ロック・ソング賞に輝いた。 チャペル・ローンは最優秀新人アーティストに選ばれました。


また、グラミー賞最優秀オーディオブック、ナレーション&ストーリーテリング録音賞を受賞したジミー・カーター元米大統領は、死後、グラミー賞史上最高齢の受賞者となった。ジミー・カーター氏は、レコード・コレクターとして知られ、大統領在任中にお気に入りのレコードをホワイトハウスに所蔵していたほどの音楽愛好家でした。


ビリー・エイリッシュ、チャーリー・XCX、チャペル・ローン、サブリナ・カーペンター、ドーチ、レイ、テディ・スウィムス、シャブージー、シャキーラらが出演した今年の授賞式は、再びトレヴァー・ノアが司会を務め、ロサンゼルスの山火事救済活動を支援する募金活動も兼ねていました。2025年のグラミーのノミネート、及び、受賞者リストは以下をチェックしてみて下さい。



Grammy Awards 2025


Album of the Year


André 3000 – New Blue Sun

⭐︎Beyoncé – Cowboy Carter

Billie Eilish – Hit Me Hard and Soft

Chappell Roan – The Rise and Fall of a Midwest Princess

Charli XCX – Brat

Jacob Collier – Djesse Vol. 4

Sabrina Carpenter – Short n’ Sweet

Taylor Swift – The Tortured Poets Department


Song of the Year


Beyoncé – Texas Hold ’Em

Billie Eilish – Birds of a Feather

Chappell Roan – Good Luck, Babe!

⭐︎Kendrick Lamar – Not Like Us

Lady Gaga & Bruno Mars – Die With a Smile

Sabrina Carpenter – Please Please Please

Shaboozey – A Bar Song (Tipsy)

Taylor Swift Featuring Post Malone – Fortnight


Best Latin Pop Album


Anitta – Funk Generation

Kali Uchis – Orquídeas

Kany García – García

Luis Fonsi – El Viaje

⭐︎Shakira – Las Mujeres Ya No Lloran


Best New Artist


Benson Boone

Doechii

Chappell Roan

⭐︎Khruangbin

Raye

Sabrina Carpenter

Shaboozey

Teddy Swims


Best Country Album


⭐︎Beyoncé – Cowboy Carter

Chris Stapleton – Higher

Kacey Musgraves – Deeper Well

Lainey Wilson – Whirlwind

Post Malone – F-1 Trillion


Best Pop Vocal Album


Ariana Grande – Eternal Sunshine

Billie Eilish – Hit Me Hard and Soft

Chappell Roan – The Rise and Fall of a Midwest Princess

⭐︎Sabrina Carpenter – Short n’ Sweet

Taylor Swift – The Tortured Poets Department


Best Rap Album


Common & Pete Rock – The Auditorium Vol. 1

⭐︎Doechii – Alligator Bites Never Heal

Eminem – The Death of Slim Shady (Coup de Grâce)

Future & Metro Boomin – We Don’t Trust You

J. Cole – Might Delete Later


Best Contemporary Classical Composition


Andrea Casarrubios – Casarrubios: Seven for Solo Cello

Decoda – Coleman: Revelry

Esa-Pekka Salonen, Fleur Barron, Nicholas Phan, Christopher Purves, Axelle Fanyo & San Francisco Symphony Chorus & Orchestra – Saariaho: Adriana Mater

Eighth Blackbird – Lang: Composition as Explanation

⭐︎Los Angeles Philharmonic, Gustavo Dudamel & Los Angeles Master Chorale – Ortiz: Revolución Diamantina


Best Classical Compendium


Amy Porter, Nikki Chooi, Buffalo Philharmonic Orchestra & JoAnn Falletta – Lukas Foss: Symphony No. 1 & Renaissance Concerto

Andy Akiho & Imani Winds – BeLonging

Danaë Xanthe Vlasse, Royal Philharmonic Orchestra & Michael Shapiro – Mythologies II

Experiential Orchestra, James Blachly & Curtis J Stewart – American Counterpoints

⭐︎Los Angeles Philharmonic, Gustavo Dudamel & María Dueñas – Gabriela Ortiz: Revolución Diamantina


Best Classical Compendium


Amy Porter, Nikki Chooi, Buffalo Philharmonic Orchestra & JoAnn Falletta – Lukas Foss: Symphony No. 1 & Renaissance Concerto

Andy Akiho & Imani Winds – BeLonging

Danaë Xanthe Vlasse, Royal Philharmonic Orchestra & Michael Shapiro – Mythologies II

Experiential Orchestra, James Blachly & Curtis J Stewart – American Counterpoints

⭐︎Los Angeles Philharmonic, Gustavo Dudamel & María Dueñas – Gabriela Ortiz: Revolución Diamantina


Best Arrangement, Instruments and Vocals


Cody Fry Featuring Sleeping at Last – The Sound of Silence

John Legend – Always Come Back

⭐︎Säje Featuring Regina Carter – Alma

Willow – Big Feelings

The 8-Bit Big Band Featuring Jonah Nilsson & Button Masher – Last Surprise (From “Persona 5”)


Best Arrangement, Instrumental or A Cappella


Béla Fleck – Rhapsody in Blue(Grass)

Henry Mancini & Snarky Puppy – Baby Elephant Walk (Encore)

⭐︎Jacob Collier Featuring John Legend & Tori Kelly – Bridge Over Troubled Water

Säje – Silent Night

Scott Hoying Featuring Säje & Tonality – Rose Without the Thorns


Best Musical Theater Album


⭐︎Hell’s Kitchen

Merrily We Roll Along

The Notebook

The Outsiders

Suffs

The Wiz


Best Spoken Word Poetry Album


Malik Yusef – Good M.U.S.I.C. Universe Sonic Sinema Episode 1: In the Beginning Was the Word

Omari Hardwick – Concrete & Whiskey Act II Part 1: A Bourbon 30 Series

Queen Sheba – Civil Writes: The South Got Something to Say

Skillz – The Seven Number Ones

⭐︎Tank and the Bangas – The Heart, the Mind, the Soul


Best Classical Solo Vocal Album


Fotina Naumenko – Bespoke Songs

Joyce DiDonato, Il Pomo d’Oro & Maxim Emelyanychev – Wagner: Wesendonck Lieder

⭐︎Karen Slack & Michelle Cann – Beyond the Years

Nicholas Phan, Farayi Malek & Palaver Strings – A Change Is Gonna Come

Will Liverman & Jonathan King – Show Me the Way


Best Classical Instrumental Solo


Andy Akiho – Akiho: Longing

Curtis J Stewart, James Blachly & Experiential Orchestra – Perry: Concerto for Violin and Orchestra

Mak Grgić & Ensemble Dissonance – Entourer

Seth Parker Woods – Eastman The Holy Presence of Joan d’Arc

⭐︎Víkingur Ólafsson – J. S. Bach: Goldberg Variations


Best Chamber Music/Small Ensemble Performance


⭐︎Caroline Shaw & Sō Percussion – Rectangles and Circumstance

JACK Quartet – John Luther Adams: Waves & Particles

Lorelei Ensemble & Christopher Cerrone – Christopher Cerrone: Beaufort Scales

Miró Quartet – Home

Yo-Yo Ma, Leonidas Kavakos & Emanuel Ax – Beethoven for Three: Symphony No. 4 and Op. 97 “Archduke””


Best Choral Performance


Apollo’s Fire & Jeannette Sorrell – Handel: Israel in Egypt, HWV 54

The Choir of Trinity Wall Street, Artefact Ensemble & Novus NY – Sheehan: Akathist

⭐︎The Crossing, Donald Nally & Dan Schwartz – Ochre

Skylark Vocal Ensemble & Matthew Guard – Clear Voices in the Dark

True Concord Voices & Orchestra, Jeffrey Biegel & Eric Holtan – A Dream So Bright: Choral Music of Jake Runestad


Best Opera Recording


Los Angeles Philharmonic, John Adams & Los Angeles Master Chorale – John Adams: Girls of the Golden West

Lyric Opera of Kansas City & Gerard Schwarz – Moravec: The Shining

The Metropolitan Opera Orchestra & The Metropolitan Opera Chorus – Catán: Florencia en el Amazonas

The Metropolitan Opera Orchestra & The Metropolitan Opera Chorus – Puts: The Hours

⭐︎San Francisco Symphony Chorus & San Francisco Symphony – Saariaho: Adriana Mater


Best Orchestral Performance


Buffalo Philharmonic Orchestra & JoAnn Falletta – Kodály: Háry János Suite, Nyári este & Symphony in C Major

Esa-Pekka Salonen & San Francisco Symphony – Stravinsky: The Firebird

⭐︎Los Angeles Philharmonic, Gustavo Dudamel & María Dueñas – Gabriela Ortiz: Revolución Diamantina

ORF Vienna Radio Symphony Orchestra & Marin Alsop – John Adams: City Noir, Fearful Symmetries & Lola Montez Does the Spider Dance

Susanna Mälkki & Helsinki Philharmonic Orchestra – Sibelius: Karelia Suite, Rakastava & Lemminkäinen


Best Instrumental Composition


⭐︎Akropolis Reed Quintet, Pascal Le Boeuf & Christian Euman – Strands

André 3000 – I Swear, I Really Wanted to Make a “Rap” Album but This Is Literally the Way the Wind Blew Me This Time

Chick Corea & Béla Fleck – Remembrance

Christopher Zuar Orchestra – Communion

Shelly Berg – At Last


Best Immersive Audio Album


Ensemble 96, Current Saxophone Quartet & Nina T. Karlsen – Pax

⭐︎Peter Gabriel – I/O (In-Side Mix)

Ray Charles & Various Artists – Genius Loves Company

Roxy Music – Avalon

Trondheim Symphony Orchestra & Nick Davies – Henning Sommerro: Borders


Producer of the Year, Classical


Christoph Franke

Dirk Sobotka

Dmitriy Lipay

⭐︎Elaine Martone

Erica Brenner

Morten Lindberg


Best Engineered Album, Classical


Los Angeles Philharmonic, Gustavo Dudamel & María Dueñas – Gabriela Ortiz: Revolución Diamantina

Los Angeles Philharmonic, John Adams & Los Angeles Master Chorale – John Adams: Girls of the Golden West

⭐︎Pittsburgh Symphony Orchestra & Manfred Honeck – Bruckner: Symphony No. 7 – Bates: Resurrexit (Live)

Skylark Vocal Ensemble & Matthew Guard – Clear Voices in the Dark

Timo Andres, Andrew Cyr & Metropolis Ensemble – Timo Andres: The Blind Banister


Best New Age, Ambient, or Chant Album


Anoushka Shankar – Chapter II: How Dark It Is Before Dawn

Chris Redding – Visions of Sounds De Luxe

Radhika Vekaria – Warriors of Light

Ricky Kej – Break of Dawn

Ryuichi Sakamoto – Opus

⭐︎Wouter Kellerman, Éru Matsumoto & Chandrika Tandon – Triveni


Best Reggae Album


Collie Buddz – Take It Easy

Shenseea – Never Gets Late Here

⭐︎Various Artists – Bob Marley: One Love – Music Inspired By the Film (Deluxe)

Vybz Kartel – Party With Me

The Wailers – Evolution


Best Global Music Album


Antonio Rey – Historias de un Flamenco

Ciro Hurtado – Paisajes

⭐︎Matt B & Royal Philharmonic Orchestra – Alkebulan II

Rema – Heis

Tems – Born in the Wild


Best African Music Performance


Asake & Wizkid – MMS

Burna Boy – Higher

Chris Brown Featuring Davido & Lojay – Sensational

⭐︎Tems – Love Me JeJe

Yemi Alade – Tomorrow


Best Global Music Performance


Angélique Kidjo & Soweto Gospel Choir – Sunlight to My Soul

Arooj Aftab – Raat Ki Rani

Jacob Collier Featuring Anoushka Shankar & Varijashree Venugopal – A Rock Somewhere

Masa Takumi Featuring Ron Korb, Noshir Mody & Dale Edward Chung – Kashira

Rocky Dawuni – Rise

⭐︎Sheila E. Featuring Gloria Estefan & Mimy Succar – Bemba Colorá


Best Contemporary Instrumental Album


Béla Fleck – Rhapsody in Blue

Bill Frisell – Orchestras (Live)

Julian Lage – Speak to Me

Mark Guiliana – Mark

⭐︎Taylor Eigsti – Plot Armor


Best Latin Jazz Album


Donald Vega Featuring Lewis Nash, John Patitucci & Luisito Quintero- As I Travel

Eliane Elias – Time and Again

Hamilton de Holanda & Gonzalo Rubalcaba – Collab

Horacio ‘El Negro’ Hernandez, John Beasley & Jose Gola – El Trio: Live in Italy

Michel Camilo & Tomatito – Spain Forever Again

⭐︎Zaccai Curtis – Cubop Lives!


Best Large Jazz Ensemble Album


The Clayton-Hamilton Jazz Orchestra – And So It Goes

⭐︎Dan Pugach – Bianca Reimagined

John Beasley Featuring Frankfurt Radio Big Band – Returning to Forever

Miguel Zenón – Golden City

Orrin Evans & The Captain Black Big Band – Walk a Mile in My Shoe


Best Jazz Instrumental Album


Ambrose Akinmusire – Owl Song

⭐︎Chick Corea & Béla Fleck – Remembrance

Kenny Barron – Beyond This Place

Lakecia Benjamin – Phoenix Reimagined (Live)

Sullivan Fortner – Solo Game


Best Jazz Vocal Album


Catherine Russell & Sean Mason – My Ideal

Christie Dashiell – Journey in Black

Kurt Elling & Sullivan Fortner – Wildflowers Vol. 1

Milton Nascimento & Esperanza Spalding – Milton + Esperanza

⭐︎Samara Joy – A Joyful Holiday


Best Jazz Performance


The Baylor Project – Walk With Me, Lord (Sound | Spirit)

Chick Corea & Béla Fleck – Juno

Dan Pugach & Nicole Zuraitis Featuring Troy Roberts – Little Fears

Lakecia Benjamin Featuring Randy Brecker, Jeff “Tain” Watts & John Scofield – Phoenix Reimagined (Live)

⭐︎Samara Joy Featuring Sullivan Fortner – Twinkle Twinkle Little Me


Best Engineered Album, Non-Classical


Charlotte Day Wilson – Cyan Blue

Kacey Musgraves – Deeper Well

Lucky Daye – Algorithm

⭐︎Peter Gabriel – I/O

Sabrina Carpenter – Short n’ Sweet

Willow – Empathogen


Best Song Written for Visual Media


Barbra Streisand – Love Will Survive (From The Tattooist of Auschwitz)

⭐︎Jon Batiste – It Never Went Away (From the Netflix Documentary “American Symphony”)

Luke Combs – Ain’t No Love in Oklahoma (From Twisters: The Album)

*NSync & Justin Timberlake – Better Place (From Trolls Band Together)

Olivia Rodrigo – Can’t Catch Me Now (From The Hunger Games: The Ballad of Songbirds & Snakes)


Best Score Soundtrack for Video Games and Other Interactive Media


⭐︎Bear McCreary – God of War Ragnarök: Valhalla

John Paesano – Marvel’s Spider-Man 2

Pinar Toprak – Avatar: Frontiers of Pandora

Wilbert Roget II – Star Wars Outlaws

Winifred Phillips – Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord


Best Score Soundtrack for Visual Media (Includes Film and Television)


Kris Bowers – The Color Purple

⭐︎Hans Zimmer – Dune: Part Two

Laura Karpman – American Fiction

Nick Chuba, Atticus Ross & Leopold Ross – Shōgun

Trent Reznor & Atticus Ross – Challengers


Best Compilation Soundtrack for Visual Media


⭐︎London Symphony Orchestra, Yannick Nézet-Séguin & Bradley Cooper – Maestro: Music by Leonard Bernstein

Various Artists – The Color Purple

Various Artists – Deadpool & Wolverine

Various Artists – Saltburn

Various Artists – Twisters: The Album


Best Alternative Music Album


Brittany Howard – What Now

Clairo – Charm

Kim Gordon – The Collective

Nick Cave & the Bad Seeds – Wild God

⭐︎St. Vincent – All Born Screaming


Best Alternative Music Performance


Cage the Elephant – Neon Pill

Fontaines D.C. – Starburster

Kim Gordon – Bye Bye

Nick Cave & the Bad Seeds – Song of the Lake

⭐︎St. Vincent – Flea


Best Rock Song


The Black Keys – Beautiful People (Stay High)

Green Day – Dilemma

Idles – Gift Horse

Pearl Jam – Dark Matter

⭐︎St. Vincent – Broken Man


Best Metal Performance


⭐︎Gojira, Marina Viotti & Victor le Masne – Mea Culpa (Ah! Ça ira!)

Judas Priest – Crown of Horns

Knocked Loose Featuring Poppy – Suffocate

Metallica – Screaming Suicide

Spiritbox – Cellar Door


Best Rock Performance


⭐︎The Beatles – Now and Then

The Black Keys – Beautiful People (Stay High)

Green Day – The American Dream Is Killing Me

Idles – Gift Horse

Pearl Jam – Dark Matter

St. Vincent – Broken Man


Producer of the Year, Non-Classical


Alissia

⭐︎Daniel Nigro

Dernst “D’Mile” Emile II

Ian Fitchuk

Mustard


Best Historical Album


⭐︎King Oliver’s Creole Jazz Band & Various Artists – Centennial

Paul Robeson – Paul Robeson – Voice of Freedom: His Complete Columbia, RCA, HMV, and Victor Recordings

Pepe de Lucía & Paco de Lucía – Pepito y Paquito

Prince & the New Power Generation – Diamonds and Pearls (Super Deluxe Edition)

Rodgers & Hammerstein & Julie Andrews – The Sound of Music (Original Soundtrack Recording) (Super Deluxe Edition)


Best Album Notes


Alice Coltrane – The Carnegie Hall Concert (Live)

Ford Dabney’s Syncopated Orchestras – After Midnight

John Culshaw – John Culshaw – The Art of the Producer – The Early Years 1948-55

⭐︎King Oliver’s Creole Jazz Band & Various Artists – Centennial

Various Artists – SONtrack Original de la Película “Al Son de Beno”


Best Boxed or Special Limited Edition Package


Alpha Wolf – Half Living Things

⭐︎John Lennon – Mind Games

Kate Bush – Hounds of Love (The Boxes of Lost at Sea)

Nirvana – In Utero

Unsuk Chin & Berliner Philharmoniker – Unsuk Chin

90 Day Men – We Blame Chicago


Best Recording Package


The Avett Brothers – The Avett Brothers

⭐︎Charli XCX – Brat

iWhoiWhoo – Pregnancy, Breakdown, and Disease

Kate Bush – Hounds of Love (Baskerville Edition)

The Muddy Basin Ramblers – Jug Band Millionaire

Post Malone – F-1 Trillion

William Clark Green – Baker Hote


Best Audio Book, Narration, and Storytelling Recording


Barbra Streisand – My Name Is Barbra

Dolly Parton – Behind the Seams: My Life in Rhinestones

George Clinton – …And Your Ass Will Follow

⭐︎Jimmy Carter – Last Sundays in Plains: A Centennial Celebration

Various Artists – All You Need Is Love: The Beatles in Their Own Words


Best Comedy Album


Dave Chappelle – The Dreamer

Jim Gaffigan – The Prisoner

Nikki Glaser – Someday You’ll Die

Ricky Gervais – Armageddon

⭐︎Trevor Noah – Where Was I


Best Children’s Music Album


Divinity Roxx & Divi Roxx Kids – World Wide Playdate

John Legend – My Favorite Dream

⭐︎Lucky Diaz and the Family Jam Band – ¡Brillo, Brillo!

Lucy Kalantari & the Jazz Cats – Creciendo

Rock for Children – Solid Rock Revival


Best Traditional Pop Vocal Album


Aaron Lazar – Impossible Dream

Cyrille Aimée – À Fleur de Peau

Gregory Porter – Christmas Wish

Lake Street Dive – Good Together

⭐︎Norah Jones – Visions


Best Music Film


⭐︎Jon Batiste – American Symphony

June Carter Cash – June

Run-DMC – Kings From Queens

Steven Van Zandt – Stevie Van Zandt: Disciple

Various Artists – The Greatest Night in Pop


Best Music Video


A$AP Rocky – Tailor Swif

Charli XCX – 360

Eminem – Houdini

⭐︎Kendrick Lamar – Not Like Us

Taylor Swift Featuring Post Malone – Fortnight


Best Rap Song


Future, Metro Boomin & Kendrick Lamar – Like That

Glorilla – Yeah Glo!

⭐︎Kendrick Lamar – Not Like Us

Rapsody & Hit-Boy – Asteroids

¥$, Kanye West, Ty Dolla $ign & Rich the Kid Featuring Playboi Carti – Carnival


Best Melodic Rap Performance


Beyoncé, Linda Martell & Shaboozey – Spaghettii

Future, Metro Boomin & The Weeknd – We Still Don’t Trust You

Jordan Adetunji Featuring Kehlani – Kehlani (Remix)

Latto – Big Mama

⭐︎Rapsody Featuring Erykah Badu – 3:AM


Best Rap Performance


Cardi B – Enough (Miami)

Common & Pete Rock Featuring Posdnuos – When the Sun Shines Again

Doechii – Nissan Altima

Eminem – Houdini

Future, Metro Boomin & Kendrick Lamar – Like That

Glorilla – Yeah Glo!

⭐︎Kendrick Lamar – Not Like Us


Best R&B Album


⭐︎Chris Brown – 11:11 (Deluxe)

Lalah Hathaway – Vantablack

Lucky Daye – Algorithm

Muni Long – Revenge

Usher – Coming Home


Best Progressive R&B Album


⭐︎Avery*Sunshine – So Glad to Know You

Childish Gambino – Bando Stone and the New World

Durand Bernarr – En Route

Kehlani – Crash

⭐︎NxWorries – Why Lawd?


Best R&B Song


Coco Jones – Here We Go (Uh Oh)

Kehlani – After Hours

Muni Long – Ruined Me

⭐︎SZA – Saturn

Tems – Burning


Best Traditional R&B Performance


Kenyon Dixon – Can I Have This Groove

Lalah Hathaway Featuring Michael McDonald – No Lie

⭐︎Lucky Daye – That’s You

Marsha Ambrosius – Wet

Muni Long – Make Me Forget


Best R&B Performance


Chris Brown – Residuals

Coco Jones – Here We Go (Uh Oh)

Jhené Aiko – Guidance

⭐︎Muni Long – Made for Me (Live on BET)

SZA – Saturn


Best Tropical Latin Album


Juan Luis Guerra 4.40 – Radio Güira

Kiki Valera – Vacilón Santiaguero

Marc Anthony – Muevense

Sheila E. – Bailar

⭐︎Tony Succar & Mimy Succar – Alma, Corazón y Salsa (Live at Gran Teatro Nacional)


Best Música Mexicana Album (Including Tejano)


⭐︎Carín León – Boca Chueca, Vol. 1

Chiquis – Diamantes

Jessi Uribe – De Lejitos

Peso Pluma – Éxodo


Best Latin Rock or Alternative Album


Cimafunk – Pa’ Tu Cuerpa

El David Aguilar – Compita del Destino

Mon Laferte – Autopoiética

Nathy Peluso – Grasa

⭐︎Rawayana – ¿Quién Trae las Cornetas?


Best Música Urbana Album


Bad Bunny – Nadie Sabe Lo Que Va a Pasar Mañana

Feid – Ferxxocalipsis

J Balvin – Rayo

⭐︎Residente – Las Letras Ya No Importan

Young Miko – Att.


Best Contemporary Blues Album


Antonio Vergara – The Fury

Joe Bonamassa – Blues Deluxe Vol. 2

⭐︎Ruthie Foster – Mileage

Shemekia Copeland – Blame It on Eve

Steve Cropper & The Midnight Hour – Friendlytown


Best Traditional Blues Album


Cedric Burnside – Hill Country Love

The Fabulous Thunderbirds – Struck Down

Little Feat – Sam’s Place

Sue Foley – One Guitar Woman

⭐︎Taj Mahal – Swingin’: Live at the Church in Tulsa


Best American Roots Performance


The Fabulous Thunderbirds Featuring Bonnie Raitt, Keb’ Mo’, Taj Mahal & Mick Fleetwood – Nothing in Rambling

Rhiannon Giddens – The Ballad of Sally Anne

Shemekia Copeland – Blame It on Eve

⭐︎Sierra Ferrell – Lighthouse


Best Country Song


Beyoncé – Texas Hold ’Em

Jelly Roll – I Am Not Okay

⭐︎Kacey Musgraves – The Architect

Post Malone Featuring Morgan Wallen – I Had Some Help

Shaboozey – A Bar Song (Tipsy)


Best Country Duo/Group Performance


⭐︎Beyoncé & Miley Cyrus – II Most Wanted

Brothers Osborne – Break Mine

Dan + Shay – Bigger Houses

Kelsea Ballerini & Noah Kahan – Cowboys Cry Too

Post Malone Featuring Morgan Wallen – I Had Some Help


Best Country Solo Performance


Beyoncé – 16 Carriages

⭐︎Chris Stapleton – It Takes a Woman

Jelly Roll – I Am Not Okay

Kacey Musgraves – The Architect

Shaboozey – A Bar Song (Tipsy)


Best Roots Gospel Album


Authentic Unlimited – The Gospel Sessions, Vol. 2

⭐︎Cory Henry – Church

The Harlem Gospel Travelers – Rhapsody

Mark D. Conklin – The Gospel According to Mark

The Nelons – Loving You


Best Contemporary Christian Music Album


Brandon Lake – Coat of Many Colors

⭐︎Doe – Heart of a Human

Elevation Worship – When Wind Meets Fire

Forrest Frank – Child of God

Maverick City Music, Chandler Moore & Naomi Raine – The Maverick Way Complete


Best Gospel Album


⭐︎CeCe Winans – More Than This

Karen Clark Sheard – Still Karen

Kirk Franklin – Father’s Day

Melvin Crispell III – Covered Vol. 1

Ricky Dillard – Choirmaster II (Live)


Best Contemporary Christian Music Performance/Song


Bethel Music, Jenn Johnson Featuring CeCe Winans – Holy Forever (Live)

⭐︎CeCe Winans – That’s My King

Elevation Worship Featuring Brandon Lake, Chris Brown & Chandler Moore – Praise

Honor & Glory & Disciple – Firm Foundation (He Won’t)

Jwlkrs Worship & Maverick City Music Featuring Chandler Moore – In the Name of Jesus

Maverick City Music, Naomi Raine & Chandler Moore Featuring Tasha Cobbs Leonard – In the Room


Best Gospel Performance/Song


Doe – Holy Hands

Melvin Crispell III – Yesterday

Ricky Dillard – Hold On (Live)

⭐︎Tasha Cobbs Leonard, Erica Campbell & Israel Houghton Featuring Jonathan McReynolds & Jekalyn Carr – One Hallelujah

Yolanda Adams – Church Doors


Best Regional Roots Music Album


Big Chief Monk Featuring J’wan Boudreaux – Live at the 2024 New Orleans Jazz & Heritage Festival

⭐︎Kalani Pe’a – Kuini

New Breed Brass Band Featuring Trombone Shorty – Live at the 2024 New Orleans Jazz & Heritage Festival

The Rumble – Stories From the Battlefield

Sean Ardoin & Kreole Rock and Soul – 25 Back to My Roots


Best Folk Album


Adrianne Lenker – Bright Future

American Patchwork Quartet – American Patchwork Quartet

Aoife O’Donovan – All My Friends

⭐︎Gillian Welch & David Rawlings – Woodland

Madi Diaz – Weird Faith


Best Bluegrass Album


⭐︎Billy Strings – Live Vol. 1

Bronwyn Keith-Hynes – I Built a World

Dan Tyminski – Dan Tyminski: Live From the Ryman

The Del McCoury Band – Songs of Love and Life

Sister Sadie – No Fear

Tony Trischka – Earl Jam


Best Americana Album


Charley Crockett – $10 Cowboy

Maggie Rose – No One Gets Out Alive

Sarah Jarosz – Polaroid Lovers

⭐︎Sierra Ferrell – Trail of Flowers

T Bone Burnett – The Other Side

Waxahatchee – Tigers Blood


Best American Roots Song


Aoife O’Donovan – All My Friends

Iron & Wine & Fiona Apple – All in Good Time

Mark Knopfler – Ahead of the Game

Shemekia Copeland – Blame It on Eve

⭐︎Sierra Ferrell – American Dreaming


Best Americana Performance


Beyoncé – Ya Ya

Gillian Welch & David Rawlings – Empty Trainload of Sky

Madi Diaz & Kacey Musgraves – Don’t Do Me Good

Madison Cunningham – Subtitles

Sarah Jarosz – Runaway Train

⭐︎Sierra Ferrell – American Dreaming


Best Remixed Recording


Charli XCX – Von Dutch A. G. Cook Remix Featuring Addison Rae

Doechii & Kaytranada Featuring JT – Alter Ego (Kaytranada Remix)

Julian Marley & Antaeus – Jah Sees Them (Amapiano Remix)

⭐︎Sabrina Carpenter – Espresso (Mark Ronson x FNZ Working Late Remix)

Shaboozey & David Guetta – A Bar Song (Tipsy) (Remix)


Best Dance/Electronic Music Album


⭐︎Charli XCX – Brat

Four Tet – Three

Justice – Hyperdrama

Kaytranada – Timeless

Zedd – Telos


Best Dance Pop Recording


Ariana Grande – Yes, And?

Billie Eilish – L’Amour de Ma Vie [Over Now Extended Edit]

⭐︎Charli XCX – Von Dutch

Madison Beer – Make You Mine

Troye Sivan – Got Me Started


Best Dance/Electronic Recording


Disclosure – She’s Gone, Dance On

Four Tet – Loved

Fred Again.. & Baby Keem – Leavemealone

⭐︎Justice & Tame Impala – Neverender

Kaytranada Featuring Childish Gambino – Witchy


Best Pop Solo Performance


Beyoncé – Bodyguard

Billie Eilish – Birds of a Feather

Chappell Roan – Good Luck, Babe!

Charli XCX – Apple

⭐︎Sabrina Carpenter – Espresso

 

「二十四節気」をテーマにした冥丁のミニマル・ピアノ・アンビエント作品『室礼』が限定12インチ・ホワイト・ヴァイナルとしてKITCHEN. LABELより3月7日にリリースされる。本作はデジタルバージョンの配信に留まっていた。

 

日本古来の印象をモチーフにしたサウンドで脚光を浴びる音楽家・冥丁が、古(いにしへ)の文化を現代の音として訳し、その概念を届ける”WARA”のために制作した楽曲集。ポストクラシカル、アンビエントはもちろん、エレクトロニカ/トイトロニカファンに推薦したいアルバムです。

 

広島の音楽家/冥丁が、日本の伝統と感性を反映させた世界を創作する”WARA”を体現する音楽として制作した『室礼』(しつらひ)。日本の四季をさらに6つに分け、「二十四節気」の「立春」「立夏」「立秋」「立冬」をテーマに縁取り、時の移ろいを描いた抒情作品である。

 

タイトルの由来となった言葉「室礼」(※しつらひ: 飾りつけること、設け整えること)の概念を体現するため、間(ま)に重きを置きながら、冥丁自らがピアノを演奏、録音、そして細心の注意を払ったアレンジメントによって仕上げられた。ピアノサウンド、自然音、エレクトロニクス、多種多様で創意工夫に富んだテクスチャーが施された4つのトラックは、15分という短い時間の中で、小さな変化を繰り返しながら際限のない小宇宙のように広がる。また、本作のピアノは、季節が変わるごとに新しい環境に囲まれる冥丁自身の実存のメタファーとしての役割も司る。

 

四季折々のサイクルの中で、自己という存在がどんなふうに移ろい変わっていくのか。外側の景色は変わりつづけるが、彼はその中に普遍的な何かがあることを見つける。あるいは見つけようとする。外側の変化に揺り動かされない何かを発見したときが、彼の音楽に最も近づけたと思う瞬間である。

 

冥丁のモチーフであり現時点のライフワークでもある「失日本」ーー失われつつある日本の情緒を再解釈しようと試みるーーは、この静けさに充ちた味わい深いアルバムにおいても通奏低音のように鳴りわたる。他方、本作では、従来の作品とは異なる新鮮な視点から、冥丁らしい緻密な音楽の世界が築き上げられている。マスタリングは、田辺 玄(Studio Camel House)が担当した。

 

 

 



[アルバム情報]    

 

冥丁 『室礼』

 


 

発売日: 2025年3月7日(金)

アーティスト:冥丁

タイトル:室礼(読み仮名:しつらひ)

フォーマット: 国内流通盤12インチ

本体価格 : 4,400円(税込)

レーベル:KITCHEN. LABEL
   流通 : p*dis / Inpartmaint Inc.

*限定700枚プレス

*カラーヴァイナル(ホワイト)

 

◆デジタルは2023年2月4日に各主要プラットフォームでリリース

 

視聴予約: https://kitchenlabel.lnk.to/6rP8pFyR

 

 

昨年の全国ツアーに続いて、今年度のライブの日程がアナウンスされた。 『室礼』のリリースを記念するツアーで、現在、京都、東京の二箇所でのライブが決定している。東京公演では、ジム・オルークと石橋英子と出演する。日程の詳細は下記の通りとなっている。ツアーのポスターとともにチェックしてみよう。

 

 

 【京都公演】

 
■日時:2025年3月8日(土)開場 17:30 / 開演 18:00
■会場:京都文化博物館 別館ホール(京都市中京区三条高倉)
■料金:前売 ¥5,000 / 当日 ¥5,500 (全席自由/税込)
■出演:冥丁


 
■チケット販売


LivePocket : https://t.livepocket.jp/e/20250308_meitei
 
 

■主催・お問い合わせ:

 

night cruising: https://nightcruising.jp/

 
E-Mail: info@nightcruising.jp
Tel: 050-3631-2006(平日12:00-18:00)


 
【東京公演】冥丁/ジム・オルークx石橋英子 -a part of ”室礼” Tour-






http://wallwall.tokyo/schedule/20250309_meitei_jimorourke_ishibashieiko/

■日時:2025年3月9日(日)開場 17:30 / 開演 18:30


■会場:WALL&WALL(東京都港区南青山3-18-19フェスタ表参道ビルB1)


■料金:
前売 ¥4,000 +1drink ¥700[販売期間:3/8 18:00まで]
当日 ¥5,000 +1drink ¥700[販売期間:3/9 17:30〜]


■出演:冥丁 / ジム・オルークx石橋英子


 
■チケット販売


e+(イープラス)
https://eplus.jp/sf/detail/4258470001-P0030001

 

■主催・お問い合わせ:WALL&WALL 


http://wallwall.tokyo/
E-MAIL : info@wallwall.tokyo
TEL:03-6438-9240

 

[PROFILE]

 
冥丁(メイテイ):

 
日本の文化から徐々に失われつつある、過去の時代の雰囲気を「失日本」と呼び、現代的なサウンドテクニックで日本古来の印象を融合させた私的でコンセプチュアルな音楽を生み出す広島在住の作曲家。


エレクトロニック、アンビエント、ヒップホップ、エクスペリメンタルを融合させた音楽で、過去と現在の狭間にある音楽芸術を創作している。


これまでに「怪談」(Evening Chants)、「小町」(Métron Records)、「古風」(Part Ⅰ,Ⅱ&Ⅲ)(KITCHEN.LABEL) など、独自の音楽テーマとエネルギーを持った画期的な三部作シリーズを海外の様々なレーベルから発表し、冥丁は世界的にも急速に近年のアンビエント・ミュージックの特異点となった。

 

日本の文化と豊かな歴史の持つ多様性を音楽表現とした発信により、The Wire、Pitchforkから高い評価を受け、MUTEK Barcelona 2020、コロナ禍を経て、SWEET LOVE SHOWER SPRING 2022、朝霧JAM 2023などの音楽フェスティバルに出演し、ヨーロッパ、シンガポール、台湾などを含む海外ツアーも成功させた。
 

ソロ活動の傍ら、一流ファッションブランドや化粧品の宣伝音楽を手掛けている。Cartier、資生堂IPSA、MERRELL、Nike Jordan、HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKEなど世界に名だたるブランドからの依頼を受け、イベントやキャンペーンのためのオリジナル楽曲の制作も担当している。

 


WARA(ワラ):

 
“余白をしつらふ”を合言葉に表現活動を行う。わらに触れることで瞑想に近い感覚を覚える。日本の文化や季節の移ろいを背景に心の奥底に焦点を合わせ 唯一無二の世界観を創作。 稲わら用いたしめ縄や関守石の作品制作を軸に古(いにしへ)の文化を現代に訳す空間演出を手がける。



[関連情報]

冥丁の『古風』編三部作の最終章となるアルバム『古風 Ⅲ』の発売を記念した国内ツアーが全国11都市で開催!


 

Lilies On Mars(リリーズ・オン・マーズ)、Stefano Guzzetti(ステファーノ・グッツェッティ)という、イタリアで結成されたロックトリオは、最も個性的なシューゲイズ・アルバムを制作することになった。インディーロックデュオ、映画のサウンドトラックで人気を誇る作曲家。実際、異色のコラボレーションと言えますが、完成されたアルバムは、Stereolab、Pales Saints、Cocteau Twinsを彷彿とさせるエレクトロニックやダンスを通過したシューゲイズ、ドリームポップです。かなりマニアックな音楽であることは明らかで、2024年のCindy Lee、Sonic Boom、Dean & Brittaの系譜にある独自色の強いアルバムです。

 

リリーズ・オン・マーズは、リサ、マリーナによるインディーロックデュオで、2009年頃からイタリアで活動を行っています。当初は、メタルバンドとして活動していた二人でしたが、実験音楽の制作を通じて、より深い音楽へとアクセスすることに。ステファーノ・グッツェッティとのコラボレーションは、新しい冒険のためのパートナーであると述べています。三者は似ているようで異なる音楽的な背景を持つ。リサは、子供の頃、カリアリの円形劇場でジャコモ・プッチーニの歌劇を観て感動し、音楽に傾倒しはじめた。一方のマリーナは、Holeを中心とするMTV全盛期のポピュラーミュージックにのめり込むようになった。もし、このアルバムのどこかに懐かしく普遍的なポップスの匂いを嗅ぎ取るとしたら、それはあながち思い違いではないのでしょう。

 

他方、ステファーノ・ グッツェッティは、イタリアの作曲家であり、映画音楽やドラマなどのサウンドトラックを制作している。ピアニストとしても活動し、気品溢れる彼の作品は多くのリスナーを魅了してやまない。しかし、今回、明らかになったのは、ステファーノ・グッツェッティは、エンニオ・モリコーネの次世代に位置づけられる作曲家、そして、ピアニストやエレクトロニックプロデューサーという表向きの顔は別に、ステファーノは、もう一つの意外な表情を持つということです。以前、彼はインディーロックバンドとして活動し、”Antennah”というグループに参加していた。彼の最初の音楽的な体験は、ドイツ/デュッセルドルフの電子音楽シーンであり、Kraftwerk(クラフトヴェルク)を13歳の頃にテレビで見たときにはじまった。それから、退屈な国内の音楽の反動により、The Cureのような海外のニューウェイブが彼の若い時代の感性には通底していた。

 

一般的には知られていませんが、 ステファーノ・グッツェッティはベーシストとしても活動し、ニューウェイブに深い造詣を持つ。十代の後半からポスト・パンク、インディーロックに夢中になり、コクトー・ツインズの音楽に深い共鳴を見出すことになった。ダンサンブルなリズム、アップビートなリズムを聴くのが好きだとか……。さらに、彼は意外なことに、”シューゲイズのマスタークラス”でもあり、ピクシーズ、ラッシュ、MBV,ライド、ニューオーダー、ジーザス & メリー・チェインズ、シュガー(ボブ・モールド)、ペール・セインツ、ブロンド・レッドヘッドなど、4ADや世界のコアなインディーロックバンドのサウンドに感銘を受けている。上記のリストを見るだけで、彼のオルタナティヴロックに対する愛情がどれほど大きいのか分かるでしょう。

 

2020年頃からプロジェクト、LOMSは立ち上げられ、ライブステージを共有することで、徐々に音楽的な共通点を探っていくことになった。 当初、ギタリストのシルビア・クリストファロが参加し、四人組のグループとして活動を始めた。作曲はベースから始まり、メインのボーカルを書き、そして、イントロ、歌詞やコーラスを追加し、曲の肉付けをおこなっていく。残りの多くはコンピューターの前での作曲を行い、大まかな曲の構想を固めていくという。


リリーズ・オン・マーズと作曲家/音楽家のステファノ・グッツェッティとのコラボレーションによるニューアルバム『シャイン』は本日発売されます。 エレクトロニクス、ミニマリズム、実験、メロディーによる絶妙な均衡の中で、人間の魂の奥深い次元を探求するユニークで包み込むような音の旅を企てる。このプロジェクトは、ステファーノ・グッツェッティのアンビエント・サウンドとメロディックな感性、それから、エレクトロニック・ミュージックへの革新的なアプローチに磨きをかけてきたリリーズ・オン・マーズのドリーミーでコズミックなタッチとの出会いから始まった。 その結果、従来の音楽の枠組みを超越した浮遊感のあるメロディーと強固な雰囲気の狭間で、エモーショナルな宇宙へと誘うサウンドが生み出された。「Shine」は実験的な作品で、幽玄なシューゲイザー、アンビエントなテクスチャー、ポップな感覚を融合させ、「愛」、「自己発見」、「孤独な世界での光」というテーマを探求しています。

 

 

Lilies On Mars & Stefano Guzzetti 『Shine』  - Mint 400/Shore Dive


 

2024年から断続的にシングルのリリースを続けていた、Lilies On Mars & Stefano Guzzettiでしたが、ようやくデビューアルバムという成果になった。今作は、1980年代のインディーズのニューウェイブサウンドを通過し、それらをコクトー・ツインズやエリザベス・フレイザーの系譜にある甘美なドリームポップに昇華した作品です。基本的には、ビートボックスを用いたダンスミュージックの範疇にあるポップスで、エレクトロポップに傾倒した作風となっています。

 

しかし、アルバムの主要曲は、インディーズのポップソングを意識して作られていますが、それらがローファイの範疇にあるサウンドで縁取られる。結果として出力されるサウンドは、デモソングの延長線上に位置づけられ、この数年流行っているスラッカー・ロックの範疇に属するラフなマスタリングの流れを汲むアルバムと言えるでしょう。基本的には、マニアックなドリームポップ/エレクトロポップソングが多いが、ステファーノ・グッツェッティのメリハリのあるエレクトロ・サウンド、ポピュラーな曲風から、うねるようにして炸裂するフィードバックノイズが、甘美的なコクトー・ツインズのような美しいアンビエンスやアトモスフィアの合間に登場します。しかし、それらのノイズは、ほんの束の間のものに過ぎず、再び心地よいメロディアスでドリーミーなエレクトロポップが繰り広げられていきます。このアルバムで、最近のラフな質感を強調したサウンドが決定的になるだろうと思われる。現在は、デジタルの粒の精細なサウンドではなく、アナログのザラザラした質感を生かしたサウンドが流行していますが、『Shine』も同様に、8トラックのマルチトラックレコーダーで録音したような、アナログサウンドの風味が、28分という簡潔な長さを持つフルアルバム全体に漂い、心地良い感覚をもたらす。

 

アルバムの序盤は、古典的なダンスミュージックを踏まえ、それらにドリーミーなメロディー付与するというコクトー・ツインズやペール・セインツ、あるいは米国では、アリソンズ・ヘイローのソングライティングのスタイルが踏襲されています。これらの最初期のゴシックロックとニューロマンティックというジャンルを融合させて生み出されたのが''ドリームポップ''というジャンルでした。ブライアン・イーノのコラボレーターで、ピアニストのハロルド・バッドがこのジャンルの先駆者でもある。彼は鍵盤奏者でしたが、同時にアートポップの最初の流れを呼び込み、ポピュラーシーンでも強い影響を後のミュージック・シーンに及ぼすことになった。


とくに、コクトー・ツインズやペール・セインツのようなグループが、なぜ革新的だったかといえば、90年代以降に流行するシューゲイズの基本的なモデルを作り上げたことにある。また、最初期のボストン時代のピクシーズもシューゲイズのようなサウンドを強調していた時期があり、デモテープ時代の「River Euphrates」、「I Bleed」といったサウンドの正体は、オルタネイトなシューゲイズ、グランジ、そしてドリーム・ポップを融合させたものだったということでしょう。


 

オープナー「Wax」は、ザ・キュアーやコクトー・ツインズの全盛期のポピュラーソングを彷彿とさせる。現代のチルウェイブの範疇にあるゆったりしたマシンビートを背景に、シンプルであるが叙情的なサウンドが切ない空気感を生み出す。 そして二つのギターが折り重なり、マスロックやポストロックのような巧みなアンサンブルを形成し、背景となるビートやリズムと関わり合います。そしてボーカルの節回しやフレージングこそ、80年代のMTVサウンドのようなポピュラー性が重視されていますが、それだけでは物足りないという贅沢な音楽ファンの要求に答えるべく、聞き応えのあるシューゲイズ/ドリーム・ポップが心地よく展開されていきます。


アルバムの序盤の音楽には、アートポップの先駆的なグループがそうであったように、Japan、カルチャー・クラブをはじめとするUKのダンスミュージックやディスコの流れを汲んだポップが基礎になっていて、これが聴きやすく、懐かしい音楽性のベースともなっています。表向きには懐古的な感覚がありますが、よく聴くと、普遍的な音楽性が内包されているのがわかるはず。 

 

 「Wax」

 

 

 

「Cosmic」もまた、1980年代のニューウェイブサウンドに依拠している。シンプルなマシンビートをビートボックスで作り出し、6/8の規則的なリズムを付与し、その中でシンプルなポップソングが展開される。二つのコードをベースにしたシューゲイズのギターを配し、ブリーダーズやスローイング・ミュージーズの2000年代初頭の作品を彷彿とさせる、ふんわりとした柔らかい雰囲気のロックソングを構築していく。特筆すべきは、メジャースケールの解決として半音上のマイナースケールを例外的に使用していることでしょう。明確なカデンツァ(終止形)を限界まで後ろに引き伸ばし、シンコペーションを繰り返しながら、心地よいグルーブ感覚を作る。さらに、ミニマルな構造を強調したサウンドが心地よい雰囲気を放ち、浮遊感のある柔らかいヴォーカルが夢想的な雰囲気を生み出す。ドリームポップやシューゲイズの本質とは、''西洋音階の抽象化や希薄化''にある。つまり、半音階の微妙なピッチの揺れを、ギター、ボーカル、そしてシンセサイザーなどを駆使して体現させるということです。曲の後半では、よりダンサンブルなリズムが強調され、ディスコ風の華やかなサウンドに傾倒しています。

 

「superlove」は、おそらく、The Mars Volta(マーズ・ヴォルタ)がデビューアルバムで用いた手法で、90年代のRHCPのミクスチャーの次世代のヘヴィロック/メタルの象徴的なサウンドでもあった。ギターとシンセを同期させたケヴィン・シールズの系譜にあるコアなロックサウンドは、Led Zeppelin、Black Sabbathのような英国の古典的なハードロックを彷彿とさせる。しかし、イントロの後、リスナーの予想を裏切る形で涼し気なエレクトロポップが続く。激しい轟音を用いた、GY!BE、MBVのようなサウンドが続くのかと思いきや、あっけないほどの軽やかなポップソングで、聴き手側の予測を覆す。しかし、この数年間、ライブステージを重ね、手応えを確かめながら、サウンドチェックを行ってきたLOMSの曲は、ことさら洗練された印象がある。そして彼らは、「静と動の対比」という、90年代から受け継がれるロックアンセムに共通する商業音楽の美学を共有しつつ、サビにおいて強烈なフィードバックを用いたシューゲイズサウンドで驚きを与える。もちろん、これらの倍音を強調するギターサウンドが重層的に絡み合い、コスモ・ポップ(宇宙的なポップソング)を生み出し、独特なハーモニクスを形成する。

 

これらのサウンドは、男性、女性の混合トリオという編成がもたらしたと言えるでしょう。また、つづく「Flow」では、リリーズ・オン・マーズの性質がフィーチャーされ、それらはブリーダーズ、ピクシーズの系譜にあるオルトロックサウンドという形であらわれることになる。 ボーカル自体はエリザベス・フレイザーを彷彿とさせるという面では、コクトー・ツインズとのハイブリッドのようでもある。これらは結果として、90年代の4ADの象徴的なサウンドという形で表出します。また、それらを司令塔のように取りまとめているのが、ディスコに依拠したビートボックスです。これらは打ち込みのシューゲイズとして楽しむことが出来ます。続く「Phoenix」もまた、同じ傾倒にある楽曲で、ダンサンブルなリズムを巧みに活かしながら、ドリーミーなメロディーを配して、インディーロックソングの核心にある要素を提示しています。

 

「Marina」は、このアルバムを聴くリスナーにとってひそかな楽しみとなりそうです。ファンシーなサウンドと、リリーズ・オンマーズのブリーダーズの系譜にある夢想的なボーカルを上手く融合させています。アルバムの終盤にも素晴らしい曲が収録されていて、聞き逃すことが出来ません。「Merged」では、マシンビートと巧みなエレクトロニックのセンスが駆使され、ダンサンブルなエレクトロ・ポップを楽しむことが出来ます。とくに、アルバムの制作や録音を心から楽しむ感覚は聞き手にも伝わって来る。そして、それこそが''インディーロックの真髄''でもある。エレクトロニクスに組み合わされるギターラインも巧みでエモーショナルな感覚を生み出す。

 

本作のクローズに収録されているタイトル曲は、ローファイなシューゲイズソングで、このジャンルのリバイバルの流れを決定づけています。フィードバックを用いた抽象的なギターの音像とシンセのテクスチャーが複雑に絡みあいながら、このトリオしか生み出せない独特なサウンドを創り出す。心地よいフィードバックサウンドの中で、コーラスを交えてアルバムはクライマックスに向かっていく。温和で心地よいシューゲイズサウンドは明るい余韻を残します。

 

 

 

80/100

 

 

 

「Merged」

■リザ・ローのデビュー・アルバムが発売。ジョン・ケリーがプロデュースした話題作。南欧の気風をロンドンのポピュラーシーンにもたらす


Liza Lo
Photo: Kayla Raquel Middleton

 

本日(1月31日)、ロンドンを拠点とするプロデューサーでシンガーソングライターのLiza Lo(リザ・ロー)の待望のデビューアルバム『Familiar(ファミリア)』がリリースを迎えた。

 

これまでに6曲のデジタル・シングルを発表してきた彼女だが、今回のアルバムはおなじみのプロデューサー、ジョン・ケリー(ケイト・ブッシュ/ポール・マッカートニーの作品のプロデュースを手掛けている)と彼女のバンドと共にデーモン・アルバーンの”スタジオ13”にて制作された注目作。


アルバムでリザは、脳梗塞で亡くなった友人のこと、ヨーロッパにある故郷を離れること、そして現代の複雑な人間関係などのあらゆることに触れている。不気味で親密なギター、レトロでポップなシンセサイザーとベース、クリスタルのようなピアノが、儚さと自己の強さの両方を表現している。


本作についてリザ・ローは、次のように語っている。

 

「ファミリア』というタイトルは、私が聴いて育ったレコードに立ち返るという要素、音楽を親しみやすく感じさせるレコーディングの方法、そして、私の師匠であるこのアルバムの共同プロデューサーでもあるジョン(・ケリー)が得意とするもので、私の創作プロセスを近づける方法を反映している。


また、この言葉は私が語る、家族の親密さ、私の人生におけるロマンチックな愛の物語、そして、生きていく上で避けられない喪失感や、それにどう対処するかということとも結びたいと思った。友人を失ったり、自分自身や他人と連絡が取れなくなったり、恋に落ちることの素晴らしさなど、私たちが人生で繰り返し遭遇する感情よ。


そしてこの度、アルバム収録曲の「Anything Like Love」を公開します。同曲はリザが「友情、ロマンチックな愛、身近な愛のためのラヴ・ソング」と表現するソフトで優しい曲だ。「家族の集まりや誕生日に歌うのが好きなの。私のママ、親友たち、弟、そして私の家族への歌よ」とのこと。

 


「Anything Like Love」



【アルバム情報】

 

アーティスト名:Liza Lo(リザ・ロー)

タイトル名:Familiar(ファミリア)

品番:GB1598CD (CD) / GB1598 (LP)

発売日:発売中!

レーベル:Gearbox Records


<トラックリスト>

(CD)

1. Gipsy Hill

2. Morning Call

3. Darling

4. Catch The Door

5. A Messenger

6. As I Listen

7. Open Eyes

8. Anything Like Love

9. What I Used To Do

10. Confiarme

11. Show Me


(LP)

Side-A


1. Gipsy Hill

2. Morning Call

3. Darling

4. Catch The Door

5. A Messenger

6. As I Listen

Side-B


1. Open Eyes

2. Anything Like Love

3. What I Used To Do

4. Confiarme

5. Show Me



アルバム『Familiar』配信中! 

https://bfan.link/the-ruin

 

Credits:

Liza Lo - Vocals, Acoustic Guitar, Piano, Backing Vocals, Synthesisers Sean Rogan - Piano, Backing Vocals, Acoustic & Baritone Guitar Maarten Cima - Electric, Rubber Bridge & Baritone Guitar

Tom Blunt - Drums

Freek Mulder - Bass

Ben Trigg - Cello & String Arrangements (Gipsy Hill, Open Eyes & A Messenger) Emre Ramazanoglu - Percussion (Catch The Door & Anything Like Love)

Chris Hyson - Synthesisers & Programming (Confiarme)

Wouter Vingerhoed - Prophet (What I Used To Do)


Recorded at Studio 13 and Tileyard Studios in London

Produced by Jon Kelly and Liza Lo

Additional and co-production by Wouter Vingerhoed (What I Used To Do), Topi Killipen

(Morning Call), Sean Rogan (Confiarme) and Chris Hyson (Confiarme)

Written by Liza Lo together with Topi Killipen (Morning Call), Emilio Maestre Rico (Darling),

Peter Nyitrai (Open Eyes), Melle Boddaert (Gipsy Hill), Hebe Vrijhof (What I Used To Do) &

Wouter Vingerhoed (What I Used To Do)

Mixed by Jon Kelly

Mastered by Caspar Sutton-Jones & Darrel Sheinman

Engineered by Giacomo Vianello and Ishaan Nimkar at Studio 13 and Ned Roberts at Tileyard Studios Released by Gearbox Records


Liza Lo:

 

スペインとオランダで育ち、現在はロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター/プロデューサー/ミュージシャン。優しくも力強い歌声で愛、喪失、成長の物語を紡ぐことを特徴とし、ビッグ・シーフ、キャロル・キング、ドーターやローラ・マーリングなどからインスピレーションを受けながら、独自の親密で詩的な音楽世界を創り出している。

 

EP『Flourish』はSpotifyの 「New Music Friday UK/NL/BE 」に選出され、「The Most Beautiful Songs in the World 」プレイリストでも紹介された。2024年5月、Gearbox Recordsと契約。自身のUKヘッドライン・ツアー、ステフ・ストリングスやVraellのオープニングをUK各地で務めたほか、ハリソン・ストームとのEU/UKツアーもソールドアウトさせた。

 

2025年1月31日、ジョン・ケリー(ポール・マッカートニー、ケイト・ブッシュ)とバンドと共に制作したアルバム『ファミリア』をリリースした。